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JR北海道 緊急シンポ/問題点浮き彫りに 13.10.27

JR北海道 緊急シンポ

問題点浮き彫りに

■分割民営化が根源■人件費削減で社員1.3万人が7千人に■事業者任せの国

事故やトラブルが後を絶たないJR北海道の問題で、日本共産党北海道委員会と同国会議員団北海道事務所が27日に開催した緊急シンボジウム「JR北海道 何が問題で何を解決したらいいのか」では、パネリストの報告や参加者の発言から一連の問題の背景や解決の方向が浮き彫りになりました。

JR北海道問題の背景や解決の方向を話し合ったシンポジウムJR北海道問題の背景や解決の方向を話し合ったシンポジウム=27日、札幌市

相次ぐ事故・トラブルの背景について、北海道教育大学札幌校の武田泉准教授は「国鉄改革と称した分割民営化が問題の根源。北海道、九州、四国の三島会社3社は、はじめから赤字の経営計画で、国は監督するだけ。高速バスや航空機に対抗するため高速化を進めたが、それに伴う線路の強化や電化の促進にはお金をかけず、外注化と新規採用の抑制で技術継承ができていない」などの点をあげました。

元国労札幌闘争団団長の牧田智雄氏はJR北海道は上場をめざして人件費を削減し、1万3000人の社員が7000人になった。要員不足と外注化の徹底で職場は大変な事態だ」と話しました。参加者からも「国鉄時代に200人いた保線の職場が、今は13人に減り、下請けに任せている」「40代の社員が現場におらず、若手は経験が少なく未熟」などの告発がありました。

紙智子参院議員は一連の問題での国と事業者の責任についてJR西日本の福知山線事故の後、『安全統括官』の選任が義務づけられたが機能していなかった。JR北海道の経営陣は何度も反省を表明しているが変わらない。国は安全を守る規制を緩和した上、事業者まかせで、まともに検査もしていない。国の監督責任が問われている」と強調しました。

特別発言をした真下紀子道議は「交渉の中で担当者が『JR北海道はすぐには改善しない』と人ごとのような発言をしていた。北海道の鉄道は人だけでなく、食料を輸送する大事な役割を果たしており、守らなければならない」と話しました。

今後の対策について武田氏は「路財源は鉄道予算より桁が二つも多い。予算の抜本的な見直しが必要だ。道やJR北海道が出資している第三セクターの高速鉄道開発に資金を出して、線路の整備や電化促進をしてはどうか。要員不足は経験者の中途採用で一定数を確保すべきだ」と話しました。

牧田氏は「分割民営化の矛盾が一気に噴出している。完全民営化の方向は改めるべきだ」と述べました。

紙氏は「北海道の条件に合った安全基準が必要だ。国は指導するだけでなく、輸送の安全対策に全面支援をすべきだ」と指摘しました。

(13年10月30日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)