【花岡道議の後期高齢者医療制度障害者加入強制問題の質疑】 | 07.05.13 |
質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員
私からも後期高齢者医療制度の問題で質問いたしますが、その前に、今答弁されている部長をはじめ皆さんが、長寿医療制度ということばを随分使っておりますが、ここは正式な議会ですから、私は本来正式名で答えるべきではないかと思います。正式名なんですから、長寿というのは、それは福田首相が名前が悪いと、長寿にした方がいいのではないかと言っただけであって、法律名は長寿医療制度ではないですよね。ここは正式な議会なんですから、私は少なくとも皆さんに、他の所で話をするのなら別ですけど、議会の場は後期高齢者医療制度にきちんとすべきと思いますが、いかがですか。
今、ご指摘がございましたけれども、先程、答弁で後期高齢者医療制度を、通称長寿医療制度とことわった上で長寿と使わせていただいたところです。
そういう委員のご指摘がありましたので、後期高齢者ということで答えさせていただきたいと思います。
それでは後期高齢者医療制度に移ります。今、市橋委員からも質問がありまして、重複するかもしれませんけれど、通告に従って質問します。
まず、最初に先程述べた重度心身障害者医療費助成制度の問題ですが、全国的には、道ほか9県以外は、後期高齢者医療制度に移行しなくても医療費助成制度が活用できる。道は何故全国のような柔軟な対応ではなくて、後期に移らなければ助成制度が使えない、そして負担が高くなるという制度を採択したのか、このことについて、まずお答えいただきたいと思います。
重度心身障害者医療費助成制度についてでございますが、今年4月1日から、高齢者に対する国の医療制度が「老人保健制度」から「後期高齢者医療制度」に変更されたところでございますが、道では、市町村を実施主体とし重度障がい者を対象とする道単独の重度心身障害者医療費助成制度におきまして、これまでも65歳以上の方につきましては「老人保健制度」に加入していただくことを要件としてきたところでございます。
今回の後期高齢者医療制度の施行に際しまして、こうした取扱につきましては、道とともに財政負担をする市町村のご意向や、他邦府県の動向を把握するなど、慎重に検討をしてきたところでございますが、道内の9割の市町村が、将来にねって持続可能な医療給付制度の運営を図るためには、「後期高齢者医療制度の被保険者を対象にすべき」というご意見があったことや、道及び市町村の財政負担などを勘案いたしまして、道といたしましては、後期高齢者医療制度の加入を重度心身障害者医療給付事業の助成要件としたところでございます。
この自治体へのアンケートで聞いて、9割の自治体が、道のいうような方法でいいのではないかと、これがいってみれば皆さんの答弁で必ずでてくるところなんですね。この自治体へのアンケートをとったといわれていますが、どのような内容なのか、まずお答えいただきたいと思います。
自治体へのアンケートについてでございますが、道では、昨年11月に、全道の全市町村を対象に、重度心身障害者医療給付事業に関する意向調査を実施したところでございます。その中で、20年4月から後期高齢者医療制度が施行され、65歳以上の重度医療対象者につきましては、後期高齢者医療制度が適用されることから、重度医療受給者のうち老人保健加入者の取扱いについて、自由記載で、そのご意向をお尋ねしたところでございます。
自由記載の枠欄ということはありますけれど、アンケートでこれについて賛成ですか、反対ですかということではなく書かれてありますが、しかし道が行った重度心身障害者医療費給村事業意向調査票といいますと、この文書の中には、同医療制度の加入要件としない場合、最大約50%の財政負担、道予算額約60億から90億が新たに生じる見込み。60億だったものが90億になる。いってみれば、30億が新たに生じる見込みです、ということが書かれてあるんですね。それと同時に、市町村も一緒にこれに対しての助成をするわけですから、その意向をとったんだろうと思います。このように30億からの負担が増えるということを明確に書いた上での意向調査なんですから、私は誘導質問をしたのではないかと思うんです。だから9割もの自治体の首長さん方が道の方向でいいんですよとなったのではないかと思いますが、いかがか。
アンケートの内容についてでございますが、市町村意向調査におきましては、重度心身障害者医療給付事業の助成要件に関しまして、20年4月に後期高齢者医療制度が施行されるに当たり、市町村における今後の事業のあり方を検討する際の判断材料として、この制度への加入を要件としないことに変更した場合には、道及び市町村の財政負担が増加するという客観的な事実として道予算における試算値をお示ししたところでございます。
アンケートの問題でいえば、首長さん方の中で約1割の首長さん方が道のやり方がおかしいではないかと、これまでと同じように補助を継続すべきではないかということも含めて意見があったと聞いております。どういう中身があったのか、お答えいただきたいと思います。
市町村からの意見についてでございますが、市町村意向調査におきましては、重度心身障害者医療給付事業の助成要件に関しまして、全体の9割にあたる162市町村から、将来にわたり持続可能な医療給付制度の運営を図るためには、「後期高齢者医療制度の被保険者を対象にすべき」という意見が提出されたところでありますが、14市町村からは、対象者の負担軽減を図る観点などか ら、「後期高齢者医療制度に移行しなくても対象にすべき」、「加入を要件としないでほしい」などとする意見が、また、4市町からは、「一定の配慮が必要である」、「経過措置を検討できないか」などの意見が寄せられたところであります。
私はこのアンケートの結果を見まして、9割の首長さん方はしぶしぶながら道の方向性でいいんですよと書いたんだと思うんです。そういう中でも1割の首長さんが障害者の人たちの暮らしのことを考えたり、医療のことを考えたら、今までどおりやれないのか、老婆心で、それから、やっぱり道の冷たい態度を違うんじゃないかと戒めた意見を出してきたんじゃないかと思うんです。私は9割の首長さん方が進んで、道のとおりでいいですよと言ったんじゃないと思うんです。本当に心苦しい中でも、どの自治体自身の財政も厳しい中でやられているわけですから、こういう結果になったと思いますが、圧倒的な首長さん方は、できれば北海道が先頭を切って、医療制度を障害者の人たちにもちゃんとしてほしいなとの思いを持っていたんではないかと思います。
先程もありましたが、首長さんからの意見を聞くのも必要なことかもしれませんが、当事者である障害者の皆さんからはどのような意見の聴取をしたのか、どういう形で障害者の皆さんの意見を聞いたのか、あったらお答えください。
障がい者からの意見についてでございますが、本年4月からの後期高齢者医療制度の施行に向けまして、この制度を運営する広域連合におきましては、道や市町村と連携しながら障害認定をなされて老人保健制度の適用を受けている方に対しては、後期高齢者医療制度について特に周知を行っており、こうした方からの、この制度に移らないことを希望する場合の相談やその他の意見等につきましては、それぞれの市町村の窓口等において対応しているところでございます。
道といたしましては、今後、後期高齢者医療制度全体の調査にあわせまして、市町村の協力を得ながら、後期高齢者医療制度に移行しなかった方々の状況や窓口に寄せられた利用者の声などの実態を把握したいと考えているところでございます。
ということは、北海道がこの重度障害者医療の主体的な部分があるわけですけれど、北海道としては、重度障害者の皆さんの意向は聞いていないということなんですね。それでいいんですね。
直接的には、私どもは聞いていないということでございますけれども、市町村アンケートの中で、市町村長さんなどが地域の方々の意見を聞いて、アンケートヘお答えしたものだと考えております。
だからですね、10道県の中に入っちゃうんですよ。これは後期高齢者医療制度であったとしても土台は重度障害者の医療なんですから、これは責任ある北海道が、障害者の皆さんに説明しこういう制度になるけれど、あなた方の場合こういうふうになるよ、という制度をきちんとお知らせする手だてがとられていないところに、私は、こういう状況になったんじゃないかと思います。もっと、障害者の皆さんの率直な声だとか意見だとかを聞いていれば、北海道ですから、せめて全国並みに、障害者の皆さんも今までどおりと、こういうふうになったかもしれないじゃないですか。広域連合に任せっきりになっているからこういうことになると思うんですよ。改めて障害者の人の意見を聞くというふうになりますよね。
繰り返しになりますけれど、道といたしましては、今後、後期高齢者医療制度全体の調査にあわせまして、市町村の協力を得ながら、後期高齢者医療制度に移行しなかった方々の状況やあるいは窓口に寄せられた利用者の方々の声などの実態を把握したいと考えているところでございます。
先程、市橋委員の方からも指摘がありましたけれど、今日の新聞報道によりますと、国は北海道も含めて10道県の障害者の人たちが後期高齢者への強制加入の状況になっているというところについては、意見を聞くということになっています。それの会議があるというふうに聞いておりますけれど、是非、北海道も、せめて全国レベル並に、障害者の人が選択できるなら選択したからといって、医療費が高くなったりだとかしないで、きちんと、北海道として助成するという考えがなければ、国が話を聞くということになっているようですけれど、きちんと障害のある人の声を活かした形でお話し合いをしていただきたいと思いますが、いかがですか。
新聞報道に関してましては、国におきまして、明日、全国の都道府県、政令市及び広域連合を対象といたしました、後期高齢者医療制度の施行状況に関する会議の開催がございます。
この会議におきまして、国から、後期高齢者医療制度と各都道府県が実施いたしております重度心身障害者医療制度との関連等について説明がなされるものと思われます。
まずは、その会議において国の意向を十分に把握いたしたいと思っております。
いずれにいたしましても、国におきます後期高齢者医療制度に関する検討状況を見極める必要があると考えておりますが、重度心身障害者医療費助成制度が、障害者の健康の保持と福祉の増進を図るために、将来にわたり安定した運営を維持できるよう努めてまりたいと考えております。
なお、障害者のご意見などについては、先程答弁したとおりでございます。
障害者団体の皆さんからは、意見は聞いていないと言いますけれど、障害者団体や医師会などから、後期高齢者医療制度に対して、移行することによって、重度障害者の人たちが不利益を被る、この中身について是正してほしい、そういうことはやらないでくれと、こういう声が北海道にも届けられているはずです。意見書と要望書が。それから、北海道の医師会、北海道保険医師会、ここの中でも、ここの新聞で見ますと後期高齢者医療制度の中止・撤回を、お医者さんの組織もこういう声を上げざるを得ないくらい大変な中身なんですよ。
ですから、障害者の人たちの問題も含め、そして多くのお年寄りの皆さんの切ない思いを、北海道としては、きちんと対応すべきだ、少なくとも障害者の人たちの不利益は改善する、これはどうしてもやっていただきたいと思うんです。
それと、障害者の人たちが、6月以降改めて後期高齢者医療制度の問題について説明を受ける、こういう段階なんですよ。要するに制度がスタートする前には、ほとんど知らされていない、こういう実態だったということがはっきりしていますから、10道県が強制加入になっていること自体だって、いろんなご意見もあるわけですから、是非、こういう意見を聞いて改善をしていただきたい、このことを強く求めておきたいと思います。
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