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2009年決算特別委員会

【真下紀子道議、地球温暖化防止対策とエネルギー政策についてただす】 09.11.11

2009年11月11日 決算特別委員会第2分科会質疑概要

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

経済部所管の問題

新エネルギーの導入、国内クレジット制度の活用、エネルギーの地産地消と木質ペレットストーブ普及などただす

○真下紀子委員

地球温暖化防止対策とエネルギー政策について、順次伺います。

2020年までに、1990年比で温室効果ガスを25%削減するという鳩山首相の中期目標を受けて、本年度中に策定する地球温暖化対策推進計画の中で対応が迫られている状況です。

全国に比べて温室効果ガスの排出量が多い北海道としては、温室効果ガス削減の取り組みに消極的であったと考えますが、経済部として、鳩山首相の発言をどのように受けとめたのか、まず伺います。

○木田勇産業立地推進局長

国の温室効果ガス削減目標に対する受けとめについてでございますが、このたび、鳩山首相から、1990年比で25%という、我が国の温室効果ガス削減目標が表明されたところでありますが、現時点では、削減目標の実現に向けた政策手段や具体的な行程などが明らかにされていないところでございます。

地球温暖化は、地球規模の深刻な問題であるとともに、道民生活や経済成長との調和も求められ、早期に解決すべき重要な課題であることから、今後、速やかに政策手段などが示され、経済界を含めた国民的議論が行われる必要があると考えているところでございます。

○真下紀子委員

私も、実効性を伴う具体化が早急に必要だと考えております。

そこで、新エネルギー、再生可能エネルギーが注目されるわけです。

私を初め、日本共産党の道議団は、これまで、危険な放射性廃棄物を生み出す原発に依存するエネルギー政策から、再生可能エネルギーヘの政策転換を求めてきました。

風力発電の取り組みについては、全国一の地位を保持していた北海道が、残念ながら、この地位から転落をしてしまいました。地理的には、本道が圧倒的な優位性を持ちながら、残念でなりません。ひとえに、取り組みが進んでいない証拠ではないかと考えております。

そこで、本道のエネルギー需給の構成と、新エネルギーの導入状況や課題について、伺います。

また、今後さらに、道内各地における新エネルギーの賦存置や、導入の適地に関する情報を把握すべきと考えますが、どのように対応しているのか、伺います。

○小玉俊宏資源エネルギー課長

本道のエネルギーの需給構成などについてでありますが、平成17年度における本道の1次エネルギー供給量は、原油換算で約3000万キロリットルとなっており、その構成につきましては、石油系が63%と最も高く、全国に比べ、依存度が高い状況にあります。

新エネルギーの導入量につきましては、平成18年度において142.7万キロリットルとなっており、北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画の目標年次である平成22年度の目標に対する達成率は74%となっております。

これをエネルギー種別で見ますと、中小水力発電などで8割を超える達成が見られる一方、太陽光発電などで1割未満の達成率となっており、投術開発のおくれ、導入コストの高さ、自然現象による出力の不安定さなどの課題があるものと考えております。

なお、現在、来年度の省エネルギー・新エネルギー促進行動計画の改定に向け、賦存状況も含めた需給の実態について調査を進めており、具体的な省エネルギー、新エネルギーの推進状況や、課題の把握に努めてまいりたいと考えております。

また、新エネルギーに関する賦存量や具体的な導入方法などを紹介するポータルサイトの「ほっかいどう新エネ応援ライブラリー」を、先般、新たに開設したところであり、今後とも、地域における新エネルギー導入をきめ細かくサポートしてまいります。

以上です。

○真下紀子委員

賦存量調査を行って、さらにポータルサイトをつくって、含め細かな支援をしていくということで、これまでになく頑張っていく方向が示されていると思うわけです。

こうした具体化に当たって、企業や市民との連携協働によって進めていく方向に投資を呼び込んでいくことが必要ではないかと私は考えております。

全国的には、エネルギー関連投資を呼び込むに当たって、山梨県の都留市で、「つるのおんがえし債」を活用していますよね。ネーミングも非常にいいわけです。また、東京都では、グリーン電力の活用を行っているわけですが、こうした取り組みの活用について伺いたいと思います。

○小玉資源エネルギー課長

新エネルギー導入への投資についてでありますが、道といたしましては、これまで、電力需要家などの寄附によるグリーン電力基金のPRや、自然エネルギーによる電力の環境付加価値をあらわすグリーン電力証書を、道などが主催するイベントで活用してきたところであります。

今後とも、こうした新エネルギーの導入を、住民や企業など、さまざまな方々がサポートする取り組みの促進に努めてまいりたいと考えております。

以上です。

○真下紀子委員

道も頑張ってほしいと思うのですけれども、次に、国内クレジットについて伺います。

温室効果ガスの削減に向けた新たな取り組みとして、国内クレジット制度の活用が始まっているところですけれども、全国や道内の活用状況についてはどうなっているのか、お示しください。

○小玉資源エネルギー課長

国内クレジット制度の状況についてでありますが、国内クレジット制度――CMDにつきましては、大企業が技術や資金を提供して中小企業が行ったCO2の排出削減の量を認証し、大企業が自主的に定めた削減目標の達成に活用できる仕組みであり、経済産業省が中心となって、昨年10月から試行的に行っているところであります。

これまでに、申請受け付け件数は全国で147件、うち、75件が排出削減事業として承認され、実際にCO2排出削減量として認証されたものは11件、2275トン分となっております。

このうち、道内における申請受け付け件数は8件、排出削減事業の承認件数は4件、排出削減量の認証件数は1件、367トン分となっております。

以上です。

○真下紀子委員

まだ緒についたばかりですけれども、今後、新エネルギーの導入や省エネルギーの促進を進めていくための追い風の制度として、道内外で取り組みが始まってきた国内クレジット制度について、道として、この活用を一層促していく、そういうふうに進めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

また、東京都では、来年度から、温室効果ガスの排出総量削減の義務づけと排出量取引制度をスタートするとともに、新たに補助制度を設けて、中小規模の事業所による省エネ効果の高い設備導入によって、クレジット化を促進すると報道されていますが、道としても支援すべきであると考えますけれども、いかがでしょうか。

○小玉資源エネルギー課長

国内クレジット制度の活用についてでありますが、道といたしましては、国内クレジット制度は、資金面や技術面の課題を抱える道内の中小企業におきましては、CO2の排出削減や省エネ対策を促すとともに、大企業にとっても自主行動計画の目標達成に活用できるなど、双方にメリットがある仕組みと認識しております。

このため、現在、道のホームページの「ほっかいどう新エネ応援ライブラリー」におきまして制度のPRを行うとともに、クレジットの審査・取引関係者や行政機関などで構成される有識者委員会に参画し本道の特性を生かしたCO2の排出削減モデルや、CMD制度の普及、マッチング方法などの情報収集に努めております。

今後、道といたしましては、道内のCMDの先進的な活用事例や、本制度に係る各種支援施策のPRに努めるとともに、委員が御指摘の東京都の取り組みなども参考にしながら、多様な省エネの支援方策について研究してまいります。

以上です。

○真下紀子委員

世界的にも非常に市場が拡大しているようです。国内でも、本当に中小企業の技術力が注目されるような状況を生み出すことが必要です。そのためにも、情報提供がどのように進むかということは注目されるところだと思います。

東京都は、いろいろありますけれども、環境分野においては先進的な取り組みを行い、条例もつくっておりまして、やはり、学ぶべきところは学んでいく必要があると思いますし、さらに超えて、北海道が先進地として他都府県で紹介されるくらいになっていただきたいという期待をしているところです。

国においては、低炭素革命と称して、今年度で1.6兆円を予算化するなど、環境関連の市場規模を拡大する取り組みを進めています。

道内において、こうした環境・エネルギー関連産業の成長がもたらす道内雇用への影響についてはどのように考えているのか、伺います。

○木田産業立地推進局長

環境・エネルギー関連産業の雇用への影響についてでございますが、環境・エネルギー関連産業は、地球温暖化対策を初め、循環型社会の構築や自然との共生といった世界共通の課題の克服に寄与するものであり、長期にわたり、継続的な雇用の発生が見込まれるところでございます。

道といたしましては、道内に豊富に存在するエネルギー資源を生かして、環境・エネルギー関連産業の活性化を図る好機と受けとめており、関連産業が厚みと広がりを増し道民にとって魅力ある多様な就業機会が生み出されるよう、関連産業の発展に向けて積極的に取り組んでまいる考えでございます。

○真下紀子委員

業種によっては、余り雇用に効果がないといった分野もあるようですけれども、雇用拡大につながっていくという分野も相当広がりを見せているそうですので、ぜひ、北海道で雇用効果の高い産業を育成するために、力をかしていただきたいと思います。

それで、エネルギーの問題でいいますと、輸送距離が長くなることによって、CO2が排出される量がふえるということで、ローカルというのですか、地産地消のような形でエネルギーを消費するという考え方があります。

道内でも、下川町や寿都町などで新エネルギーの取り組みが見られるところですけれども、地域において積極的な取り組みを進めていくためには、新エネルギーの地産地消というような考え方が必要と考えますけれども、いかがでしょうか。

○小玉資源エネルギー課長

エネルギーの地産地消についてでありますが、道におきましては、これまで、地域で生産されたバイオ燃料の公用車や公共工事などでの利用や、利用機器の導入支援など、地産地消型のエネルギー活用を図ってきたところであります。

今後とも、地球温暖化を防ぐとともに、エネルギーの多様化、域内循環の向上による地域経済の活性化などの観点から、市町村を対象として、風力、太陽光、雪氷冷熱、バイオマスなど、地域に豊富に存在するエネルギー源の活用状況や、その課題の把握に努めるとともに、技術開発の支援や各種助成制度の効果的な活用などにより、地域資源を活用した自立型の新エネルギーを利用する社会づくりに取り組んでまいります。

以上です。

○真下紀子委員

発想の転換になるのだと思うのです。

特に、雪氷冷熱などでは、マイナスのイメージがあったのですけれども、エネルギー源として考えられている。それから、未利用の木材等も資源として注目が集まるという点では、発想を転換することによって、北海道というのは、本当に無尽蔵なくらいエネルギーがあるのではないかと思うわけです。

そこで、一つ具体的に伺っておきたいのは、木質ペレットストーブ普及の取り組みの成果についてです。

平成20年度の、木質ペレットストーブ普及の取り組みというのはどのようになっているのか、伺います。

○小玉資源エネルギー課長

木質ペレットストーブの普及に向けた取り組みの成果についてでありますが、道におきましては、道産エネルギーとして安定的な供給が見込まれる木質ペレットの導入促進を図るため、これまで、市町村と連携して、木質ペレット燃焼機器への導入助成を行うとともに、木質ペレットの環境面での優位性の紹介や、燃焼機器の共同展示会の開催、活用事例を紹介するパンフレットの作成、配布などに取り組んできたところであります。

木質ペレットストーブの道内の普及状況につきましては、一般家庭や公共施設などのほか、近年は、環境配慮の観点から、屋外工事の仮設事務所でのリース需要がふえ、平成20年度末では約1300台と、前年度の3倍に増加したところであります。

以上であります。

○真下紀子委員

前年度の3倍ということで、大変びっくりして、高い評価をしようと思って、資料を見ましたら、平成16年度は94台でしたから、実に、2けたから4けたへ普及が拡大しているわけです。飛躍的と言ったら変ですけれども、それまでに比べますと、本当に飛躍的に普及したわけです。そういった点では、経済部の努力と、時代の趨勢というのもありますけれども、そこのところは評価をしたいと思います。

私も、平成17年の1定で、木質ペレットストーブの普及をしてほしいということを質問して以来、こういった状況になっていることは、一緒に喜び合いたいと思っております。

最後の質問ですけれども、そうはいいましても、新エネの普及とともに、省エネを進めていくということも、あわせて必要になると思うのです。それで、生活スタイルを変えることですとか、産業界の協力というのが欠かせない課題になってくると思います。

ちょっと難しい課題ではありますけれども、温室効果ガス削減の高い目標の実現に向けては、例えば、これまでも提案してきましたが、自動販売機の削減、コンビニエンスストアやガソリンスタンドの24時間営業の自粛、タクシー台数の適正化、公共交通機関の利用を徹底するなど、こうしたことに、産業界の協力も得ながら、一緒に取り組んでいくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○渡辺健経済部長

産業界の協力についてでありますが、道といたしましては、これまで、各種イベントなどにおけるパンフレットの配布とか、市町村や経済団体などで構成される連絡会議を通じて、省エネルギー関連施策の周知やエコドライブの普及、公共交通機関の利用促進など、エネルギー消費の効率化について、産業界に呼びかけを行ってきたところでございます。

また、本年8月より、原油価格などの高騰や地球環境問題の深刻化、国における新たな温室効果ガス削減目標の策定に向けた議論など、エネルギーをめぐる環境の大きな変化を踏まえ、エネルギー供給事業者や学識経験者などをメンバーとするエネルギー問題懇談会を開催し、経済界などの方々と一緒になって、本道のエネルギー需給構造やエネルギー政策について議論を行っているところでございます。

今後、道といたしましては、温暖化対策、省エネ対策につきまして、こうした議論や国内外の政策の動向、道民生活や経済成長との調和などの観点も踏まえ、産業界とも連携を図りながら、可能なものから、効果的な取り組みを進めてまいる考えでございます。

○真下紀子委員

今は、温暖化対策に取り組むと、企業イメージがアップするわけですし、生活の部分で多少の不便は我慢しても、地球温暖化対策に協力したいという住民の意向もありますので、よく相談をし、そのために力を合わせていくように頑張っていきましょう。そのことを申し上げて、質問を終わります。

※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。

[日本共産党道議団編集]

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