【真下紀子道議、ザラポヤ対策、木質バイオマス利用、大規模林道の中止などただす】 | 09.10.02 |
9月18日に、私も、いぶり噴火湾漁協の豊浦支所で現地調査を行いました。私ども共産党の国会事務所、道議会ともども、八雲町でも調査を行いまして、あわせて、道のほうにも既に対策要望をしているところです。
その中で、本当に衝撃的だったのは、付着物の除去に伴う作業量や、沖洗いのために往復しなければならない燃料が増加していました。
例えば、仕掛けが付着物の重みで落ちないようにするため、浮き球は、今まで1メートルに1個でよかったのが、今は、3個、4個と多くしなければ沈んでしまいます。それから、陸に揚げてからは、洗浄時間も長くなって、電気代が余計にかかりますし、作業効率が非常に落ちています。
それで、浮き球の場合は1個2000円以上で、数百メートルの仕掛けですから、規模によっては、500個から1000個以上の買い増しが必要になっているということで、買わないと間に合わないわけですから、実際に既に買っている方もたくさんいらっしゃって、その費用は膨大になっていると思うのです。
また、廃棄物処理についても、豊浦は1トン2000円ということで、やや低額なのかなとは思いましたけれども、それでも、処分揚がいっぱいになっているのです。町としても新しい処分揚が必要になるような実態ですし、とにかく、対策をとらなければ、ホタテ漁業の経営自体がやっていけなくなるということです。
さらに、冬場は、耳つりの準備をするそうですけれども、道南の市町村では、各地域から熟練された出面さんを雇っているということで、八雲のほうでは既に廃業を決められた方がいらっしゃるという情報も出ていますので、地域の雇用とあわせて、地域経済に対する影響というのははかり知れないと思います。
それで、質問が重なっていますので、簡潔に答えていただいて構いません。よろしくお願いいたします。
初めに、ザラボヤ等によるホタテ被害が甚大だということですけれども、付着物の状況についてお答えください。
以上です。
ことしの4月23日に、国会で初めて、紙智子参議院議員がザラボヤについて質問しておりまして、当時の自公政権下で、石破大臣が、実態を把握して、これまでの助成や融資で対応すると答えていたのですけれども、道としては、現状についてどのように把握してきたのでしょうか。
以上でございます。
このため、今後とも、水産試験場や指導所による海洋環境調査、プランクトンや付着物のモニタリング調査を継続し、データの蓄積に努めるとともに、大学や国の研究機関との連携も図り、ザラボヤの生態や大量発生の要因などの解明に取り組んでまいります。
以上です。
紙参議が4月の質問でも取り上げているのですけれども、ザラボヤなどを有害生物に指定するため、対策事業の指定について要件緩和を求めていく、このことについては、国のほうも頑張ってやってくれるのじゃないかと思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
道としては、ザラボヤ等の付着による漁業被害が、噴火湾全域で発生してございますことから、ザラボヤ等が本事業の有害生物に指定され、対策が講じられるよう、国に要請していくこととしております。
以上でございます。
次に、付着物の除去や浮き球購入への支援についてなのですけれども、先はどもお話ししましたように、付着物除去費用への支援が不可欠だと実感をしてまいりました。また、浮き球についても、既に購入されている方も含めて、やっぱり、支援していくことを国とともに実施すべきではないかと考えます。
また、共済制度についても、活用することが考えられていると思いますが、あわせて答弁してもらってもいいですか。
また、道といたしましては、緊急的な措置として、付着物の増大に伴う浮き球の整備や、付着物の処理費の増大に対し、地域政策総合補助金の活用について検討しているところでございます。
引き続きまして、漁業共済制度の活用についてでございますが、この制度は、災害や不漁等による漁業収入の減少を補てんする制度でありまして、ザラボヤ等の付着物により、水揚げ額が減少をした場合などにおいても対象となるものでございます。
道といたしましては、引き続き、漁業共済組合と連携し加入促進等に取り組んでまいりたいと考えております。
既に、間引き出荷で、価格は半分ぐらいで出荷しなければならない状況ですし、先に出荷してしまっていますので、漁獲高が減少することははっきりしているわけです。今までの経営でさえ、やっとの採算なのに、これ以上融資を受ければ、借金がふえるだけになってしまいます。返済の猶予などを実施すべきではないかと考えます。
また、販路を拡大するということについて、去年でしたか、青森で落下リンゴの被害が出て、リンゴ農家が翌年生産できないという実態になったときに、全国でキャンペーンを張って、買い支えをしたのです。今回についても、道として、販路を拡大するように、キャンペーンを張っていくことが必要ではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
また、販路の拡大につきましては、道漁連と連携いたしまして、全国の量販店等での販促キャンペーンや、調味料メーカーとのタイアップによるなべ物商材の利用拡大などに取り組むなど、ホタテガイの円滑な流通に努めてまいる考えであります。
以上でございます。
最後に、養殖業が廃業の危機に瀕しているわけですから、ホタテガイの養殖業の健全な経営の維持に向けて、規模や機器など、地元の事情がさまざま違いますが、そこを十分考慮して取り組んでいくべきと考えますが、この点について伺います。
また、渡島、胆振両支庁管内の漁協からは、それぞれの地域の事情を反映した要望を受けておりますので、道といたしましては、それらの要望を十分踏まえて、緊急的な対応といたしまして、地域政策総合補助金の活用などを検討しているところでございまして、今後につきましても、漁業者の皆さんが経営を維持していけるよう、取り組んでいきたいと思っております。
以上でございます。
私は、これまで、ペレットストーブを初め、木質バイオマスの活用促進の質問をしてきましたけれども、進捗状況について伺います。
あわせて、グリーン電力発電の認定を受けているバイオマス発電施設がどれだけあって、それはどのくらいの規模なのかもお答えください。
また、ペレットボイラーの導入状況につきましては、平成20年度未では74台と、前年度に比べ微増、ペレットストーブにつきましては、一般家庭や公共施設などのほか、近年は、環境配慮の観点から、屋外工事の仮設事務所でのリース需要がふえまして、20年度未では約1300台と、前年度の3倍に増加したところでございます。
次に、グリーン電力認証を受けた木質バイオマス発電施設についてでございますが、道内の、木質バイオマスによる発電施設は、製紙工場や製材工場の8事業所で、32基が設置されておりまして、このうち、クリーンエネルギー認証センターが、自然エネルギーによる発電であることを認めました、いわゆるグリーン電力の認証を受けている施設は、網走管内の津別単板協同組合で設置しております発電施設の1基でございまして、その発電規模は出力が4700キロワットとなっているところでございます。
以上でございます。
そこで、北海道の役割というのは大変大きなものがあると思うわけです。北海道として、木質バイオマスの利用促進のために、今後どのように取り組もうとするのか、伺っておきます。
このため、道といたしましては、市町村や関係団体等と連携いたしまして、道民や企業への、木質バイオマスのエネルギー利用の普及に努めますとともに、ペレット製造機などの加工施設等の整備への支援を行うほか、今年度は、新たに、水産分野への木質ペレットの利用拡大に向けまして、昆布乾燥用ペレットボイラーの導入試験を行っているところであり、今後とも、木質バイオマスの利用拡大に一層取り組む考えでございます。
以上でございます。
緑資源機構が廃止されて既に2年がたとうとしています。機構にかわって、北海道が林道の整備事業を継続するかどうかについて、道は明白にしていなかったわけです。
しかしながら、鳩山政権が誕生して、大規模林道を含む大型公共事業の見直しが新たな段階を迎えようとしている今こそ、道も、中止を視野に入れて、早急な見直しを行うべきと考えます。
そこで伺いますけれども、現時点で、地元から事業実施の要望が寄せられているところはどこか、逆に、これ以上の工事の継続を望んでいない路線及び自治体はどこなのか、伺います。
事業実施の要望についてでありますが、滝雄・厚和線では、滝上町と北見市が、また、平取・えりも線では、新ひだか町、様似町、えりも町が事業の実施を要望しております。
一方、事業の継続を望んでいないのは、滝雄・厚和線では遠軽町、置戸・阿寒線では、置戸町、陸別町、足寄町、白糠町、釧路市となっているところでございます。
以上でございます。
大規模林道の現場に私も何回か伺いましたけれども、貴重な野生生物が確認をされた地域がある一方で、工事によって自然環境が破壊されているといった状況があります。
私ども日本共産党は、一貫して事業の中止を強く求めてきたわけですけれども、自然環境や山地保全に対する地元住民や関係団体からの声を受けて、どのように検討しているかを説明してください。
山のみち地域づくり交付金事業の検討状況についてでありますが、道が実施いたしました意見交換会におきまして、地域住民の皆様方から、大規模な工事が自然環境や山地の保全に与える影響を懸念する声も寄せられており、また、自然環境団体からは、貴重な自然や動植物を守るため、事業の継続に反対する旨の御意見をいただいているところでございます。
道といたしましては、この事業を引き続いて実施するかどうかに関しまして、事業の必要性や事業効果などに係る論点について、これまで取りまとめを行ってきているところでございますが、こうした地元住民の皆様や関係団体などからの御意見も踏まえまして、工事の規模を縮小する代替案の検討、あるいは、環境への影響や配慮などに係る論点につきましても取りまとめを行っているところでございます。
以上でございます。
では、どうやったら、そこに大きな林道が必要だというくらいの大規模な移動ができるのかといったら、できないわけです。そこには、ナキウサギがいる、がれ場があったりするわけです。ですから、見直しというか、中止も含めて、やっぱり考えていかなければならないのではないかなと私は思っております。
それで、私どもも求めてきましたけれども、道として、当然、費用対効果の分析を進めてきたと思います。林野庁が費用対効果の書類を廃棄してしまった、そういう後を継いで道がやっているわけですから、皆さんは大変な苦労があったとは思いますけれども、その分析結果から見て、それぞれの区間ごとの判断がどうかということを伺います。
費用対効果の分析についてでございますが、道といたしましては、区間ごとに、国有林や民有林の森林整備に関する計画を踏まえながら、利用区域内の人工林や天然林における森林整備の事業量などを算定した上で、効果額としては、森林の整備によって生じます公益的機能に関する便益などを算出し、一方、費用といたしましては、これまでにかかった経費や、今後、事業を実施するために必要となる経費などを算出し、この効果額と費用を比較する分析を行っているところでございます。
今回、検討の対象となる区間のうち、利用区域の大部分が国有林や道有林で占められている区間につきましては、事業の計画量などが少ない状況にありますので、このような区間においては、森林整備によって生じます便益は低い水準にとどまるものと考えており、こうした費用対効果分析の結果につきましては、それぞれの区間ごとに早急にお示ししてまいる考えでございます。
以上でございます。
これらの状況を考えると、道がとるべき道というのは、やはり、中止の判断以外にはないのではないかと思いますけれども、部長の見解を伺います。
各路線におきましては、事業の継続を望まない市町村もあり、また、費用対効果分析では、便益性が低い区間もあるものと見込まれており、厳しい状況にあると考えておりますが、道といたしましては、こうしたことにつきまして、論点整理として取りまとめ、早急にお示しをし、事業を実施するかどうかにつきまして、適切に判断してまいりたいと考えております。
すばらしい自然の中に、不思議な感じで、本当に立派な道路がありますけれども、やはり、自然に返してあげたいなと思いました。
以上で質問を終わります。
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[日本共産党道議団編集]