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2009年予算特別委員会

【花岡ユリ子道議、直轄事業負担金問題について高橋知事にただす】 09.07.02

2009年7月2日 予算特別委員会 知事総括質疑概要

質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員

北電泊原発のプルサーマル問題について

○花岡ユリ子委員

それでは、私のほうから、プルサーマル問題から質問したいと思います。

北電は、電気事業連合会が、プルサーマル導入時期について2015年度までの導入延期に見直したことを発表いたしました。みずからも、日を置かないで、延期を発表しました。

これは、北電自身が、昨年4月に道と地元4町村に事前協議の申し入れを行った時点で、既に、2010年度までの実施は事実上困難だということをわかっていたからではないか、このことについてまずお答えいただきたいと思います。

○高橋はるみ知事

北海道電力泊発電所におけるプルサーマルの導入時期などについてでありますが、北電におきましては、事前了解の後、フランスの燃料製造会社との協議を進める過程において、当初想定していた以上に期間を要することが判明したことから、2010年度の導入は非常に難しい状況にあるとしたところであります。

北電では、燃料製造会社との協議を進めるなど検討を進め、可能な限り早い時期に導入すべく、引き続き努力しているところと承知をしているところであり、私といたしましては、本プルサーマル計画については、鋭意議論した上で事前了解をしたところでありますので、今後とも、適切な情報提供に努めながら、着実にその取り組みを進めていただきたいと考えているところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

道と北電は、核燃料サイクル交付金支給の条件とされた2008年度中の受け入れ表明に間に合うように、しゃにむに、有識者検討会議だとか地元の4町村にも同様の結論を急がせ、2008年度中に受け入れを決めたのではないのか。まさに、先にプルサーマルありき、先に60億円ありき、こういうことになっていたのではないかというふうに思いますが、知事の見解を伺っておきたいと思います。

○高橋知事

事前了解の経緯についてでありますが、プルサーマル計画につきましては、昨年4月に北電から事前協議の申し入れがあり、道と地元4町村では、有識者検討会議を設置し、「ご意見を伺う会」を開催するなど、地元を初め、広く道民の皆様からの御意見を伺いながら、慎重に検討した結果、昨年12月に、安全性が確保されるとの提言をいただいたところであります。

また、道議会はもとより、地元町村議会や住民説明会で議論を重ね、そうした議論を経て、地元の考えを代表する立場で地元の意向が示され、道では、3月5日に事前了解をいたしたところであります。

事前了解後においても、地元4町村と共同で安全専門会議を設置し、国の安全審査などについて専門的な観点から確認するとともに、道のホームページに「プルサーマルQ&A」を設けて、道民の皆様の御疑問や御意見にお答えをしているところであり、今後とも、安全性に関する確認と情報提供に努めてまいる考えであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

知事の言う地元の岩内町の住民有志によりまして、プルサーマル計画に関するアンケートが行われたことを御存じでしょうか。ぜひ、この問題について知事の見解を伺いたいと思います。

○高橋知事

岩内町民に対するアンケート調査についてでございますが、岩内町の有志団体の方々が岩内町内の6000戸にアンケートを配付し、その8.6%に当たる516名の方から、プルサーマル計画に対する認識などに関して回答があったと承知をしているところであります。

プルサーマル計画につきましては、岩内町も含め、地元町村議会や住民説明会で議論を重ね、そうした議論を経て、地元の考えを代表する立場で、事前了解するとの意向が示されたところであります。

道といたしましては、そうした地元の御意向を尊重し、事前了解をいたしたところでありますが、今後におきましても、地元住民はもとより、道民の皆様方の御理解がより一層深まるよう、北電に対して、適切な情報の提供や公開を求めるとともに、道としても、地元4町村と共同して、安全性に関する確認と情報提供にこれからも努めてまいる考えであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

地元4町村の一角である岩内町で、民間の方がやったにしても、そのアンケートの結果については大変重たいものだと私は思うのです。ですから、ぜひ、岩内町のアンケート結果そのものを知事は読んでください。

皆さんの声として、大変不安だとか、よくわからない、こういうのが約半数を占めているわけです。これだけ道が一生懸命アピールしても、地元の岩内町民の中では、不安だとか、わからないという声が半分を占めるということは大きなことだと思うのです。

改めて、岩内町も含め、北海道全体の有権者の人方に、安全性を求めるアンケートなど、道民アンケートをやる必要があるのではないかと思いますが、知事の見解を伺いたいと思います。

○高橋知事

岩内町のアンケート調査結果についての重ねての御質問でございますが、地元の有志団体の方々が実施をされたアンケート調査の結果について、委員から今お話がございましたが、地域としては、さまざまな御意見もある中で、議論を重ねられた結果、プルサーマル計画を了解することになったものと認識いたしているところでございます。

そうした中、改めて、道民意見についての御質問でもございましたが、プルサーマル計画につきましては、地元を初め、道民の皆様方の御理解を深めることは大変重要である、このことは前からも申し上げているところであり、地元はもとより、広く道民の皆様方からの御意見をお伺いしながら、慎重に検討した結果、事前了解をいたしたところでございます。

今後とも、道民の皆様方の御理解を得ながら、このことの着実なる実行が進められるよう、我々としても対応してまいりたいと考えております。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

知事、とにかく、アンケートの中身を読んでいただきたい。大変切々たる声や、本当にわからない、不安だ、こんな声があふれています。後でお届けしますから、ぜひ読んでいただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。

直轄事業負担金問題について

次に、直轄事業負担金問題について伺いますが、同時に、これと関連します国営土地改良事業についても一緒に質問したいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

国の直轄事業負担金をめぐって、都道府県が、内訳の明細公開と負担項目の見直しを求めている問題で、高橋知事は、これと同じような構図が道と市町村の間にもあることを、我が党の真下議員の質問で初めて明らかにしました。

知事の指示で行われてきた全庁調査の結果も、発注3部から既に提出済みとのことなので、具体的に伺っていきたいと思います。

まず、知事が指示しました、09年度の道の事業についての全庁調査の結果、及び、それへの知事の認識を伺いたいと思います。

○高橋知事

道が行う事業に係る市町村の負担金についてでありますが、道と市町村との間においては、国の直轄事業や国庫補助事業、また、道の単独事業など、それぞれの枠組みの中でさまざまな事業が行われているところであり、この中には、地方財政法や土地改良法などの規定により、その受益の限度において市町村に負担を求めている事業もあるところであります。

今回、全国知事会を中心に、国の直轄事業について、国と地方が対等との観点から、国に対し、事前協議など、新たなルールづくりを求めているところであり、その趣旨を踏まえ、事業を執行している関係各部には、十分な情報開示のもと、市町村との協議をしっかり行うよう、改めて指示をいたしたところであります。

現在、その状況などについて、点検、調査を行っているところでありますが、これまでの点検作業の中では、市町村負担に人件費等を含む事業もありますが、今回の見直しの基準としている国庫補助事業の要綱等に基づいたものであること、また、事業の執行に当たっては、市長会、町村会を通じるなどして協議を行ってきたことなどを把握しているところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

市町村負担の中に、国や道の職員の人件費や共済掛金など、他県で問題になっている費用はどのくらいあったのか、各部ごとに答えていただきたいと思います。

○高橋知事

市町村負担の内容についてでございますが、道が行う事業に係る市町村負担の中には、国庫補助事業の要綱等で認められた経費として、事業に係る人件費等が含まれているものもありますが、詳細については、現在精査中であります。

また、国の直轄事業につきましては、その負担金を道と市町村などで分担しているところでありますが、現時点でその積算内容等が明らかでなく、国に対して、さらなる情報開示を求めていく中で、各経費負担も明確になるものと考えているところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

それでは、発注3部の一つであります建設部の事業について伺いますが、建設部が所管する二つの事業の市町村ごとの負担額、そのうちの人件費及び共済掛金はどうなっているのか、伺いたいと思います。

○高橋知事

建設部所管の事業についてでございますが、江別市におけるJR函館本線の連続立体交差事業については、道が行う鉄道高架事業に伴い、市道踏切の解消に必要とされる部分について、一体として整備するものであります。

また、流域下水道事業については、石狩川流域、函館湾流域、十勝川流域の3地域で、本来、市や町が単独で行うものを、効率性の観点から、道が集約して整備するものであり、2事業とも代行的な性格を有する事業でありますことから、負担をいただいているところであります。

そのおのおのの負担額と内訳は、連続立体交差事業においては、江別市から約3億8400万円の負担を予定しており、そのうち、人件費は約140万円で、共済費は約30万円が含まれているところであります。

また、流域下水道事業においては、函館市など17市町から総額で約5億4900万円を予定しており、そのうち、人件費は約1300万円で、共済費は約230万円が含まれております。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

今の答弁は重たいと思いますし、数字的には初めて明らかになったものだというふうに私たちは思っています。これにとどまらず、徹底して明らかにすべきだということを申し上げておきたいと思います。

次に、埼玉県の上田知事が、市町村から要望があれば、人件費などについて外すものは外すと述べていることについて、知事の見解を伺いたいと思います。

○高橋知事

道の実施事業に対する市町村負担金についてでありますが、道の実施する事業の中には、市町村負担に人件費等を含む事業もあるわけでありますが、国庫補助事業の要綱等により事業を実施しているところであり、今後とも、市町村の理解と同意のもとに円滑な事業執行ができるよう、十分な情報開示のもとに、市町村の御意見もしっかりお聞きしながら、適切に対処してまいりたいと考えております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

埼玉県の上田知事は、なぜ共済組合の掛金を含む人件費を市町村に負担させているか、理解ができない、国のまねをすればいいというものではないとまで、厳しく述べています。

共済組合負担金は、道職員の年金や医療費などのもととなるわけであり、それまで市町村に負担させるのは道民の理解が得られないと私は思いますが、改めて知事の見解を伺いたいと思います。

○高橋知事

共済組合の掛金等の扱いについてでございますが、国の直轄事業におきましては、これまでの議論でも御案内のとおり、国庫補助事業では認められていない退職金などが対象経費に含まれているところであり、その見直しを私たちは求めているところであります。

一方、道の補助事業につきましては、事業の中には、事業に直接かかわる職員の給与及び共済費を算定しているところでありますが、これらは、国庫補助事業要綱等で認められた範囲となっているところであります。

いずれにいたしましても、今後、市町村の皆様方の御意見を伺うなどして、適切に対応してまいりたいと考えております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

調査結果の公表及び市町村への説明がおくれている理由について、知事の認識を伺いたいと思います。

埼玉県の知事は、数日後には、県内の担当者を集めて、いろいろと御相談をしていたというふうに聞いておりますが、北海道としても、そういうやり方をとるべきではないかと思いますが、いかがですか。

○高橋知事

調査結果などについてでありますが、本道におきましては、国や道が行う事業は多岐にわたっているところであり、現在、これらの事業について、市町村との協議状況なども含めた点検を行っているところであり、この取りまとめが終わり次第、その結果について、市町村に対し御報告をしてまいる考えであります。

いずれにいたしましても、今後、市町村に対しましては、このたびの直轄事業負担金制度の見直しの趣旨や、その状況などについても情報提供を行うとともに、道の事業執行に当たっては、十分な情報開示のもとに、市町村の御意見もしっかりお伺いするなど、協議を徹底することとしてまいりたいと考えております。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

私は、埼玉県を例に出して言っていますけれども、一つ一つではなくて、全部の市町村の皆さんに集まっていただいて、北海道の考え方、それから市町村の考え方、これをじっくりと検討するという方法をとったらどうかということをお尋ねしたわけです。

それで、知事の責任についてですが、負担を求める市町村への情報公開や事前協議は極めて重要と議会で答弁しながら、いまだに調査結果も公表できないことについて、知事はどう責任を感じているのか、伺います。

○高橋知事

市町村に負担を求めている事業に関しての今後についてでございますが、全国知事会においては、国の直轄事業について、事前協議など、新たなルールづくりを国に要請しており、道が行う事業においても、負担を求める市町村への情報開示や事前協議などは極めて重要であります。

道といたしましても、市町村に負担を求めている事業については、市長会、町村会などを通じ、事前に協議を行い、市町村の理解と同意のもとに実施をしてきたところであります。

現在、国の直轄事業も含め、その負担の状況等について点検作業を行っているところであり、先ほども申し上げたところでございますが、取りまとめ次第、関係市町村及び道民の皆様方に御説明をしてまいりたいと考えております。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

いつまでにやるのかという時期をきちんとしなければだめなのではないかと思いますが、この点はいかがですか、改めて伺います。

○高橋知事

取りまとめについての重ねての御質問でございますが、私どもといたしましては、国の直轄事業を含め、その負担の状況等について、点検作業を今やっているところでございますので、先ほど申し上げましたとおり、取りまとめ次第、できる限り早く、関係市町村及び道民の皆様方に説明をしてまいりたいと考えております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

全部わかってからということでなくて、わかり次第、出していくということもやっぱり大事ではないかということを指摘しておきたいと思います。

次に、国営土地改良事業の問題について伺います。

市町村だけではなく、農家にも、国家公務員の退職金などの負担が押しつけられていることがわかりました。道東の国営かん排事業など、道内の46地区で、退職金分で約4億円、それと、共済組合負担金分で約6億9000万円にもなっています。知事はどう受けとめているのか。

知事会も反対している、直轄事業負担金における国家公務員の退職金などについて、農家に負担を押しつけるのではなく、当然、国が全額負担するよう、知事も求めるべきではないのか、この二つの問題についてお答えください。

農家負担と国への要望についてです。

○高橋知事

国の直轄事業における退職金などの経費についての御質問でございますが、国から開示された資料により、国庫補助事業では対象外となっている退職金が含まれていることが判明をしたところであります。このことは、先ほど来申し上げているとおりでありまして、こういったことから、国庫補助事業と同様の取り扱いとするよう、見直しを求めているところであります。

そして、こういった国への要望につきましては、現在、退職金など、国庫補助事業では補助対象と認められていない経費について、補助事業と同様の扱いとなるよう、全国知事会とも連携をしながら、他の各都府県とも緊密な連携を図りながら、国への要請に取り組んでまいりたいと考えております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

さっき言いましたように、国営土地改良事業などで、道内の46地区で、退職金分で約4億2000万円、共済組合負担金分で約6億9000万円にもなっている、これを知事はどう受けとめたのかということを聞いているのですけれども、答えになっていないと思いますので、もう一度お願いします。

○高橋知事

改めての御質問でございますので、改めて同じ答えになるかと思うわけでありますが……

○花岡ユリ子委員

違うでしょう。

○高橋知事

国の直轄事業における退職金などの経費の取り扱いについての御質問でございますね。それについてお答えをいたします。

国から開示された資料により、国庫補助事業では対象となっていない退職金が含まれていることなどが判明をしたことから、国庫補助事業と同様の取り扱いとするよう、見直しを求めているところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

時間がありませんから、指摘だけしますけれども、農業が大きな基幹産業である北海道は、土地改良事業の中にもこの直轄事業負担金が入って、農家の皆さんにまで、その負担が課せられていたということが明らかになっているわけです。

こういう厳しい中で頑張っている農家にまで、そんな負担をさせるのはおかしいのじゃないかということで質問させていただいたので、済みませんが、もう一度、答弁をいただけますか。

○高橋知事

改めてのお答えでありますが……

○花岡ユリ子委員

単なる直轄事業負担金だけじゃないのですよ。

○高橋知事

国の直轄事業における退職金などの経費の扱いについてという御質問でございますが、私どもといたしましては、国庫補助事業では対象外となっている退職金が含まれているということ、こういったことが判明したことを踏まえ、国庫補助事業と同様の取り扱いをするよう、国に見直しを求めているところであります。

以上であります。

北海道新幹線問題について

○花岡ユリ子委員

それでは最後に、北海道新幹線問題について、1点だけ伺いたいと思います。

並行在来線の経営分離への同意のことについてなのですけれども、先般、後志管内の自治体担当者の方々と意見交換をしたと聞いております。そのときの資料の「並行在来線対策について」の中で、「現在の状況で、経営分離後の選択肢を決定することは得策ではなく、将来の社会状況の変化を踏まえて検討することは重要。」と書かれております。これは、選択肢としてバス転換を想定しているということになるのか。

また、スケジュール表では、沿線自治体より先に道が分離に同意するというーー道というのは知事だと思いますけれども、分離することに同意となっていますが、既成事実のごとく記載されています。沿線市町村と住民の意思を最優先されるべきと考えますが、どう対応しようとしているのか、伺っておきたいと思います。

○高橋知事

並行在来線の経営分離への対応などについてでありますが、経営分離後の具体的な交通手段の確保対策については、経営分離区間が確定した後に、道が中心となって、沿線市町村と協議会を設置し、将来にわたる利用動向や交通体系の整備状況とあわせ、国における並行在来線に対する各種支援制度についても見きわめながら、検討を進めていく必要があると考えているところであります。

また、経営分離に対する同意については、昨年12月の政府・与党ワーキンググループにおける合意事項において、「平成21年末までに認可するための所要の検討を進め、結論を得ることとする。」とされておりますことから、秋ごろには、国土交通省から北海道に対して意向の確認があると予想されるところでありますが、その際には、あらかじめ沿線市町村の御意向を十分確認した上で、道としての考え方をお伝えしたいと考えているところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

終わります。

どうもありがとうございました。


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