花岡道議ら「磯焼け」対策試験を調査 | 08.08.22 |
道や泊村漁協が中心になって協議会を設立し、海藻がなくなり生態系のバランスが崩れ魚が寄り付かなくなる「磯焼け」対策として昨年11月から今年5月にかけて、後志管内泊村臼別の海域で実証試験を実施しました。実証試験は、海域に不足している無機栄養塩類(主に窒素)を供給することで海藻群落の修復を目的にして行われました。
日本共産党の花岡ユリ子道議は22日、泊村を訪れ、後志支庁産業振興部、泊村漁協から、実証試験の概要や効果を聞きました。
「磯焼け」は、冬場での高水温と貧栄養が発生原因とされています。地球温暖化で海藻類の成長に欠かせない窒素やリンが不足することが大きな要因となっています。
実証試験は、無機化・肥料化した消化液を投入して、海中の窒素の濃度を高めることで海藻が生えるかどうかを確かめることが狙いです。泊村漁協や民間企業でつくる泊地域磯焼け対策推進協議会が実施しています。
協議会に加わるある事業所の工場でのビール製造の過程で発生する絞りかすを発酵・消化させたもの(消化液)を実施個所に隣接する泊村栽培漁業センターで取水している海水で薄め、入り江に流しています。
5月までの実証試験で、まったくコンブが着生していなかった地点で着生があるなど一部で成果がみられたため、実証試験を1年だけでなく、2年目以降もしていくことになりました。
花岡氏らは支庁の中村雅彦産業振興部長、金崎伸幸水産課長から事業の概要を聞き、入り江の投入口やコンブの生育状況などを見て回りました。
金崎課長は「3月で道の補助はなくなりましたが、漁協と役場との協力ですすめていくことになっています。水産課や中央水産試験場など道は引き続き技術的な援助をしていきます」と述べました。
泊村漁協は例年、イ力漁やサケの定置網漁が中心ですが、今年の春先から、ニシン、ホッケが豊漁に。とくにニシンは50年ぶりの大漁となりました。
「サケの漁獲高は、昨年も悪かったのですが、今年も例年の24%減となっています。予想がはずれることを願っています」と話す泊村漁協の吉田茂樹専務理事。「だからこそ試験を一年で終わらせるわけにはいかない。もう一年やれば、成果は上がると期待しています」といいます。
花岡氏は「燃油高騰への対策など、漁業対策は立ち遅れています。漁業者が希望のもてる対策を国、道に求めていきます」と話しました。
大田勤、大石美雪の両岩内町議、真貝政昭古平町議、琴坂禎子小樽地区自治体部長らが同行しました。
(08年08月29日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)
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