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申し入れ

2012年度北海道予算編成等に関する要望書

12.01.20

北海道知事 高橋 はるみ 様

2012年01月20日

日本共産党北海道委員会
委員長
西野 敏郭
日本共産党北海道委員会
政策委員長
畠山 和也
日本共産党道議会議員
真下 紀子

2012年度北海道予算編成等に関する要望書

野田首相は年頭会見で、「ネバー・ギブアップ」を強調し、「社会保障と税の一体改革」に意欲を示しました。民主党の政権公約に照らして、消費税増税に「大義」がないことは明らかです。

野田政権の「暴走」は、消費税増税にとどまりません。沖縄県民の願いを無視して、新基地建設の書類搬入を12月28日未明に断行しました。国と地方合わせて約1千兆円の借金にもかかわらず、最新鋭戦闘機の導入と整備新幹線3路線を含む大型公共事業推進を決めました。

3.11東日本大震災から10か月がたちました。被災地の復旧・復興と、原発ゼロの日本をつくることが、被災地の住民と多くの国民の願いです。しかし、被災者は2重ローン問題などがいまだに解決されず、失業給付期限が切れるなど新たな困難に直面しています。

政府は原発稼働期間を原則40年、さらに20年も延長できる法案を通常国会に提出しようとしています。「原子力ムラ」の利益に沿い、原発に依存しない社会の実現を願う福島県民と国民に背を向けるものであり、認めるわけにはいきません。

政府の「暴走」のもと、いまほど道民の命と安全、福祉、暮らしを守るという地方自治体の責務にたった行政運営が求められているときはありません。その立場から、2012年度北海道予算に関して要望するものです。

  1. 原発ゼロ、北海道の豊かな自然を生かし、再生可能エネルギーの拡大を
    1. 泊原発1号機と2号機の再稼働を認めないこと
      • ① 北電は12月、1号機と2号機のストレステスト結果について「安全余裕を確認した」とする報告書を提出した。安全神話を振りまいてきた電力会社が報告し、いっしょに原発を推進してきた原子力安全・保安院による審査は信用に値しない。福島の原発事故は収束しておらず検証も終わっていないもとで再稼働を認めないこと。
      • ② 1号機、2号機ともに20年以上を経過していることから、文字どおりの総点検を行い公表すること。早期の廃炉に向けた準備をおこなうこと。原発運転期間を原則40年とし、しかも最大60年まで運転可能とする政府案に反対すること。
    2. 泊3号にかかわる「やらせ」問題の解明と運転中止
      • ① 泊3号機のプルサーマル計画をめぐる「やらせ」問題について、道原子力安全課元課長の責任にとどめず全容を解明すること。北電と道、国、さらにゼネコンや原子炉メーカーの関与や、原発推進のための交付金との関連など踏み込んで明らかにすること。
      • ② 道民の意見集約の過程が不正に歪められた同プルサーマル計画の事前承認を、白紙撤回すること。
      • ③ 3号機については、建設(1999〜2000年)を巡っても「やらせ」が行われたことが明らかになった。稼働そのものに正当性はなく、運転を中止し廃止とすること。
    3. 泊原発の耐震安全対策を抜本的に見直すこと
      • ① 泊原発沖15キロ付近の未確認の海底活断層について、北電が否定の根拠としている調査結果を公表させること。存在を指摘する研究者らと共同で調査・検証できるよう道が役割を果たすこと。
      • ② 黒松内低地断層帯が噴火湾の海底まで達するという知見は、国の独立行政法人・産業技術総合研究所と道立総合研究機構・地質研究所の共同研究に基づくものだ。道は北電に対して再調査を求めること。
      • ③ 原子力安全・保安院が求めている「泊敷地前面の海域」にある複数の断層の「連動を考慮」した評価を実施すること。基準地震動の見直しを含め直下型地震に耐えられる耐震安全対策を実施すること。
    4. 原子力事業をめぐる利権構造を断ち切ること
      • ① 公益企業である北電役員から、知事が毎年受け取ってきた政治献金について、過去にさかのぼって返金すること。北電による知事の政治資金パーティー券購入の実態を自ら明らかにすること。
      • ② 道職員の天下りをやめ、道政の公平性、透明性を担保すること。
      • ③ 「原発マネー」で国の原子力政策への同意を取り付けるやり方を改めること。核燃料税は道民が払う公共料金への課税であり、なくす方向で見直すこと。
    5. 道原子力防災計画を見直し、計画の実効性を防災訓練によって検証すること
      • ① 計画見直しに当たり、道内全市町村から意見を聞き反映させること。
      • ② 「原子力発電に係る防災対策を重点的に充実すべき地域」に、すべての後志管内市町村および札幌市を含むこと。その際、岩宇4町村とそれ以外という「線引き」をせず、安全協定の対象とすること。
      • ③ 避難路の整備、オフサイトセンターの移転など住民の安全確保に万全を期すこと。
      • ④ モニタリングポストの設置など放射能検査体制、SPEEDIの運用と情報の速やかな公表、安定ヨウ素剤の配備、除染計画、放射能に汚染されたゴミ・汚泥等の処理計画など策定すること。
      • ⑤ 事故の際、偏西風の影響をまともに受ける泊原発の危険性をシュミレーションし、避難計画と防災訓練に反映させること。
    6. 大間原発建設を中止すること
      • ① フルМOX運転を計画している大間原発について、道は函館市や北斗市、七飯町とともに建設中止を求めること。
      • ② 国と電源開発に対して、大間沖や周辺、直下の活断層についての再調査と公表を求めること。フルМOXの危険性、温排水による津軽海峡の生態系と水産業への影響を検証し公表すること。
      • ③ 青森県と道、道南自治体が連携して防災連絡協議会を設置すること。道南の住民と自治体の声が大間原発の原子力防災計画に反映される枠組みをつくること。
    7. 幌延を核廃棄物の最終処分場にしないこと
      • ① 幌延への「深地層研究」受け入れに当たっての協定(2000年)を順守すること。
      • ② 透水性が高い幌延での「深地層研究」は不適であり、中止を求めること。特定の過疎地域を「核のゴミ捨て場」とすることにつながる核燃料サイクル計画の抜本的な転換を求めること。
    8. 福島原発事故を教訓に、道民の安全を守る対策を築くこと
      • ① 福島の事故により道内の被害、風評被害について正確に掌握して損害賠償請求するとともに、対象の拡大等を求めること。迅速な賠償を強く求めること(道内肥育牛にかかわる31億円など)。
      • ② 国の食品の放射性物質新基準値案に反対し、抜本的な見直しを求めること。

        4月からの「新基準値」案は、放射線セシウムの年間被ばく上限を5ミリシーベルト→1ミリシーベルトと引き下げたが、食品による内部被ばくだけで1ミリシーベルトを認めることになるなど問題が指摘されている。そこで、以下の点を国に求めるとともに、道としての実施を求める。

        1. 外部被ばくを含めて年間1ミリシーベルトとすること。
        2. 新基準値は、「一般食品」100ベクレルに対し「牛乳」「乳児用食品」は50ベクレルである。「子どもの放射能の感受性は一般成人の約4倍」という知見にもとづき、子どもの被ばく限度を厳格にすること。
        3. 子どもがいる母親をはじめ、多くの人が参加できる公開の場で検討が行われること。
      • ③ 子どもと道民の健康、安全を守る対策を強化すること。
        1. 学校での被ばくを防ぐ対策を準備すること。▽学校給食の食材の検査体制と給食の地産地消の拡大、▽ガイガー・ミューラー・カウンターの配備、▽水道水の検査とペットボトルの確保――など。
        2. 道内の食品の検査体制の強化を図ること。基準値を超える食品を流通させないとともに、消費者が汚染の程度や健康への影響を知ることができるシステムを構築すること。
      • ④ 自然・生活環境の汚染状況についてきめ細かで長期的な観測と情報提供システムを構築すること。
    9. 再生可能エネルギーの爆発的な普及を
      • ① 再生可能エネルギー推進条例を制定し、積極的な数値目標を掲げ、地域経済循環型で進められるように道の基本方針を定めること。
      • ② 北海道の多様な自然条件と資源――風力や地熱、小水力、木質・畜産バイオマス、雪氷など――を生かした再生可能エネルギーの普及を図ること。道内の大学や試験研究機関、民間団体が協力して研究開発できる枠組みをつくること。道が役割を果たす上でも道営電気事業の民間譲渡方針を撤回すること。
      • ③ 再生可能エネルギーのあらゆるセクターの発電を固定価格による全量買い取り制度とさせること。送電網の整備と発送電分離を求めること。
      • ④ 道としてCO2削減の積極的数値目標をもち、省エネルギーやエネルギーの地産地消等に取り組むこと。
    10. 貴重な自然と環境を守る
      • ① 世界自然遺産の知床の保護について、知床沼を利用規制地域とするなど新たな管理計画を立てること。オジロワシの繁殖等に影響を与えるような道路改良工事は避けること。
      • ② 大雪国立公園と日高山脈、世界のマリモの起源である可能性が高い阿寒湖を世界自然遺産に、夕張と日高が国立公園に指定されるよう運動を強めること。
      • ③ 大雪山系をはじめ、山岳トイレの整備を進めること。
      • ④ 風力発電計画が進められている石狩(銭函)海岸について、騒音・低周波音への住民の不安に対して十分に応えること。道が「すぐれた自然」に選定している貴重な自然を守ること。バードストライク対策のための基礎調査をおこなうこと。
      • ⑤ 勇払原野の弁天沼や安平川湿原、札幌市郊外の福移湿原など道央の貴重な湿原を後世に残すこと。
      • ⑥ 北見丘陵はオジロワシの営巣が確認され、440種以上の自生植物の宝庫である。北見道路の建設を止めくわしい調査をすること。
      • ⑦ 石狩市浜益区の床丹川の治山ダム建設を止め、サクラマスの遡上・繁殖状況を調査すること。
      • ⑧ 七飯町藤代川の砂防堰堤建設計画は森林伐採を伴い砂防の目的と矛盾する。いったん計画を止めて河川環境の調査、必要性の検証等をおこなうこと。
      • ⑨ アライグマやセイヨウオオマルハナバチなど外来種対策を強めること。高山への外来植物移入への対策を講じること。
      • ⑩ 水銀対策として、道立施設の廃蛍光灯を100%再資源化すること。一般家庭、事業所からの廃蛍光灯についても数値目標を定め、リサイクルを進めること。
  2. 東日本大震災を教訓に、道民の命と安全第一の道政に
    1. 道内外の被災者への実効ある支援を継続・強化すること。
      • ① 道内漁業被害等について、来年度まで復旧がかかる場合は予算措置を講じること。
      • ② 福島、宮城、岩手などからの避難者を含め、実態に合った支援を実施すること。失職者の雇用の確保、二重ローンの解消、就学援助や国保・介護など保険料や保育料の減免、住民税の軽減−−など。
    2. 災害に強い北海道を。ハード、ソフト両面の対策で「災害弱者」らを支えられる地域に
      • ① 本道周辺で発生しうる巨大地震、連動型地震と津波による災害対策を抜本強化すること。そのために、道内外の研究者らによる検討会議を設置すること。
      • ② 避難所に指定されている公共施設、小中学校や保育所、病院、福祉施設等の耐震化を進めること。とくに公立小中学校は、2015年度中の期限を極力前倒しして耐震化するよう、市町村への支援計画をつくること。上下水道やガス、電気などのライフライン、橋梁や防波堤、岸壁の耐震化、河川の樋門や水門の自動化など計画をもって推進すること。
      • ③ 津波ハザードマップや液状化マップの策定など市町村を人的・財政的に支援すること。
      • ④ 道産材を活用した仮設住宅を設計し、厳寒期も快適に過ごせる仕様など北海道標準とすること。
      • ⑤ 人工透析や人工呼吸器利用の患者らの医療用電源、医薬品等の確保に万全を尽くすこと。
      • ⑥ 高齢者や障害者ら「災害弱者」が日ごろから安心して暮らせるように、声かけ・見守り、安否確認、民生委員の担い手を増やす対策などを講じること。災害時に住民の命を守る消防士の充足率100%をめざすとともに、医療や福祉、教育分野の公務員を増員すること。
      • ⑦ 災害時要援護者の支援計画、福祉避難所の設置拡大を進めること。要援護者の状態――肢体不自由、聴覚障害、視覚障害、知的障害、精神障害、内部障害や難病など――に応じた対策を進めること。
      • ⑧ 学校、一般道民向けの防災教育、避難訓練をそれぞれ実施できるように市町村と連携すること。要援護者といわゆる健常者が参加しての「助け合い避難訓練」を実施すること。
      • ⑨ 国に対して、油回収船を道内に配備するよう求めること。
  3. 北海道の農林水産業と関連産業、地域社会や医療まで破壊するTPPに反対する。雇用と地域経済、産業の発展を図る
    1. TPP交渉参加に断固反対すること

      道のTPPの影響試算によると、農業と関連分野だけで2兆1千億円の減少、3万3千戸が離農し17万人以上が雇用を失うとしている。また漁業生産額は530億円、木材製品出荷額は33億円減少し、公共事業の分離分割発注が「非関税障壁」とされ、地元企業が官公需を受注できにくくなる。さらに、保険外診療の拡大などで地域医療と国民皆保険制度が崩れかねないこと、食の安全や共済事業への影響なども危惧されている。全道民の力を集めてTPPに反対を貫くこと。

    2. 中小企業の育成と安定した雇用の拡大。深刻な状況にある就職への支援
      • ① 中小企業振興条例を制定すること。道事業における地場中小企業への優先発注の拡大、道内資材の優先的な活用、下請け企業と労働者の保護など進めること。道の「新たな地域商業活性化条例」の策定にあたり、「買い物弱者」対策など地域コミュニティ維持の視点を盛り込むこと。
      • ② 季節労働者の雇用対策事業に市町村とともに取り組み、国に対して、失業給付の拡大・復元を強く働きかけること。「季節労働者実態調査報告書」によると、冬期の雇用の場の確保、資格取得・技能向上支援は季節労働者と事業者双方の要望であり、そうした対策を強めること。
      • ③ 緊急雇用交付金の有効活用とともに正規雇用の数値目標を立て、道内企業とともに非正規から正規への移行対策に取り組むこと。道が臨時職員として300人以上を実雇用し、正規雇用につなげること。
      • ④ 道公契約条例を制定し、官製ワーキングプアをなくすこと。公共工事における前払い金の支払いや下請け労働者の賃金等を実態調査すること。同じく道の指定管理者、業務委託先等の労働者の実態調査をおこない、必要に応じて是正させること。
      • ⑤ 雇用拡大につながる生活関連の公共事業予算を確保すること。秋田、青森の両県がすでに実施している住宅リフォームを北海道で制度化すること。介護施設や公営住宅のシルバーハウジングの増設、学校や橋、樋門など耐震化や道営住宅の長寿命化、公共施設のバリアフリー化などを進めること。
      • ⑥ 農林水産業やエネルギー、医療・介護・福祉分野の人材を育成すること。
      • ⑦ 高校・大学の新卒業者の完全就職にむけた対策予算を確保すること。京都府(未就職高校生を対象に、府が4か月雇用し月8万円の賃金を支給しながら介護・農林業などの人材育成プログラムをうける)、鹿児島県(追加採用した企業への奨励金支給「プラス1」事業で47事業所74人)、秋田県(未就職の高卒者に対し、専修学校や企業などでスキルアップできるように学費や住宅、採用企業への賃金助成)、宮城県(新規高卒者を対象に中小企業への半年間のインターンシップを仲介する)、札幌市(新規高卒者を採用した事業主に1人当り80万円の助成)などを参考に、大胆な予算措置をおこなうこと。群馬県のように就職開拓協力員(就職相談員)を全校に配置すること。
      • ⑧ 「就活自殺」(23人→46人と倍増)の実効ある対策として、行政窓口や学校への相談員・支援員の配置など体制強化、相談員・支援員の質的向上にむけた教育等を充実すること。
    3. 基幹産業である農林水産業の振興を
      • ① MA米の輸入中止、国産米の備蓄拡大とクズ米の実効ある規制など国に実行させること。畑作の輪作体系の確立、生産者乳価の引き上げ(約86円を最低でも91円に)などで、稲作、畑作、畜産・酪農農家の経営を守ること。
      • ② 国の責任によるBSEの全頭検査等の食品安全対策と、生産履歴や農薬・添加物、遺伝子組み換え等に関する表示など消費者が知りえるシステムを整えること。
      • ② 会計検査院から指摘を受けた東郷ダムの計画を抜本見直しすること。農地整備・土地改良事業の地元負担など、農業関連の公共事業見直しを行うこと。
      • ④ 日本海沿岸の磯焼け対策や、魚付き保安林の整備に努めること。マツカワ、ニシン、ナマコなどの資源増殖について、地元と十分協議して進めること。
      • ⑤ 農業用燃油、漁業用燃油の価格高騰対策を実施すること。国に、免税措置を恒久化させること。
  4. 安心してかかれる医療と介護・福祉を。税と社会保障の一体改革に反対する
    1. 高齢者福祉の充実、介護保険の改善
      • ① 第5期介護保険計画にかかわって、「日常生活圏域」ごとの正確な実態把握と住民参加による地域計画策定となるように助言すること。
      • ② 保険料の大幅引き上げを抑えるために、財政安定化基金148億円(市町村・道・国が各1/3)を活用すること。基金への国拠出分を返還せず、国庫負担の大幅な増額を要求すること。市町村の一般会計からの繰り入れにたいして不当な介入はしないこと。
      • ③ 昨年6月に改正された介護保険法の弊害をおさえ、必要な介護サービスが受けられるようにすること。▽「総合事業」により軽度者が切り捨てられないようにする、▽サービス付高齢者住宅の安全基準策定と家賃補助などの低所得者支援、▽ケアプランの有料化や「要支援」「要介護1、2」の人の利用料引き上げなどの計画等をやめさせる――こと。
      • ④ 特養ホームの待機者の解消のために、3年間で在宅待機者数(約9600人)に相当する増設を行うこと。特養入所者への各種軽減措置に準じて、グループホーム入所者への支援をおこなうこと。
      • ⑤ 介護報酬を大幅に増額し、北海道の広域、寒冷・豪雪、離島等の条件に合った体系への改善を求めること。「介護職員処遇改善交付金」によって公費負担は実質57%〜58%となっていたが3月で廃止される。介護職員の養成・確保と処遇改善、介護現場への看護職の配置等のための財政措置を求めること。
      • ⑥ 在宅で介護している人の実態調査を行い、「介護者支援条例」と計画をつくること。福祉除雪など実効ある在宅介護支援をおこなうこと。
      • ⑦ スプリンクラーなど防火設備の整備とともに、夜間の職員配置を過配し入所者の安全を期すこと。
    2. 安心できる高齢者医療と国保制度のために
      • ① 後期高齢者医療制度を早期に廃止するよう国に求めること。
      • ② 後期高齢者医療制度の新年度からの保険料の設定にあたり、道は積極的に財政支援行い、道の安定化基金の活用を促すこと。
      • ③ 健康診査受診率向上のため、市町村に対して健診車、保健師の派遣など積極的な援助を行うこと。
      • ④ 65歳以上の障害者を医療費助成制度から適用除外しないよう道要領を改正すること。
      • ⑤ 国保滞納者に占める資格証明書の割合が高まっている(8.2%→9.6%)。受診遅れによる不幸な事態を招かないためにも、資格証の発行をやめさせること。後期高齢者医療でも国保でも、乱暴な差し押さえや強制徴収がないように助言すること。18歳以下の子どもへの短期保険証を、完全になくすこと。
      • ⑥ 国保料と医療費窓口一部負担金の減免制度が有効に活用されるよう市町村に助言すること。
      • ⑦ 「国保の広域化」に反対すること。市町村の一般会計からの繰り入れをやめさせるのではなく、道においては、「国保財政健全化対策費補助金」を復活すること。国庫負担を50%に引き上げさせること。
    3. 障害者、難病患者支援
      • ① 障害者基本法の趣旨に沿い、当事者の参加のもとに障害福祉施策を充実すること。道の審議会の過半数は、当事者団体の代表であること。
      • ② 障害基礎年金1・2級に相当する低所得者の医療費を無料にすること。重度障害者医療費助成制度を復元し、精神障害者の入院・通院ともに対象とすること。特定疾患対策事業を元に戻すこと。
      • ③ 国と道の財政措置の抜本拡充で、小規模作業所などが事業を継続し、また、障害者施設で働く人材を確保できるようにすること。
      • ④ 精神障害者も公共交通運賃割引制度の対象となるように国と事業者に求め、道独自の対策も講じること。難病専門医が札幌市や旭川市に集中しているもとで、道は難病患者の通院費助成制度を設けること。
      • ⑤ 道教育庁をはじめ、道と関係機関は障害者の雇用を積極的に拡大すること。難病患者についても数値目標(法定雇用率)を定め、就労の拡大を図ること。
    4. 国、道、市町村の責任で、子育て支援の充実を
      • ① 「子ども・子育て新システム」について、自治体が保育を提供する責任をなくすことにつながる「直接契約制度」を認めないこと。保育の「基準」があいまいにされ、自治体の財政の都合や裁量で左右されてしまう「地域主権」、「一括交付金化」(子ども子育て勘定)に反対すること。
      • ② 保育所の新設と運営費助成を拡充し、待機児童と超過入所を解消すること。僻地保育所や季節保育所、地域の保育要求に応じて大事な役割を果たしている無認可保育所への道単独助成を設けること。
      • ③ 放課後児童対策の対象を小学校卒業までに拡大すること。小規模学童クラブにたいして、道単独助成を行うこと。障害がある子どもが放課後を安全・安心に過ごせる場を保障すること。
      • ④ 児童虐待ゼロをめざし児童福祉士の増員と一時保護施設を拡充すること。児童家庭相談員の「専任化」を進めること。苫小牧市に児童相談所を設置すること。
      • ⑤ 母子(ひとり親)医療費助成度を復元すること。子ども医療費助成について、通院も「小学校卒業まで・所得制限なし」で無料制度にすること。市町村の予防接種事業に、道として助成すること。
      • ⑥ 分娩を扱う医療機関等がない地域(根室、日高、南桧山)の妊産婦について、検診のための交通費や分娩準備の滞在費を補助する制度をつくること。
    5. どこに住んでも安心して暮らせる地域医療に
      • ① 厚労省「医療計画の見直し等に関する検討会」が示した「人口20万人未満で患者流入率が20%未満かつ流出率20%以上の2次医療圏」の「設定見直し」は地域中核病院の配置と機能維持等に困難をもたらすものであり、次期「医療計画」に反映させないこと。
      • ② 公立病院、公的病院への交付税措置の拡充を求めること。これ以上、道立病院を縮小しないこと。
      • ③ 抜本的な医師確保対策を進め、内科常勤医の確保、「総合医」の育成、産科・小児科医師不足の解消等を図ること。削減された道内臨床研修指定病院を拡大すること。
      • ④ 救急医療、周産期・新生児医療の体制を整備すること。
      • ⑤ 道の「看護職員受給見通し」に責任を持つこと。看護師、助産師、保健師の育成と、院内保育所の設置・助成などをおこない、働き続けられる環境を整えること。
      • ⑥ 高額ながん医療費や薬価への補助をおこなうよう国に求めること。血液のがんを含むがんの発症率の疫学的な調査分析をおこなうこと。それらを「がん対策条例」と具体的な施策に反映させること。
    6. 生活保護、新たなセーフティーネットの改善を
      • ① 生活保護の申請権を侵害しないこと。受理率の低い事務所ごとに原因を検証し改善すること。
      • ② 全国平均に達しない道内のケースワーカーを増員すること。埼玉県の包括的な自立支援事業を参考に、道も事業策定すること。特に、保護家庭の子どもへの教育支援を強め、貧困の連鎖を断ち切ること。
      • ③ 新しいセーフティーネットについて、困っている人が支援を受けられるようにすること。「債務肩代わり確約書」等で“排除”されることがないようにすること。
    7. 「税と社会保障の一体改革」に反対する。大企業などへの行きすぎた減税を是正し、応能負担の原則で財源確保を
      • ① 「一体改革」では、▽年金給付の2.5%引き下げ、▽介護保険料の大幅値上げや介護を受ける人を3%減らす計画▽医療費窓口負担の百円程度の定額負担や70〜74 歳の窓口負担を2 割にする――などと一体に、▽消費税の10%引き上げが表明されている。国民・道民の福祉を後退させ、景気をさらに冷え込ませる「一体改革」に反対すること。
      • ② 社会保障財源の確保と制度を支えるために、▽軍事費、大型開発、原発関連予算、政党助成金など「聖域」を設けず歳出のムダを削る、▽これまでのゆきすぎた大企業減税、金持ち減税を見直し、応能負担にもとづく税制改革――を求めること。
  5. 道民本位、市町村の自律を支援する道政に
    1. 将来世代の負担となる新幹線札幌延伸計画はいったん立ち止まり、抜本的な見直しを

      政府は北海道新幹線を含む整備新幹線の未着工3区間について、着工を認可することを決めた。道知事は、函館市長を訪ねるなどして沿線自治体首長の「同意」を強引に取り付けた。しかし、国と地方で約1千兆円の借金をかかえ、消費税を10%に引き上げる一方で、新幹線建設に巨額な税金を投入することは、国民・道民の理解を得られるものではない。以下、提起する。

      • ① 全国を有機的に結ぶ高速交通としての新幹線と、地方交通の柱である在来線では役割がまったく異なる。在来線廃止を新幹線建設の前提とするやり方に法的な根拠はない。「地域住民の足」である並行在来線を存続し、国とJRの責任で運行すること。
      • ② 新幹線建設に伴う多くの問題は何ら検証されていない。建設財源と国・道・沿線自治体の負担、並行在来線が経営分離された場合の採算見通し、物流の問題、環境への影響などについて道民に明らかにすること。交通体系等を全道民的に議論した上で、札幌延伸についての可否を問うこと。
    2. 「財政立て直し」を理由にした道民、道職員へのツケ回しはやめ、不要不急の公共事業や大企業への補助金など「聖域」にメスを入れること
      • ① 自然破壊が懸念されている高規格道路や、温暖化対策にも反するゆき過ぎた道路整備を見直すこと。
      • ② ダムに頼らない総合的な治水対策を住民参加で進めること。サンルダム、平取ダムなどの建設中止を、国に対して求めること。道営厚幌ダムの建設を中止すること。当別ダムや幾春別川水系開発にかかわる水需要計画を見直すこと。
      • ③ 道民生活と安全に資する公共事業を展開する上で、「住民公募型公共事業」の導入を検討すること。
      • ④ 道が自治体として果たしてきた役割を堅持し、独法化、指定管理者制度、民間委託、PFIの導入などについて見直すこと。民間委託や指定管理に移行した職場の雇用条件等を調査すること。
      • ⑤ 「職員数適正化計画」および、全国でも例をみない長期かつ大幅な給与の独自削減を改めること。
      • ⑥ 大企業への法人事業税の超過課税を導入すること。呼び込み型の企業立地補助金を見直すこと。
    3. 市町村の自立と自律を支援し、住民の暮らし支える
      • ① 「地域主権改革」の名による国の責任放棄=「義務付け・枠付け」の見直しに反対すること。保育所や介護・福祉施設の「基準」の緩和、社会保障分野の「一括交付金化」による自治体間の格差、河川・道路・橋梁などの管理を市町村に委ねることによる整備の遅れ−−などが懸念されているが、国の責任、「ナショナル・ミニマム」の堅持を求めること。
      • ② 地域づくり総合補助金(40億円)を大幅増額し、使い道についても市町村を応援する立場で振興局が相談に乗ること。
      • ③ 夕張市が財政再建団体となった5年間について市とともに検証し、今後のまちづくりを進めること。市民から要望が寄せられている以下の点について、対策を行うこと。
        1. 市職員給与引き下げ(▽20%)を見直し、市職員の増員を認めること。
        2. 町内会による町内会館の管理委託や、学校ボランティア(通学時間帯の見守りなど)は高齢化で困難になっており見直すこと。
        3. 市立診療所の診療科目を充実すること。とくに眼科医師の週1回の派遣を復活すること。
        4. 町内会への市の補助金はゼロ、文化・スポーツ団体への支援も削られた。「日本一高い」といわれている使用料・手数料を引き下げ、団体への支援を復元すること。
        5. 道による子ども・ひとり親家庭・重度障害者への医療費助成の上乗せ、市道の除排雪の代行、バス路線への助成など、市民の暮らし・福祉のための支援が喜ばれている。継続・拡充すること。
      • ④ 原油価格が高騰し昨年12月、道内の灯油価格は1リットルあたり90円を超えた。2007−08年当時のように、道として対策本部を立ち上げ、福祉灯油のための予算を補正すること。国とともに、農業用・漁業用、クリーニングなど中小零細企業向けの支援策を早急に講じること。
      • ⑤ 集落の実態調査をもとに、市町村とともに、集落の機能維持の対策を実施すること。高齢者・障害者らの日常の見守りと災害時支援、通院や買い物、除雪など、住民を支える「集落支援員」を道として制度化すること。喜茂別町の「地域おこし協力隊」などの経験を普及すること。
    4. 清潔で公正な道政
      • ① 道建設部OBの指名業者への天下りの現状が大きく報じられた(「道新」1.4付など)。関連会社を経れば指名業者にも「再々就職」できる要綱を改め、天下りを禁止すること。道が許認可権限を持つ社会福祉法人や団体等への天下りは、発注三部と同様の制限を設けること。
      • ② 道幹部の天下った法人による受注の寡占状態や談合や癒着が疑われる事態について調査公表し、そうした事態をなくすこと。
      • ③ 行政委員会委員の報酬を見直すこと。月額制を日額制に改めること。
  6. 憲法、教育基本法が生かされる行政運営を
    1. ゆきとどいた教育を実現し、学術文化の発展を
      • ① 義務教育すべてで30人学級を実現すること。市町村に対し、学力テストの参加を強制しないこと。
      • ② 競争と子ども・保護者の負担を増大させる道立高校統廃合計画を見直すこと。石狩一学区化を検証すること。通学費が1万円を超える子どもすべてに助成すること。定時制高校を存続すること。
      • ③ 学校図書費の「未充当」の自治体に対して適切な助言を行うこと。司書教諭の配置を進めること。
      • ④ 旭川市など都市部への特別支援学校の設置を進めること。子どもの寄宿生活の改善、寄宿舎指導員の身分保障と待遇改善が進むように予算措置すること。
      • ⑤ 普通学級で障害児を受け入れ苦労している学校・教員への支援を強めること。特別支援学級、通級教室は、必要なすべての学校、自治体で設置できるように財政措置すること。
      • ⑥ 障害児学校生の進路・就職先の確保のために関係機関との連携を強めるとともに、比較的軽度の子どもが社会に適応できるための対策を強めること。
      • ⑦ 教職員の膨大な超過勤務と持ち帰り残業を改善すること。「服務規律調査」「勤務実態調査」といった管理と統制強化を止め、教育現場の自主性を尊重すること。
      • ⑧ いじめ対策を強め、いじめ自殺を根絶すること。ひきこもり、不登校対策を強化し、福岡県のようにフリースクールへの公的助成をおこなうこと。
      • ⑨ 私学運営費の5割を目途に公費助成すること。道費上乗せ措置を復元すること。私学教職員の低賃金と劣悪な雇用実態を調査し改善させること。
      • ⑩ 就学機会を保障するために、▽公立だけでなく私立高校授業料も実質無償化する、▽給付型奨学金制度を創設する――など。
      • ⑪ 経済的理由で大学進学をあきらめることがないよう、国と「学生支援機構」に対し、貸与型の奨学金にかんして、返済免除や無利子枠の拡大を求めること。道として利子補てんすること。
      • ⑫ 道立少年の家と青年の家(7か所)を廃止しないこと。国立青少年自然の家(2か所)は国の責任で維持するよう求めること。
    2. 非核・平和の道政を。領土問題の解決のために
      • ① 雪まつりに合わせて、米軍の3艦船が道内に寄港する。道内の全港湾、とくに道が直轄管理する空港、港湾の米軍による利用について、知事はキッパリ拒否すること。国に対して「非核3原則」を堅持させるとともに、核兵器を積んでいないことが確認されない限り入港を認めない「非核港湾条例」を制定すること。
      • ② 矢臼別演習場での米海兵隊実弾射撃訓練の固定化・恒久化、千歳での戦闘機移転訓練など米軍の道内訓練を認めないこと。訓練内容を公開させること。
      • ③ 千島をめぐる領土問題の解決に、道としても尽力すること。高齢化している元居住者への補償、医療支援、地震や海洋環境の共同調査研究、日本漁船の安全操業、などを求めること。道の「北方領土隣接地域特別対策補助金」(1500万円)を大幅増額すること。
    3. アイヌの生活と権利を守る――「国連・先住民族権利宣言」「国会・アイヌ先住民族決議」を実効あるものに
      • ① アイヌの生活と権利を守り差別をなくすこと。所得、年金、子どもの進学率などの格差を是正すること。古老の無年金・低年金を解消し、生活保障のための手当制度を創設すること。
      • ② 国に「アイヌ新法」制定を求めること。アイヌが政策策定に参加する枠組みをつくること。
      • ③ 国立アイヌ民族博物館の早期実現を働きかけること。

以 上