自民・公明「暫定税率維持」
共産・民主「一般財源化」
道議会本会議が7日開かれ、道路特定財源「維持」を求める意見書と、「一般財源化」を求める意見書案がそれぞれ審議されました。
自民党と公明党が共同提案した特定財源と暫定税率「維持」を求める意見書を自民、公明とフロンティアの賛成多数で可決しました。
一方、日本共産党が共同提案者となった「一般財源化」を求める民主党意見書案は共産、民主が賛成し、自民、公明。フロンティアの反対で否決されました。
民主・共産案は「特定財源であるがゆえ」に、ムダな事業執行や目的外流用もあると指摘。特定財源を一般財源化し、地方自治体が使途を「自主的に判断できるようにすべき」だとしています。
質疑に立った日本共産党の真下紀子道議は「提案者から提案説明がなかったことは残念だ」と切り出し、自民党支持層の中でも6割近くが一般財源化に賛成だと紹介。米軍住宅建設への「不正な流用は返還を求めるべきだ」と要求。救急医療のために高速道を整備をすすめるというのではなく、地域の救急病院を維持することが道民の願いだと強調しました。
自らの選挙公約に反して暫定税率維持を主張している公明党道議は「5年後に見直しがある」と強弁。自民党道議も、道路整備は「北海道にはまだまだ必要」とくり返しました。
日本共産党の花岡ユリ子道議は、自民、公明案への反対討論に立ち、「際限のない大型プロジェクトの財源になっている道路特定財源をいまこそ見直すべきだ」と訴えました。
道路特定財源の一般財源化を求め道路関係諸税の暫定税率廃止を求める意見書(案)
道路特定財源制度は、道路整備のための「緊急措置」として、昭和29年に創設以来、54年にわたり継続されてきた。また、暫定税率は、道路整備加速のためとして昭和49年に設けられて以来、34年も継続されている。一方、昨今の、特定財源であるがゆえの、ムダと思われる事業執行や、本来目的以外の使い方への批判も高まっている。
地方において、生活道路を中心に、道路整備は今でも非常に重要な施策の一つである。しかし、社会保障や教育などの重要性も飛躍的に増大し、地域におけるニーズに即した政策判断が求められるようになっている。社会経済の変化の観点からも、地方分権国家樹立の観点からも、道路以外への歳出を認めない特定財源制度は廃止して一般財源とし、地方尾自主財源として、その使途を地方が自主的に判断できるようにすべきである。
また、暫定税率については、道路整備のためという約束で基本税率に上乗せして国民に負担してもらっているものであり、一般財源化にあたっては、当然廃止するべきである。
地方においては、自動車は生活に不可欠であり、住民の負担も都市よりはるかに多額となっている。暫定税率廃止により、地方における世帯あたりの負担を軽減させ、都市と地方の格差を是正することができる。また、燃料価格の高騰が他の様々な物価上昇の要因ともなっており、ますます厳しさを増す国民生活の現状を鑑みれば、暫定税率廃止により、燃料価格を少しでも引き下げ、これ以上の物価上昇を抑えるようにすることも重要である。
よって、地方に十分な自主財源を保障した上で、道路特定財源を一般財源化するとともに道路関係諸税の暫定税率廃止を行うよう、強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成20年 月 日
北海道議会議長 釣 部 勲
- 衆議院議長
- 河野 洋平 殿
- 参議院議長
- 江田 五月 殿
- 内閣総理大臣
- 福田 康夫 殿
- 総務大臣
- 増田 寛也 殿
- 財務大臣
- 額賀 福志郎殿
- 国土交通大臣
- 冬柴 鐵三 殿
各通
※ 3月7日本会議にて否決
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