燃油高騰から漁船漁業を守る緊急申し入れ |
08.07.02 |
北海道知事
高橋 はるみ 様
2008年7月2日
日本共産党北海道委員会
委 員 長 西野 敏郭
日本共産党道議会議員団
団 長 花岡ユリ子
スルメイカ漁がいっせい休漁するなど、とどまるところを知らない燃油高によって、漁業経営が廃業の危機に追い込まれています。
漁船漁業の経費に占める燃油の割合は30−40%といわれ、出漁すれば赤字という状況です。道漁連の試算では、燃油高騰に伴う負担増が、この5年間で300億円近くにのぼり、全漁連でもA重油が1リットル130円になれば3割の漁業経営体が廃業に追い込まれると試算しています。
先日開催された全道漁業経営危機突破緊急集会での、「日本の沿岸から漁火が消えていいのか」というイカ漁師の叫びは、浜の共通した思いです。零細なコンブ漁民への影響も深刻です。
事態は、一刻も放置できません。原油値上がりの大きな原因である投機を規制することや、省エネ対策、適正な価格設定なども長期的な課題として重要ですが、いま最も漁民が求めているのは、危機に直面している漁業者の経営支援策を抜本的に強めることです。
日本の食糧自給率は39%まで低下していますが、水産物は日本人のたんぱく源の4割を賄っているといわれます。また北海道の漁業生産は数量で全国の25%、水産加工品生産は20%を占め(いずれも全国1位)、北海道の漁業は資材の調達や流通・加工業をふくめて地域経済を支える基幹産業です。
燃油高騰にあえぐ漁船漁業者への手だてを急ぎ、漁業の崩壊をくい止め、食と地域経済を守るため、以下の項目について緊急に申し入れるものです。
記
燃油高騰対策として、価格上昇分を直接補てんする基金制度を国に求めること。
漁業用A重油や軽油にたいする税の減免措置継続を国に求めること。また、漁民に還元されていないガソリン税については、免税制度の創設を国に求めること。
7月7日から開催される洞爺湖サミットにおいて、原油高騰の要因となっている投機にたいし、実効ある規制措置が設けられるよう要請すること。
水産業燃油高騰緊急対策基金(102億円)事業の継続・拡大を国にもとめ、漁業実態にあわせて改善すること。また漁業経営体質強化対策事業の活用については、機材購入への経費の助成にとどまらず、工事費用についても助成対象とするよう国に求めること。
魚価安を招いている水産物の輸入野放しを規制するとともに、燃油高騰に見合った魚価対策を国に求めること。
国際的な食料不足が深刻となるなか、日本海沿岸などにおける資源回復にむけた調査研究を充実すること。
道は、国に財源措置を求めるとともに、燃油高騰に苦しむ漁業者にたいする独自支援をおこなうこと。また、休漁に対するつなぎ資金の手当てをおこなうこと。
以 上