【真下紀子道議、下水道事業をめぐる談合疑惑ついて高橋知事にただす】 | 08.06.26 |
官製談合が相次いだ北海道開発局では、本省のトップまでもが逮捕されるという異例な事態に進展し、札幌市でも官製談合で大きく揺れています。かつて、道庁主導の官製談合で公正取引委員会に摘発された経験を持つ北海道としても、他人ごとではありません。
初めに、知事の受けとめ方を伺いたいと思います。
以上であります。
道が発注した下水道事業では、過去5年間における全170件の平均落札率が93.7%で、そのうち、107件、実に6割以上が、談合の疑いが極めて高いと言われる95%以上の落札率です。これを知事はどのようにお受けとめになりましたか。
以上であります。
また、道内下水道関係企業で道OBが天下った4社が受注した件数は、道の調査で7件にふえ、すべてが95%以上で、平均落札率が97.3%と、異常な高さになっていますけれども、このことを御存じの上で、知事は今答弁されたのですか。いかがですか。
以上であります。
自分の言葉で答えていいのですよ。
なお、これらについての談合情報は寄せられておりません。
以上であります。
それでは、札幌市で官製談合を行った企業が、道の工事でも似たような結果となっていることを、分科会の質疑で建設部は認めたわけですけれども、知事は、道の工事でも同様の行為を行っているとはお考えにならないのかどうか、伺います。
そして、重ねて質問していきますから、一回一回、重ねて答弁しますと言わなくても結構です。
以上であります。
その前に知事みずからが積極的な調査を行うように提案したいと思いますけれども、着手するお気持ちはございませんか。
以上であります。
ちょっと具体的に伺いたいのですけれども、3年前の6月に、花岡議員、大橋元道議が橋梁談合問題を取り上げました。その後、橋梁談合工事の入札結果はどのように推移して変化をしたのか、お伺いします。
なお、その間において、ただいま委員が御指摘の調査というものの実施の経緯はございません。
以上であります。
このとき、橋梁談合の問題では、摘発を受けて、談合防止を強化し、適正な入札を行ったわけです。その結果、落札率が下げられると道みずからが証明しているのではないかと思います。
もう一つ、談合防止対策として、花岡議員の質問に対して、当時の野村建設部長は、公正取引委員会との連携を図ることはもとよりと明快に答弁しております。今回、道の事業でも札幌市の談合結果と同様の結果でありながら、なぜ連携しないのでしょうか。
せめて、重電6社については、道からの天下りもあり、道が調査をし、公正取引委員会と連携すべきではないでしょうか。そうでなければ、道は、道民から、談合隠しに協力していると言われるのではないかと思いますが、いかがですか。
部長が答えているのだから、わかるでしょう。その後ずっと一生懸命やってきたのじゃないですか。
今後とも、談合情報に関しては適切に対処してまいる考えであります。
以上であります。
それで、2点聞きますけれども、2005年から、談合防止対策の強化として、契約の解除ができるという契約条項を新たに設けていますけれども、このたびの開発局の談合に関与した3企業の指名停止期間を18ヵ月から9ヵ月に短縮したのは事実ですか。その理由と、同様の救済措置をとった都府県がほかにあるのか、伺いたいと思います。
もう一つは、違約金についてです。
同じ時期に、課徴金の引き上げなど、強化されたはずです。道の資料をもとに、この3社が道から受注した金額から類推しますと、違約金の損失が約8000万円なのですけれども、談合によって十分取り戻せるような金額なのですね。これで抑止効果があるとはとても考えられないわけですけれども、この点はいかがですか。
一方で、御案内のとおり、道内建設業、特に中小建設業の経営は大変厳しい状況にあると認識をしております。このため、長期間にわたる指名停止は、地域の経済や雇用に大きな影響を及ぼすことが考えられると理解し、私といたしましては、総合的に判断して、その期間を定めたところであります。
以上であります。
なお、他の都府県の取り扱いについては調査はいたしておりません。
次に、賠償金特約についてでございますが、道では、平成19年6月から、損害賠償の額を契約金額の10%から20%に引き上げ、談合等の不正行為に関するペナルティーの強化を図っているところであります。
今後とも、談合など不正行為の防止を図ってまいる考えであります。
以上であります。
ところが、下水道事業だけじゃないということが今回わかりました。開発局の河川事業のサンルダム建設で、2005年から2007年の3カ年のつけかえ道路工事の15件のうち、落札率が90%以上が12件です。そのうち、95%以上が9件と過半数を占めています。
さらに、私の調査では、その15件にかかわって、開発局からの天下り職員は少なくとも8社で21人もいることが判明しました。落札率はすべてが93%以上です。
これらの工事に要する道負担は約2億7000万円ですけれども、知事意見では、事業費の圧縮をするというふうに意見を出していますよね。ところが、これでは保障にならない。知事はこの実態をいかがお考えか、伺いたいと思います。
以上であります。
予定価格が1億3900万円の工事では、予定価格と2万円違いで落札しています。1回目を予定価格以上で不調にして、再度入札の2回目に、1位不動の法則にのっとって、99.99%で落としているのです。
別の予定価格が1億円以上の工事でも、落札業者以外は100万円以下の小刻みな差――写真判定か電子時計の世界と言える札入れで、不自然きわまりない状態です。これは、道の官製談合で使い古された談合形態です。
先ほど、知事は、談合情報がないからというふうにおっしゃいましたでしたけれども、この1位不動の法則というのは、談合実態の徴表として証明できることになっているのです。公正な落札結果とだれが思うのでしょうか。どうですか。
昨日報道された、開発局の河川ダムエ事の平均落札率が90.6%ですが、サンルダムの工事というのは、95%以上がメジロ押しで、入札経過の不自然なものもたくさんある。これは調査して公取に連絡をすべきだということが1点です。
ところが、下水道事業だけじゃないということが今回わかりました。開発局の河川事業のサンルダム建設で、2005年から2007年の3カ年のつけかえ道路工事の15件のうち、落札率が90%以上が12件です。そのうち、95%以上が9件と過半数を占めています。
さらに、私の調査では、その15件にかかわって、開発局からの天下り職員は少なくとも8社で21人もいることが判明しました。落札率はすべてが93%以上です。
これらの工事に要する道負担は約2億7000万円ですけれども、知事意見では、事業費の圧縮をするというふうに意見を出していますよね。ところが、これでは保障にならない。知事はこの実態をいかがお考えか、伺いたいと思います。
以上であります。
予定価格が1億3900万円の工事では、予定価格と2万円違いで落札しています。1回目を予定価格以上で不調にして、再度入札の2回目に、1位不動の法則にのっとって、99.99%で落としているのです。
別の予定価格が1億円以上の工事でも、落札業者以外は100万円以下の小刻みな差――写真判定か電子時計の世界と言える札入れで、不自然きわまりない状態です。これは、道の官製談合で使い古された談合形態です。
先ほど、知事は、談合情報がないからというふうにおっしゃいましたでしたけれども、この1位不動の法則というのは、談合実態の徴表として証明できることになっているのです。公正な落札結果とだれが思うのでしょうか。どうですか。
昨日報道された、開発局の河川ダムエ事の平均落札率が90.6%ですが、サンルダムの工事というのは、95%以上がメジロ押しで、入札経過の不自然なものもたくさんある。これは調査して公取に連絡をすべきだということが1点です。
それから、まだあるのですね。釧路湿原周囲での農業土木工事の総合農地防災事業です。
釧路湿原の乾燥化が促進され、200万年前からの本道の住人と言われているキタサンショウウオの生息が危険にさらされています。釧路湿原周囲の国営総合農地防災事業が一因だというふうに言われています。
これについても、開発局から御提出いただいた資料では、2002年から2008年までの、鶴居第1、鶴居第2、南標茶の3地区における118件中、落札率が90%以上が109件、そのうち、95%以上は79件と過半数です。同様な状態で、これはゆゆしき事態ではないかと思いますが、知事はどのように受けとめるのか。
また、3地区の事業だけでも、道負担が約13億円にも上るわけです。
談合による浪費がなくなれば、道負担は当然軽減されます。談合は決して見逃すことはできないと思うのですね。
道の資料では、2004年から2007年までの平均落札率は96%以上です。開発局の農業土木工事談合疑惑では2007年の平均が94.4%ですから、談合した方が落札率が低いということになるのです。もし、総合農地防災事業で談合がないということになれば、談合した方が節税につながるという非常に矛盾した結果になるわけですね。だから、こういうところは、きちっと調査をして、このことも公取に連絡すべきだというふうに思います。
知事は、先ほど来、落札率や天下り、指名入札などの客観的事実だけでは談合を疑えないとお考えのようですけれども、2001年の三重県津地裁の判例は、当然御存じだと思って伺うのですけれども、談合の場所とか参加者など直接的証拠がなくても、間接的な事実を総合することによって談合の事実を証明する方法を認めています。談合が行われたという事実認定は十分に証明されている、こういう判例が出ていまして、農業土木工事の問題のときには、この判例も議論になったはずです。
知事は、当然こういったことも御存じの上で、談合情報がないからいいのだというようなことをおっしゃっていますけれども、そういうレベルではないのですね、もうこの事態は。
私は、この判例の立場で客観的事実をお示ししているわけで、もし、知事が、そうではない、談合情報がなければだめなのだということであれば、ぜひ反証していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
また、国の事業の中で、特に御指摘のございました国営総合農地防災事業の入札結果についてでありますが、公共事業の入札につきましては、発注機関の責任において厳正に執行される必要があるものと考えております。
現在、北海道開発局では、このたびの入札をめぐる事件を契機として、先ほど申しました、工事全般についての調査を実施しておりますので、推移を見守っていくということでございます。
以上であります。
通告時間を経過しておりますので、質問を簡潔にお願いします。
一つ提案なのですけれども、道が既に公開しているように、入札経過の公開、資料提出を開発局に求めて、知事もよく研究して、作為性や受注調整が疑われるときには意見を述べたらいいと思うのですけれども、いかがですか。
さらに、公共工事の入札は、公平性、透明性はもとより、適正な施工の確保が求められていることに加え、道としても、直轄事業負担金として応分の負担をしていることから、国に必要な資料の提出を求めるなどして、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
以上であります。
少しクールダウンしたいと思うのですけれども、知事は、日ごろから、時代の変化をとらえてとおっしゃっているわけですが、既に、時代は、談合が道民に損害を与える経済犯罪ということになっていまして、昔と違って、必要悪だという考え方はなくなってきているのです。ですから、談合をなくそうという努力がなかなか伝わらない答弁ですけれども、談合のやり得を放置しているという懸念が持たれることのないように、ぜひ厳しい態度をとっていただきたい。
改革の第1歩は、別に支庁再編にこだわらなくてもいいわけです。談合防止のため、税金の浪費を防ぐために、ぜひきちっと取り組んでいただくことを、NHKの「英語でしゃべらナイト」のように英語でしゃべらなくてもいいですけれども、道民に向かって、道議会でちゃんとしゃべらないとだめだというふうに指摘をしておきます。
環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定されていると承知をいたしております。
以上であります。
今御答弁にありましたヒメギフチョウについては、私もヒメギフチョウに魅せられた一人ですけれども、食草が希少種のオクエゾサイシンとなっていますが、サンルダムの本体工事どころか、その前に、つけかえ道路建設によって既に回復不可能な影響が出ています。
サクラマスやヤマメなどに関する開発局と道民の調査の結果にも大きな乖離が生じているわけです。知事は、この事態をよく認識して、環境への配慮という知事意見を担保するべく、確認をしなくてはならないと思いますが、この点についてどうお考えか、これが1点です。
それから、民間調査結果と開発局調査との乖離がありますので、民間の調査結果を踏まえて検討を要請するというふうに分科会で答えていますけれども、その際、やはり、道民との共同調査をすべきだというふうに考えますが、この点についての答弁をいただきたい。
そして最後に、釧路湿原の乾燥化には大変複合的な要因があることは私も存じていますが、自然再生協議会の運営にも問題が生じていることなどもありますので、一度、知事も現地に出向いて、現地をごらんになって、よくお話を聞いていただきたいというふうに思います。何か、先ほどの支庁再編の議論の中でも、根室の方に行かれる予定もあるようですが、ぜひ釧路湿原にも寄っていただければと思いますので、最後に答弁を伺います。
サンルダムの建設に開する基本計画の策定及び変更に際して提出をした知事意見の中で、環境保全について十分配慮するよう国に申し入れたところであり、国からは、これまで、気象や植生、魚類などの継続的な調査や、貴重植物の移植などの保全対策を、専門家の助言を受け、実施していると聞いているところであります。
また、現在、有識者から成る、天塩川魚類生息環境保全に開する専門家会議で、魚類等の移動の確保などの検討が実施されているところであります。
国においては、今後、環境調査結果や専門家からの意見を踏まえた環境保全対策を環境レポートとして取りまとめ、広く一般に公開する予定と聞いているところであり、道といたしましても、環境レポートの説明を求めるなどして、環境保全への対応状況を確認してまいりたいと考えております。
次に、共同調査についてでございますが、道といたしましては、今後、国に対して、環境保全関連調査に当たっては、いわゆる民間調査の結果も踏まえ、調査方法などを十分検討した上で実施するよう、要請をしてまいりたいと考えております。
そして最後に、釧路湿原についてでございますが、釧路湿原周辺において、さまざまな開発などが進められた結果として、乾燥化が進んできているものと承知をいたしております。
このような中、2006年7月に、学識者や地域住民などで構成される釧路湿原自然再生協議会のもとに、住民が中心となった討議の場である懇談会を新たに設置し、その中で、湿原に関する情報交換を行ったり、意見をお聞きいたしているところであります。
私といたしましては、このような地域の皆様方の御意見を踏まえ、必要な対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。
また、委員から、できる限り現地に入るようにという御指摘もあったわけでありますが、私といたしましては、釧路湿原には何回か観光客としてもお邪魔をさせていただいた経緯はあるわけでありますが、機会を設けて、改めて現地に参上したいと考えたところであります。
以上であります。
知事は、常々、北海道は豊かな自然があると自慢しているわけですが、談合のDNAの方は営々とつながって、道民の税金を浪費して、氷河期から生きてきた種と言われているヒメギフチョウや、200万年前からの先住民と言われるキタサンショウウオの種が絶たれることがないように、私は心から願っています。
また、「北海道農業上木工事入札結果の検討」という、萩原信宏元道議が書いたものがありますが、談合の研究の際には御参考にしていただければ、大変勉強になるのではないかと思いますので、そのことをつけ加えて、終わります。
委員長、本当にありがとうございました。
※人名・地名等、コンピュータの機種によって表示できない旧字、異字等は通用字体に改めているものがあります。
[日本共産党道議団編集]