○78番花岡ユリ子君
(登壇・拍手)(発言する者あり)通告に従い、質問いたします。[環境問題について]
温暖化対策が最大の焦点となるサミットが近づいてまいりました。議長国として、日本政府が、温暖ガスの削減目標を明確に打ち出し主要排出国としてのふさわしい責任を果たすことができるかどうかが世界から注目されています。開催地の地元・北海道が独自の温暖化防止対策を早急に定めることも求められています。
温暖化防止対策におけるヨーロッパと日本の決定的な違いの一つが、中期削減目標の明示と、それを裏づける、政府と経済界の削減協定の有無です。
福田首相が発表した温暖化対策には中期目標は示されませんでした。先進国は、2020年までに、1990年比で25%から40%削減することが国際的な共通認識であるのに、このような状況では、日本は国際的に孤立してしまいます。
知事は、国の温暖化対策の現状をどう考えているのか、伺います。
また、国に対して、中期目標の早期制定と、大ロ排出企業に対する削減を義務化する制度の導入を求めるべきと考えますが、知事の認識をあわせて伺います。
京都府などでは、大規模事業者などに対して、温室効果ガスの排出量や削減措置、削減目標を明記した書類の提出を求めることなどを制度化しています。
東京都は、この6月議会に、大規模なCO2排出事業所に対する総量削減義務と排出量取引制度を新たに導入するなどの条例改正を提案いたしました。
これらの動きをどのように評価するのか、お答えください。
ある全国調査では、北海道の2003年度のCO2排出量は、1990年比で16.9%も増加し全国で29位ということです。また、北海道のCO2排出量の中で最も多いのが産業分野であることから考えても、大ロ排出事業者に対する規制は喫緊の課題です。
知事は、早急に地球温暖化防止条例を制定しCO2の排出規制に向かうべきと考えますが、いつまでに行うつもりか、お答えください。
[アイヌ民族の権利の確立等について]
次は、アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議に関連して伺います。
今なお、いわれなき差別と苦しみを与え続けている現実に対し強制同化政策は誤りであったことを国と道は認め、アイヌ民族に謝罪すべきです。知事の所見を伺います。
国会は、国において有識者懇談会を設置することを決めましたが、知事は、国に対し、懇談会に、当事者であるアイヌ民族の委員を加えるよう強く求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
今後、アイヌ民族の生活と人権を守る施策の実施に当たり、道は、当事者が参加する常設的な審議機関を設置すべきで、また、内容と名称については、アイヌ民族の権利を保障するにふされしいものとすべきです。知事の見解を伺います。
[後期高齢者医療制度について]
次に、後期高齢者医療制度についてです。
この制度への国民の怒りは、政局さえも左右する大問題に発展しています。今、国民は、この制度自体の廃案を求めているのです。知事は、きっぱりと廃止すべきだと思わないのか、知事の考えをお答えください。
道内では、630名を超える、全国一多い大型不服審査請求が起きています。灯油価格も上がり、食費も切り詰めて生活しているのに、容赦のない年金からの天引きで、しかも、保険料は全国と比べても高く、高齢者にとって、全国と比べて、より生きづらい制度にしてしまったのは、知事、あなたではないでしょうか。せめて全国並みになるよう、保険料の軽減策を行うべきです。どう考えていますか、お答えください。
道は、65歳以上の障害のある方を後期高齢者医療制度に強制加入させました。その上、健診まで有料にいたしました。全国では、無料健診を行っているところが18県あります。高齢者を敬う気持ちの問題ではないでしょうか。知事の姿勢が問われています。お答えください。
[公共建築物等の耐震化について]
最近、大地震が相次いでいます。中国での四川大地震、そして、岩手県の内陸部での地震がありました。私からも、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
中でも、学校や病院など公共施設の倒壊が相次いだことに国民は大きな衝撃を受けました。
我が党は、これまでも、学校などの耐震化を急ぐよう求めてきました。知事は、財政難を理由に、道としての独自の支援について冷たく拒否してきました。
そのため、子供と地域住民の生命と安全を守るために最優先で取り組むべき小中学校の耐震化率は44.8%と、全国平均より14%も低く、半分以上の学校が、大地震が来れば崩壊しかねないという恐ろしい実態です。
国会では、補助率の引き上げなどを柱とする促進法が成立いたしました。道も、市町村を応援するなどして、学校を初めとする公共建築物の耐震化を一気に進めるべきではないでしょうか、知事の見解を伺います。(発言する者あり)
[プルサーマル問題について]
次に、原発の問題ですが、北電は、3号機にMOX燃料を使用する方向を決め、プルサーマル計画の地元説明会を行いましたが、住民からの疑問や反対の声があふれていました。
欧米の状況を見ると、プルサーマル発電を商業ベースで実施しているのはわずか4カ国です。プルサーマルからの撤退は世界の潮流でありますが、北電は、ヨーロッパでプルサーマルは十分実績があるとの一点張りで、内容の説明はありません。
ヨーロッパや日本国内での実績や技術的な実証について、知事は北電から十分な説明を受けているのか、伺います。
日本国内では、安全性の実証試験は全く不十分です。ヨーロッパと比較して、プルトニウムの比率の高いMOX燃料を使う計画です。安全性に問題があるプルサーマル実施計画の撤回を私は強く求めます。安全性に対する知事の認識を伺います。
今、北電が行うべきことは、プルサーマルの実施ではなく、北海道の長い海岸線を生かした風力発電など、CO2を排出しない再生可能なエネルギーの活用に切りかえていくべきだと思います。知事の見解を伺います。(発言する者あり)
[北海道トラック協会について]
道から、毎年、多額の交付金を受けている道トラック協会が、これまで再三、道から自粛要請を受けながら、相変わらず、自民党などへの政治資金の寄附や、政治団体などからのパーティー券の購入を続けていることがわかりました。
我々の調査では、平成16年から18年の3年間の寄附金は合計で約350万円、パーティー券などの購入は合計で約600万円となっています。年に10億円もの多額の補助を受けている団体が、特定の政党や政治家の政治団体から多額のパーティー券を購入することは重大な問題です。
4年前、我が党の質問に対し当時の山口副知事は、団体に自粛を要請し理解をいただいたと明確に答弁されました。その上で、知事はこのような実態をどう受けとめているのか。
道トラック協会に対し是正するよう厳しく指導すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
また、ほかの関与団体におけるパーティー券などの購入の実態がどうなっているのかについてもあわせて伺います。
[支庁制度改革と限界集落について]
次に、支庁再編についてです。
地方4団体は、拙速な支庁再編はすべきではないという立場で、繰り返し意見を述べてきました。当該地域の自治体や住民の声を真摯に聞くべきです。将来に禍根を残すような形で支庁再編を強引に進めるべきではありません。知事の認識を伺います。
14支庁を比較した資料で、産業構造やロシアとの関係が類似する根室支庁と宗谷支庁を比較しましたが、面積や人口、酪農や漁業などの指標を見ても、なぜ根室を振興局にするのか、理屈が通りません。振興局とする根拠をお示しください。
道の限界集落に関する調査で、いずれ消滅する集落の数が、檜山管内で32、留萌管内で19に上りました。
また、「新しい支庁の姿」を見ますと、住民福祉や農林水産振興の多くが振興局から引き離されます。教育局も14から九つに再編されます。
地域格差を一層広げていいのかという声に、知事はどのように答えるのか、あわせて、限界集落問題と、支庁の果たすべき役割についてもお答えください。
[食料自給率の向上について]
次に、食料自給率の向上についてです。
何よりも必要なことは、39%という食料自給率の向上であり、日本自身も必要な国境措置をとり、国内の農業生産を守ることです。いかがでしょうか。
また、一方で米を減反しながら、もう一方で、国内年間消費量の8.7%に相当するミニマムアクセス米を輸入するという、この本末転倒した農政を転換するよう国に強く求めるべきです。あわせて伺います。
道内の耕作放棄地は増加し2007年の新規就農者数のうち、新規学卒者は300人を割り込みました。農地の多面的な活用を進め、若者が農業に希望を持てるようにするために、道予算において、農業土木費のわずか300分の1という価格・所得保障の対策費を大幅に増額すべきと考えますが、いかがでしょうか。
[公立高等学校配置計画について]
次に、公立高等学校配置計画について教育長に伺います。
計画案には、2011年度に先立つ年度の変更が唐突に盛り込まれました。来年度から、常呂高校、清里高校が地域キャンパス校に、札幌白石高校、静内高校の両校が普通科単位制に移行し、北見緑陵はフィールド制が導入されます。
「新たな「高校教育に開する指針」」には、生徒の進路選択や安定した学校経営に考慮し開始年の3年前に提示するとありますが、その方針にさえ反するやり方です。教育長の見解を伺います。
また、地域キャンパス校、単位制、フィールド制についても十分検証したのか、あわせて伺います。
2011年度、札幌稲北高校と稲西高校が統合されます。小樽、銭函からは両校に合わせて毎年20名程度が進学していますが、後志学区の間口削減と手稲区の2校で合わせて7クラスが削減され、小樽では不安が広がっています。
札幌篠路高校、拓北高校の両校は、毎年、増減を繰り返していますが、数合わせ的な対応を改め、小規模校、定時制高校から、順次、少人数学級を導入すべきです。教育長の見解、認識を伺います。
以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)
高橋はるみ知事の答弁
○知事高橋はるみ君
(登壇) 花岡議員の御質問にお答えをいたします。最初に、私の政治姿勢に関し、まず、国の温暖化対策などについてでありますが、国においては、省エネ家電の普及、トップランナー機器等の対策、住宅や建築物の省エネ性能の向上、太陽光を初めとする新エネルギー対策の推進など、京都議定書第1約束期間の削減目標の達成に向け、温暖化対策の強化が図られているものと考えております。
また、さきの主要8カ国環境相会合の議長総括には、温室効果ガス削減に向けた中期目標設定の必要性が盛り込まれたところでありますが、このような国際協調に基づき解決していかなければならない課題に関しては、7月の北海道洞爺湖サミットにおいて、さらに議論が深められていくものと考えております。
また一方、国からは、自主行動計画の一層の推進、強化を図るため、産業界に対して、温室効果ガスの削減目標が定性的である業種についてはその定量化を図ることや、既に削減目標を達している業種については目標の引き上げを図ることなどについて働きかけることといたしております。
道といたしましては、こうした取り組み状況などを注視するとともに、国を初め、関係機関との連携を強化しながら対応してまいります。
次に、アイヌ民族に対する歴史認識についてでありますが、北海道に先住していたアイヌの人たちは、自然の恵みに感謝をし平和な暮らしを送っていましたが、明治以降、本州などからの移住者が多数となったため、伝統的な生活や生産手段を失い、生活が苦しくなるとともに、多くの差別を受けてきたという歴史があると認識いたしております。
道といたしましては、これまで、アイヌの人たちの社会的・経済的地位の向上と、民族の誇りが尊重される社会の実現に向け、生活向上に関する推進方策やアイヌ文化の保存伝承などの施策に努めているところであります。
私といたしましては、アイヌの人たちに対する、生活向上や教育の充実などを含めた、国としての総合的な施策の確立について要望をいたしており、今後とも引き続き、国に対しアイヌの人たちの人権が重んじられ、その権利が尊重されるよう働きかけてまいります。
次に、国の有識者懇談会についてでありますが、国において設置するとの見解が示された有識者による懇談会の内容などについては、現段階では明らかにはなっておりませんが、私といたしましては、懇談会においては、アイヌの人たちが意見や要望などを直接述べる機会が十分確保されるべきと考えております。
次に、後期高齢者医療制度――長寿医療制度についてでありますが、この制度は、老人医療費を中心に国民医療費が増大している中で、国民皆保険制度を堅持しつつ、医療制度を将来にわたり持続可能なものとしていくため、現役世代と高齢者でともに支え合う制度として創設されたものであります。
私といたしましては、高齢者の方々が安心して医療を受けられるよう、この医療制度が将来にわたって安定して運営されることが大切と考えており、そうした観点で、国会において十分論議されることが重要であると考えております。(発言する者あり)
次に、公共建築物等の耐震化についてでありますが、学校施設等の公共建築物は、災害発生時には、地域住民の避難所など防災拠点施設としても大切な役割を担っておりますことから、順次、耐震化を進めているところでありますが、市町村が有する施設につきましては、財政状況などの面もあって、耐震化がおくれているのが実情であります。
こうした中、国では、小中学校の耐震化を早急に進めるため、今国会で地震防災対策特別措置法を改正し公立小中学校の耐震診断の実施と結果の公表を義務づけるとともに、診断により、大規模地震の際に倒壊のおそれがあると判断された校舎などの補強事業については、今年度から3カ年の時限措置として、国庫補助率を2分の1から3分の2に引き上げたところであります。
道といたしましても、道教委と連携をし、拡充された補助制度について市町村の積極的な活用を促すとともに、市町村向けに開設した営繕相談窓口の活用や、要望に応じて職員を現地に派遣するなどして、耐震化に向けた情報提供や技術的支援を行い、小中学校などの公共建築物の耐震化の促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、プルサーマル計画の安全性に関してでありますが、原子力発電所は、現状において、道民に対する電力の安定供給という重要な役割を担っておりますが、一方で、何よりも安全性が求められるものと考えております。
泊発電所におけるプルサーマル計画の事前協議についても、安全性確保の観点を最優先として、慎重な検討が求められる案件であることから、道といたしましては、道民の皆様方からの御意見などを広く把握しながら、有識者検討会議により、プルサーマル計画の安全性について、科学的かつ専門的な見地から慎重に検討を進め、総合的な観点から適切に判断してまいる所存であります。
なお、関与団体におけるパーティー券の購入などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。(発言する者あり)
次に、道民生活に関しまず、支庁制度改革についてでありますが、支庁制度改革の検討に当たっては、これまでも、改革案の取りまとめの節目ごとに御意見を伺いながら、検討を重ねてきたところであり、また、今後、改革を着実に進めていくためには、市町村や道民の皆様の御理解と御協力が何よりも大切であると考えております。
このため、今後とも、道民の皆様方の御理解を得られるよう努めるとともに、市町村の皆様方と、支庁制度改革の具体的な進め方を含め、北海道における今後の自治のあり方や地域の振興方策などについて率直に話し合う場を設け、十分協議をしながら、このたびの改革がよりよいものとなるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、振興局に関してでありますが、新しい支庁の所管区域については、総合計画に示す方向に沿って、広域的な観点から地域政策を効果的に展開するため、連携地域を基本として検討したものでありますが、道央地域及び道北地域については、他の連携地域と位置づけが異なることや、一つの支庁とするには規模が大き過ぎることなど、他の地域とのバランスを欠くといった市町村などの御意見を踏まえ、複数の支庁を設置することとしたものであり、あくまで、各連携地域の中での行政機関の適正な配置という観点から検討いたしたものであります。
こうしたことから、根室地域については、総合計画における釧路・根室連携地域を踏まえ、釧路地域とともに、道東総合振興局とすることとし、一方、宗谷地域については、道北地域の中核都市である旭川市との結びつきが相対的に弱い状況にあることや、現行の支庁所在地間の距離、さらには離島の存在を考慮し総合振興局としたものであります。(発言する者あり)
次に、新しい支庁の役割についてでありますが、このたびの支庁制度改革では、現在の支庁の機能のうち、広域的な事務などにつきましては総合振興局に集約することといたしておりますが、母子保健などの相談業務や生活保護に関する業務など、住民に身近な事務につきましては、振興局においても従来どおり担うことといたしております。
また、人口減少や少子・高齢化が進む中で、道内の各地域においては、お話のあった限界集落を初め、厳しい実情をしっかりととらえ、新しい発想に立った対応が求められております。
今回の改革は、このような課題に対応していくため、より広域的な観点に立って、地域の均衡ある発展を図っていこうとするものであります。
こうした中で、新しい支庁は、各地域の持ち味や潜在力を十分に生かしながら、地域間の広域的な連携を一層進めることにより、市町村や地域の方々と一体となって、均衡ある発展に向けて積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。(発言する者あり)
最後に、第1次産業に関し農業経営の安定についてでありますが、米、小麦、大豆などにつきましては、水田・畑作経営所得安定対策が、加工原料乳等については、生産者補給金を初めとする畜産物価格関連対策が講じられ、国費等で賄われております。
また、野菜につきましては、安定的な生産及び出荷を確保するため、価格安定事業が講じられており、道といたしましても、所要の財政負担を行っているところであります。
道といたしましては、これら制度の対象となっている農業者の所得が確保され、経営の安定が図られるよう、国に対して十分な予算措置を求めるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
なお、食料自給率の向上などについては、担当の部長が答弁をさせていただきます。
以上でございます。
○総務部長宮地毅君
(登壇) 関与団体におけるパーティー券の購入についてでありますが、平成16年度から平成18年度の3年間では、御指摘のありました北海道トラック協会以外に、三つの関与団体において、延べ61件、75万円分のパーティー券を購入していたところでございます。道といたしましては、道民の誤解や疑念を招くことがないよう、改めて、関与団体運営適正化に関する指導方針に基づき、パーティー券の購入自粛を指導してまいる考えでございます。(発言する者あり)
○危機管理監伊東和紀君
(登壇) プルサーマル計画に関する北電からの説明についてでありますが、本年4月18日に、安全協定に基づく事前了解の申し入れがあった後、道としては、地元4町村とともに、北電から、申し入れ内容の説明を受けたところでございます。プルサーマル計画の安全性につきましては、専門的な立場から検討すべき課題も多いことから、道としては、他県での検討実績に加え、道民の皆様からいただいた意見なども踏まえて、それぞれの課題ごとに、国内外の実績や技術的な実証の状況なども含め、北電からの十分な説明を受けながら、有識者検討会議で検討を進めていく考えでございます。
以上でございます。(発言する者あり)
○企画振興部長成田一憲君
(登壇) 北海道トラック協会についてでございますが、北海道トラック協会においては、平成16年度から18年度までの間、パーティー券を購入していたとのことでございますが、道からの自粛に係る要請を踏まえ、19年度からは購入していないものと承知しております。以上でございます。(発言する者あり)
○環境生活部長高井修君
(登壇) 初めに、環境問題に関して、東京都の取り組みなどについてでございますが、大規模な排出事業所を含めた産業部門における温室効果ガス削減については、いわゆる省エネ法や温暖化対策推進法による、事業者の温室効果ガス削減に関する計画の策定や、排出量報告が義務づけられるとともに、経団連の自主行動討画に基づき、排出削減に向けた取り組みが進められているところであります。また、国内の排出量取引につきましては、今月発表された、我が国の地球温暖化対策の方針である、いわゆる福田ビジョンにおいて、この秋に国内統合市場の試行的実施を開始することが表明されたところであり、今後、本格導入時に必要な条件や課題が明らかにされるものと考えております。
いずれにいたしましても、地球温暖化防止に向けた国の対策が着実に実行され、まずは京都議定書における削減目標が達成されるよう、今後とも、他府県の取り組みなども勘案しながら、道として積極的に貢献してまいりたいと考えております。(発言する者あり)
次に、地球温暖化防止に関する条例についてでありますが、温室効果ガスの排出抑制を通して地球温暖化対策を着実に進めていくためには、道民や事業者の皆様と行政が緊密に連携しながら、それぞれの役割と責任に基づいた取り組みを展開していくことが必要であると考えております。
そうしたことから、道としては、温暖化対策推進法を初めとする関係法令や、既に温暖化防止に関する条例を制定している京都府や静岡県などにおける、条例に基づく具体的施策や関係団体との連携などについて調査研究することを通して、地域住民、企業、行政などが一体となって取り組む、北海道にふさわしい地球温暖化防止に関する制度のあり方について検討を進めてきたところであり、道議会での御議論なども踏まえながら対処してまいりたいと考えております。
最後に、アイヌ民族に係る審議機関の設置などについてでありますが、道といたしましては、これまで、アイヌの人たちの社会的・経済的地位の向上と、民族の誇りが尊重される社会の実現のため、アイヌの人たちの御意見を聞くことはもとより、関係機関や団体と連携して、北海道ウタリ福祉対策や、アイヌの人たちの生活向上に関する推進方策などに基づき、関連施策を推進してきたところであります。
来年度からスタートいたします、第2次のアイヌの人たちの生活向上に関する推進方策の策定に当たりましても、アイヌの人たちや有識者で構成する検討会議において御意見や要望をいただいたところであり、今後とも、生活向上や教育の充実、アイヌ文化の振興などの施策の推進について、北海道ウタリ協会などと一層連携を密にして取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○保健福祉部長髙橋教一君
(登壇) 後期高齢者医療制度に関しまして、まず、保険料の軽減策についてでございますが、この制度におきましては、世帯の所得に応じまして、7割、5割、2割の3種類により、均等割を軽減するといった軽減措置を講じておりますとともに、国民健康保険以外の医療保険であります被用者保険の被扶養者であった方の保険料負担を、本年4月から9月までの6ヵ月間、凍結しているところでございます。(発言する者あり)また、今般、政府・与党におきまして、保険料に関する調査の結果を踏まえ、低所得者に対する軽減策の拡大などの改善策が取りまとめられたものと承知をしているところでございます。
道といたしましては、去る5月29日、全国知事会といたしまして、国に対し、低所得者等への必要な対策について十分検討するとともに、新たな措置の実施によって生じる財政負担は地方に転嫁することがないよう、責任を持って対応することなどを要望したところであり、今後とも、広域連合や市町村の御意見を伺いながら、必要に応じ、国に要望するなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、高齢者への対応についてでございますが、後期高齢者医療制度における健康診査につきましては、広域連合の努力義務とされたところでございますが、高齢者の健康の保持、増進や、疾病の早期発見に寄与することから、道といたしましても、厳しい財政状況の中、一定の財政支援を行うこととしたところでございます。(発言する者あり)
また、この制度の施行に際しまして、道単独の重度心身障害者医療給付事業におきましては、これまでも老人保健制度の加入を要件としていたことや、市町村の意見、道や市町村の財政負担などを勘案いたしまして、後期高齢者医療制度の加入をこの事業の要件としたところでございます。
しかしながら、老人保健制度に加人していた方で、後期高齢者医療制度に移行していない方もおられることなどから、現在、市町村の協力を得ながら、こうした方々の状況や、窓口に寄せられた声などの実態の把握に努めているところでございます。
以上でございます。
○経済部長渡辺健君
(登壇) プルサーマル問題に関し再生可能エネルギーの活用についてでありますが、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法、いわゆるRPS法では、電気事業者に対し設定された基準利用量以上の新エネルギー等の利用を義務づけています。北海道電力においては、平成19年度における基準利用量である約3億300万キロワットアワーを達成しており、RPS法の対象とならない一般水力などを加えた、いわゆる再生可能なエネルギーは、約53億1300万キロワットアワーと、全発電電力量に占める割合が14.6%となっているところであります。
北電は、既にRPS法上の義務を達成しておりますが、道といたしましては、新エネルギーなどの導入を一層促進するため、引き続き、買い取り枠の拡大を要請してまいる考えであります。
以上でございます。(発言する者あり)
○農政部長細越良一君
(登壇) 第1次産業に関し食料自給率の向上などについてでございますが、輸入に大きく依存している我が国が、食料を将来にわたって安定的に確保していくためには、適切な国境措置を堅持しながら、国内生産の着実な拡大を図ることが重要であるというふうに考えております。また、ミニマムアクセス米につきましては、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意のもとで輸入されておりますが、基本的には、政府が全量を買い入れて、価格の面で国産米では対応しがたい加工米や、海外援助用を中心に販売されるなどしており、主食用米の需要に影響を与えないものというふうに承知しているところでございます。
以上でございます。(発言する者あり)
教育長の答弁
○教育長吉田洋一君
(登壇) 花岡議員の御質問にお答えいたします。公立高等学校配置計画に関しまして、まず、配置計画の変更などについてでございますが、「新たな「高校教育に関する指針」」に基づく高校配置計画につきましては、常に3年先の姿を含む計画を示すとともに、必要に応じ、公表時との状況変化に対応できるように、毎年度、見直しを行うこととしております。
このたびお示しいたしました配置計画案において地域キャンパス校とした2校につきましては、昨年の計画策定時には、当面、2学級を維持するものと想定されていたところでございますが、本年度の入学者選抜の結果、1学級となったことから、教育環境の充実を図るため、当初の計画を変更して、平成21年度から地域キャンパス校とすることとしたところであります。
また、単位制及びフィールド制を導入することとした3校につきましては、以前から導入に向けた準備を進めてきたものの、昨年の計画策定時には検討中であったため、お示ししなかったものでございまして、今回、教育課程の編成など、体制が整ったことから、当初の計画を変更して、導入することとしたものでございます。
なお、地域キャンパス校、フィールド制、単位制につきましては、導入校における実績を積み上げ、今後、成果と課題を検証してまいりたいと考えておりますが、平成16年度以降、順次導入してきております単位制につきましては、学習意欲の向上や大学進学率の上昇など、一定の成果が見られるところでございます。
次に、少人数学級についてでございますが、高等学校における少人数学級の導入につきましては、国の次期定数改善計画が凍結されている状況や、道の厳しい行財政状況などを勘案いたしますと、現段階では難しいものと考えているところでございますが、道教委としては、これまでも、国の指導方法改善定数を活用するなど、少人数指導によるきめ細かな指導に努めてきているところでございまして、今後とも、少人数学級、少人数指導など、個に応じたきめ細かな指導の徹底や、新たな教育課程に対応するための教職員定数措置について、国に対し引き続き強く要望してまいりたいと考えております。
以上でございます。(発言する者あり)
花岡ユリ子議員の再質問
○78番花岡ユリ子君
(登壇・拍手)(発言する者あり) 再質問いたします。初めに、アイヌ民族への取り組みについてですが、先日、ウタリ協会の加藤会長にお会いし先住民族と認めた国会決議をともに喜び合いました。
しかし一方で、3月28日に提出された報告書では、アイヌの人たちは不安定な雇用の上、働く場も個人径営の事業所が大半と指摘しています。安定した雇用の確保は生活安定につながります。
そこで伺います。
アイヌの人たちを雇用する事業所に対して、税金を軽減する措置などを具体的に考えるべきではないでしょうか。
また、アイヌの古老の生活を保障するための特別な手だてを設けるべきと考えますが、あわせて伺います。
後期高齢者医療制度の問題ですが、後期高齢者医療制度という国の制度として差別され、その上、知事の冷たい姿勢で、保険料も高く、全国に比べても、北海道の高齢者は苦しめられることになりました。(発言する者あり)
高齢者の健診に道が支出した金額は3500万円です。これは、高齢者1人当たりで56円60銭にすぎません。国からの交付金を合わせても270円程度です。この金額で一体どんな検査ができるのでしょうか。
国と知事のもと、二重三重に切り捨てられ、道内の高齢者は、北海道に生きていることを恨むしかないのでしょうか。知事には、保険料軽減など、改善するお気持ちはないのか、伺います。(発言する者あり)
次に、耐震化問題についてですが、先日の岩手・宮城内陸地震は、これまで予想されていなかった地域での大地震で、学校施設などにも多くの被害を与えました。もしも、休日でなく、平日であったら、さらに大きな被害が発生したことは間違いないと思います。
そこで伺います。
耐震化の努力を怠って、もし道民に被害が生じたら、関係自治体だけではなく、道庁のトップとしての知事の責任も問われかねないと思いますが、その認識を知事はお持ちなのでしょうか。(発言する者あり)
全国で見ても、大地震の発生の確率が高いにもかかわらず、耐震化率が全国でも最下位グループの北海道です。お金がないからと、命にかかわるこの問題を後回しにすることは絶対に許されません。
ほかの予算を回してでも、市町村に対して道の助成を行い、学校の耐震改修を短期間に進めるべきと考えますが、再度、知事の決意を伺います。
プルサーマル問題についてですが、全国的に電力事業者のデータ捏造が相次ぎ、柏崎刈羽原発では、想定以上の地震により、放射能が放出されました。
泊原発では、数回にわたる不審火が発生し原因も解明されていません。非常用ディーゼル発電機が故障し、緊急に原発をストップせざるを得ない状況です。
泊原発2号機には、私たちが発見するまで地震計をつけていなかったことや、引き潮のときに備えての冷却水用のホースのさらなる延長などを指摘しようやく改善するといった状況です。
そこで伺います。
北電が必要な安全対策さえ怠る状況の中で、より危険なプルサーマルの計画を示すこと自体、認められるものではないと私は考えますが、知事の見解はいかがでしょうか。
また、全国的なデータの捏造と、定期検査の間隔を企業側の意向に沿って大幅に延ばそうとしていることを踏まえると、これで本当に安全性が保たれ、心配がないと考えるのか、あわせてお答えください。
北電は、3月、泊原発の基準地震動を見直しました。揺れの強さを示す加速度を370ガルから550ガルに上方修正しましたが、その後、5月、東京電力柏崎刈羽原発は、450ガルから2280ガルに大幅に引き上げました。
さらに、さきの岩手・宮城内陸地震は、今後300年、マグニチュード7.3以上の地震の発生の確率はゼロとされていたところで起きた地震です。地震の揺れの最大4000ガルは、阪神・淡路大震災の2倍近くに達すると言われています。
泊周辺の活断層について、道と北電は、それぞれどのように調査しどのように評価しているのか、お示しください。
また、岩手・宮城内陸地震が、これまでの科学的知見を超えた地震であったことを踏まえ、泊周辺のさらなる詳細な調査が必要と考えますが、いかがでしょうか。
トラック協会に関する先ほどの部長の答弁は、19年度からパーティー券購入を自粛しているのだから、何ら問題がないかのような発言でした。とんでもない話です。
先ほども述べたように、トラック協会による多額のパーティー券の購入実態が初めて明るみに出ました4年前の本会議場で、当時の山ロ副知事は、高橋知事の代理として、関与団体による多額のパーティー券購入は道民の誤解を招きかねないとして、団体に自粛を求め、団体も約束したと答弁していたのに、実際には、それ以降、3年間も購入し続けてきたことは、道議会、そして道民に対する裏切り行為と考えますが、知事はどのように認識されているのか、伺います。
トラック協会の3年間で600万円もの多額なパーティー券の購入の実態を見ますと、町村信孝後援会や、札幌翔武会――武部氏などの自民党の実力者を初め、自民党北海道支部連合会からは、年70万円ずつ、3年間で210万円のパーティー券を購入しています。また、知事の、北海道を愛するみんなの会からもパーティー券を購入しています。
さらに、パーティー券を購入した三つの関与団体には、8人もの元道幹部職員が天下りしています。
道民の誤解を招かないためにも、今後のパーティー券購入の自粛と、天下り規制を厳しく行うべきと考えますが、知事の決意を伺います。
支庁再編についてですが、新北海道総合計画では、六つの連携地域を設定し政策展開していくことが繰り返し述べられています。
そこで伺いますが、第2弾の支庁再編、例えば、宗谷や後志を視野に入れた集約化があるのでしょうか。
また、農林漁業の普及指導業務や保健所の支所の配置が、今回の支庁再編と別に、行政改革として見直されることもあるのでしょうか。そうした身近な業務がなくなることが、住民と自治体にとっては、地方の切り捨てそのものになるのです。明確にお答えください。
再々質問を留保して、終わります。(拍手)(発言する者あり)
高橋はるみ知事の再答弁
○知事高橋はるみ君
(登壇) 花岡議員の再質問にお答えをいたします。最初に、知事の政治姿勢に関しまず、アイヌの人たちに係る施策についてでありますが、道といたしましては、現在策定中の第2次のアイヌの人たちの生活向上に関する推進方策に基づき、今後とも、生活向上や教育の充実、雇用の安定などの施策を着実に推進するとともに、国に対しても、アイヌの人たちの社会的・経済的地位の向上が図られるよう、総合的な施策の確立を働きかけてまいりたいと考えております。
次に、後期高齢者医療制度――長寿医療制度についてでありますが、先ほど担当の部長から御答弁申し上げましたとおり、このたび、政府・与党において、低所得者に対する軽減策の拡大などの改善策が取りまとめられたところであります。
道といたしましては、これまで、国に対し全国知事会などを通じて、地方公共団体や披保険者に過度の負担が生じないこと、また、今回の見直しに当たっても、低所得者等への必要な対策について十分検討するとともに、新たな措置の実施によって生ずる財政負担は地方に転嫁することのないよう、責任を持って対応することなどを要望したところであり、今後とも引き続き、国の動向を注視しながら、必要に応じて要望するなど、対応してまいりたいと考えております。
次に、公共建築物の耐震化についてでありますが、厳しい道の財政状況から、市町村に対する財政支援は難しいものと考えておりますが、これまで、国に、施策の充実や財源の確保などについて強く要望をしてきたところであります。
道といたしましては、先はどもお答え申し上げましたとおり、道教委と連携をしこのたび拡充された補助制度について市町村の積極的な活用を促すとともに、あらゆる機会を通じて、耐震化に向けた情報提供や技術的支援を行い、小中学校などの公共建築物の耐震化の促進に努めてまいりたいと考えております。(発言する者あり)
次に、原子力発電の安全性についてでありますが、原子力発電所は、地域の信頼の上に成り立つことが何よりも重要でありますことから、道といたしましては、北電において、これまで以上に、法令や安全協定の遵守はもとより、職員の危機管理意識の徹底などが必要と考え、4月18日の申し入れ時に、私から直接、そうした趣旨について北電の社長にお話をしたところであります。
また、検査制度の見直しにつきましては、安全性の確保はもとより、立地地域の理解が極めて重要と考えており、道といたしましては、その見直しに当たっては、原子力発電関係団体協議会などを通じて、慎重な検討が必要であることなどを国に対し要望しているところであります。
いずれにいたしましても、プルサーマル計画の事前協議につきましては、安全性確保の観点を最優先として、慎重な検討が求められる案件でありますことから、有識者検討会議により、科学的かつ専門的な見地からの検討を進め、総合的な観点から適切に判断をしてまいる所存であります。
次に、北海道トラック協会についてでありますが、道といたしましては、北海道トラック協会に対しパーティー券購入の自粛要請を行ったところであり、同協会においては、平成19年度以降、購入していないものと承知をいたしております。(発言する者あり)
次に、関与団体におけるパーティー券の購入等についてでありますが、パーティー券の購入は、政治資金規正法で禁じられているものではないことから、本来、団体がみずから判断すべきものではありますが、道の関与団体として、道民の誤解や疑念を招くことがないよう、関与団体運営適正化に関する指導方針に基づき、パーティー券の購入自粛について指導してきたところであります。
しかしながら、指導方針の趣旨が十分に浸透していなかった面もあるため、今後、パーティー券購入の自粛の徹底が図られるよう、改めて指導を徹底してまいります。(発言する者あり)
また、団体等への職員の再就職についてでありますが、道職員として長年培ってきた知識や経験、技術力などの能力を生かすという面などを考慮いたしますと、一概に否定されるべきものではないと考えておりますが、道民の方々の御批判や誤解を招かないよう、職員の再就職に関する要綱を定め、一定の制限を設けているところであり、今後とも、要綱の厳格な運用を図るとともに、各団体においてこの要綱が遵守されるよう、一層努力してまいりたいと考えております。(発言する者あり)
いずれにいたしましても、私といたしましては、関与団体の社会的責任にかんがみ、その適正な業務執行が図られることが重要でありますので、今後さらに、関与団体への指導を強化してまいりたいと考えております。
なお、活断層の調査と評価につきましては、担当の部長から答弁をさせていただきます。
最後に、道民生活に関し支庁制度改革の今後の検討などについてでありますが、支庁の改革は、今後の地方分権改革の進展など、時代の変化に即応したものとなるよう検討を行うことが必要と考え、改正条例案において、条例施行後おおむね5年後をめどに見直す規定を盛り込んだところであり、検討結果を踏まえ、必要な措置を講じるに当たっては、市町村などの御意見を伺いながら判断していくことが必要と考えております。
また、道財政が危機的な状況の中で、行政運営の効率化を図る観点から、御指摘の1次産業の普及指導機関など、支庁の出先機関などについても、担当区域の見直しや総務業務の一元化など、さらなる組織のスリム化に取り組まなければならないものと考えておりますが、地域においては、医療や福祉、防災など、地域の方々の安全、安心などにかかわる行政サービスの低下を招かないよう、十分留意する必要があるものと考えているところであります。
以上でございます。(発言する者あり)
○危機管理監伊東和紀君
(登壇) プルサーマル計画に関し活断層の調査と評価についてでありますが、北電におきましては、国が定めました新たな指針に基づきまして、泊発電所に最も影響を及ぼすおそれのある活断層などについて、地形調査やボーリング調査などの地質調査とともに、海上音波探査などの調査を実施しこれをもとに、中間的な報告書として評価結果を取りまとめたところであり、最終的には、1、2号機については本年11月までに、3号機については本年9月までに評価結果が報告される予定でございます。国におきましては、東京電力が先月行いました、柏崎刈羽原子力発電所における耐震評価の報告書によって得られた新たな知見を踏まえ、全国の各発電所の耐震評価において考慮すべき具体的事項について示すものと聞いております。
また、現在、活断層の把握をより確実にするための安全審査の手引につきましても検討が進められておりますことから、道としては、こうした内容が泊発電所の耐震安全性評価結果に十分反映されているかどうかを確認し、専門家の意見なども聞きながら、必要な対策について北電に申し入れるなど、適切に対応してまいります。
なお、今般の岩手・宮城内陸地震につきましては、今後、そのメカニズムなどが明らかにされていくものと考えますが、国の検討状況などを踏まえまして、泊発電所の耐震性の確保について、必要に応じて北電に申し入れるなど、対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
花岡ユリ子議員の再々質問・指摘
○78番花岡ユリ子君
(登壇・拍手)(発言する者あり) 再々質問を行います。知事は、5年後をめどに、また支庁再編を検討すると答え、保健所支所や改良普及事務の人員を減らすことを否定しませんでした。重大な答弁だと私は思います。
高齢者が過半数を超える限界集落が広がる中で、どうやって地域を維持するのか、第1次産業をどう振興するのか、地域医療をいかに守るのかなど、地方が抱える困難は知事の目に入らないのでしょうか。地方の困難に一層拍車をかけるのが支庁再編と行革だと私は思います。
今定例会で何が何でも支庁制度改革に決着をつけるという姿勢を改め、道民の声に耳を傾けるべきだと思います。知事の英断――再考すべきだということを改めて質問させていだきます。
プルサーマル問題についてですが、プルサーマルについては、賛否が分かれている問題です。有識者検討会議の委員は、知事の推薦者や推進派ばかりではなく、慎重な考えを持つ人、あえて言えば反対の立場をとっている人も加えて、検討を進めていくべきではないでしょうか。
そういう人方からの意見もきちんと聴取する、きちんと聞く、こういう耳を持つ会議にしなければいけないと私は思いますが、この点についてどのように考えるでしょうか。
トラック協会の問題についてですが、北海道トラック協会などによる政治家の政治資金パーティー券購入問題について指摘させていただきます。
北海道トラック協会など、道の四つの関与団体が、道の自粛要請を受けながらも、4年間に700万円余りの政治資金パーティー券を購入してきたことが初めて明らかになりました。ほかの多くの関与団体が、道の要請を受けた後、すぐにパーティー券の購入を中止している中で、その後も購入し続けていたことは極めて悪質だと言わざるを得ません。
道トラック協会などは、地方にも多くの下部組織を抱え、地元政治家とのつながりも深いものがあると聞いています。昨年自粛したからといって、いつまた再開するか、わかりません。知事も確たる保証はできないのではないでしょうか。
しかし、トラック協会からパーティー券を購入してもらったことのある高橋知事が、私の再質問に対して、今後、改めて指導を徹底すると約束したわけですから、私は、ここで、女の情けで、これ以上の質問はやめて、今後の推移を厳しく見守っていくことにいたします。(発言する者あり)
以上で終わります。(拍手)(発言する者あり)
高橋はるみ知事の再々答弁
○知事高橋はるみ君(登壇)
(発言する者あり) 花岡議員の再々質問にお答えをいたします。初めに、支庁制度改革についてでありますが、支庁制度改革は、人口減少や少子・高齢化が進行している中で、支庁が地域における役割をしっかりと果たしていく上で、また、道の厳しい財政状況の中における行政改革を進める上で、今、その改革の一歩を踏み出さなければならない必要があると考えております。(発言する者あり)
支庁制度改革を進めていくに当たっては、保健、福祉や災害対応といった、住民の方々の安全、安心にかかわる事務については、その機能が確保されるよう適切に対応するとともに、産業の振興を初めとする地域政策の検討に当たっても、地域の課題やニーズを的確に把握をしながら、これを施策に反映できるよう、振興局の体制を整備することといたしているところであります。
また、私といたしましては、特に振興局地域の皆様方が抱いておられる不安や懸念に真摯に対応していきたいと考えております。(発言する者あり)
今後とも、市町村や地域の皆様方の御意見にしっかりと耳を傾けながら、着実に改革を進めてまいります。
次に、プルサーマル問題に関し有識者検討会議の検討の進め方についてでありますが、有識者検討会議は、泊発電所におけるプルサーマル計画の安全性に関して想定されるさまざまな課題や論点について、科学的かつ専門的な検討が必要なことから、原子力や環境など幅広い分野から適切な人材を委員として選定いたしたところであります。
この有識者検討会議では、さまざまな角度からの議論を展開していくために、「ご意見を伺う会」などでの意見の反映に努めるとともに、議論のテーマによっては、委員以外の専門家もお呼びするなどして、問かれた場における議論を重ねながら、慎重に検討を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
花岡ユリ子議員の特別発言
○78番花岡ユリ子君
(登壇・拍手)(発言する者あり) 特別発言を行います。知事は、道民の不安や反対の声が大きいプルサーマルの導入に踏み切ろうとしています。これまでのウラン燃料とプルサーマルでは質が違います。一度事故が起きたら大きな被害になり、原状に戻るまで、長い期間を要するのです。
こういう燃料を使うということに対して、やはり、多くの道民が心配しています。なぜこれほどまで知事は推進するのでしょうか。
知事は、北電の幹部の皆さんから、個人献金という事実上の政治献金を受け取っています。道民の誤解を受けないように、献金は、この際、返上すべきではないかということを指摘しておきたいと思います。
支庁再編についてですが、これだけ道内の首長さんの反対の声や意見が多い中で強行することは、かつてなかったことです。こういう状態が続くということは、道政、さらには道民に混乱を招くことになるのです。
この際、一度、提案を引き下げて、改めて検討すべきだということを申し述べて、私のすべての質問を終わりたいと思います。(拍手)(発言する者あり)