【真下紀子道議、学校耐震化、通学費と高校配置、就職支援、授業内容への介入などただす】 | 09.10.06 |
AEDについては、平成19年――2007年に全校に設置をされました。一般市民でも救命のためにAEDを活用できるようになって5年余り、市民による使用は年々増加し、1ヵ月生存率も上昇するなど、致命率の向上に貢献してきたわけですが、設置場所や使用方法などによって、救命できない課題が残っています。道教委は、設置場所の状況をどのように把握しているのか、まず伺います。
また、特別支援学校では、56校のうち、保健室に設置している学校が22校と最も多く、次いで、職員室が10校、寄宿舎が9校などとなっているところでございます。
学校におきましては、AEDの設置場所を知らせるため、学校配置図への表示やポスターの掲示を行いますとともに、「保健だより」にAEDを紹介する文章を載せ、児童生徒や保護者への周知を図るなど、緊急時に備えた対応を行っているところでございます。
それでは、活用状況についてですけれども、各学校で創意工夫されているということですが、どのような状況でしょうか。
道教委といたしましては、こうしたことから、養護教諭や体育科の教員、市町村教育委員会の職員を対象とした各種研修会や心肺蘇生法実技講習会を実施してきており、こうした場で、AEDの取り扱い方などの指導を行っているところでございます。
また、道立学校におきましては、それぞれの学校で、職員を対象とした心肺蘇生法講習会を実施し事故が発生した場合に、教職員が迅速かつ的確に対応できるよう、取り組んでいるところでございます。
それで、教職員だけではなく、対象をもっと広く考えて、救命の輪を広げるために、道教委として積極的に取り組むべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
8月に起こった駿河湾沖地震では、震度6弱で東名高速道路が崩壊しています。
学校施設は、災害時における地域住民の避難場所など、防災の拠点になるため、耐震化は待ったなしの課題であります。
文部科学省は、昨年、倒壊の危険性が高い学校について、2011年度までに耐震化を完了させる目標を掲げて、財政支援も強めたわけですけれども、道内の耐震化はどこまで進んだのか、幼稚園、小・中・高校ごとにお示しをいただきたいと思います。
また、今年度から、小中学校で104市町村の546棟、幼稚園で3市町の3棟、高等学校では、道立高校の2棟と、1市の1棟の計3棟が耐震化に取り組む予定となっておりまして、これらがすべて耐震化された場合、公立小中学校の耐震化率は63.6%、幼稚園では54.5%、高等学校では90%となる見込みでございます。
以上でございます。
国は、学校の耐震診断の結果について公表するように義務づけていますけれども、道内では、未公表の自治体が、4月1日現在で60もあります。このことについてはどうお考えでしょうか。
未公表の市町村につきましては、来年の3月までに18の市町村が公表を予定しており、残りの3町につきましては、2次診断を実施した後で公表を予定しておりますが、できる限り早期に公表するよう、働きかけてまいりたいと考えております。
学校施設の耐震化を進めるため、耐震診断などの進んでいない市町村に対し、職員を派遣しまして、直接、耐震診断や耐震化を働きかけるほか、知事部局の協力を得ながら、市町村に技術職員を派遣して行う1次診断モデル事業や、道教委が独自に開発した1次診断ソフトの全市町村への配付、さらには、診断ソフトの使用に関する技術者研修会を開催するなど、人的・技術的支援を行ってきたところでございます。
道教委といたしましては、今後とも、設置者である市町村に、国の助成制度を積極的に活用し、早期に耐震化するよう働きかけるとともに、財政負担の軽減を図るため、制度の拡充と必要な財源の確保について、知事部局などと連携を図りながら、国に対し強く働きかけてまいりたいと考えております。
今年度の通学費等補助事業の実施状況についてですけれども、通学補助、下宿、間借りの補助決定者数、及び、対象ではあるけれども、補助金を受けない生徒数など、全体状況について示してください。
また、交付申請がない者は353名となっており、その内訳は、年間所得額が所得基準額を超えていた者が38名、補助要件として設定した1万3000円を超える公共交通機関の利用がない者などが288名、部屋代が1万3000円に満たない寄宿舎に入寮している者などが24名、そのほかに、市町村からの補助による者が3名となっているところでございます。
今、9900円の授業料を払うのも困難になっている世帯がふえている中で、さらに1万3000円までは負担させるのだと、こういうことはやるべきではないと思いますし、これは引き下げるべきだと思います。教育格差を拡大させるような計画はまず見直すことが必要だと指摘しておきます。
次に、補助金を受けている生徒の状況についてなのですけれども、沼田は1人、和寒と風連、由仁に至ってはゼロです。浦幌については、帯広の学校まで、JRとバスを併用して、所要時間が11O分もかかるということになっています。
通学、下宿などの補助を受けている生徒がそれぞれ6人なのに対し補助を受けていない通学生は52人もいて、下宿などの生徒も33人もいるわけです。補助対象地域の生徒の4分の3以上が、この制度の恩恵を受けられない原因というのをどのように分析しているのか、伺います。
今年度、交付申請がない353名のうち、80%を超える288名が、通学費が1万3000円を下回ることによるものとなっておりますが、その要因といたしましては、JRを利用して比較的近隣の学校に通学する者が多かったこと、通常、JRとバスの併用による通学が想定される区間において、JR駅からバスを利用せず、徒歩や自転車により通学していた者が多かったことなどが考えられるところでございます。
次ですが、遠距離通学が著しいところとして、浦幌は、先ほど言ったように110分かかるのです。浜益は84分かかり、そして、平成23年度から募集停止となる中川から美深までは84分かかるのです。
私が旭川から札幌まで来るのに、JRの特急で80分かかります。年齢も違いますけれども、相当疲れます。毎日毎日これで通学するということになりますと、部活もできないですし、本当に大変です。公共交通の所要時間がこれだけで、さらに、駅から、自宅、学校までの時間が加わるわけです。
教育関係者と私ども日本共産党の石狩市議が一緒に浜益地区の保護者からお話を伺いました。
長くバスに乗っていて、おなかが痛くなったと。トイレのないバスの中で心配になりますよね。トイレに行けないというのは人権問題です。
それから、下宿代への道の補助が上限2万2000円だけれども、下宿すれば、実際には、食費を含めて1ヵ月で7万円から10万円かかる、高校時代にお金がかかれば、それ以上の進学はあきらめるといったお話まで出ているわけです。
石狩市教委からも制度の拡充の要望が出されており、5年間という期限を撤廃して、上限額を見直すなど、制度を拡大すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
また、補助期間につきましては、募集停止となる前年度に中学生であった生徒が高校を卒業するまで補助金を支給できるよう、5年間とするなど、激変緩和措置として制度化したものであるところでございます。
今後におきましては、補助事業の対象となる生徒はもとより、対象とならない生徒につきましても、通学費の負担状況などの実態の把握に努めまして、分析、検証を進めてまいりたいと考えております。
通学区域の拡大の議論のときに、通学時間はおおむね60分としていたのではなかったかと思いますけれども、これから、分析、検証するということであれば、家から出た時問、帰宅した時間等も含めて、実態をよく把握していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
道教委といたしましては、今後、ただいま御指摘の点も含めまして、通学やそれに伴う負担の状況、さらには進路動向等の正確な把握ということに可能な限り努めてまいりまして、高校再編後における生徒の修学実態の分析、検証をさらに進めてまいりたいと考えております。
進学希望状況をどのように把握しているのか、また、設置の見通しについてはどうかということを端的に伺いたいと思います。
現段階において正確に推計することには難しい課題があると考えてはおりますが、高等養護学校に対する進学希望のニーズは、今後も続くものと考えられているところでございます。
いずれにしましても、道教委としては、できるだけ身近な地域におきまして指導や支援が受けられる体制を整備することを示した、特別支援教育に関する基本方針の考え方を踏まえながら、既存の特別支援学校の設置状況や、児童生徒の状況などを十分に考慮するとともに、ただいま申し上げました進学希望の動向なども踏まえ、必要となる受け入れに支障を来すことのないよう努めてまいりたい、このように考えております。
道内の高校卒業予定者の求人倍率の状況は、7月末現在で0.26倍と、昨年同時期の0.40倍よりもさらに落ち込んでいます。卒業した途端に失業者という状況を生まないための対策が切実に望まれているわけです。
まず、道内の14の各教育局に配置をされております進路相談員の主な取り組み事項について、昨年度の実績を具体的に示してください。
各教育局からの報告をまとめましたところ、昨年度におきましては、延べ1544社への企業訪問、延べ4027名の生徒に対する個別・集団面接、延べ265回の生徒に対する進路説明会などを実施したところでございます。
ところが、管内の最終的な就職決定状況は、地域によって差異がありまして、宗谷が93.8%に対して、事業所が圧倒的に多い石狩は70.2%にとどまっています。さまざまな要因が考えられるわけですけれども、就職が厳しい管内には増員を図るべきです。一律に1人ということに、いつまでもこだわっていないで、増員すべきではないかと思いますが、いかがですか。
その原因は、一概に申し上げることはできませんが、石狩管内は事業所の数も大変多うございますが、全道一円から就職希望者が集まることや、就職試験を一度も受験しないまま卒業した生徒が240名に上っており、生徒や保護者の意識に問題があることなどが考えられております。
こうしたことから、進路相談員を活用した求人開拓の強化や、学校の進路指導の充実が一層求められているところでございます。
道教委といたしましては、石狩管内と同様の課題を持つ管内も少なくないことから、道経済部と連携し、各教育局ごとの実態に即した就職支援の充実方策について検討してまいりたいと考えております。
また、高等学校におきます就労支援やキャリア教育についてでございますけれども、現在、国の、特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議におきまして、高等学校における特別支援教育の推進についての検討を進めているところであり、平成21年8月に出されました、当該会議のワーキンググループによる報告書の中では、
と報告されているところでございます。高等学校においては、将来の自立と社会参加に向けた適切な進路指導を行うことが重要であるが、とりわけ発達障害のある生徒に対してキャリア教育・職業教育を行うに当たっては、自己の抱える学習や社会生活上の困難について総合的に適切な理解を深め、職業適性や困難さを乗り越えるための対処方法を身につけることができるよう、適切な指導や支援を行うことが必要である。
特別支援教育によって、進学率が若干ながら上向いているわけですけれども、高等学校における発達障害支援モデル事業については、本道でも、平成19年度から、名寄農業高校、士別東高校、札幌北高定時制が指定校となっておりまして、他県でも取り組んでおり、就労支援をかなり重要視していると承知しております。
道内の三つのモデル校における就労支援やキャリア教育の位置づけ、及び、モデル事業が終了した名寄農業高校の実践について、あわせて御説明いただきたいと思います。
モデル校に指定された三つの高校におきましては、就業体験の工夫や、ハローワーク等の関係機関との連携促進など、発達障がいのある生徒に対する就労支援に取り組んできているところでございます。
モデル校でありました名寄農業高校の具体例で申し上げますと、発達障がいのある生徒に対する就労支援を、高校3年間のさまざまな教育活動を通じて、生徒に社会的な自立心を養う指導及び支援と位置づけ、2年生の総合的な学習の時間を活用した5日間のインターンシップの際に、特に、発達障がいのある生徒の実習先に対して、個々の生徒の障がいの特性などを踏まえた配慮すべき事項について、あらかじめ打ち合わせをするなど、実習先との連携を工夫することによって、発達障がいのある生徒の社会性や自立心が養われ、効果があったとの報告を受けているところであります。
進路担当の高校の先生から伺ったのですけれども、4月になっても就職が決まらない卒業生の中には、少なくない発達障がいの子どもが含まれているということです。
進路相談員やハローワーク、それから、実績のある特別支援学校などと連携をして、早期からのソーシャルスキルトレーニングの実施や、企業、経済団体の理解の促進などに取り組む必要があると考えます。道教委の今後の施策について、お考えを伺います。
また、道においては、障がい者の就労や生活を支援するための、教育と労働、福祉等の関係機関、企業等が連携する障がい者就業・生活支援センターが設置されているところでございまして、道教委といたしましては、今後とも、高等学校において、こうした機関を積極的に活用するなどして、発達障がいのある生徒に対する適切な就労支援が行われるよう、指導助言に努めてまいります。
毎年、同じような分析結果なのにもかかわらず、年間で約60億円もの予算をかけて、わざわざ全員参加方式の調査を行う必要はない、その分をほかに振り向けたほうがいいという声が現場や教育委員会には根強いと考えますけれども、この点はいかがでしょうか。
また加えて、子どもや保護者にとっても、どの程度、学習内容を理解しているかを把握し、具体的な目標を持って、その後の学習に取り組むことができるものと考えております。
以上でございます。
教育長は、先日、自民党会派の質問に対して、子どもたちの確かな学力の向上を図る上で意義あるものと述べまして、これまでどおり全員参加方式の調査を続けるべきだと強弁しました。その立場は、今回の選挙公約では自民党だけです。ほかの政党は、抽出調査に改めるべきとの方針ですけれども、教育長は今もその立場に変わりがないのかどうか、伺っておきたいと思います。
道教委といたしましては、今後の調査の実施方法などにつきましては、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
そうした中で、先ほど私あるいは課長から申し上げたように、国、都道府県の教育委員会、市町村教育委員会、学校、そして保護者、児童にとっても、それぞれ意義を持つものだというふうに考えているところでございます。
そういう中で、先般、文部科学大臣が、就任時の記者会見で、この学力調査の見直しについて言及されたところでございますが、いずれにしましても、調査方法などについて、幅広く意見を聴取し、検討するというふうな考え方をお示ししておりますことから、そうした国の動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。
改正前の教育基本法は、「教育行政は、(中略)教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行わなければならない。」としていたわけです。
学カテストの調査結果から、学力向上や生徒の生活にかかわって、少人数学級や、授業の充実のための授業準備時間の確保など、教育諸条件の改善は検討したのでしょうか。していないというふうにしか思えないのですけれども、していなかったとしたら、なぜなのか、その理由も含めてお答えください。
こうした中、道教委といたしましては、全国学力・学習状況調査の結果も踏まえ、学力向上に向けた各学校の取り組みを支援してきたところでありますが、今年度の調査において、全国の平均正答率との差は縮まっているものの、依然として全国より低い状況であり、危機感を持って対応する必要があると考え、学力向上対策チームを立ち上げ、学力向上にかかわる施策の総点検や、新たな施策の検討を行っているところでございます。
この学力調査が意義あるものになるためには、道教委がどういう対応をとるか、少人数学級を進めるのか、学校の耐震化を進めるのかなど、さまざまな問題があると思うのですが、そこのところに取り組まない限りは、これは、幾らやっても、むだになってしまいますので、抽出調査でいいという声も当然だと指摘をしておきたいと思います。
道教委は、今回、9月7日に通知を出しまして、帯広市内の道立高校の公民の授業の教材として社説が1社だけ使われたことについて、「特定の政党の政策について偏った認識を生徒に持たせかねない不適切な指導が行われた」としていますけれども、そもそも、道教委が、今回、不適切だと判断した具体的な事実は何でしょうか。教育現場の裁量を超えてまで道教委が判断した、その判断基準は何によって定められているのか。特に、特定の論調の影響とは何を指すのか、お答えください。
それで、この判断基準というのは、道教委の通知にも書いてあるとおり、教育基本法に基づいて、特定の政党を支持する、あるいは反対することをやってはならない、ここなのですよね。授業のどこがそれに相当するのか、お示しください。
結局、教育基本法が禁じている、特定の政党を支持し、または、これに反対するための政治教育や政治的活動というのは行われていないのですよ。社説は、政党の主張ではないわけですし、政党活動でもないわけです。それをもって不適切というのは行き過ぎています。
それで、確認しておきたいのですけれども、この授業で、空欄補充という方法をとっていますけれども、これについては問題ないということでいいですか。
後でもう一回質問しますけれども、学校教育活動に関して、保護者や地域住民から要望や意見があった場合に、当該校において、直接、当事者間の話し合いなどを通じて問題の解決を図るという――教育の主体は学校ですから、問題の解決を学校で行うということが一般的な対応であって、事実、これまではそうだったと考えますけれども、いかがですか。
その際には、情報提供者の職業等は尋ねていないため、属性による整理は行っていないところでございます。
今回のことについては、皆さんは、属性による整理は行っていないとおっしゃいますが、当人の道議会議員の方がしっかりと書いております。
まず、8月26日です。
と書いてあります。教師が生徒に「特定の政党の情報を流す」という非常識なことを学校内でしているようなのです。
今後、道教委や学校が事実確認の調査を始めると思いますが、その結果と僕の情報とが余りにも食い違う場合には、事実関係をはっきりさせるために、僕としても然るべき措置を取らざるを得ません。
それから、9月11日です。
と書いてあります。自民党の有力な道議会議員ですけれども、この方が指摘をしているわけです。僕は、実際に「授業で使うには偏った資料ではないか」と保護者の方から指摘をされた事実を重く受け止め、そういう声が出来るだけ出ないようにする仕組みを道教委に作って欲しいと思い、この件を指摘をさせていただいたのです。
私は、御自身の考えをブログにリアルタイムで書くのはいいとしても、政治家として――当時は政権与党だったわけですが、その政権与党の有力な道議会議員が道教委に対して指摘をするときには、やはり、慎重さが必要だったのではないかと思いますし、自重が求められたのではないかと思います。
それで、皆さんは答えにくいから答えないのだと思うのですけれども、この道議会議員のブログに書いてありますが、これは事実と違いますか。
先ほど、道教委は、情報提供が外部からあった場合、それがどのような方であっても、道教委としての責任と権限に照らして、しかるべく対応していると。
では、このブログに書いてあるような、今回の情報提供に対して、最後はどのように報告して、どのようにしかるべく対応したのでしょうか。答えられますか。
このため、中立性の確保と道民に対する説明責任を果たすため、他に同様の事例がないか、確認することとし、すべての道立高校を対象に調査を行ったものでございます。
事実として、そう対処したことを、指摘した外部の方にきちっと報告されたのですかと聞いているのです。
その後の通知についてなのですけれども、翌日までに回答を求める異例の緊急調査を行っているわけです。これは初めてのことです。
どのような検証過程、協議を経て、どこで、どのように決定をしたのか。先ほど来おっしゃっていますように、道民への説明責任を果たす意味で、答弁をいただきたいと思います。
先ほど言った通知にあったように、教育基本法のどこに抵触しているかということを具体的に説明されていません。道教委が不適切だと判断したから、慎重さを欠いたものだと、こう言っているだけにすぎないのではないかと思います。
それで、対応についてなのですけれども、こうした緊急な措置ということをとらずに、社説を前提とした説明が不十分だったと調査の段階で明らかになったということであれば、当該校長と教職員に対して、当事者間で説明をして、指摘して、そこにいる先生ですから、次の授業のときに補完をする、そういうことで解決できたのではないかと思いますけれども、こういう解決方法はあり得ないのですか。
当然、そういう方法もあるというふうに検討したのでしょう、今までの前例踏襲なら。
真下さんは、別な日に、別な授業をやったらどうだったのですかと、そういう趣旨で聞いているのですよ。それについて答えていないのです。それはいいのか悪いのか、そういうことは考えていないとか、そんな答弁ならかみ合いますよ。同じ答弁を繰り返しているだけでしょう。
仮に、道教委の今回の判断と対応が容認されることになりますと、道内すべての学校のあらゆる教育活動が、道民から指摘があり、道教委が、配慮、工夫が足りない、慎重さが足りないと判断すれば、いつでも、不適切な指導となってしまうのではないですか、どうなのですか。
その上で、道教委といたしましては、このたびの授業におきましては、社説を授業で取り上げる際に必要な指導上の工夫や配慮がなく、教育の中立性を確保するための慎重さを欠いていたものと考えたところでございます。
道教委といたしましては、各学校において、自主性や創意工夫を発揮しながら、魅力ある学校づくりを進めていくことは大切なことであると考えておりますが、教育の中立性の確保に係る問題がある場合などは、道民の皆様の信頼を得るためにも、適切に対応していく必要があるものと考えております。
今回の場合は、学校には自由裁量があるわけですが、その自由裁量に踏み込んで、道教委は、道教委の判断を押しつけているだけで、その前にやるべきことをやっていないじゃないですか。
教授の具体的内容及び方法における自由な裁量というのが奪われて、現場の教員に及ぼす萎縮効果ははかり知れないものがあります。道教委に、授業内容に介入する権限が与えられていることにはならないわけです。このことははっきり申し上げておきます。
本来、教育委員会の仕事というのは、教員に対する不当な支配から保護すべき職務上の義務があるわけで、それを果たすのが皆さんの仕事なのです。逆に、一緒になって、不当な支配をするような道教委になってはならないのじゃないでしょうか。
私は、今回の道教委の判断は、慎重さを欠き、拙速だったと言わざるを得ないというふうに思います。
ここまで大きくなった問題ですから、やっぱり、教育基本法の生まれ、ここのところに一度立ち戻って――戦争を経て、戦後、民主主義教育を進めていくと日本の国民が決意した、その初心に戻って話を進めなくてはならないところまで、押し迫ってきていると私は思います。
そこで、最後に教育委員長にお伺いしたいのですけれども、終戦までの日本の教育は、教育勅語に基づいて、国家のための、国家による、国家の教育であり、中央集権的な教育であったことの反省に立ち、また、憲法によって、教育を受けることは基本的権利であることが確立されたことを受けて、終戦直後、教育基本法が定められています。
教育の独立性については、国家や行政が教育の内容に不当に介入することを厳しく抑制しているものと考えますけれども、この教育基本法が生まれたときの初心を、教育委員長の言葉で伝えていただけないでしょうか。
教育の基本理念、義務教育の無償化、教育の機会均等、教育行政の責任を定めるなど、すべての国内の教育法規の根幹となるものとして定めまして、まさに、戦後の教育を発展させてきた原動力になったものと認識しております。
その後、平成18年に教育基本法は改正をされました。改正前の理念は、基本的にしっかりと受け継がれているものと認識をしておりますが、特に、教育行政にかかわりましては、第16条におきまして、教育が、国民全体の意思に基づいて、中立性かつ不偏不党性を確保しつつ行われる必要があることから、国民の代表者で構成される国会において制定された法律の定めるところにより行われるべき旨が規定されているというふうに承知をしております。
以上でございます。
憲法と法のもとで行われるべきということですが、今の議論を通じてもおわかりになったように、教育基本法のどこに抵触をしているのか、どこに違反行為があったのかということを、今回の事例では道教委は説明し切れていません。残念ながら、こういう実態があるということなのです。
今回の事例があったのは私の母校なのです。私は、自分が卒業した学校で、こういう教育が行われていたということを誇りに思います。
そして、教育委員長の今の答弁を聞いて、ああ、これからも頑張っていかなきゃいけないなと思いました。本当にありがとうございました。
終わります。
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]