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談話

道議会を振り返って/存在感示す共産党

09.12.27

道議会を振り返って

存在感示す共産党

民主党新政権が誕生して100日余が経過するなか、1年半後の3選をめざすと見られる高橋はるみ知事、自民・公明両党と民主党の激しい主導権争いが道民そっちのけで展開されています。

党道議団は、現地調査や地方議員、民主団体などとの連携で得た切実な道民要求をつきつけて活発な論戦を展開してきました。道政をめぐるムダや不正を厳しく追及するとともに、いくつかの貴重な成果を上げるなど、党の存在感を示しました。第4回定例道議会と決算議会を振り返ります。

ムダ、不正、天下りをチェック

大規模林道中止ヘ

国と道が336億円の巨費を投入し、自然を破壊しながら推進してきた道内3路線の大規模林道。知事は11月の決算委員会で、日本共産党の真下紀子道議の質問に、「費用対効果が低く、地元負担が大きい」ことを理由に、全路線・全区間の事業を中止すると答えました。党道議団は何度も現地を訪れ、自然保護団体とも懇談し、この5年間だけでも9回の質問を重ねました。

事業の中止で残事業費約600億円の税金が節約されることになりました。今議会で最大の成果です。

ムダなダム見直し

北海道で進行中の9事業10ダムが、新政権の「ダム見直し」のもとで精査対象となりました。本体着工は5ダムです。これまで北海道では、自然保護団体を中心に、ねばり強いダム建設反対運動が続けられ、党道議団も現地調査を重ね、不要不急のダム建設の「中止を含む直し」を強く求めてきました。第3回定例道議会で党道議団は、道内の10ダムの費用対効果は、国が「中止」を決めた八ツ場ダムを大きく下回ることを示し、特に自然環境破壊が著しい、サンルダムや平取ダムの中止を厳しく求めました。北海道では、民主党もサンルダム・平取ダムは「建設促進」の態度です。“ダム建設ありき”の道政運営が転換できるかは、今まさに“正念場”です。

天下りに甘い知事

2004年から5年間の道農政部の委託業務(設計・測量)が毎年受注上位10社に占められ、上位20社のうち15社には道農政部OBが33人も天下りし、落札率は95.7%と平均を4.6ポイントも上回っていることが党道議団の調査で明らかに。10年前の上川支庁の官製談合とまったく同じ構図です。「明らかに受注調整が疑われる。調査を」と追及した真下議員に、知事は「適正な入札の結果」と開き直り、調査を拒否。知事の説明責任が問われています。

札幌医大の副理事長に天下りした元部長は、道の再就職要綱の対象外である国の独立法人と兼職し、「週4時間で年222万円」の給与を受け取っていることが党道議団の調査で判明。医大の給与と合わせると月給78万円です。ところが知事は「職業選択の自由」と述べ、元部長の「要綱逃れ」を容認しました。天下りに甘すぎる知事の姿勢が今回も浮き彫りになりました。(党道議団事務局長・三上博介)

(09年12月26日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)


住民の願いが道政に

新卒者対策、通級教室で前進

10日に閉会した第4回定例道議会は、道職員・教職員給与の削減案の審議でスタート。条例案と92億円の給与削減が盛り込まれた補正予算に反対したのは日本共産党だけです。

花岡ユリ子道議は、11年連続で7.5〜9%もの大幅給与カットを続けているのは北海道だけであることなどを示しました。道内の労働者全体の賃金を底上げし、デフレ克服の道を進むよう提言しました。

雇用の問題では、道政を前進させています。

真下紀子道議が取り上げた、高校新卒未就職者対策もその一つ。質問を受けて道は、高等技術専門学校に募集定員を超えた「特別枠」63人分を設けました。

花岡議員は、政府が示した「『働きながら資格を取る』介護プログラム」について質問。「季節労働者が職を失う冬期間に介護ヘルパー2級の資格を取れるように」と求めたのに対し、道は「年度内の実施を検討」と答弁。3千万円を補正し54人分の募集を開始しました。

道教委が、自民党道議の「指摘」を受け、総選挙期間中に地元紙社説を活用した高校の公民授業について、「不適切」だと「通知」し、全道調査まで実施した問題は戦後の民主教育にかかわる重大問題です。

真下議員は、教育行政による教員への「不当な支配」だと批判。橋場昇教育委員長が、「(教育の)中立性、不偏不党性は(教育基本)法の定めるところ」と答え、道教委の“事務方”と一線を画したことは重要です。

道教委が進めている小規模校の統廃合について、真下議員は高校がなくなった地域では、片道110分もバスやJRで通学している実態を紹介。教育の機会均等にも反するとして、通学費補助の基準額1万3千円を引き下げるよう求めました。

花岡議員は、特別支援教育の一つの「通級指導教室」を取り上げました。11月の政府交渉で、通級教室への交通費が本来、国の就学援助費の対象となっていることを確認。道議会で、国の制度を知らない44自治体が父母に負担させている実態をただしました。道教委は「周知徹底すること」を約束、答弁から1週間後の15日に「通知」を出しました。

党道議団がこの間、取り上げてきたのは、雇用や教育に限りません。

養殖ホタテのザラボヤ被害や農林漁業の担い手対策、生活保護・母子加算復活など一人親家庭の支援、ホームレス対策、夕張市民の生活と財政への支援、「函館バイオクラスター」など「事業仕分け」による道内への影響―いずれの質問も、市民団体や労働組合、党地方議員団と協力して、道政に反映させてきました。(党道議団事務局長代理・小田一郎)

(09年12月27日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)

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