2009年12月4日 予算特別委員会第2分科会質疑概要
質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員
建設部所管の問題
道路整備と事業仕分けについて
○花岡ユリ子委員
それでは、道路整備と事業仕分けについて、まず伺いたいと思います。
道内の一般道路と街路のうち、新規事業採択時評価の対象事業は幾つなのか、平成16年度以降の推移について答弁をお願いしたいと思います。
あわせて、評価対象となる基準も示されたいと思います。よろしくお願いします。
○土栄正人道路課長
新規事業採択時評価の対象事業についてでございますが、国直轄事業と、道が事業主体となる補助事業を合わせまして、平成16年度新規事業として対象となったものは7事業、17年度は1事業、18年度は1事業、19年度は6事業、20年度は2事業となっております。
また、この評価は、国土交通省所管公共事業の新規事業採択時評価実施要領、及び、道路事業・街路事業に係る新規事業採択時評価実施要領細目によりまして、実施されているところでございまして、対象となる事業は、新設・改築事業となっているところでございます。
○花岡ユリ子委員
平成16年度から20年度まで、新規事業採択時評価の対象となった国直轄の国道は7事業で、事業費の合計は655億円、道が事業主体の一般地方道は4事業で、事業費は合計で229億円、また、道が事業主体となっている街路は6事業で、386億円となっています。
国直轄事業、道が事業主体の地方道と街路事業、それぞれに関して、費用対便益についてお答えいただきたいと思います。
○土栄道路課長
新規事業採択時評価の費用対便益についてでございますが、国直轄事業では1.8から4.5、道が事業主体の道路事業では1.8から3.8、道が事業主体の街路事業では1.1から5.0となってございます。
○花岡ユリ子委員
次に、費用対便益の一つの指標となります時間短縮効果の考え方について、実例なども含めながら、示していただきたいと思いますが、いかがですか。
○土栄道路課長
時間短縮効果についてでございますが、先ほどお答えいたしました実施要領におきましては、道路の整備、改良が行われることによりまして、当該道路の走行時間が短縮する効果に加えまして、周辺の既存道路から新設道路へ交通が転換することによりまして、その走行時間が短縮する効果を合わせて算定しているところでございます。
例えば、平成20年度新規事業として対象となりました、バイパス道路の新設事業である国直轄事業の富良野北道路で申し上げますと、既存道路を走行した場合は8.8分を要するものが、新設道路を走行した場合は4.9分になるとされているところでございます。
また、既存道路を走行する車につきましても、8.8分から7.9分へと短縮されるとしているところでございます。
○花岡ユリ子委員
昨日の新聞各紙に、道内の18国道が凍結の可能性もあるという記事が載りましたが、凍結されないで完成した暁には、今度は維持修繕費が発生します。
例えば、新設の上別保道路あるいは生田原道路を例に、供用後40年間の維持修繕費をどう見ているのか、お答えいただきたいと思います。
○土栄道路課長
国道の維持修繕費についてでございますが、国土交通省が行いました新規事業採択時評価のデータによりますと、供用後40年間で、上別保道路につきましては22億円、生田原道路につきましては35億円とされているところでございます。
○花岡ユリ子委員
今答弁がありましたが、新設の道路だけで、毎年毎年、5000万円から9000万円の維持負担が発生するのですよね。国道ですから、使うのは国民の税金です。加えて、既存の旧道の維持管理だって必要なわけです。
今、個別の道路事業について、よい悪いなどということは私も言うつもりはありません。しかし、さまざまな角度から見た場合、国民、納税者に対しての情報公開、あるいは、ダムも道路も見直すべきはものは見直していく、こういうことをやっぱりやっていかなければならないのじゃないだろうかというふうに思いますが、部長の答弁をいただけるでしょうか。
○宮木康二建設部長
公共事業の執行についてでございますが、公共事業の効率的な執行のためには、事業評価を節目節目で適切に実施することが重要であると考えております。
また、その実施に当たりましても、やはり、情報交換というのが大事なことであると思っております。
国の事業に関しましても、そのような情報公開が適切に行われるよう、これからも国に要請してまいりたいというふうに考えております。
○花岡ユリ子委員
新しく道路をつくると、車の走行としては速くなるかもしれませんけれども、財政的な問題としては、先ほども示したように、維持管理だけでも大変なお金をかけることになるわけですから、本当にその道路の必要性があるのかどうか、こういう問題については、これからの北海道の道路網の問題にもなると思いますので、知事にもお聞きしたいと思います。知事総括質疑に上げていただきたいと思います。
経済効果高い自治体の住宅リフォーム助成を積極的に支援せよ
○花岡ユリ子委員
それでは次に、リフォーム問題について伺っていきたいと思います。
道内の新築住宅の着工戸数に関して、この5年間の推移について伺いたいと思います。
そのうち、戸建て住宅の状況はどうなっているのか、伺います。
○池本典子建築指導課長
道内における新築住宅着工戸数の推移についてでございますが、過去5年間の、戸建て住宅や共同住宅などを含む新築住宅の着工戸数は、平成16年度は4万8148戸、17年度は5万3048戸、18年度は4万9946戸、19年度は4万2397戸、20年度は3万6050戸となっております。
また、そのうち、戸建て住宅につきましては、平成16年度は1万6108戸、17年度は1万5834戸、18年度は1万6167戸、19年度は1万4727戸、20年度は1万3513戸となっております。
○花岡ユリ子委員
数字をお答えいただきましたが、この数字を見ましても、共同住宅もそうですけれども、とりわけ、戸建ての住宅の建設が落ち込んできているのではないかというふうに推測いたします。
そういう中で、今、全国でリフォーム助成が広がっています。道内では、高齢者向けや耐震化などに限定しないリフォーム助成制度を持っている自治体はどのくらいあるのか、伺っておきたいと思います。
○池本建築指導課長
道内の自治体のリフォーム助成についてでございますが、高齢者向けや耐震化などに限定しない、民間住宅の改修に対する補助制度を有している市町村は、現在、岩見沢市や月形町など14市町村であると承知しております。
○花岡ユリ子委員
住宅リフォームの経済指標として、住宅着工戸数も一つの目安となります。建築は、すそ野が広い分野でありますから、全国では、リフォーム事業の経済効果も高いという数値が明らかにされています。不況の中にある北海道の経済を底上げするためにも有効と思います。
道として、道内で今行っている自治体も含めまして、リフォーム助成という制度も大いに推進していく必要があるのではないかと思いますが、見解を伺います。
○山田博人住宅局長
リフォームの支援策についてでございますが、既存住宅の長寿命化や居住性の向上、さらには、地域の住宅産業の活性化という観点から、住宅リフォームの促進が必要であると考えておりまして、道では、住宅の性能向上リフォームマニュアルなどを作成しているほか、技術講習会を開催し、リフォームの普及啓発と技術力の向上に努めているところでございます。
また、一部の市町村でも、定住促進など、それぞれの地域の実情に応じまして、リフォーム工事に対する助成が行われているところでございます。
国におきましては、平成17年度に地域住宅交付金制度を創設いたしまして、リフォーム工事に助成を行う市町村に対して補助してきており、今後とも、市町村に対して、この交付金の積極的な活用を促してまいります。
また、道におきましては、消費者の方々が安心してリフォーム工事を行えますよう、本年3月から、道独自に、リフォーム事業者の登録制度を創設いたしまして、情報提供を開始したところでございます。
今後とも、市町村や関係団体などと連携し、消費者向けセミナーの開催などの取り組みを進め、住宅リフォームの促進に努めてまいりたいと考えております。
○花岡ユリ子委員
道内で以前から行っている岩見沢市や名寄市でのこの間のリフォーム助成によって、経済効果がどの程度あるのか、こういうことについて、もしわかっていたら、そちらのほうから答えていただきたいのですけれども、わかっていますか。
それでは、お願いします。
○池本建築指導課長
経済効果についてでございますが、岩見沢市における聞き取り調査の結果がございますので、お話をさせていただきます。
平成20年度の岩見沢市住宅リフォーム助成の実績は、334件、補助額が5202万4000円、工事費総額が5億9929万4000円と伺っているところでございます。
○花岡ユリ子委員
今の数字をもとにすると、経済効果は11.52倍になるだろうというふうに言われています。
私は、今、全道の市町村の中では、リフォーム助成について検討しているところもあるのじゃないかと思いますので、ぜひ、道としても、いろんな形で支援をして、経済を底上げしていくためにも、積極的に一役買う、そういう方向をとるべきではないかということで、この問題は終わらせていただきます。
道営住宅は削減でなく建設を
○花岡ユリ子委員
次は、道営住宅の問題についてです。
道営住宅の直近の応募倍率はどうなっているのか、伺います。
○石塚弘住宅課長
応募倍率についてでございますが、平成20年度は、1101戸の募集に対しまして、1万4358世帯の応募がございまして、応募倍率は13倍でございます。
近年は、同程度の傾向で推移しているところでございます。
以上です。
○花岡ユリ子委員
現在、国では、長寿命化など、ストックを重視した政策がとられていますけれども、道におけるストックの保全活用はどのようにしているのか、お答えください。
○石塚住宅課長
道営住宅ストックの保全活用の考え方についてでありますが、道では、地域の住宅事情や地域特性に適切に対応しまして、居住水準の向上を図るため、老朽化が進んでいる住宅については建てかえまたは用途廃止、躯体の長期使用が可能な住宅につきましては全面的改善、今後、一定期間、維持管理する団地につきましては修繕や個別改善を計画的に実施しまして、その保全活用を進めているところでございます。
以上でございます。
○花岡ユリ子委員
道の方針では、10年間で道営住宅を1300戸減らすこととなっています。ますます倍率が高くなるだけではないかというふうに心配します。
住宅の保障は行政の責任です。戸数を減らすのではなく、高齢者対応や障がい者対応の住宅など、もっとふやすべきではないか。
しかも、先ほど、リフォームに関するところでも言いましたけれども、建築分野そのものは経済効果が大変あるわけですから、ダムのような、むだな公共事業は減らして、住民の皆さんや道民の皆さんが今最も求めている住宅の建築あるいは道営住宅の建設、こういうところにシフトしていく必要があるのではないかというふうに思っておりますが、部長はどのようにお考えでしょうか。
○宮木建設部長
道営住宅の整備についてでございますが、平成18年度に策定いたしました北海道住生活基本計画におきまして、低所得者や高齢者、障がい者などの住宅困窮者に対しまして、セーフティーネットとしての公営住宅の役割は、少子・高齢化の進行とともに、ますます重要になるものとしているところでございます。
また、この計画におきましては、公営住宅の整備に当たり、地域の住民生活に最も身近な自治体であります市町村が主体的に進め、道は、その補完的な役割を担うことを基本としているところでございます。
この計画期間内におきます道営住宅の整備目標は約3000戸としておりまして、道の財政は非常に厳しい状況にはありますが、市町村の住宅・福祉政策と連携を図り、シルバーハウジングや子育て支援住宅など、安全で安心して暮らせる道営住宅の整備を計画的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
○花岡ユリ子委員
部長の答弁の中で、基本的には市町村が主体的にということですけれども、住宅を保障するという点でいえば、やっぱり、北海道も同じ役割を持つのだろうと思います。
ですから、市町村と十分議論をし、どのくらいの戸数が必要なのかということも含めまして、市町村と十分な連携を持ちながら、やることが必要ではないのかなと思っていますので、ぜひ、その点も含めまして、北海道全体で、きちんとした住宅政策を確立するように求めておきたいというふうに思います。
以上で終わります。