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道議会での取り組み
2009年第4回定例道議会

【花岡ユリ子道議、昆布生産、林業振興、知事のCM出演問題ただす】 09.12.04

2009年12月4日 予算特別委員会第2分科会質疑概要

質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員

水産林務部所管の問題

生産減少の昆布増産対策と後継者の育成支援強めよ

○花岡ユリ子委員

それでは、昆布の問題から質問したいと思います。

昆布は、本道を代表する水産物でありますが、近年、昆布の生産量が減少してきており、特に、ことしは生産量が大きく落ち込んでいると聞きます。

昆布の生産量が年々減少している実態と、ことしの生産が落ち込んだ理由について、まずお答えいただきたいと思います。

○幡宮照雄水産経営課参事

昆布の生産減少についてでありますが、本道の昆布の生産量は、平成5年以前は3万トン前後で推移をしておりましたが、雑海藻の繁茂による漁場の荒廃や磯焼けなどにより、道東地域のナガコンブや道南地域の真昆布などの生産量が減少いたしまして、平成18年以降は2万トンを下回る状況が続いております。

ことしについては、漁期前には、2万トンを超える生産量が予測されておりましたが、盛漁期になりまして、しけや雨天などの天候不順が続いたことから、操業日数が大きく減少いたしまして、生産量は1万8000トン程度にとどまると見込まれているところでございます。

以上です。

○花岡ユリ子委員

昆布の種類にもよるのかもしれませんけれども、とりわけ、道東のほうのナガコンブの落ち込みが大変顕著だなというふうに、グラフで見ました。こうなるまでに対策が立てられなかったのかどうか、ちょっと疑問に思っているのですが、その点はいかがですか。

○幡宮水産経営課参事

今御質問がございましたナガコンブの対策についてでございますが、ナガコンブは、雑海藻の繁茂により、生産が落ちてきているということでございまして、そのために、従来から、雑海藻の駆除に取り組んできたところでございます。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

いろんな魚もそうですが、昆布がとれなくなる、状況が悪くなるということは、海全体の生産量が落ち込んでいくものなのだろうなと思いますので、これほど昆布の量が減るというのは異常な状況なのかなと。私は漁師ではないし、親も昆布漁師ではないので、素人感覚でそういうふうに思って、ちょっと質問をさせていただきました。

それで、昆布は、漁業者にとって重要な資源でありますが、地域の方からは、昆布が減少して大変と聞きます。

昆布は、海の森として重要であり、本道の主要な水産物として生産を維持していかなければならないというふうに思っております。道として、昆布の生産増大策をどのように考えているのか、伺っておきます。

○幡宮水産経営課参事

昆布の生産増大対策についてでございますが、昆布漁業は、全道の漁業経営体のうち、約半数が従事する、本道を代表する漁業でありまして、昆布漁場の生産力の向上を図って、生産を安定させることが重要と考えているところでございます。

このため、道といたしましては、本年、昆布の生産回復を目指しまして、産地ごとに、各漁協と漁業団体、支庁、水産試験場などを構成員といたします地域の対策会議というものを設置するとともに、昆布漁場の状況や操業の実態等の調査を行っているところでございます。

また、各地域の対策会議を通じまして、これらの調査結果の情報提供を行うなど、漁協ごとの生産計画の策定や雑海藻の駆除の実施が円滑に進むよう、関係者と一体となって、昆布の生産増大に取り組んでいく考えでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

昆布の生産を維持するためには、担い手の確保も必要だというふうに思います。

浜中町では、後継者対策として独自の支援も行っていると聞きますが、道として、漁業後継者の育成や新たな担い手の確保をどのように進めるのか、そういう方向性は持っているのか、伺いたいと思います。

○藤島浩晃水産局長

担い手の育成確保についてでございますが、道といたしましては、今年度から、新たに、全道各地におきまして、漁業就業相談会を開催しておるほか、漁業に必要な技術や知識の習得のため、道立漁業研修所において、長期の総合研修や短期の漁業者入門研修などを実施しているところであります。

また、新規就労者が漁業経営を開始するに当たりましては、無利子である沿岸漁業改善資金などを融通しておるところでありまして、今後とも、担い手の育成確保に向けて取り組んでまいる考えでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

私も地域の方から伺ったのですが、浜中町では、減少する漁業後継者への対策として、霧多布高校を卒業し、将来後継者になるとして、茅部の漁業研修所に学ぶ漁師の卵に対して独自に支援を行って、とにかく、町を挙げて、昆布を守る漁業者として育てていく対策を立てているというふうにお聞きいたしました。

漁業者にとって、いいところもあるのかもしれませんけれども、やはり、厳しい状況になっている中で、北海道として、後継者を育てていくということに対して、もっと対策を強化する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○石井直志水産林務部長

担い手対策についての再度の御質問でございます。

ただいま水産局長からお答えしましたが、特に、ただいま委員からお話がありましたように、それぞれの地域の漁業の実態だとか、担い手、後継者の状況には、いろいろ違うものがございますので、例えば、北海道担い手センターだとか関係団体、さらには市町村などと連携いたしまして、道といたしましては、先ほどお答えしました研修所の中で、基本的な法律あるいは知識、技術を学んでいただき、さらには資格の取得をしていただく、これに対して、1年間の中でいろいろな取り組みをしているわけでございます。

そういう連携をした中での取り組みとともに、地域の中でそれぞれ取り組みをしていただくということで、特に、漁業以外からの新規就業者につきましては、地域の中での受け入れ体制というものがどうしても必要になりますので、これにつきましても、市町村とも連携をして、しっかりと取り組んでいく考えでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

やはり、北海道の最大の産業であります漁業が衰退していくということは問題があると思いますので、後継者を継続的に育てていく対策をさらに強めていただきたいということを申し述べて、この質問は終わります。

林業振興と担い手育成について、国に言うべきことは言い、必要な事業守れ

○花岡ユリ子委員

次に、林業振興と事業仕分けについて伺います。

本道の民有林における造林と伐採の状況や推移についてはどのようになっているのか、また、造林や伐採などの森林整備に対する助成はどのようになっているのか、伺います。

○森山昌人森林計画課長

民有林の造林と伐採の状況などについてでございますが、民有林の造林面積につきましては、平成16年度から20年度までの最近5カ年間では、6400ヘクタールから7300ヘクタールで推移しているところでございます。

人工林の伐採量につきましては、主伐は、平成16年度では101万立方メートル、平成20年度では163万立方メートルと増加しておりまして、間伐は、この間、65万立方メートルから86万立方メートルと、ほぼ横ばいで推移しているところでございます。

また、民有林の植林や下刈り、間伐などの森林整備につきましては、国の公共事業でございます森林環境保全整備事業や里山エリア再生交付金事業等によりまして、市町村や森林組合などに対しまして、国と道が約7割の助成を行っているところでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

林業労働者はどのような状況になっているのか、この点についてお答えいただきたいと思います。

○森田良二林業木材課参事

林業労働者の状況についてでございますが、本道の林業労働者数は、木材需要の低迷などから、長年にわたり減少を続け、道の実態調査では、平成17年度には3785人と、10年前の約半数となりましたが、人工林資源の成熟化などに伴いまして、林業の生産活動が活発化したことから、平成19年度には3981人に増加したところでございます。

また、林業労働者の年齢構成を見ますと、20歳代、30歳代の若年層の比率が増加傾向にありますが、依然として、60歳以上の労働者が35%を占めておりまして、将来にわたり安定的に森林整備を推進していくためには、若い方々の参入の促進と育成が必要となっているところでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

道として、森林整備の担い手をどのように育てていくのかということについて、お金の問題も含めて、どうなっているのか、伺いたいと思います。

○森田林業木材課参事

担い手育成に関します道としての対策についてでございますが、道といたしましては、森林整備担い手対策基金を設置しております。これは約130億円の基金でございますが、この基金の運用益を活用いたしまして、北海道森林整備担い手支援センターなどと連携いたしまして、労働条件等の改善や、技術、技能の向上などに取り組んでいるほか、新規就業者の研修などに対して支援する、国の、緑の雇用担い手対策事業の積極的な活用を図り、林業労働者の育成確保に取り組んでいるところであります。

○花岡ユリ子委員

先日、森林組合連合会にお話を伺いましたら、担い手の労働者の数が少しはふえてきた、こういうふうにおっしゃっておりました。やはり、この広い北海道の森林ですから、きちんと技能を持った熟練した労働者がいることも大事なのじゃないかなということを改めて勉強させていただきました。

それで、最後は、指摘にさせていただきますけれども、今、首相が表明した二酸化炭素の25%削減に反するような状況もありまして、里山再生に関する事業を有効に活用し、森林整備と林業振興を進めようとしていた市町村の計画にも大きな打撃となることは明らかです。国に言うべきことは言う、必要な事業を守るという立場で、皆さんには頑張っていただきたい、こういうふうに思っておりますので、この点について指摘をさせていただきます。

知事の「魚チェン」CM出演について

○花岡ユリ子委員

次に、知事の「魚チェン」について質問をしたいと思います。

知事出演のテレビCMなどについてですが、このキャンペーンの目的は何なのか、まずお答えいただきたいと思います。

○金森浩一水産経営課参事

キャンペーンの目的についてでございますが、今回のキャンペーンは、北海道おさかな普及協議会が、天然、安全、高品質な道産水産物の地産地消を推進し、消費の拡大を図ることを目的に実施しているものでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

それで、コマーシャルの問題なのですが、テレビCMの状況、内容はどういうものか、お答えください。

○金森水産経営課参事

テレビコマーシャルについてでございますが、アキサケ、ホタテ、昆布などの道産水産物の地産地消を推進し、消費の拡大を図ることを目的に、水産関係団体で構成する北海道おさかな普及協議会が、「道産宣言!“おさかなチェンジ”」をキャッチフレーズとしたキャンペーンの実施に伴い制作したものであり、道内の各テレビ局で、11月21日から1月末までの約2カ月間、総計で400本程度、放映されるものと聞いているところでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

知事主演のテレビCMの問題でいえば、過去に「米チェン」がテレビCMに出た経緯があります。当時、マスコミなどからも批判が上がって、知事から北島三郎氏にかわった経過があります。なぜ、また同じように、「魚チェン」ということを理由に知事を起用するに至ったのか、お答えいただきたいと思います。

○金森水産経営課参事

出演の経過についてでございますが、「道産宣言!“おさかなチェンジ”」キャンペーンの実施に当たり、北海道おさかな普及協議会から知事に対しまして、テレビコマーシャル等への出演について強い要請があったものでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

北海道の海産物を買って食べていただくということで、首都圏で放映するのなら、まだわかるのですよ。だけれども、北海道内で、知事がCMに出て、テレビを使って放映するということが妥当なのかどうか、この点について問題があるのじゃないかと私は思いますが、部長はどのようにお考えですか。(「部長が出ればよかったのだ」と呼ぶ者あり)そうです。部長が出ればよかったのです。

○石井水産林務部長

放映の時期等に関連いたしまして、お答えいたします。

テレビコマーシャル等についてでございますが、このたびのキャンペーンは、道産水産物の地産地消を推進するために、北海道おさかな普及協議会が実施することとしたものでございまして、放映時期等につきましては、水産物の消費拡大におきまして最も効果がありますなべ物のシーズン、要するに年末年始を中心に計画したものであるというふうに聞いております。

協議会におきましては、このキャンペーンによりまして、道民の皆さんが地元の水産物を食材として選んでいただくことが、何よりも生産者を元気づけるということ、もう一つは、北海道経済や地域づくりの大きな活力になるものと考えて、今回、知事に対して要請があったものと承知をしております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

知事は、私たち議員と同じように政治家で、そういう立場も持っていると思うのです。しかも、この放映は、来年の1月くらいまでやるわけですから、見る人からすれば、やはりおかしいのじゃないかという声が上がるのは当たり前だと思うのです。

私は、こういう問題はきちんと整理する必要がある、政治家の立場と知事の立場は別にするべきだと思うのです。選挙の1年前に、こういうふうにテレビを使ってどんどんと出てくるというのはやはり問題があると私は思いますが、部長はいかがお考えですか。(「東国原知事なら、もっと問題になるでしょう」と呼ぶ者あり)いや、あれは同じじゃないと思う。

○石井水産林務部長

先ほどもお答えいたしましたが、このたびのテレビコマーシャル等につきましては、あくまでも、道産水産物の地域における消費を何とか盛り上げていただきたいという強い要請がありましたので、知事としては、安全で安心な道産水産物を道民の皆さん一人一人にもっと食べていただきたい、愛していただきたいということで参加したものと理解をしております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

はい、わかりました。

先ほど、後ろのほうからも名前が出ましたけれども、私は、東国原さんみたいにやったらいいのじゃないかと思うのです。北海道じゃなくて、本州の消費地で大いに頑張って売っていただくのが、北海道の水産物を知らしめして、たくさん買っていただく最大の力になるのじゃないでしょうか。

そういう意味で、今回、知事がテレビCMに出演したことに対して、私たちは、やはり問題があるという見解でございます。この問題については、知事に直接お聞きしたいと思いますので、知事総括質疑に上げていただきたいと思います。

以上で終わります。


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[日本共産党道議団編集]

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