【花岡道議の産科医療体制の充実についての質問】 | 07.05.13 |
質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員
4月29日付けの新聞で「産科・産婦人科医が2年間で約1割減少した」と新聞報道されております。産婦人科医師の減少数が多い医療圈はどこなのか、また、その背景・原因などを道はどのように認識しているのかお答えいただきたいと思います。
産婦人科医師数についてでございますが、2年ごとに国が実施している医師等調査によりますと、道内の産婦人科医師は、平成16年は395人、平成18年では359人と、この2年間に36人減少しており、これを2次医療圈別に見ますと、最も減少数の多い医療圈は、札幌圈で9人、ついで、上川中部圈で7人、さらに南渡島圈、西胆振圈、十勝圈でそれぞれ3人の減となっているところでございま す。
このように産婦人科の医師が減少している要因といたしましては、少子化に伴い出産数が減少していることに加え、産婦人科医師の不規則かつ長時間の過酷な勤務体制などにより心身両面の負担が大きいことなどがあるものと考えているところでございます。
地方だけではなく札幌や旭川などでも、そういう状況が生まれてきているのではないでしょうか。札幌市のことではありますけども、産科救急が問題になっておりましたが、このような産婦人科医の現状が地方だけではなく、産科医がいると言われてきた札幌や旭川などの中部圈でも、産科医療体制が壊れつつあるということをこの数字は明らかにしているのではないかと思います。南檜山医療圈では、道立江差病院が平成19年1月から分娩を休止し出産できる医療機開かゼロとなりました。江差町では10日に550人の住民が集まり、道立江差病院を守る運動が、町ぐるみで発展して来つつあります。
道として、この地域の医療にどう責任を果たすのか、どのように考えるのか伺いたいと思います。
南檜山圈の産科医療についてでありますが、南檜山圈において出産に対応していた道立江差病院は、平成19年1月から分娩を休止してございまして、現在、妊産婦の方々は函館市内などの医療機関におきまして出産しているところでございます。
道立江差病院につきましては、本年3月に策定いたしました「北海道医療計画」におきまして、分娩の再開を目指す地域周産期母子医療センターとして位置づけているところでありまして、産婦人科医師の確保に努め、分娩の再開を目指すこととしているところでございます。
今の答弁にありましたように、道立江差病院は地域周産期母子医療センターとして位置づけられていながら、医者がいないというのは大変問題だと思います。分娩の再開を目指すところだとしておりますけども、時期はいつ頃と考えているのか、もしおわかりだったらお答えいただきたいと思います。
先生のご指摘のとおりでございますけれども、現在、医師の確保に努めているところではございます。けれども、現在のところ産婦人科医の確保については、目処が立っていないところでございます。
繰り返すようですけれども、センターなんですから、大変厳しい事態にあることは知っていますけれどし地域のお母さん方の安心のために一刻も早く手立てをとっていただきたいと思います。
先日、市立函館保健所と渡島保健所を訪ね、地域医療について説明を受けました。その中で、助産師の配置は、函館市内66人に対して、渡島保健所管内ではゼロでした。このように、助産師についても、都市部に集中するなど地域偏在が見られるほか、不足する地域があると考えます。
この状況の下、退職した助産師の掘り起こしや、再就業への支援が必要だと考えますが、道はどのように取り組もうとしているのか伺いたいと思います。また、助産師が安全で安心なお産や妊産婦健診を担うためには、日ごろから知識や技術の修得など、資質の向上を図る必要があると考えますが、道はどのような取り組みを行っているのか伺います。
助産師の確保などについてでございますが、安全で安心な出産ができる環境を整えるためには、助産師の確保や活用は、大変重要なことと認識しております。
道といたしましては、これまで、潜在助産師の再就業促進のために、北海道ナースバンク事業などをとおしまして、再就業相談や就業斡旋などを行ってきたところでありますが、再就業に向けましては、復職に係るトレーニングやスキルアツプのための研修の機会が求められておりますことから、今後、北海道総合保健医療協議会の意見を伺うなどして再就業支援のあり方について、検討して参りたいと考えております。
また、助産技術の向上につきましては、各医療機関で努力されていると承知しておりますが、道といたしましても、北海道看護協会が行う助産技術研修に補助を行うなど、その支援に努めているところであります。
助産所の開設は、函館市内に2カ所ありますが、ともに分娩を取り扱っていない施設であります。二次医療圈ごとの助産所数及び分娩を扱っている助産所数について伺います。
助産所の設置状況についてでございますが、道内における医療法に規定する届出助産所数は、本年4月1日現在で35カ所となっているところでございます。
二次医療圈ごとの設置状況についてでありますが、南渡島が2カ所、札幌が13カ所、西胆振が1カ所、東胆振が2カ所、上川中部が4カ所、宗谷が1カ所、北網が3カ所、十勝が3カ所、釧路が3カ所、根室が3カ所となっておりまして、このうち分娩を取り扱っている施設は、札幌が3カ所、上川中部、北網、釧路が各1カ所の計6カ所となっているところでございます。
出産はリスクを伴う可能性がありますが、このため、医療法第19条が改正され、本年4月から分娩を取り扱う助産所については、産科嘱託医師・連携医療機関の確保が必要になったと言います。産科医としては病院での分娩だけで手一杯で、助産所の嘱託医までは賄えないという声もあります。
このような中で、助産所が産科嘱託医師・連携医療機関を確保し、引き続き業務を継続するためには、道として支援する必要があると考えますが、北海道としての考え方について伺いたいと思います。
助産所の支援についてでございますが、産婦人科医師が不足し、出産の取り扱いを中止する医療機関が見られる中、助産師につきましては、地域において安心、安全なお産ができる体制を確保する上で、さらなる活用を進める必要があると考えてございます。
このため道といたしましては、助産所において分娩の取り扱いができるよう産科嘱託医師や、連携医療機関の確保が困難な助産所につきましては、相談に応じるなど、その確保に向けて支援に努めてまいりたいと考えてございます。
先ほどの答弁のとおりお産ができる助産院は全道で6カ所となっています。産科医が少ない郡部こそ分娩できる助産院が必要だと思います、道の真剣な対応を求めていきたいと思います。
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