【真下紀子道議、天下りと落札率、農業用ダム、農道空港などただす】 | 09.11.10 |
農政部幹部の平成20年度末現在の天下りの実態は、前年度と比べて、それぞれどうなっているのか、初めに伺います。
また、その前年の18年度末に退職し、19年度に指名登録業者に再就職した者は、課長級以上が2名、主幹級が5名となっております。
以上でございます。
こうした制限のもと、平成17年度における次長級以上の退職者のうち、20年度に、関連会社とされている子会社などから、親会社である指名登録業者に再就職した者はおりません。
以上でございます。
それで、具体的に少し伺いますけれども、各地域の農業建設協会や測量設計協会等の役員及び事務局長等に再就職している方々は、それぞれ、どこに何人いるのか、平成20年度現在と前年度ではどうだったのか、あわせて伺います。
同様に、19年度末では、農業建設協会では7名、測量設計協会では4名となっているところでございます。
以上でございます。
次に、契約実績について伺いたいのですけれども、平成16年度から平成20年度までの農政部の工事及び委託の受注総額と、受注上位10位までの受注総額は、それぞれ年間で幾らになるのか、伺います。
また、各年度の委託業務の受注総額及び上位10位までの受注額につきましては、平成16年度では、受注総額の108億1000万円に対し、上位10位までの受注額は39億円、同じく、平成17年度は、89億2000万円に対し29億5000万円、平成18年度は、88億8000万円に対し31億5000万円、平成19年度は、83億1000万円に対し28億5000万円、平成20年度は、83億円に対し31億9000万円となっております。
以上でございます。
以上でございます。
同じく、農政部の工事のほうの請負シェアを見ましたら、10社のシェアは10%前後なのです。それと比べても、委託業務については、上位10社によるシェアが際立って高いと言わざるを得ないと思いますし、他部のことで恐縮ですけれども、建設部関係の上位10社によるシェアを調べてみましたけれども、やはり10%台で、4割近いという実態はどこにも見つけられませんでした。この独占状態が5年も続いているということが明らかになったわけです。
それで、平成16年度から平成20年度の5年問に、受注上位20社をキープしていた会社が幾つあるのか、また、それらの会社に、主幹級以上の道の幹部が何人天下りをしていたのか、伺いたいと思います。
また、それらの企業に就職していた農政部の退職者は、工事では、課長級が5名、主幹級が3名、委託業務では、課長級が14名、主幹級が19名となっているところでございます。
以上でございます。
それで、同じく、平成16年度から平成20年度までの上位10社を見ますと、平成17年度に、1社がベストテンから外れて12位になったのですけれども、その1社の入れかえがあっただけです。それ以外の4年間は、順位に少し変動があっただけで、10社は変わらないと思うのですけれども、どうでしょうか。この実態をどうお考えか、伺いたいと思います。
以上でございます。
さらに、同じ5年間のベストフォーまでで見てみますと、平成20年度に1位と2位が入れかわっているだけで、ほかは順位が不動で、不動のベストフォーです。これは不自然な状況ではないかなと私は思うのですけれども、皆さんはそうは思わないのでしょうか。
以上でございます。
そこで伺いますけれども、上位4社の2000万円以上の委託契約の落札率は何%から何%で、平均落札率が何%になっているか、お示しいただきたいと思います。
それで、私は、各地域のベストファイブも調べてみたのですけれども、そこもほとんど変化がない状況です。このようなことを、神がかり的な結果と言う方がいらっしゃいましたけれども、やはり、ゴットハンドが働いているとしか考えられません。
年間に何億円もの委託事業で、何らかの受注調整があったと考えます。私は調査をすべきだと思いますけれども、農政部はいかがお考えでしょうか。
委託業務の入札におきましては、それぞれの企業が、さまざまな要因を踏まえて見積もりを行いまして、入札した結果でございまして、入札は適正に執行されたものと受けとめてございます。
しかし、今の質問でわかったことは、一つは、測量設計協会など、天下りの固定的な張りつけがあること、それから、ベストテンの委託契約の固定化と独占が進んでいること、そしてもう一つは高落札率です。
この3点セットを考えますと、何か思い出すことはないでしょうか。皆さんは思い出したくないだろうと思いますけれども、やはり何といっても、10年前に上川で起こった農業土木工事談合事件のことを思い出す方がいると思います。これは、北海道庁の官製談合の再発ではないかと考えます。
私は、談合情報をいただいているわけではありませんで、今、客観的な事実を積み上げました。これは、談合マーカーが上昇しているという状況だと思うのです。談合マーカーが上昇しているときは――腫瘍マーカーと同様の意味で言っているのですけれども、精密検査、精密な調査が必要だと思うのです。その後に根治治療をしなければ、完治していかない状況ですよね。
残念ながら、上川の農業土木工事談合事件のときは、道の農政部は、最後まで、官製談合だということを認めませんでした。受注調整があって、受注調整と談合は表裏一体のものだというところまでは認めましたけれども、その後、官製談合だというところまでは認めないで、ずっと10年間引きずってきたわけです。
その後のこの5年間を見ると、上川の農業土木工事談合事件と同様の構図が残念ながら続いている。これは客観的な事実として、そうなっていると思うのです。
私は、これについては、受注調整と表裏一体と言われる談合の疑いも濃いと思いますので、やはり調査すべきだと思います。部長に見解を伺っておきたいと思います。
公正取引委員会が調査に入った上川の農業土木工事談合事件のときにも、最後まで、道は、適正な入札の結果だとおっしゃられ続けたはずなので、そういうふうに認めるということにはなかなかなり得ないと思います。
でも、公正取引委員会などに調査をされる前に、独自に道が調査すべきだと私は思いますが、部長には調査の意向はなかったということなので、知事に直接その意向を確認させていただきたいと思います。お取り計らいをお願いいたします。
平成14年度から18年度までの5年間における国庫補助事業の事務費等の執行にかかわって、会計検査院から指摘を受け、虚偽の内容の関係書類を作成するなどし物品の購入等に係る事業費を支払ったり、補助の対象とならない用途に賃金や旅費を支払っていたことが明らかとなりました。そのため、平成20年度末に多額の返還金が生じているものと承知をしております。
昨年の第4回定例会の一般質問で、私は、自主的に調査をして、自主的に返還するように求めましたけれども、知事は、関係省庁との協議の中で、道の見解もしっかり説明をした上でと答えておりました。
農政部としては、どのように見解を述べて、どの点が認められて、どこが認められなかったのか、御説明願いたいと思います。
以上です。
それとあわせて、その後、平成19年度の分についても自主調査をしておりますけれども、それも差がなく、対象となったものはすべて返還となったと承知しておりますけれども、それで間違いないでしょうか。
また、平成19年度分の独自調査についてでございますが、道の調査につきましては、会計検査院が検査した内容と同じ手法で行いました。そういうことで、調査結果の全額を返還したところであり、委員の御指摘のとおりでございます。
以上です。
再発防止策等も執行されておりますから、そのことによって、これからこういったことが起こらないようにということを申し上げて、この質問は終わります。
国土交通大臣が見直し対象としております9事業、10ダムに関連する、国営、道営の農業基盤整備事業が道内で行われております。平成20年度に実施をされた地区数、事業費、受益面積と農家数は、国営、道営ごとに、それぞれどうなっているのか、伺います。
次に、平成20年度の道営農業農村整備事業の実施地区は30地区で、事業費の合計は約53億円、受益面積の合計は約8000ヘクタールで、受益戸数の合計は約1000戸となっております。
シューパロダム関連の道央用水地区と、厚幌ダム関連の勇払東部地区の二つの地区に絞って伺いますけれども、両事業の再評価調書は、ともに、費用対効果の基礎となる受益面積に変わりはないとして、早期の完了に向けて事業を着実に推進するとしております。両事業とも、良質・良食味米の生産性向上を図るとしておりますけれども、関係する市町村の水稲と、主要な転作作物の小麦、大豆の作付面積の推移をお示しいただきたいと思います。
次に、勇払東部地区に関係する厚真町についてでございますが、国営事業が始まりました平成14年から変動がなく、水稲は約1700ヘクタール、小麦は約500ヘクタール、また、大豆は約600ヘクタールとなっております。
そういった中で、農家負担、地元負担がどういうふうになっているのかということで、次に伺いたいと思います。
農家負担、地元負担については、所得の償還率の上では、両事業とも、負担能力の限度の範囲内とされております。しかし、農家からは、経営は楽じゃないというふうに伺っているところです。
両地区について、国営、道営の基盤整備事業を合算した総事業費と、道、市町村、農家、それぞれの負担額、率と、農家所得について示していただきたいと思います。
負担割合につきましては、地区や工種ごとに違いがあり、国営事業では、道の負担が15%から25%、市町村が0%から2.5%、また、農家は0%から5%であり、道営事業では、道が27.5%から32.5%、市町村が0%から17.5%、また、農家は0%から27.5%となっております。
国営勇払東部地区と関連道営事業などを合わせた総事業費は約500億円、負担額は、道が約116億円、市町村が約29億円、農家が約26億円です。
負担割合につきましては、国営事業では、道が15%から17%、市町村が5%から8%で、農家の負担はありません。また、道営事業では、道が30%から32.5%、市町村が0%から12.5%、また、農家は0%から17.5%となっております。
次に、農家1戸当たりの生産農業所得額は、道央用水地区の関係11市町村を平均しますと、平成7年に約600万円でしたが、平成17年には約700万円となっております。
また、勇払東部地区の厚真町では、平成14年から変動がなく、約400万円となっております。
以上でございます。
また、勇払東部地区のほうは、714戸から597戸になって、農地面積も広がっているはずなのに、所得の変動がないということでした。
そして、道営、国営事業とも、最高でも27.5%と、約4分の1以下の農家の負担率におさめられているということです。
それで、たとえ負担率が低く抑えられているにしろ、農家戸数の減少に伴って、1戸当たりの負担額というのはふえていきますよね。そこに果たして負担能力がついていくのかどうか、所得の増加とあわせて、ちょっと疑問が残るところです。単純に、負担能力があるというふうにはなかなかいかないのではないか、そして、農家の実感ともちょっと違うのかなと。
ただ、皆さんのほうでは毎年説明をされているので、了解を得ながらやっているということなのですけれども、本当に大丈夫かなという気持ちがこの時点であります。
そして、次の質問で確認したいのですけれども、それに比べて、北海道の地域政策総合補助金で行われる小規模土地改良事業については、平成20年度は事業費が1億4800万円でしたが、今年度は8800万円で、16年度の実績が3億8000万円でしたから、その4分の1にも満たない状況にまで減ってきています。
ある農家からは、暗渠排水だけで十分なのだけれども、補助率もよくて、面の整備を一緒にやったほうがいいですよと、国営、道営の事業の大型圃場整備事業に誘導をされるという声がありました。こうした事実があるのかどうか、伺いたいと思います。
その際、道といたしましては、農家の要望を事業として実施する際の具体的な整備の姿や、それに要する費用の概算額を示したり、地域農業の将来像を実現するために必要な整備水準を提案するなど、農家に対する情報提供や技術的支援を行っておりますが、農家の意向に反した整備内容や事業制度へと誘導するようなことはありません。
こうした、国営、道営の事業については、ダム建設が伴います。その必要性を裏づけるときには、関連の農業事業についても、きちっと理解をされていなければならないのではないかと思うわけです。
道央用水地区では、この後も、国営農地再編整備事業の南長沼地区が来年度に着工予定となっておりまして、事業費は290億円で、0.3から0.5ヘクタールの圃場を2.3ヘクタールの大区画圃場に再編すると承知しております。地元負担率は7%と、めっぽう低い状況です。小規模土地改良事業は、道の補助率は最大で5割ですから、これは地元の農家の負担が大きいということになってしまいます。
こうしたことが、今お話ししたような政策的誘導の一側面となっていることは否めないことだと思うのです。そのことによって、小規模農家が排除されたりしては困りますし、まして、せっかく圃場整備をしていた大規模農家が経営困難に陥っては困るわけで、さらに、国と地方の財政悪化を招いて、結局、国民の負担増大につながるということは避けていかなければならないことです。
政府がせっかくダム本体の見直しを表明しておりますから、関連の農業基盤整備事業についても、これまでのやり方でよいのかどうか、きちっと検証するときではないかということを、この問題では指摘しておきたいと思います。
農道空港は、正式名称は農道離着陸場というのですが、今はもう、農道空港という名前すらなくなってきているわけです。
1992年から97年にかけて、幅25メートル、長さ800メートルの農道空港が道内に4ヵ所――新得町と美唄市、余市町、北見市につくられました。総額で56億3000万円をかけたわけです。そのうち、道の負担は約17億3000万円で、市と町の負担は約10億3000万円に及んだ事業でした。
その後、12年を経て、農道空港が農業振興にどのような役割を果たしているのか、検証しておきたいと思います。
まず、本来目的であった農業フライトは、直近の5年間で実績があったのかどうか、ないとすれば、その理由は何か、伺いたいと思います。
その理由といたしましては、トラックなどの陸上輸送において鮮度保持技術が向上し航空機輸送の優位性が低下するとともに、輸送コスト面でも採算が合わなくなったことが考えられます。
以上でございます。
非常に残念な結果だと思いますけれども、調べてみましたら、この計画ができた段階で、滑走路が800メートルで、採算のとれる4トンの農産物を積んで飛べる飛行機があるかと探したところ、1機あったそうです。インドネシアでしか飛んでいない機種だったそうですけれども、間もなく開発されるのだから、採算の合う事業だということで、農水省は推進をしてきたわけですけれども、実際にはそうならなかったということです。非常に無責任な農水省の姿が明らかだと思うのですけれども、そういったことで、フライトの実績を伺いました。
そのほかに、農業利用としての実績はどうなっているのか、伺いたいと思います。
農道空港がない地域では、同じことについてはどのように行っているか、伺いたいと思います。
また、農道空港がない地域での薬剤散布は、学校のグラウンド等が使われている実情にあります。
なお、農道空港を利用する場合においては、住民の安全性の確保が容易であるなどの利点があると聞いております。
以上でございます。
それで、結局、農業振興にもなかなか活用できないということで、農水省は、多面的利用を行ってもいいということで要件緩和をしてきたわけです。利用目的の緩和によって、その状況がどういうふうに変わってきたのか、お示し願いたいと思います。
また、農業祭りなどの各種イベントの会場としても広く利用されている状況にあります。
利用割合といたしましては、農業以外の航空機利用の発着に関するものが約9割、イベントに関するものが約1割となっております。
具体的な事例を挙げますと、例えば、防災・緊急搬送としては、昨年7月の北海道洞爺湖サミットにおいて、警備用ヘリコプターの発着に、ことし7月の大雪山系トムラウシ山での遭難事故の際には、遭難者の捜索用や救助用ヘリコプターの発着に活用されております。
また、スカイスポーツでは、グライダーの発着場として活用されております。
イベント利用としましては、地域の農業祭り会場として、地元農産物や加工品の販売、提供が行われるなど、農業振興につながる利用が図られております。
以上でございます。
そうはいっても、なかなか農業振興に見合った使い方にはならないという中で、本当に御苦労されているのだと思います。
そこで、地元では、後年度負担が延々と続くということになるわけですけれども、農道空港の活用による市と町の収支、及び、マイナスということであれば、市と町の負担がどのくらいになっているのかをお示しいただきたいと思います。
それに伴う負担額は、5年問を平均しますと、それぞれ、年間で、約20万円、約260万円、約480万円と聞いております。
先ほど言った機種選定についても、初めからわかっていたわけですよね。そういった点では、農水省の責任が一番重いとは思いますが、それと一緒になって道営事業として進めてきた道においても、検証を怠った計画の一つだと思うのです。こうしたことを繰り返すことがないようにすることが今求められていると思います。
大型のさまざまな開発事業がありますけれども、その中でも、やはり、将来を見据えて、本当に目的にかなった事業となるのか、後年度負担はどうなるのか、そういったことを含めて、きちっと科学的に検証していくことがどうしても求められることだと私は考えております。
農政部では、農道空港事業がなくなりました。それから、きのうは、水産林務部で、大規模林道事業を継続することは大変難しいということが言われています。それまでの負担を考えますと、そのお金が、ストレートに、農家の方々の価格安定のためとか所得安定のために使われていたら、どれだけ有効だっただろうかとか、林業振興や植樹のために予算が回されていたら、どれだけ有効だっただろうかと思うわけです。
そういった点では、厳しい時代ですから、ほかの事業についてもしっかりと検証を進めながら、見直すべきは見直す、英断を持って、やめるべきはやめるということも含めて、事業をしっかり見ていただきたいということを申し上げたくて、この質問をいたしました。
以上で質問を終わります。
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]