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道議団の動き
土砂災害から住民の安全を守る道政を 14.09.24

土砂災害から

住民の安全を守る道政を

調査済みは全国ワースト2位、指定は全国最下位

広島市の土砂災害大事故に続いて、礼文町でも2名死亡事故が発生しました。歴史的な集虫豪雨というものの、予測可能な災害から、住民のいのちと財産を守る道政の無策と貧困が浮き彫りになっています。

真下道議真下道議

真下紀子議員は礼文島の現地調査に入り、一般質問(9月24日)に立ちました。これまでも、原発・津波・地震・洪水など災害から道民の安全を守る道政の確立を求めてきましたが、この日は現在焦点となっている、土砂災害対策をとりあげました。

危険か所の調査17県では完了

土砂災害対策は法に基づき危険か所の指定→基礎調査→警戒区域の指定と進められます。しかし北海道の場合、警戒区域は1万2千カ所弱ですが、地質など基礎調査完了はわずかに19%にすぎません。約1万カ所は、まともな調査すら実施されず放置されているのです。

土砂災害危険箇所、うち警戒区域指定と指定率(主な市町)
〜1万カ所弱が未調査、指定率13%は全国最低
17県は100%全国平均は73%
市町名 危険箇所
数(A)
基礎調査
完了数
(B)
B/A
(%)
警戒区域
指定か所数
C/A
(%)
うち特別
札幌市92545248.9%35627638.5%
函館市48110822.5%504710.4%
小樽市51927352.6%18017534.7%
旭川市1162925.0%292325.0%
室蘭市40417944.3%17915444.3%
釧路市1908243.2%585230.5%
北見市320247.5%1273.8%
夕張市3373811.3%220.6%
岩見沢市58610.3%000.0%
網走市1664225.3%302618.1%
留萌市1741810.3%181610.3%
苫小牧市8433.6%222.4%
稚内市1732112.1%1679.2%
芦別市167148.4%14148.4%
赤平市14464.2%221.4%
名寄市2613.8%103.8%
三笠市1022120.6%211720.6%
根室市8544.7%111.2%
砂川市3425.9%215.9%
歌志内市1935428.0%403020.7%
深川市4237.1%307.1%
富良野市24416.7%4216.7%
登別市1334433.1%262519.5%
恵庭市41614.6%6614.6%
伊達市14653.4%533.4%
北広島市55814.5%8814.5%
石狩市1104238.2%322929.1%
北斗市931718.3%171618.3%
松前町1645734.8%403424.4%
せたな町1942914.9%211610.8%
礼文町239125.0%000.0%
新ひだか町1661810.8%854.8%
釧路町20094.5%984.5%
全道計11,8982,20418.5%1,5131,24912.7%

真下議員の調査では、17都府県では100%完了しています。全国平均73%と比べて、北海道は19%弱と全国でワースト2、というひどさです。調査すらせず、対策もとられない1万カ所が長年にわたり放置される全国最悪の実態が鮮明になったのです。

警戒区域か所指定率13%と最下位

基礎調査が完了すると、警戒区域指定を行い対策がとられます。しかし礼文町の場合当該場所は、調査も、警戒区域指定も行われていませんでした。土砂災害に無為無策の道政でいいのか、が問われます。

北海道の場合、危険箇所の指定にまで到達したのは、わずか1249(指定率19%)にすぎません。これは、47都道府県中47位と、全国最悪です。真下議員の質問に、下出育生建設部長は「積極的に基礎調査を進め、警戒区域の早期指定に取り組む」と答弁しました。

しかし、他県と比べても、最低レベルの土砂災害対策の貧困ぶりを反省し、根本的に打開しいく道筋は見えていません。

真下道議は、①早期避難と初動対応、②障害者など配慮者の避難対策――等もただしました。

〔解説〕

真下議員の質問戦は集中豪雨が度々おきうる新しい事態に対応できるように土砂災害対策が、全くなっていないことを、全面的に究明したものとなりました。

災害から道民の安全を守る対策が、全国最低水準にあることについて、根本的な転換を進める政治・行政が、切実に求められます。

安全軽視の自公道政の根本的な転換をよびかけるものといえます。

(S)

(14年10月05日付「ほっかい新報」より)