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道議会での取り組み
2009年決算特別委員会

【真下紀子道議、大規模林道、ダム問題、天下りと契約について高橋知事にただす】 09.11.12

2009年11月12日 決算特別委員会 知事総括質疑概要

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

大規模林道について知事「全面中止」を表明

○真下紀子委員

大規模林道について伺います。

これまで一貫して、大規模林道事業の中止を求めてきた立場から、行く末を確認したいと思います。事業継続について、知事の判断を伺います。

○高橋はるみ知事

山のみち地域づくり交付金事業についてでありますが、道では、この事業の実施に関しこれまで、緑資源幹線林道、いわゆる大規模林道として開設が進められてきた道内3路線、7区間について検討を行ってきたところであり、関係市町村には、その検討内容が厳しい状況にあることを御説明し、それぞれ、事業中止の意向や事業継続の要望がある中で、一定の御理解をいただいたと考えているところであります。

これら3路線に関しては、事業の費用対効果が見込めないこと、あるいは、地元市町村に、今後、事業を実施する意向がないこと、さらには、緊急性や優先性が低いことなどから、私といたしましては、いずれの区問においても、事業の実施は難しいものと考えているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

知事の、実質、全面中止の宣言だというふうに受けとめさせていただきます。

公正・公平さ欠くサンルダム専門家会議メンバーの業務委託契約

○真下紀子委員

次に、大規模林道と同様に、科学的な検証、地元理解を得ながら、中止を含めた検討が行われることを期待して、サンルダム建設を中心に、ダム建設等について伺ってまいります。

分科会質疑で、北海道開発局による魚類専門家会議の委員の意見を踏まえ、サクラマスの遡上、降下などの魚道の効果が検証されると述べていましたが、北海道開発局と5年間で実に843件もの委託契約で、79億円近い受注をしていた法人などに、8人の委員のうち、6人の委員が所属していることが明らかになりました。3人の流域委員会委員も、5年間で14件、2400万円近い委託研究を受けていらっしゃいましたけれども、知事は御存じだったでしょうか。

○高橋知事

魚類専門家会議などについてでありますが、天塩川魚類生息環境保全に関する専門家会議は、天塩川流域における魚類等の移動の連続性確保や、生息環境の保全に関する検討を行うため、北海道開発局が平成19年に設置をしたものであり、魚類等に関する学識経験者や専門家の方々の8名の委員で構成されていると承知をいたしております。

また、天塩川流域委員会は、天塩川河川整備計画の策定に当たり、意見や助言を行うため、北海道開発局が平成15年に設置をしたものであり、河川や環境等の学識径験者、首長及び地元代表者から成る、16名の委員で構成されていると承知をいたしております。

なお、委員が御質問の委託契約などの概要につきましては、建設部から報告を受けたところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

開発局との関係で、随契が97.7%を占めるという深い関係にある法人などに所属している委員が審議している、実質、利害関係者となっている人たちが審議をしている、こういった状況には知事も驚かれたのではないかと思います。

果たして、科学的で、公正公平さを堅持した検討が行われるのか、疑いの念を抱くのは当然かと考えますが、知事は、開発局の選任だから、それでよしとするのでしょうか。いかがですか。

○高橋知事

専門家会議の委員についてでありますが、北海道開発局からは、専門家会議は、天塩川流域における魚類等の生息環境の保全に向けた川づくりのあり方等について審議するものであり、このような目的に沿って、適切に人選が行われたと伺っているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

知事は、適切だとお考えだと思うのですけれども、私は、本当に利害関係者かどうかということを調べてみました。

そうしますと、2008年――平成20年の4月に、天塩川上流水産資源保全方策検討業務というのを、簡易公募型のプロポーザル方式で、社団法人北海道栽培漁業振興公社が98%の落札率で落札しておりました。

これでは、まるで、自分たちが提案をしておいて、その提案によって業務を委託するという自作自演の契約ではないかと思いますけれども、知事はそうはお考えにならないのでしょうか。

少なくとも、好ましくないと思いますよ。

○高橋知事

委託契約についての御質問でございますが、専門家会議の委員が所属する法人等への、サンルダム建設工事に関連する委託契約は、平成20年度には1件のみあったというふうに建設部から報告を受けているところでございますが、その内容等、詳細については、承知しているところではございません。

以上でございます。

○真下紀子委員

栽培漁業振興公社からは、2人の技術顧問の方が専門家会議の委員として出席し、自分たちで保全方策を提案して、自分たちがその業務を担う、これは、知事の立場でも、好ましいとは思わないと思うのです。利害関係者による自作自演の契約であって、こういうことは認められないと思います。

そして、私は素人ですから、平成20年度の1件しかわかりませんけれども、21年度についても、こうしたことがあるかどうか、きちっと開発局から報告を求める、知事、このくらいのことはなさってはいかがでしょうか。

せっかくだから、報告を求めたらいいのじゃないですか。

○高橋知事

委託契約についての重ねての御質問でございますが、平成21年度の、国とこの専門家会議の委員との間における委託契約の状況等については、承知をしていないところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

大変重大なことなので、きちっと開発局に報告を求めてください。その点は確認させていただきたいと思いますので、知事、よろしくお願いいたします。

知事はダム建設、治水対策について、住民の声を直接聞くべき

○真下紀子委員

次ですが、サンルダムの現場に知事は実際に行かれたというふうに、報道で承知をしております。

内陸の200キロメートルまでサクラマスが遡上して、自然産卵ができる貴重な川であるサンル川について、陸と海の連続性の観点から、世界自然遺産に登録された知床に匹敵するとも劣らない価値と魅力があると考えますが、現地まで行かれた知事はどのようにお考えか、伺います。

○高橋知事

委員が御指摘のとおり、私自身、サンルダムの現場を拝見させていただいたところであります。

そうした中で、サンル川の自然環境についてでございますが、本道は、美しい自然や豊かな水と森林など、すぐれた自然環境に恵まれた地域であるわけでありますが、サンル川とその周辺地域についても、サクラマスが遡上し多様な動植物が生息、生育する大変恵まれた自然環境にある地域と、改めて認識をいたしたところであります。

私といたしましては、これらの動植物が将来にわたって適切に保全されるよう、国において積極的な取り組みがなされるものと考えているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

その期待している開発局が、自作自演の契約によってダムを建設して、サクラマスの保全ができないような状況をつくろうとしているわけです。

それで、11月8日に、日本、中国、ロシアなどの研究者がアムール・オホーツクコンソーシアムを設立したことは御存じだと思うのですけれども、今、そういった世界的な関心が高まって、自然を保全していこう、将来につないでいこうという意識が高まっているときなのです。

ぜひ、知事も同じ認識に立っていただきたいと思いますけれども、サクラマスの存在が危うくなってきている今、知事は、保護に本気で取り組むお気持ちがおありかどうか、お聞きしておきたいと思います。

○高橋知事

サクラマスの保護についての御質問でございますが、サクラマスは、委員が御指摘のとおり、本道沿岸における貴重な水産資源の一つでありまして、道では、採捕禁止区域や禁漁期間の設定など、資源の保護に取り組んでいるところであります。

私といたしましては、サクラマス資源の保護は大変大切であると認識をいたしているところであり、サンルダムの建設に当たっては、環境の保全及び水産資源の保護について十分配慮するよう、知事意見を付しているところでもあります。

以上であります。

○真下紀子委員

知事がそこまで熱意を持って御答弁されるのでしたら、サンルの自然を守ろうとか、下川のサクラマスやヤマメを守って、豊かな自然によるまちづくりをしようと考えている住民が、知事に直接お話をさせていただきたいと、視察の現場にも行かれて、実現しませんでしたが、ぜひ、直接会って、この方たちの声をお聞きいただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○高橋知事

意見の把握についてでありますが、サンルダムなどの国直轄ダムにつきましては、事業主体である国において、今後、さまざまな角度から検討が行われるものと考えているところであります。

道といたしましては、可能であれば、年内にも、それぞれの地域の状況を総合的に把握している地元自治体の方にお集まりいただいて、御意見を伺うとともに、寄せられたさまざまな意見を取りまとめてまいりたいと考えているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

自治体だけじゃだめなのですよ。

それで、さまざまな意見を取りまとめるとか、そういう冷たいことを言わないでほしいのです。本当に自然が大事だとおっしゃるのでしたら、知事が直接会って、お話を聞いてください。

会うか会わないかだけですから……。

○高橋知事

意見の把握についての重ねての御質問でございますが、道といたしましては、先ほども申しましたとおり、年内にも、それぞれの地域の状況を総合的に把握しておられる地元自治体の方々にお集まりいただいて、御意見を伺うとともに、寄せられたさまざまな意見を取りまとめてまいりたいと考えているところであります。

以上であります。

そして、そういったことを踏まえて、事業主体である国において、今後、さまざまな角度から検討が行われる必要があるのではないか、このように考える次第であります。

○真下紀子委員

今、北海道の自然が壊されようとしているのです。

さまざまな意見が出ているとおっしゃいますけれども、直接、意見を上げているわけです。知事は、どうして直接お会いにならないのですか。本当に不思議なことですよね。そう言って、開発局に丸投げしているから、道民から理解が得られないのじゃないでしょうか。道民は、直接、知事にお会いして、お話ししたいと重ねて言っています。もう一度考えてください。

○高橋知事

意見の把握についての重ねての重ねての御質問でございますが、先ほど来御答弁を申し上げましたとおり、道といたしましては、年内をめどにも、それぞれの地域の状況を総合的に把握しておられる地元自治体の方々にお集まりいただいて、御意見を伺うとともに、寄せられたさまざまな意見を取りまとめてまいりたい、そのように考えているところであります。

そういったことを踏まえて、事業主体である国において、今後、さまざまな観点から検討が行われる必要があるのではないか、このように考えているところでございます。

以上であります。

○真下紀子委員

先はどの知事のあの熱意というのは、本当にうそっぱちではなかったのかと私は思います。どうして、住民、道民から直接意見を聞こうとしないのですか。そういう姿勢は本当に認められないと私は思います。

次に、河川の治水について伺いますけれども、名寄川の流域では、1キロメートルにわたって堤防が未整備です。河川改修が必要なところも、6キロメートルにわたってまだ整備されていないのです。排水機場は1機しか整備されていません。ダムが優先される余りに、こうしたことが後回しになって、住民の安全がそのまま放置されているという状況なのです。

こういったことも含めて、ちゃんと住民から聞いてほしいのです。このことについては、どう考えて、住民からどう聞くのか、伺います。

○高橋知事

河川改修についての御質問でございますが、開発局からは、平成19年度に策定した、サンルダムを含む天塩川水系河川整備計画に基づき、現在、天塩川下流部の天塩町や中流部の美深町などで工事を実施しているところであり、住民の安全を最優先に、順次、天塩川本川、及び名寄川を含む支川の河川改修を進めていくと聞いているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

知事は、直接、住民から意見を聞こうとしない姿勢を貫いています。これは本当に許されないことだと思います。

今の状況についても、住民が言っていることです。これは、開発局のことだからと言うのじゃなくて、住民の安全のために進めていくという意見を道からもきちっと上げていただきたいと思いますし、自然環境についても、重ねて重ねてと知事は言いますけれども、私は何回でも重ねて聞きますが、ちゃんと、直接、道民の意見を聞いてください。

道建設技術センターへの道出資金、知事「返還を要請」

○真下紀子委員

次に、契約と天下り等について伺います。

財団法人北海道建設技術センターの問題を最初に伺います。

私どもの調査で、財団法人北海道建設技術センターに天下りした建設部OBが、2年問の在職後に、次々と、道の指名登録業者に再々就職していることが初めて浮き彫りになりました。

そこで伺います。

第2回定例議会での私の質問に、知事は、道が出資し道幹部も複数の天下りしている財団法人北海道建設技術センターとの関与のあり方について、団体との随意契約に関して、その理由や積算のあり方を改めて精査する、こう答えられて、問題があれば見直すという考え方をお示しになりました。その立場で精力的に作業を進めていると考えますが、いかがでしょうか。

○高橋知事

建設技術センターとの随意契約についての御質問でございますが、関与団体との随意契約につきましては、今年度が関与団体見直し計画の最終年度でありますことから、契約の相手方を決定した判断プロセスや、積算の妥当性などについて、総点検を実施いたしたところであります。

その結果、財団法人北海道建設技術センターに係る積算業務や検査業務については、代替性の有無の確認をより厳格に行い、さらなる競争性の導入を促進する観点から、公募制を導入すべき旨の知事意見を付したところであります。

今後、同法人も含め、この点検評価結果に対する対応状況について、適宜、フォローアップ調査を実施するなど、実態の把握に努めるとともに、さらなる競争性の導入に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。

以上であります。

○真下紀子委員

これまではわからなかったのですけれども、新しい渡りのルートが開拓されていたことがわかったわけです。これまでの3代にわたる専務理事に続いて、今回初めて、理事長も同じルートを渡ってきました。知事は、それでも問題がないとお考えでしょうか。このことについてはどうお考えでしょうか。

○高橋知事

建設技術センターからの再々就職についてでありますが、道職員として長年培ってきた知識や経験、技術力などの能力面はもとより、再就職した団体における勤務実績などが、それぞれの企業において個別に評価された結果である、このように考えるところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

いつもそうお答えになるのですけれども、実際はそうじゃないわけですよね。

それで、道は、建設技術センターとの委託契約がすべて1者随契である理由を、発注関係事務や設計積算事務に精通している唯一の機関であり、代替性がないからと言っていましたが、本当に今もそうだとお考えなのか、そして、そうでないのなら、どうしていくのか、明確に答えていただきたいと思います。

○高橋知事

建設技術センターとの随意契約についてでありますが、道では、建設技術センターに対し、守秘性や公平性が求められる公共工事の発注に当たり、土木工事に係る積算資料作成や、総合評価制度における技術審査補助業務などを委託いたしているところであります。

これら業務の委託に当たっては、建設技術センターが、発注関係事務や設計積算事務に精通している唯一の機関であり、他に代替性がないことから、随意契約を行ってきているところであります。

今後におきましては、実態の把握を行うとともに、公共工事の発注に対する守秘性や公平性にも留意しつつ、公募制など、さらなる競争性の導入に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。

以上であります。

○真下紀子委員

公募制の導入も行い、実態も把握するということでしたけれども、今、知事が答弁された守秘性や公正性は、再々就職すると、だれがどのように点検、検証されていくのか、わからなくなってしまうのです。道や道内自治体の発注、契約のノウハウと特別な技術をしっかり身につけた方々が、いわばノーマークで民間企業に天下りできるということは、再就職取扱要綱が役に立っていないことになってしまいます。これは見直しが必要だと考えますが、いかがでしょうか。(発言する者あり)

道と密接な関係にある関与団体に天下りした役員などは、道の指名登録業者に再々就職はできないとするか、逆に、代替性がないほどすぐれているのであれば、建設技術センターについては、1億円の出資金を引き揚げて、関与団体から外して、一般の団体として扱うか、また、後ろの委員席からは、道の中に戻してしまえという御意見もありましたけれども、こういった方向をはっきりと定めるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○高橋知事

建設技術センターについてでございますが、道を退職後、道からの情報提供などによりまして団体等に再就職した者が、他の民間企業等に再々就職した場合については、先ほども申し上げましたとおり、その者の勤務実績などが個別に評価された結果、採用に至ったものと考えているところであり、こうした再々就職について道が制限をすることは、なかなか難しい面もあるのではないかと考えているところであります。

次に、建設技術センターに対する道の出資等につきましては、平成21年度政策評価の結果を踏まえた、返戻要請の基本的方針に基づき、現在、センターヘ出損金の返戻を要請いたしているところであります。

なお、現状では、出損金が返戻された場合においても、道の補助金等の総額が団体の歳出規模の2分の1以上の団体であり、道の関与団体として取り扱われることとなるところであります。

いずれにいたしましても、私といたしましては、職員の再就職に関し道民の皆様方から御批判や誤解を招くことのないよう、現在の再就職取扱要綱の厳格な運用に努めるなど、適切な対応が不可欠であると考えているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

私は道民です。そして批判をしています。再就職取扱要綱は変えるおつもりはないということですけれども、一歩踏み出していくということなので、きょうはこの程度にしておきます。

農政部委託業務の上位集中、高落札率、知事自ら調べよ

○真下紀子委員

次に、農政部の設計測量などの委託業務等について伺います。

今回の決算特別委員会で、2008年度までの5年間における、農政部の設計測量などの委託業務をめぐる手法や内容が明らかとなるにつれて、今から10年前の、上川支庁の農業土木工事談合との類似性が極めて高いことがわかってまいりました。

そこで伺いますけれども、初めに、道政上に重大な汚点を残したこの談合事件で、公正取引委員会の調査が行われるなどしましたけれども、知事はどのように認識をされているのか、また、どのような事件で、道はどのように受けとめたのかもお聞きをしたいと思いますし、再発防止について道がどのように取り組んだのかもお答えください。

○高橋知事

農業土木工事をめぐる談合事件に関連し公正取引委員会の調査などについてでございますが、平成11年10月、本庁農政部及び上川支庁に公正取引委員会の調査が入り、平成12年5月、受注業者の排除勧告とともに、道に対して、再発防止に向けた改善要求が通知されたものであり、こうした事件は、道政に対する信頼を著しく損なう行為であり、大変遺憾なことと考えているところでございます。

公正取引委員会の調査後、直ちに、道は、入札手続等調査委員会を設置し入札手続等の業務の実態や課題を明らかにするとともに、入札制度改善委員会において、入札制度改善方策を取りまとめているところであります。

このうち、入札手続等調査委員会では、農業農村整備事業の入札・契約手続に関して、本庁農政部及び各支庁の関係職員が受注調整を行っていたことを明らかにしたところであります。

こうしたことを踏まえ、競争の促進、不当な関与の排除、実効性の確保を柱とする入札制度改善行動計画を定めて、入札制度改革に取り組むとともに、職員の意識改革や組織体制の整備を行ってきたところであります。

なお、平成13年4月には、公共工事の入札及び契約について、その適正化の基本となるべき事項を定めた入札契約適正化法が施行されており、さらに、平成15年1月には、入札談合等関与行為を行った職員に対する損害賠償の請求などについて定めた官製談合防止法が施行されているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

今、知事が答弁の中でおっしゃいました、平成12年3月の、入札手続等調査委員会からの報告書を知事にぜひ手渡してください。

今、知事が答弁で言われた中で、ちょっと抜けたところがありました。受注調整が行われたということはお認めになっておりますけれども、これが長年にわたって組織的かつ構造的に行われてきたことが問題だということが36ページに書いてあります。そこのところはきちっと認識をしていただきたいと思うのです。

それで、そのときのことと酷似しているということで、次に、天下りについて伺います。

農政部の委託契約をめぐって、まず一つは、契約実績が20位以内の14社に、道の農政部関係で33名が天下りをしておりますが、このことを客観的事実としてお認めになるのかどうか、道の他の部局に比べて多いとはお考えにならないのかどうか、伺います。

○高橋知事

測量・設計会社への再就職者数についてでありますが、農業農村整備事業における支庁発注の委託業務において、平成16年度から20年度までの5ヵ年間にわたり、受注実績が上位20社以内にあったのは15社となっているところであります。

そのうちの14社の企業に再就職していた農政部の退職者は、主幹級以上で33名となっているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

他の部局との比較については、委託業務だけでは調査されていないということなのですけれども、こんなに上位に、天下りが行っているところが14社も張りついて、天下りが固定的になっているところはありません。

それでは、10年前の上川談合のときには同じような状況があったでしょうか、どうですか。

○高橋知事

測量・設計会社への再就職者数についてでございますが、上位14社の企業に再就職していた農政部の退職者を、それぞれ単年度で比較いたしますと、平成20年度では25名、10年前の平成11年度においては31名となっているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

同じような状況だということですね。

さらには、今の報告書の33ページに、OB在籍を考慮しているということが書き込まれております。

それから、連絡調整役を担っていた測量設計協会に天下りが行っていたわけですけれども、この間、平成20年度までの5年間をさかのぼって、同じ五つの地域で、道のOBが事務局長として天下って在籍をしている。天下りの固定的な張りつけが、同じような状況で続いているということなのです。これがまず1点です。

それから次に、契約実績の関係を見てみますと、上位10社の入れかえはほとんどありません。4位までは全く不動です。道の他の部局にそのような例があるのかどうか、お聞きしたいと思います。

また、天下りが行っていた14社には、2人以上の道のOBが天下っていますけれども、これを客観的事実としてお認めになるのかどうか、伺います。

○高橋知事

契約実績についてでありますが、他の部局に関しましては、水産林務部及び建設部については、委員が御指摘の事例はございません。

また、農政部における再就職者数についてでありますが、14社のうち、2名以上の再就職者が在職している企業は12社となっているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

他の部局ではなくて、農政部だけが特異なのですね。そして、上手に天下りが張りついていて、強固な上位が固定している。

それで、私はちょっと疑問に思ったものですから、お聞きしたいのですけれども、上位10傑の会社について、10年前と比べて、平成20年度で、上位10傑から外れている会社というのは何社ありますか。

○高橋知事

委託契約実績についての御質問でございますが、10年前の契約の上位10社の中で、現在、そういった状況になっていない社は1社ということであります。

以上であります。

○真下紀子委員

知事も、答弁しながら、まあ、こんなことになっているのだわとお思いだと思うのですよ。強固な上位の固定というのが続いているわけです。

それで、今回、その上位10社が、受注額のシェアについてもずっとキープしているということがわかりました。契約実績は、上位10社で33%から38.5%と高いシェアを占めていますけれども、どのように受けとめられるのでしょうか。

また、建設部との比較ではどうなっていますか。

○高橋知事

委託契約実績についての御質問でございますが、農業農村整備事業の委託業務に係る各社の契約実績については、それぞれの企業が、委託に係る業務内容などを勘案した上で入札した結果であると考えるところであります。

なお、土木現業所における上位10位の受注額のシェアは、27.7%から32.4%となっているところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

上位による独占が、やはり農政部は強いのです。

それで、私が調べてみましたら、10年前は34.9%なのです。やはり、同じような状況が読いています。

もう一つの条件があって、それは高落札率なのですけれども、上位4社の2000万円以上の落札率は95.7%と、高落札率になっています。まず、知事はこのことをお認めになるかどうかということと、道の他の部局にそのような例があるのかどうか、伺いたいと思います。

○高橋知事

落札率についての御質問でございますが、平成20年度の委託業務に係る上位4社について、契約辰が2000万円以上の委託業務の平均落札率は、委員が御指摘のとおり、95.7%であります。

なお、水産林務部の同年度の上位4社の落札率は94.4%、また、土木現業所では93.2%となっております。

以上であります。

○真下紀子委員

10年前の事件のときには、3年間の平均で98%でした。今は、95%以上は農政部だけになっているのです。

それで、何でここまでこんなに時問をかけてやったかといいますと、今までは、天下りが固定的であったこと、それから、強固な上位の固定があったこと、高落札率と、談合3兄弟という条件があったのです。そこにさらに、上位による独占ということで、いつの間にか談合4兄弟にふえていたことがわかりました。

そして、再発防止策をとったというのはわかるのですけれども、実際には、入札の結果は、結局、農業土木工事の官製談合のときと同じ状況になっていることがわかりました。

それで、受注調整が行われていることを証明する客観的事実はそろっています。道みずからが実態調査を行って、受注調整の有無、受注調整と表裏一体とされる談合などの不正行為について調査すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○高橋知事

農政部の設計測量などの委託業務についてでございますが、公共工事に係る委託業務につきましては、入札契約制度の適正化に係る取組方針に基づきまして、透明性の確保、公正な競争の促進、さらには、談合その他の不正行為の排除など、公正で透明性の高い入札の確保に努めているところであります。

また、入札契約適正化法の趣旨を踏まえ、建設工事、及び工事に係る設計等の委託業務における入札及び契約の過程、並びに契約の内容の透明性を確保するために、北海道入札監視委員会を設置いたしているところでございます。

委員から御指摘のございました入札結果は、各企業が、業務の内容や経営状況等を勘案して見積もりを行った結果であると考えているところであり、道といたしましては、今後とも引き続き、より一層公平で競争性の高い入札・契約制度の適切な運用が図られるよう取り組んでまいる考えであります。

以上であります。

○真下紀子委員

時間が来ましたので、質問はしないで、指摘をさせていただきます。

今回のことと、10年前の談合事件との違いというのは、公正取引委員会の調査があったかどうか、この違いなのです。

それで、私は、こうした状況が公正取引委員会に調査されるようなことがあってはならないと思うのです。その前に、やはり、道がきちっと調べるべきです。入札の結果、談合しているのと同じ形態になっている、構造になっている、このことを入札監視委員会で調査すべきだと申し上げておきます。

事実を積み上げて、法則性を明らかにして、科学が発展したわけです。偶然の積み重なりが、必然の結果として解明されていくものだと私は信じておりますし、これがその対象になると思います。

それで、私だけでは判断できなかったので、私たちは、北海道職員の幹部のOBの方、それから、現職の北海道の幹部職員の方から証言をいただきました。

名前は残念ながら言えないのですけれども、資料を見ると受注調整は間違いなく続けられていると思う、官製談合があるとは考えられないけれども、続けられていると思うと。もう一人の方からは、受注調整は行われていると聞いている、こういう証言をいただいております。

私は、きちっと調査すべきだということを、3度目ですけれども、重ねて申し上げさせていただきたいと思います。

それで、最後の最後に、一言申し上げます。

有名な言葉ですけれども、「石川や浜の真砂は尽きるとも世に談合の種は尽きまじ」、このようになっていることは残念だと思います。

以上で終わります。


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