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論評/解説
道営住宅減免5100世帯が家賃値上げ

道営住宅減免5100世帯が家賃値上げ

低所得者ほど負担増
住民説明もなし

家賃減免の見直しによる増収見込額(単位:世帯/%/円)
※負担額が増となる世帯数:5,078世帯道建設部
上昇額 世帯数等 増収見込額 比率
世帯数比率
1,300円260250.740,591,20066.5
(3,414戸)
1,200円2945.74,233,600
1,000円2605.13,432,000
1,100円2585.03,096,000
900円2504.92,700,00020.5
(1,049戸)
800円2444.82,342,400
700円1943.81,629,600
600円1823.51,310,400
500円1793.51,074,000
400円1703.3816,00013.0
(666戸)
300円1512.9543,600
200円1553.0372,000
100円1392.7166,800
0円511.00
5129100.062,307,600100.0

北海道は2月20日、道営住宅管理戸数(22936戸)の22%にあたる約5100世帯が家賃値上げとなる減免基準見直し案を発表しました。

住宅対策審議会答申(昨年7月)を受けたものですが、低所得者ほど値上げ幅が大きく、入居者に知らせないまま決定するやり方をみても、まったく道理がなく中止・撤回しかありません。

最低家賃値上げで家計直撃

道の見直し案は、値上げ幅が一番大きな月額1300円(年間15600円)アップとなる世帯が、減額制度利用者の5割を占めるなど低所得者の家計を直撃するものです。

4人家族・年収209万円といったモデル世帯や月5万円の年金生活者のなかでも、現行家賃3500円が4800円となります。住宅困窮者が一番影響を受けることになります。

公営住宅法の第1条は、「住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸」としています。生活の安定を図るという法の目的にも反します。

維持管理は一般財源で

「維持管理経費の確保のため」という道の言い分も理由になりません。

公営住宅法第21条では、「修繕義務は、事業主体にある」と規定しています。実際に、家賃収入以外の国庫支出金や一般会計繰入金、道債などの歳入で修繕を賄ってきました。

実施凍結し十分な説明を

見直し実は唐突で、入居者説明や意見募集の機会もない、入居者無視のやり方は許せません。

値上げによる増収は6200万円であり、家主である道が不要不急の大型公共事業などムダ使いにメスを入れるなら避けられる範囲です。住宅困窮者が増えるなかで、減免制度対象世帯13600の半分以下(5700世帯)しか制度を利用できていないことこそ、道営住宅で改善すべき点ではないでしょうか。

(C)

新聞報道で見直し知らせるやり方納得できない

本会議を傍聴する石川紀男さん
本会議を傍聴する石川紀男さん=5日

一般社団法人北海道・道営住宅自治会連合会専務理事(豊平団地自治会長)石川紀男さんは、「2月20日に突然、光星団地の役員宅ヘファックスで『北海道営住宅に係る家賃減免制度の見直し案について』が送られてきたことと新聞の報道で、道が減免制度を見直しすることがわかった次第です。私の居住している豊平団地の入居者200世帯、うち97世帯が65歳以上、そのうち48世帯が単身者です。65歳以上といっても70歳、80歳代が多数です。年金生活者、生活保護受給者など低所得者が入居しているので、家賃を払うと共益費を払えない世帯も年々増えています。こういう事情を知っているのかどうか、新聞の報道ではじめて家賃減免見直しを知る、新聞見ていない人はまだ知らないと思う。こういうやり方は納得できない。『情報を共有』するという約束にも反している」と話しています。

(13年03月10日付「ほっかい新報」より)