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道議団の動き
補正予算/雇用・福祉対策不十分/6月定例道議会

補正予算

雇用対策は直轄負担金など公共事業費のわずか1%

雇用・福祉対策不十分

6月定例道議会

第2回定例道議会が3日、閉会しました。国の経済対策を受け、6月議会としては過去最大規模となった1092億円の補正予算案への対応が焦点となりました。(日本共産党道議団・小田一郎事務局長代理)

直轄負担金250億円

一般会計補正予算案1080億円に反対したのは日本共産党だけです。

真下紀子道議は最終本会議で、①国直轄事業の地方負担金について改善策が示されていないにもかかわらず250億円が計上されている、②公共事業費が700億円を超える一方で緊急雇用推進費は7億円など雇用とセーフティネット予算が貧弱すぎる③危機にあえぐ中小企業や農漁業への支援はあまりに微弱―と反対理由を述べました。

他県は「緊急求職者総合支援センター」の設置や福祉・医療施設の耐震化促進を、積極的に進めているとして、「効果の高い事業を」と強く求めました。

党は一般質問(真下道議)と予算特別委員会(花岡ユリ子道議)で、道民の暮らしと安全を守り、道政をチェックする立場で質問しました。

道事業の負担金にも人件費

直轄負担金の請求明細が示されず、職員の退職金や共済掛け金、庁舎や宿舎の営繕費まで負担させられていた…。この問題が、国と都道府県の間だけではないことが明らかになりました。

真下道議の質問に対し、高橋はるみ知事は、「道と市町村の間においても…十分な情報開示と協議を行う」とのべ、道が実施する事業で、国と同様の問題があることを初めて認めました。

花岡道議は08年度の46の国営土地改良事業で、市町村と農家を合わせた「地元」負担金に、「退職金4.2億円、共済組合負担金6.9億円」が含まれると告発。「農家にまで負担させるのは理不尽」だと迫りました。

知事は9日、今年度の三つの事業に道職員の人件費3400万円(うち共済費260万円)が含まれていたと発表。「情報開示の徹底」を表明したことは、党道議団の論戦の成果です。

真下道議は、(財)道建設技術センターへの発注が、すべて一社随意契約(07年度、145件)だと指摘。センターの常勤職員の約半数が、道庁OBと道からの派遣職員だとして、競争性と透明性の確保を求めました。知事は、契約のあり方を「精査する」と答えました。

地方議員、市民団体と協力

道議団は現地調査をもとに、地球温暖化対策と自然エネルギーについて質問しました。調査先の寿都町の風力発電について、知事は「先導事例として評価する」と答弁。経済部は、小水力発電などの利用可能量を調査、支援すると答えました。

▽新幹線と並行在来線▽北電が延期を発表した泊原発・プルサーマル発電▽手話通訳者派遣事業▽夕張市の小中学校1校化計画―などの質問は、党地方議員の「草の根」の活動が土台にあります。

花岡道議は小樽市議団と連携して、「子どもの貧困」について質問。要保護・準要保護の就学援助実施額に占める国の財政負担割合が、04年の37%から、07年には26%に激減したことが明らかになりました。

▽妊婦検診の拡充▽最低賃金の引き上げ▽特別支援教育「通級指導」―などの質問は、各団体の活動と要望によるものです。「大型開発より、安全・安心のための公共事業を」という視点での質問もその一つです。

09年第2回定例道議会主な議案への各会派の態度
  自民 公明 民主 フロンティア 共産
【道一般会計補正予算】総額1080億円のうち公共事業が7割を占める一方、保健福祉部5億円、「緊急雇用」創出7億円にとどまる。国直轄事業負担金250億円。 ×
【道営住宅特別会計補正予算】12億円で「長寿命化」(屋根や外壁の補修)や「高齢者対応」としてユニットバスの交換など実施。
【国営土地改良事業に伴う地方公共団体負担金】9地区合計で市町村負担は2.5億円、農家負担は1.6億円。それに公務員の退職金や共済負担金などが含まれている。 ×
【新取締船の建造請負契約】老朽化による更新は必要だが、入札予定価格や積算根拠を公表せず。道議会がチェック機能を果たせない。 ×

真下道議は、学校耐震化の遅れを告発。「子どもの命のために、道は財政支援の決断を」と迫りました。

花岡道議は、橋梁や河川の樋門の長寿命化と修繕のために、「10年間で4割も削られた維持管理費の復元」を要求。民間住宅リフォーム制度は「景気回復の呼び水になる」として、実施自治体への道の支援を求めました。

いずれも、道民と地元業者を直接応援する提案です。

高橋道政支えるオール与党

道が提出した21の議案に対し、日本共産党は6議案に反対しました。

他党は、すべての議案に賛成。高橋道政支える自民・公明と民主の違いは見えてきません。事実上の「オール与党」ともいえます。

(09年07月19日付「ほっかい新報」より)