【花岡ユリ子道議の2009年第1回定例会一般質問】 | 09.03.17 |
初めに、北海道新幹線についてお聞きいたします。
新幹線の延伸計画に知事は相当力を入れていますが、それは同時に、選民の暮らしを削り、借金をふやすことになります。
先日、知事が九州新幹線を視察された際のNHKの報道を見ましたが、そこには、元気だった商店街で軒並み閉店に追い込まれ、福岡へのストロー現象が生じ、地方が疲弊していく様子が映し出されていました。
新幹線の延伸が、札幌への集中に一層拍車をかけることになるのではないか、人口や経済の変動について試算しているのか、お聞きいたします。
大阪府や茨城県の知事は、国直轄事業負担金に明確に反対したり見直しを求め、新潟県や佐賀県などの知事は、新幹線の事業費追加負担に応じられないと表明しています。
高橋知事は、北海道の追加負担について、根拠の説明があってから判断していくとしていますが、他県の知事との姿勢の違いは明らかです。現時点で、追加負担には応じられないことを明確に表明すべきと思いますが、いかがでしょうか。
また、最終的に負担を負うことになる道民全体の意見を集約すべきと考えます。お答えください。
地球温暖化は待ったなしの事態です。自然エネルギーが活用され始めています。その中でも今最も注目されているのは太陽光発電でしょう。
我が党は、稚内で実証研究をされているメガソーラープロジェクトを視察してきました。北電の太陽光発電プロジェクト推進室長は、問い合わせも多く、完成を多くの方が期待していることを実感すると話されました。
自然に優しく、地域の中小企業にも仕事がふえるという一石二鳥である太陽光などの自然エネルギーの普及について、道としてどのように取り組むつもりか、伺います。
私は、具体的な取り組みを推進するためにも、年次計画の作成が必要と考えますが、いかがでしょうか。
次に、職員の採用について伺います。
本来、人事委員会が実施する競争試験による職員採用が基本であるのに、道では、これまで、公開も募集もしていない選考試験によって職員を採用しており、こうした密室のルートを通じることにより、コネ採用や縁故採用が行われているとのうわさも聞こえております。もしそうだとすれば、選考試験を行うことで、一般受験生の採用の機会を奪い取ったことになるのではないでしょうか。
一般行政職職員の選考試験のこれまでの実施状況と、どのような理由で実施してきたのか、明らかにしてください。
また、過去に縁故採用などの不適切な採用が行われたのではとの声がある中で、これまでの道の採用試験のあり方について知事はどのように考えているのか、お答えください。
また、今後、道民が納得する試験の透明性の確保に向けて、どのように取り組んでいこうとしているのか、伺います。
次に、天下り問題ですが、知事は、先日の自民党の代表質問に対して、道の再就職取扱要綱の年齢制限を一律65歳に引き下げる考えを明らかにしました。これまで20年以上にわたって改善を求めてきた我が党への答弁ではなく、天下りに甘い自民党への答弁だったことに違和感を覚えますが、改善であり、評価いたします。(発言する者あり)
しかしながら、改善すべき点はほかにも幾つもあります。
今回の見直し案のポイントは、要綱の適用団体と準適用団体を一元化し、チェック機能を強化することだと思いますが、見直しに伴って、現在の準適用団体の大半が適用外となるなど、改正どころか、改悪ではないでしょうか、お答えください。
昨年、官製談合で大きく揺れた札幌市が、職員の天下りに関する規制策を4月から導入すると発表しました。道としても学ぶべきところがあると思います。知事はどのように評価していますか、お聞きいたします。
年齢制限の引き下げ以外にも、道として早急に改善すべき問題が幾つかあります。この際、小出しにしないで、全面的に改善すべきです。
報酬額の引き下げ、雨宿りの解消、指定席の解除についても早急に実行すべきと考えますが、知事の明確な答弁を伺います。
次に、地方自治のあり方についてです。
市町村合併をめぐる住民投票では、相次いで合併反対が多数を占めました。後志管内留寿都村や南幌町は、ともに圧倒的に合併反対という住民の意思が示されました。これらの結果を知事はどのように受けとめていますか。
また、合併新法制定後に道内で成立した市町村合併がゼロであることについても知事の見解を伺います。
知事は、2月24日の定例記者会見で、記者の質問に対して、合併する自治体への支援金について、合併をやめた市町村分の6000万円を、今後、合併を予定する町村に振り向けることもあり得るかのような答弁を行っています。
このことは、支援額の増額をちらつかせ、合併の誘導と受け取られかねず、合併の是非について悩んでいる住民の心を踏みにじるものではないでしょうか。発言の真意をお聞きいたします。
次に、支庁再編についてですが、このたびの支庁再編をめぐる混乱は、ひとえに、知事の強引な手法に起因するものであることを知事は認識していますか、まずお聞きいたします。
地方4団体は、この問題をこれ以上長引かせてはならないという思いで、苦渋の提案をされました。4団体が求めている支庁機能の維持を知事はまず明確に約束するのですか。
また、支庁再編は、結局のところ、道の行革にほかなりません。支庁の人員などの削減には、地域の同意を得ることが不可欠であると考えますが、知事の見解をあわせて伺います。
次に、子供の貧困の問題です。
本道は、全国と比べて所得水準が低いことや、1次産業などの衰退、さらには世界的な金融不況が追い打ちとなり、道民の生活は大変厳しい状況にあります。
親の失業で、子供の生活もまた大きな影響を受けています。この5年間でも、小樽、札幌、旭川などを見ると、生活保護の受給者や就学援助制度の利用者が増加しています。
このような中、例えば、小樽市で、子供1人を養育している場合、平成18年度までは月2万3260円あった生活保護費の母子加算が、この3月をもって廃止となります。
中3、中1、小5の3人の子供を持つ母子家庭のお母さんに会いましたが、今でも厳しい中、必死に子育てしてきましたが、今後、母子加算がなくなって、これからどうやって学校に通わせていけばいいのかと、私に話されました。これでは、母子家庭に対する自己責任の強要ではないでしょうか。
子育て支援を重要政策に掲げる知事として、母子加算に相当する措置を道単独でも実施すべきではないですか。いかがでしょうか。
不況の影響は教育現場にも及んでいます。高校における授業料の滞納が増加している中、道教委は、授業料の滞納が6ヵ月を経過すると、出席停止の処分を課すこととしています。この百年に一度と言われる不況のもと、授業料が払えず、やむを得ず退学せざるを得なかった生徒の将来はどうなるのでしょうか。
高校卒業という資格は、今時分では最低限のセーフティーネットとも言われています。親の失業などにより、授業料を滞納せざるを得ない高校生に対する支援策が必要ではないでしょうか。
私学の問題も含めて、知事及び教育長に伺います。
次に、経済・雇用問題についてです。
道労働局の調査によると、3月末までに、道内で、少なくとも2666人の非正規労働者が職を失うとされています。重大なのは、その9割近くの人が、中途での雇用契約解除――文字どおり、派遣切り、非正規切りであることです。
雇いどめ企業の中に、トヨタ自動車北海道やパナソニック電工帯広など、道の誘致補助金を受けた企業がかなり含まれています。社員1人につき50万円の助成金を受け取っている誘致企業が、一方で、非正規労働者を雇いどめにすることは、雇用への貢献という趣旨にも反すると考えますが、いかがでしょうか。
派遣労働者を、3年以上、クーリング期間などを挟みながらであっても雇い続けた企業には、直接雇用の申し出義務が生じますが、義務を果たしていない企業が見受けられます。そうした実態をどのように把握していますか。
また、莫大な内部留保金を持ちながら、雇用への責任を負わないこれらの大企業に対する知事の認識もあわせて伺います。
さきの労働局の調査では、この間の離職者のうち、再就職に至った人は1割にすぎません。知事が新年度予算に計上された緊急非正規労働者マッチング促進事業により、成功報酬を受け取る派遣会社が、日雇い派遣や偽装請負などの行為を過去に行っていないことを担保する制度になっているのか、お答えください。
季節労働者の平均年収は258万円にすぎず、50代の35%、40代の40%が年金の未加入または滞納となっています。高過ぎる国保科も重なって、医療保険の無保険状態で子供を病院に連れていけないなど、実態は深刻です。
国に対して、今議論が進められている雇用保険法改正に当たっては、季節労働者が受け取る特例一時金を、40日分から、差し当たり50日分に戻すことを求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
あわせて、通年雇用制の抜本的な見直しとして、受講給行金を伴う講習制度の復活を国に求めるべきです。お答えください。
そして、何よりも、道と市町村は、働く場を確保することに力を注ぐべきです。夏場でも就労日数が減っている中、最低でも短期特例の資格が得られるよう、道独自の季節労働者の雇用創出策を盛り込むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、大規模林道についてです。
道は、これまで、2月までに費用対効果を取りまとめ、年度内に建設の必要性を判断すると述べてきましたが、いまだに議会に対して説明や報告がないのはなぜなのか、お聞きいたします。
道は、沿線自治体に意向調査をしたはずですが、その結果をどのように受けとめ、どのように対応しようとしているのか、路線ごとに具体的にお示しください。
また、滝雄・厚和線と置戸・阿寒線の山の道は、ほぼ全域が国有林地帯です。本来、国が事業主体となって整備すべき国有林内の幹線林道を、なぜ道が主体となって整備しなければならないのでしょうか。知事はおかしいと思いませんか。
沿線の地元で、継続の要望が強い自治体が多いと言われる中、平取・えりも線でさえ、ほとんどは、総論としては賛成ですが、これ以上の負担には応じられないというのが本音です。
道財政はもちろんのこと、道内市町村も破綻寸前と言われるほどの厳しい財政状況です。知事は、この際、思い切って、全線の計画凍結や中止などの勇気ある決断をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
北海道の重要な産業である水産業の振興にとって、各地の水産試験場が果たしている役割は非常に大きなものがあります。
稚内水産試験場を訪問し、試験現場の苦労を知りました。稚内水試では、ナマコやミズダコなどとともに、平成20年度から、道北地域の一部に分布している、栄養価の高いチヂミコンブの研究が進められ、関係者は、地域のブランドにしたいと張り切っています。このような地域に密着した研究の積極的な推進は評価できるものです。知事の見解を伺います。
漁業の振興上、日本海沿岸は大きな課題を抱えていますが、群来という明るいニュースが流れています。
ニシンの資源の増大については、水産試験場の研究成果を受けた、漁業関係者の一丸となった取り組みによるものと思いますが、今後のニシンに関する研究をどのように進めていくのか、伺います。
最後に、教育問題について、2問伺います。
2003年度に主幹・主任制を導入した東京都では、校長の87%が「組織的な課題・問題解決が向上した」と答えたのに対し、一般教職員では、過半数に当たる52%が「低下した」と答えています。学校全休の教育力についても、「向上した」と答えた一般教職員は1%だけで、53%が「低下した」と答えています。
道教委は、今回の新しい職の導入に際し、他府県の前例についてどのように検討されたのか、お聞きします。
副校長等の職の設置に関する検討会議が、学校長や教育委員会の代表だけで構成され、一般教職員や保護者らの意見が反映されず、結局、学校長による学校の運営と管理の視点のみでの導入が目指されています。
私は、新たな管理職をつくる計画の撤回を求めます。子供と直接向き合う教員の増員こそ最優先されるべきと考えます。教育長の見解を伺って、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
最初に、私の政治姿勢に関し、まず、新幹線建設費の負担などについてでありますが、建設費の追加負担については、各県の事業の進捗状況が異なることなどから、さまざまな御意見があるものと承知をいたしておりますが、この建設費の増加の要因や、どのような財源を充当するのかなどについては、今後、国から具体的に説明される予定であり、道といたしましては、この説明をしっかり聞いた上で、対応を検討してまいりたいと考えております。
また、北海道新幹線についての道民の皆様の御理解を深めていただくため、道といたしましては、これまでも、経済界など関係団体と連携して、ホームページなどを活用した積極的な情報提供とともに、道民参加型のイベントや署名活動を展開してきており、こうした取り組みを通じ、さまざまな機会に道民の皆様から御意見をいただいているところであります。
今後とも、新幹線の建設促進に当たっては、道民の皆様から寄せられる御意見をしっかりと受けとめ、札幌延伸についての御理解が一層深まるよう努めてまいります。
次に、一般行政職の選考による採用についてでありますが、道においては、平成4年度までは、採用辞退者や退職者が予想以上に発生をし、相当数の欠員が生じることなどにより、人事委員会の競争試験を実施する時間的な余裕がない場合などに限り、臨時的な対応として、地方公務員法で定める選考試験という方法により職員を採用してきたところであります。
なお、平成5年度以降における一般行政織の採用については、すべて、人事委員会による競争試験により実施しており、採用試験の実施に当たっては、受験者への試験案内や道のホームページなどにより、試験の透明性の確保に十分留意をしているところであります。
次に、採用試験のあり方などについてでありますが、職員の採用については、競争試験及び選考試験のいずれにおいても、地方公務員法で定める平等取り扱いの原則や能力実証主義の原則に基づき、公平かつ公正に実施されるべきものと考えており、私といたしましては、今後とも、道民の皆様の誤解を招くことのないよう、人事委員会とも連携を図りながら、有為な人材の確保に加え、職員採用の透明性を高めるため、採用セミナーのさらなる充実や、就職情報サイトの活用による受験者への周知の徹底など、実効性のある方策を講じてまいりたいと考えております。
次に、再就職取扱要綱の見直しについてでありますが、道においては、これまで、過去に要綱の対象となった団体については、出損金や補助金等の割合など、要綱の客観的な基準を満たさなくなった場合においても、要綱で定める、道の事務事業と密接なかかわりがある団体という規定に基づき、引き続き、要綱の対象団体として取り扱う運用を行ってきたところであります。
こうした運用については、団体側からも理解が得られにくい面があることに加え、議会においても、要綱の規定の明確化を図る必要性について御指摘を受けていたところであります。
このような状況を踏まえ、今回の見直しにおいては、団体の範囲を定める適用基準のうち、道の事務事業と密接なかかわりがある団体という規定を廃止し、適用基準の明確化を図ることとしたため、結果として、新たな要綱の対象となる団体数については、現在の適用団体と準ずる団体の総団体数と比べると減少することとなったところであります。
一方で、給与額についてすべて確認を行う新たな適用団体については、一定程度増加することとなり、また、要綱遵守に応じない場合は、その状況を公表するなど、一定の制限強化を図ることとしており、今後、要綱の厳格な取り扱いをしてまいる所存であります。
次に、札幌市の、再就職に関する規制の見直しについてでありますが、道においては,民間企業への再就職について、札幌市で定める指名登録業者のみならず、すべての企業に対し、営業活動全般についての制限を課していることに加え、退職後2年間は、密接な関係にある企業への再就職の自粛を定めているところであります。
また、団体への再就職に関しては、今回の見直しにおいて、団体の一元化や適用基準の明確化、さらには、再就職者の給与の確認の徹底など、新たな方策を講じることといたしているところであります。
こうした中、札幌市においては、実質的に再就職禁止と同様の効果が得られるよう、団体への再就職については、一部、再任用制度を活用することや、民間企業への再就職については、営業禁止期間の延長や、規制に違反した場合の団体と職員に対するペナルティーの創設などの見直しを実施するものと承知しており、今後、再任用制度の活用状況など、札幌市における具体の取り組み内容も注視してまいりたいと考えております。
次に、要綱に定める給与の上限額などについてでありますが、道においては、団体への再就職に関し、その給与額については、退職金の不支給や給与の上限額を定めるなど、社会通念上、適正な水準になるよう努めてきたところであり、今回の要綱の見直しにおいても、再就職者の給与に関する状況については、より透明性を確保することが重要であると考え、適用団体に再就職している者の給与額については、これをすべて把握し、要綱の遵守状況を確認することといたしたところであります。
また、民間企業への再就職については、すべての企業に対する営業活動全般について制限を課すとともに、退職後2年間は、密接な関係にある企業への再就職を自粛することなどにより、再就職者の在職時の地位やその権限による道に対する影響力の排除を図ることといたしているところであります。
いずれにいたしましても、私といたしましては、再就職者の有無にかかわらず、道と団体や企業との関係において、公務の公平性を確保することは当然のことと考えており、今後とも、道民の皆様から誤解や御批判を受けることのないよう、見直し後の新たな要綱においても、引き続き、厳格な運用に努めてまいりたいと考えているところであります。
なお、北海道新幹線の延伸による影響などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、道民生活に関し、まず、支庁制度改革についてでありますが、支庁制度改革の検討に当たっては、これまでも、市町村や地域の皆様の御意見をいただきながら、取り組んできたところでありますが、なお、町村会や地域の皆様の十分な御理解をいただくまでに至っておらず、条例を施行できない状況にあることについて、まことに申しわけなく思っているところであります。
次に、地域の理解についてでありますが、このたびお示しをした「道の考え方」は、4団体の総意としての御要請の内容を踏まえ、改革の理念を堅持しつつ、一歩を踏み出すことが重要であるとの考えに立って、取りまとめたものであります。
また、広域事務の具体的な業務やその移行の進め方などについては、今後、地方4団体の御意見を十分お伺いしながら、取りまとめてまいりたいと考えております。
次に、生活保護における母子加算についてでありますが、母子加算については、児童を養育する一人親の世帯に対して、基本的な生活費に加えて、追加的に算定されているものでありますが、国において、一般の母子世帯との公平性の確保や母子世帯の自立を促進する観点から、平成17年度から段階的に見直しを図り、今年度末をもって廃止するとともに、平成19年度から、児童を養育する一人親が、就労収入を得ているか、職業訓練などに参加している場合に、ひとり親世帯就労促進費として一定の給付を行っているところであります。
道といたしましては、このような制度改正の趣旨を踏まえ、今後とも、関係機関との連携を図りながら、母子世帯個々の状況に応じ、必要な指導、援助がなされるよう、適切に対応してまいる考えであります。
次に、私立高等学校に係る修学支援についてでありますが、道においては、これまでも、授業料軽減補助制度や奨学金制度、入学資金貸付制度などにより、生徒の修学機会の確保と保護者負担の軽減に努めてきたところであります。
道といたしましては、今後とも、制度の有効かつ積極的な活用に努めるとともに、経済動向などに応じた適切な修学支援について、保護者負担の状況、私学経営の状況や道の財政状況も見きわめながら検討を重ね、経済的な理由により修学が困難となることのないよう努めてまいります。
なお、市町村合併の現状などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
次に、経済産業対策に関し、まず、雇用義務等についてでありますが、労働者派遣法において、派遣元企業や派遣先企業への指導監督権限は国が有しており、労働者からの申告や企業に対する指導などの際に実態を把握し、企業が直接雇用の申し込み義務を果たしていない場合には、直接雇用の申し込みを行うよう指導していると承知しております。
また、内部留保と雇用責任についてのお尋ねにつきましては、個々の企業の経営判断に立ち入ることは差し控えたいと考えますが、企業にとっては、株主に対する責任を果たしながら、雇用を守り、優秀な人材を確保していくことが、長期的発展のために必要ではないかと考えております。
次に、季節労働者対策についてでありますが、道といたしましては、一昨年7月に策定をした、季節労働者対策に関する取組方針において、冬期間における雇用の場の確保を重点施策の一つとして位置づけ、冬期増嵩経費措置事業などを実施することにより、季節労働者の通年雇用化の促進に積極的に取り組んでいるところであります。
また、道としての投資単独事業なども実施することにより、雇用の確保に一定の効果が期待されるものと認識をいたしております。
さらに、こうした対策に加え、今後とも、農商工連携や、地域を支える産業の振興、建設業の新分野進出の促進など、季節労働者も含めた雇用の受け皿の拡大を図ってまいる考えであります。
次に、山のみち地域づくり交付金事業についてでありますが、道では、昨年12月に、関係各部等で構成する全庁的な検討委員会を設置し、いわゆる大規模林道事業を引き続き実施するかどうかについて検討を進めているところであります。
私といたしましては、これまでの地域の皆様の御意見や地元市町村の意向などを十分踏まえながら、今後、費用対効果の分析などを早期に行い、区間ごとの必要性や有効性などについて、幅広く客観的な視点から論点を取りまとめ、道議会はもとより、地元市町村にお示しするなどして、道として事業を継続すべきかどうかについて判断してまいる考えであります。
なお、雇用増を基準とする助成などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
最後に、第1次産業に関し、ニシンの研究の推進についてでありますが、近年、日本海のニシンは、漁獲が順調に増加をし、特に本年は、小樽や石狩の沿岸で群来が見られておりますが、平成8年から実施してきたニシンの資源増大対策においては、水産試験場の研究が大きな役割を果たしており、今後、ニシン資源のさらなる増大を図るためには、生態に関する基礎データなどを集積して、産卵藻場の保全技術や資源管理技術などの向上に取り組むことが重要と考えております。
このため、道といたしましては、関係漁業者などとの連携を図りながら、産卵藻場の実態調査や稚魚の移動状況調査などを継続的に実施するとともに、積丹半島以南での新たな資源造成の可能性を探るための研究を進めるなど、日本海においては、漁業者の思い入れが特に強いニシン資源の増大に資する研究を推進してまいる考えであります。
なお、地域密着型の研究の推進については、担当の部長から答弁をさせていただきます。
以上でございます。
その研究、分析に当たりましては、国立社会保障・人口問題研究所による将来の人口推計を基礎データといたしまして、地域間の交流量に及ぼす影響を検証しており、その結果、新幹線の開業が本道全休に大きな経済波及効果をもたらすと見込まれているところでございます。
道といたしましては、新幹線の開業効果をできるだけ広く波及させていくためにも、今後とも、地域の方々や経済界、関係機関などと連携しながら、新幹線と結ぶ交通ネットワークの充実や、滞在型の広域観光の推進、さらに、地域産業の振興方策などについて検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、市町村合併の現状などについてでありますが、市町村合併につきましては、住民の皆様に必要な情報をわかりやすく提供し、どのような地域づくりを目指すのかという議論を十分に行う中で、市町村が、住民の方々の意向を踏まえて、主体的に判断されることが重要であると考えております。
このたびの留寿都村及び南幌町における住民投票は、それぞれの地域で合併協議を重ねる中で、住民の方々の意向を把握するために行われたものと承知しており、その結果につきましては、今後とも単独で自治体運営を行っていくということを住民の方々が選択されたものと受けとめております。
また、道内におきましては、これまで、多くの市町村において合併の検討が進められてきたところでございますが、合併に至らなかった市町村においては、地域的条件や、地域が寂れるといった不安、さらには、単独で自治体運営をしていきたいという意向など、さまざまな要因があるものと認識しております。
次に、合併を支援するための交付金についてでございますが、道といたしましては、新法期間内の合併を目指して協議が進められている地域の市町村長の皆様から、道の支援の充実を求める御要望をいただいたことも踏まえまして、来年度予算案に、合併を支援するための交付金を計上したところでございます。
この交付金につきましては、合併新法期間内に合併する市町村に対し、単年度で3000万円を交付することとし、予算を計上したものであり、道といたしましては、合併に取り組む市町村を積極的に支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
このため、道といたしましては、北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画に基づき、試験研究機関における研究開発、中小企業の研究開発や設備導入への支援、製品や技術に対する表彰の実施などに取り組んできております。
また、年次計画とは異なりますが、関係部局で構成する北海道省エネルギー・新エネルギー施策推進会議において、毎年度、新エネルギーの開発、導入の促進に関する施策や、その実施状況を取りまとめ、全庁的な施策の推進管理を行っているところであります。
今後におきましても、木質ペレットストーブの導入支援や、住宅用太陽光発電に関するモニター事業、雪氷エネルギーの導入促進などに取り組むほか、国のさまざまな支援策の積極的活用を促し、新エネルギーの開発、導入の促進に積極的に取り組んでまいる考えでございます。
次に、経済産業対策に関し、雇用増を基準とする、誘致企業に対する助成についてでありますが、道の立地助成制度におきましては、道民の雇用機会の拡大を図る目的から、一定数以上の常用雇用者の増加を助成要件とし、あわせて、常用雇用者の増加数を基準とする助成を行うことにより、本道への誘致のインセンティブを高め、新規雇用の拡大にもつなげようとするものでございます。
これにより、新たな企業の立地が進み、本道の厳しい雇用情勢のもとで、新たな雇用の揚が提供されるとともに、さまざまな取引を通じて本道経済への波及効果も及ぶなど、本道の経済、雇用に大きく貢献しているものと認識しております。
また、助成金を交付した企業に対しては、交付後においても、操業状況の報告を求めるとともに、フォローアップ訪問を行って、雇用の状況についても把握しているところでございます。
次に、緊急非正規労働者マッチング促進事業についてでありますが、本事業は、離職を余儀なくされた非正規労働者などの再就職の促進のため、民間就職支援会社のノウハウや営業力を活用しようとするものであり、民間就職支援会社が、離職した非正規労働者などを、雇用期間の定めのない正社員として就職に結びつけた場合に、一定期間の雇用継続を確認の上、当該支援会社に一定額を支給するものであり、道といたしましては、本事業により、1人でも多くの方が正社員として再就職できるよう、実効ある取り組みに努めてまいる考えでございます。
なお、対象とする民間就職支援会社については、国から有料職業紹介事業の許可を受け、適法に業務を行っている企業とする考えでございます。(発言する者あり)
最後に、季節労働者対策等に関する国への要望についてでありますが、国の雇用保険制度の見直しにおきまして、特例一時金の廃止などを含む厳しい議論がなされていた状況にあったことから、道といたしましても、組織を挙げて、制度の存続について働きかけを行った中、制度の存続が図られ、当面、40日分の給付とすることなどを内容とする改正雇用保除法が平成19年4月に成立したところでございます。
また、国においては、通年雇用化に必ずしも効果を上げていないとの指摘などから、冬期技能講習助成給付金などの暫定制度を平成18年度限りで廃止し、19年度からは、通年雇用促進支援事業を開始するなど、通年雇用化をより効果的に進めるための対策を推進しているところであります。
道といたしましては、今後とも、国などとも十分連携を図りながら、この通年雇用促進支援事業の実効がさらに上がるよう取り組むとともに、季節労働者の資格取得に対する支援や、公共職業訓練の効果的な実施に努めるなど、季節労働者対策に関する取組方針に基づき、季節労働者の通年雇用化の促進に積極的に取り組んでまいる考えでございます。
以上でございます。
このうち、費用対効果に関しましては、森林施業の考え方や交通量のとらえ方などについて詳細な検証が必要であることから、その検討に時間を要しているところでございます。
今後、引き続き検討を進め、できるだけ早期に費用対効果などの結果を得るよう努めてまいりたいと考えております。
次に、本事業に対します地元自治体の意向などについてでございますが、滝雄・厚和線については、高規格道路へのアクセス道路としての期待がある一方で、財政状況の悪化などから事業は見直すべきとの考えがあり、また、平取・えりも線については、災害時の迂回路として重要な道路と評価する一方で、事業費の負担が増加することへの対応が難しいとの考えがあります。
さらに、置戸・阿寒線については、財政負担が大きいことなどから、今後、新たに着手する区間については、事業の実施を要望する状況にないなどといった意向を聞いているところでございます。
道といたしましては、今後とも、こうした地元市町村の御意向を十分踏まえながら、適切に判断していく考えであります。
また、国有林地帯におきましては、国有林が行う森づくりと地域とのかかわりなども踏まえ、この事業の必要性や効果などについて検討を進めてまいる考えでございます。
最後に、水産業に関しまして、地域密着型の研究の推進についてでございますが、稚内水産試験場では、漁業就業者の減少や高齢化などの地域課題に対応するため、地域特産種であるチヂミコンブが、現在注目されております機能性成分のフコイダンを多く含み、また、葉が短く、加工が容易であることから、新たな商品としての可能性が高いと判断いたしまして、養殖技術開発の研究を行っているところでございます。
道といたしましては、このような地域課題に密着した研究を推進いたしまして、地域の水産業を振興していくことが重要であると考えておりますことから、地域の研究拠点として設置しております水産試験場や水産孵化場において、今後とも、それぞれの地域が抱える課題の解決に向けた研究に積極的に取り組み、本道水産業の振興に努めてまいる考えでございます。
以上でございます。
初めに、道立高等学校に係る修学支援についてでございますが、道教委といたしましては、授業料未納者が、所定の手続をとらずに、納付意思を示さない悪質なケースにつきましては、毅然とした措置を講ずることとしておりますが、保護者の失職などにより、生徒の家庭の収入が一定額を下回る状況が生じた場合には、年度途中でありましても、授業料免除の申請がなされれば免除しているところでございます。
またあわせて、奨学金制度につきましても有効に活用していただけるよう、さまざまな機会を通して保護者などに説明しているところでございまして、今後も引き続き、こうした授業料免除や奨学金の制度につきましては、在校生や入学予定者などに対し、十分活用していただけるよう周知をしてまいります。
次に、新たな職の設置に向けた検討についてでございますが、副校長などの新たな職は、学校の組織運営体制及び指導体制の充実を図るため、学校教育法の一部改正により、平成20年4月から設けられたものでございます。
それ以前に同様の職を設置した東京都など3都府県からは、副校長については、学校全体のマネジメント機能の強化が図られたこと、また、主幹教諭につきましては、校務処理がスムーズになったことなど、制度の導入により期待された成果が上がっているとお聞きをしているところであります。
道教委といたしましては、これらの既に設置した都府県のほか、学校教育法に基づき設置予定の府県の取り組み状況も参考にし、本道における学校の組織運営の状況などを踏まえ、新たな職のあり方などについて検討を行い、平成21年度から、道立学校に副校長を、市町村立小中学校に主幹教諭を、それぞれ設置することにしたものでございます。
最後に、副校長などの新たな職の設置にかかわってでございますが、副校長などの職の設置に関する検討委員会につきましては、学校運営の責任者でございます、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の各校長会の代表者と、学校の設置者でございます市町村教育委員会の代表者の方を委員としたものでございます。
道教委といたしましては、学校がさまざまな課題を抱える中で、新たな職の設置を通じて、適切な役割分担のもと、組織的、効率的な校務処理を進めようとするものであり、このことにより、教員の負担軽減が図られ、ひいては、子供と向き合う教員の時間が拡充されるものと考えているところでございます。
以上でございます。(拍手)
まず最初に、新幹線について指摘をします。
平成18年に道経済連合会がシンクタンクに委託して行った調査は、すべてに、新幹線の開業により効果が大きいとしています。新幹線が開業しなかったら人口が減少すると、まるで新幹線が北海道を救うかのような調査です。負の部分は全く書かれていません。
私は、少なくとも、九州新幹線で起きているような、沿線地域についての厳しい状況なども今後出てくるのではないかと思います。そういう点では、改めて、負の部分も含めた調査を行うべきだということを指摘しておきたいと思います。
次に、職員採用についてですが、道職員の不公平な採用が相当古くから行われていたとの答弁でした。その実態などについて改めて伺います。
私どもを含むほとんどの道民は、道職員の採用方法は、すべて公正な競争試験で行われているものと信じておりました。
しかし、今回初めて、相当昔から、選考試験という、一部の関係者にしかほとんど知られていない不透明な試験で、多数の一般行政職職員が採用されていることがわかりました。道の資料では、平成4年度までの9年間の中級相当の行政職職員だけで、87名がこの試験で採用されています。
そこで伺いますが、こうした選考試験により、初級相当の行政職職員は、平成4年度までの9年間で何名採用され、初級、中級、上級を合わせて合計で何名採用となっているのか、お答えください。
次ですが、過去に縁故採用などの不適切な採用が行われてきたのではとの声がある中で、不適切な方法とは言えないまでも、透明性を欠く選考試験により、これまで多くの職員が採用されてきた実態があります。
選考試験は、非公開で行われるため、外から疑念を抱かれる採用方法であり、こうした方法で職員を採用してきたことについて知事はどのように考えているのか、再度、認識を伺います。
今回の再就職取扱要綱の見直しにより、新たな要綱の対象となる団体数が、結果的にではあるにせよ、減少するということです。言い方を変えれば、多くの団体が、今回、新たな要綱の対象外となり、今後は、要綱の制限に縛られず、自由に天下りができるようになったということではないでしょうか。
再就職の透明性の確保という観点から見ると、今回の見直しは極めて問題があるものと考えます。一体、幾つの団体が、今回の見直しにより要綱の対象外となったのでしょうか、お答えください。
また、新要綱の適用となる団体の精査が今時点でできていないというならば、早急に明らかにされるべきと考えますが、いかがでしょうか。
支庁再編問題に関して、広域事務の具体的な内容などについては、今後、地方4団体の御意見を伺いながら、取りまとめていくとの答弁でした。
先週の13日、道の対応方針の説明を受けました。その際、総合振興局及び振興局ともに、地方自治法における支庁として位置づけられるということでしたが、広域事務は総合振興局が担うとされており、実態は、総合振興局と振興局との間に格差をつけることに変わりがありません。この期に及んでも14支庁の間に格差をつける真意を伺います。
このたびの道の対応方針について、道から、振興局地域の各自治体の関係者や住民への説明が行われておらず、拙速の感を否めません。地域への十分な説明がまず最優先されるべきではないでしょうか、お答えください。
先ほど、教育長から、道立高校の授業料の未納に関して、悪質なケースに触れる答弁がありましたが、学費を納める経済的な能力を欠く生徒は納付の義務は負わないと、一般的には考えられています。明確な答弁を再度求めたいと思います。
道の企業立地補助金については、経済部長から、助成金の交付後においても雇用の状況を把握しているとの答弁がありましたが、制度そのものに問題があるのです。
新年度予算において、企業立地補助金が27億円計上されています。補助先の38社のうち、道外からの進出企業は20社、14億円に上りますが、補助した企業が、中途での雇いどめや直接雇用の申し出義務を履行しないなど、違法・脱法行為を犯した場合、補助金の返還を求めることができるよう、制度を改正すべきと考えます。見解を伺います。
民間就職支援会社のノウハウや営業力を活用するという答弁でしたが、再雇用をあっせんする派遣会社ではなく、雇用を守るために努力している企業、特に、雇いどめに遭った人を受け入れる地元の中小企業に対して、道は直接支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。
指摘をいたします。
大規模林道についてですが、我が党がこれまでも指摘をしてきたように、国や道の林業政策が公益性重視に転換され、大規模林業圏開発の意義が失われた中で、この大規模林道は、多額の税金を費やして、むだな道路をつくり、貴重な道民の財産である本道の豊かな自然を破壊しようとするものです。
加えて、地元市町村においても、財政が危機的な状況に陥っている中で、これ以上の開発を望まないという姿勢に変わってきており、こうしたことから、道は、この事業を継続して実施するというよりどころがなくなったことを認識すべきです。
知事は、今後、検討を進めるに当たって、こうした状況を真摯にとらえ、直ちに、この事業を中止するという決断を下すべきであることを強く指摘しておきたいと思います。
以上、再々質問を留保して、終わります。(拍手)(発言する者あり)
最初に、職員採用に関し、まず、選考試験による職員の採用についてでありますが、道におきましては、選考試験による一般行政職職員の採用は、平成5年度以降、行っておりませんが、平成4年度以前の9年間において、上級相当では採用実績はないところでありますが、初級相当で28人の採用、中級相当で87人の採用で、合わせて115人となっているところであります。
次に、採用試験についてでありますが、道において過去に実施してきた選考試験につきましては、採用困難時期や予測できない欠員発生などに対処するため、人事委員会との連携のもと、必要に応じて実施してきたものではありますが、議員が御指摘のとおり、一般行政職職員の採用に当たっては、競争試験が原則であり、より透明性の確保も求められますことから、今後とも、人事委員会と十分連携を図りながら、採用試験に対する公平性や信頼性の確保に向けて、鋭意取り組んでまいる考えであります。
次に、天下りに関し、要綱の対象となる団体についてでありますが、今回の見直しにおいては、道と団体との関与の度合いを考慮し、団体の範囲を定める規定を、出損金や補助金等の割合など、客観的な基準に明確化したことから、結果的に、新たな要綱の対象となる団体数については、準ずる団体を含めた総数と比較すると減少することとなりますが、再就職者の給与をすべて確認するなど、厳格な取り扱いを行う適用団体については、これまでと比べ数団体増加し、70団体弱になる見込みであり、今後、個々の団体の適用の有無について鋭意精査をし、年度内のできるだけ早い時期に、具体の団体数などをお示ししてまいりたいと考えております。
次に、支庁制度改革に関し、まず、その考え方についてでありますが、先般、地方4団体の総意としていただいた要請文においては、「地方分権への対応、広域行政の展開及び行政改革の推進という理念に基づく支庁制度改革を着実に進めることには賛同する」とされているところであります。
このたびお示しをした「道の考え方」は、こうした、地方4団体の皆様の御要請の内容を十分に踏まえ、取りまとめたものであり、私といたしましては、できるだけ早く地方4団体の皆様の御理解がいただけるよう、努めてまいりたいと考えております。
次に、地域への説明についてでありますが、このたび地方4団体からいただいた御要請は、支庁制度改革をめぐる事態を打開するため、市長会、町村会など4団体の総意として取りまとめられたものであり、道といたしましては、こうした御要請の内容を十分踏まえながら、「道の考え方」を取りまとめたところであります。
また、広域事務の具体的な内容や、その移行の進め方などについては、今後、地方4団体などの御意見を十分お伺いしながら、取りまとめてまいります。
次に、経済・雇用問題に関し、まず、補助金返還の考え方についてでありますが、現行の北海道産業振興条例におきましては、交付した補助金の返還を命ずることができる場合として、交付決定の内容または交付条件に対する違反、交付決定後10年以内の工場等の休廃止などが定められているところであります。
御指摘のありました、非正規労働者の雇いどめなどの雇用に関する要件については、交付の際の条件としておらず、また、新たに交付条件とすることも慎重にすべきと考えておりますが、助成金を交付した企業に対しては、フォローアップ訪問の際などに雇用状況の把握に努めるとともに、助成先企業において労働者派遣法の趣旨が守られるよう、国とも連携を図ってまいりたいと考えております。
最後に、中小企業などへの支援についてでありますが、道といたしましては、新年度において、離職した非正規労働者などの再就職の促進を行う緊急非正規労働者マッチング促進事業のほか、地域の雇用を支える中小企業などを支援するため、引き続き、新一村一雇用おこし事業を実施するとともに、中小企業の経営の安定化に向けて、セーフティーネット貸し付けなどの新規融資枠を拡大することといたしているところであります。
このほか、中小企業を支援する事業として、国が新たに創設した、年長フリーターなどを雇い入れた企業に対する奨励金や、一時的な休業や教育訓練などにより雇用の維持を図る企業に対する助成金などがあり、道として、これらの活用促進も図るなどして、企業における離職者の雇い入れや、雇用の維持安定に向けた取り組みを支援してまいる考えであります。
以上であります。
授業料の未納に関して再質問をいただきましたけれども、私は、ルールは守るべきである、守っていただきたい、このような趣旨でお答えをしたものでございます。
高校に通い、授業を受けている生徒及びその保護者が授業料を支払うということは当然の義務でございます。
しかしながら、同時に、保護者が失職して学費が払えないというような状況が生じているのに、授業料を払えと、そのような冷たいことを申し上げているわけでもございません。(発言する者あり)
ただ、そのような場合には、授業料免除の申請をしていただきたいということでございます。
所要のとるべき手続をとらず、かつまた、授業料も意図的に支払わないということをそのまま容認すれば、モラルハザードを起こすでありましょう。(発言する者あり)
学校は、知識を教えるだけではなく、ルールを守ることの大切さを学ばせる場でもございます。私は、保護者はもとより、生徒に対しましても、さまざまな機会を通して、ルールを守ることの大切さをしっかりと理解していただきたい、このことを強く願っております。
以上でございます。(拍手)(発言する者あり)
支庁再編についてですが、地域の意見を今後伺うとの答弁でした。しかし、順番が逆なのだと思います。
知事は、先人により培われてきた北海道百年の自治の形を、分権という名のもと、強引に変えようとしています。
これまで、道と地方4団体とは、お互いに協力し合う立場で、北海道の発展に尽くしてきたと私は思います。
ところが、今回の支庁再編問題では、知事は、町村会の意向に耳をかさず、道の行革のため、再編を強行しようとしています。なぜ、そこまで事を急ぐのか、なぜ、地域の声を改めて聞こうとしないのか、私は理解に苦しみます。
知事、あなた自身も、百年に一度の改革と考えているならば、4団体はもちろんのこと、まず、道民の理解を得ることが何より必要です。拙速きわまりない、このような支庁再編は、後世に大きな禍根を残すと思いませんか。再度、認識を伺いたいと思います。
子供の貧困についてですが、憲法26条は、国民に、ひとしく教育を受ける権利を保障しています。経済的な理由で高校から排除される若者を生まないことは、今開かれている国会で、河村官房長官が、我が党の質問に対して、最大限努力すると答弁したように、だれもが否定できない政治の責任です。
学費が払えずに高校を卒業できないという事態を生まないためにも、道教委が子供の立場に立った対策を講じるよう強く求めて、指摘といたしたいと思います。
以上です。(拍手)(発言する者あり)
支庁制度改革の取り組みについてでありますが、道内の各地域が、経済、雇用を初め、厳しい状況に直面している中で、これまで以上に、道と市町村が連携をして、地域の切実な課題の解決に向けて取り組むことが極めて重要であり、こうした中で、このたび地方4団体からいただいた御要請は、支庁制度改革をめぐる事態を打開するため、4団体の総意として取りまとめられたものと承知をいたしております。
私といたしましては、改革の一歩を踏み出すため、要請内容を十分に踏まえながら、道としての考え方を取りまとめたところであり、4団体の皆様の御理解が得られるよう、さらに努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。(発言する者あり)
知事は、2期6年にわたって、この北海道の自治の姿を変えようと、合併推進、支庁制度改革など、霞が関の方針を推し進めてきました。
しかし、市町村合併にしても、支庁再編にしても、何一つ、知事の考えている方向には動いていません。なぜこうなっているのか、知事はおわかりでしょうか。
あなたが頼りとする与党内からも、二転三転する知事の対応と発言に、どれだけ周りを振り回せば気が済むのか、ここまで骨抜きになったのだから、仕切り直しを考えるべきではないかとの有力議員の声も出ているというではありませんか。(発言する者あり)
こういうときは、まず一歩、みずから引いて、地方4団体はもちろん、市町村関係者、有識者の方々と、これからの北海道づくりをどう進めていくか、皆さんの知恵と力を率直にかりたらいかがでしょうか。
あなたは、173万票を獲得して道民から選ばれたのだから、何でもやれるのだと思っているのかもしれませんが、このままでは、残念ながら、道民の信頼がなお一層失われかねないということを忠告しておきたいと思います。
まず、道理のない支庁再編案を一度取り下げ、最初から出直すべきであるということを申し上げて、私の発言を終わります。
以上です。(拍手)(発言する者あり)
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]