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申し入れ

トヨタなど誘致企業などに対し、雇用責任を果たすことを求める要望書

08.11.17

2008年11月17日

北海道知事 高橋 はるみ 様

トヨタなど誘致企業などに対し、雇用責任を果たすことを求める要望書

日本共産党北海道委員会 委員長 西野 敏郭
日本共産党道議会議員団 団 長 花岡ユリ子

輸出大企業を中心に、業績悪化を理由に「派遣切り」「雇い止め」などによる人員削減が広がっている。トヨタグループなどは、金融危機と円高にともなう輸出の不振などに対して、減産および雇用調整で乗り切ろうとしている。

しかし、自動車産業は通期の営業見通しで多額の黒字を見込み、1983年以来毎年経常利益をあげ続け、2007年度は3兆6637億円にも達している。社内留保は、自動車産業(資本金10億円以上)で1兆5776億円、キャノンなど精密機械産業(同)で5218億円にも上っている。減益を理由とした解雇は、大企業の社会的責任の放棄であるといわざるを得ない。

本道においては、道企業立地促進条例に基づき、セイコーエプソンに17億円、バイファに10.3億円、日石三菱に10.1億円など、上位10社だけで約78億円もの多額の助成金を支出してきた(1998〜07年度)。

新聞報道によると、トヨタ北海道はすでに10月から期間従業員の新規採用を中止し、生産量の変動によって削減はありうるとの方針を示している。現地・関係者のあいだに、「首切り」の不安が広がっている。道は、トヨタ北海道にも9億円、関連会杜であるアイシン北海道に3.4億円、ダイナックスに2億円、助成してきた。

道民の税金から補助金を受けた誘致企業が社会的責任を果たすよう、道として要諸することを求めるものである。

あわせて、来春卒業予定者の採用および季節・建設労働者対策の強化について、下記のとおり要望する。

  1. 特に、企業誘致補助金を受けた企業が労働者や関連下請け中小企業に、減益のツケを押し付けることを許さないこと。期間工の雇い止めや派遣労働者の「派遣切り」など、非正規労働者の切り捨てをさせず、企業としての社会的責任を果たすことを強く求めること。知事は、本道の雇用を守る先頭に立って尽力すること。

  2. 立場の弱い非正規労働者の不当な解雇や、新規採用の内定取り消しなどによって、労働者や学生に不利益を生じないようにすること。関係法令の周知と情報収集、解雇に至る以前から相談に対応すること。労働相談機能及び相談体制を緊急に充実し広報すること。そのために、道労働局や市町村との連携体制を強めること。

  3. 金融危機、円高などによる影響を緊急に調査すること。中小業者や労働者が不利益を被ることがないように対応すること。

  4. 東京都は「50万人雇用創出計画」を発表した(「東京緊急対策Ⅱ」、10月31日)。道としても、冬場に向かう季節・建設労働者、就業希望者らを対象とした「雇用おこし」を行うこと。

以 上