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道議団の動き
14支庁再編どうみるか? −解説− 08.07.10

道議会で可決・強行

14支庁再編どうみるか?

現在の14支庁体制を、9総合振興局とその下に5振興局を置くようにする支庁再編条例案が6月28日早朝、道議会で自民党・公明党などの費成多数で可決・強行されましたが、実施は不透明です。支庁再編問題をどうみたらよいのか、考えてみました。

条例全面凍結を

地域切り捨てに怒り

住民・自治体の反対を無視して

今回の改革で、振興局(支庁出張所)になるのは、根室、留萌、日高、桧山、石狩の5支庁です。9総合振興局では旧支庁なみの体制(道の総合的出先機関)は維持されますが、根室など5支庁は総合振興局(新支庁)の出張所扱いとなり、単なる小さな窓口に近いものに大幅に縮小されます。

留萌市の高橋定敏市長は「地域が困っているいまこそ、支庁の力が必要だ。再編は地域の切実な要請に逆行する」(「朝日」6月23日付)といいます。

全道市長会、市議会議長会、道町村会、町村議長会の地方4団体がこぞって反対を貫き、再三、決起集会を開き、道と道議会に要請しました。4支庁では、商工会、町村会など地域ぐるみの反対運動が起きました。

しかし高橋はるみ知事は耳を傾けず、条例案を提案しました。会期内成立に固執し、与党の自民・公明が議決を強行しました。

桧山管内江差町議会の打越東亜夫議長は、「知事と道議会はどう責任を取るのか、絶対に許さない」(「道新」6月28日付)と語ります。

あてにならない「地域振興条例」

重大なことは、支庁再編を自民・公明が道州制への一歩と位置づけていることです。

自民党道連の船橋利実政調会長は「支庁のような出先機関は、いずれ道州制の導入によって廃止されるべきものだ。支庁がなくてよい方向にどうもっていくかだ」(「朝日」同)とのべ、道州制の下で支庁廃止を展望することを隠しません。

たしかに人口10万−30万人の20くらいの市に再編すれば、支庁など不要となるのかもしれません。

しかし、広大な地域をかかえた北海道では、大規模合併は地域衰退を極限まで促進することになります。そんな「自治のかたち」は、道民も市町村も望んではいません。

自民党と公明党は、支庁縮小廃止による地域衰退防止の代替案として、「地域振興条例」などを知事答弁でひき出し、これにより役員会として費成の会派拘束を決めました。

しかし、地域条例の制定は担当部局も未定で、しかも条例をつくれば地域振興の担保となるものではありません。農業振興条例をつくれば、農業発展となるものではないのと同様です。

道は来年四月実施をめざしていますが、地域が納得する対策が示される保証はまったくありません。

知事と自・公、道理は不在

今回の改革案に対して、その「大義と道理の不在」を問う声があがったのは当然です。

道理の不在は、暴走する知事とこの“暴走”を止めなかった与党=自民・公明にもあてはまります。「道新」(同)は、民主の退席・棄権について、「最後は逃げた」と報じました。

一方、日本共産党の花岡ユリ子道議は約10分、反対の立場で討論に立ちました。日高、桧山、留萌の関係者が討論を見守りました。

道は当初、14支庁を六支庁にする再編案を出しましたが、地域の反発に対応して宗谷・後志は存続に変わりました。

しかし、ある道幹部は「5年後の見直し規定にそって当然見直す」と宗谷・後志の廃止を描いています。

また当初は「地域主権」を掲げていたのに地域の理解が得られていないと「財政再建」を前面に立てました。

百年続いた支庁の再編に対して、「これが百年の計なのか」とマスコミからも疑問の声が相次ぎ、ある市長は「大義なき再編」と批判しました。

いま浮上しているのは、施行期日です。道は公選法(議員の選挙区)の改定後としています。公選法が改定されないと、例えば留萌支庁選挙区は消え、上川支庁と合区になります。

公選法改定は、参議院で民主党などの賛成なしには決まらず、その見通しはゼロです。

地方自治体から批判の声大きく

今回の条例案強行は、地方自治体と自民党支部の不信と亀裂をよびおこしています。

自民党浦河支部は1日、上田正則支部長ら役員6人が「可決に抗議して」総辞職しました。地方の声無視に強い抗議です。

「自治体首長は『これから地域を守る本当の意味でのたたかいが始まる』と意気軒高です」と党道議団の花岡団長は語ります。

「支庁改革条例案の施行は、自治体と道民の理解を得ておらず、全面凍結すべきです。『大義なき支庁改革は許せない』との声が市町村長をはじめ、広範な道民のなかに可決後の今日になってなお、強烈に出ています。政治は、道民の信頼なしにはあり得ません。全面凍結して、自治のかたちを探求すべきです」

(忠)

(08年07月10日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)

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