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論評/解説
浜中34m 国内最大級の津波/道の浸水予測にどう対処するか

浜中34m 国内最大級の津波

道の浸水予測にどう対処するか

道は6月28日、北海道太平洋岸で巨大地震の発生を想定した津波予測の最終報告書をうけ、5日道議会総務委員会に報告しました。浜中町34m、釧路町31m、えりも町30m弱など、20m以上は11市町におよび、釧路市では10万人の避難がせまられるなど、極めて深刻な事態が予測されます。真下紀子道議が3日の予算委員会でとりあげました。この津波予測をどうみるか、どう対応すべきか――を考えてみます。(S)

【参照】 北海道 「北海道太平洋沿岸に係る津波浸水予測図について」

各自治体の最大津波第1波到達までの時間(分)津波の高さ(m)
羅臼町峯浜町312.0
標津町薫別402.8
別海町床丹734.0
根室市初田牛川河口2724.9
浜中町琵琶瀬2134.6
厚岸町末広2428.8
釧路町昆布森2431.5
釧路市音別町直別3027.8
白糠町剌牛3219.9
浦幌町昆布割石3027.0
豊頃町湧洞沼3125.3
大樹町大樹漁港3520.0
広尾町十勝港3629.4
えりも町大和3129.8
様似町3323.1
浦河町浦河港3011.9
新ひだか町三石川河口3012.0
新冠町節婦379.5
日高町清畠4311.6
むかわ町晴海町507.6
厚真町浜厚真538.1
苫小牧市元町518.5
白老町大町478.8
登別市栄町4910.2
室蘭市東町488.8
伊達市舟岡町707.2
洞爺湖町高砂町797.2
豊浦町船見町887.5
長万部町静狩866.4
八雲町落部807.0
森町砂原東3丁目5710.0
鹿部町大岩519.1
函館市元村町3510.0
北斗市当別6610.4
木古内町前浜756.2
知内町知内町764.2
福島町月崎733.9
松前町白神832.0

Q1

津波浸水予測の特徴は何ですか。

A1

前回07年予測の2〜3倍。

今回の予測は、道防災会議地震専門委員会(委員長・笹谷努北大元教授)が、地震の規模を三陸沖北部から根室沖までを震源とする、マグニチュード9.1と想定して、大平洋沿岸、羅臼〜松前にいたる38市町188地点の浸水予測図を作成しました。

最大値は浜中町琵琶瀬34.6m(南海トラフの高知県34.4mをこえる全国最高)、釧路町昆布森31.5mなどです(表)。いずれも前回07年予測の2〜3倍にもおよぶ、異様な高さです。

釧路市で20mをこえ大規模な避難がせまられ、各地で防災計画の抜本改定がさけられず、これまでの防災対応の根本的転換への政策と運動が求められます。

Q2

想定が過大では?

A2

そうとはいえません。前回の想定は、十勝を中心に17か所の津波堆積物調査を基にし、今回は根室・噴火湾はじめ新たに堆積物が確認された28地点を追加。これらを合理的に説明できる震源として、根室〜青森東方沖までの幅140キロ、長さ420キロの断層を想定し、沈む大平洋プレートに35m、道沿岸側に30mすべり量を与えて予測しました。

38市町188地点のうち、20mを超える津波予測は、根室〜様似までの11市町46地点にもなります。国は大規模連動地震と単発地震との二重の対応策を想定しています。

ですから、各地での対応も中規模な地震対応と500年に一度の巨大地震対応策が欠かせず、ハード・ソフト両面にわたり、防災対策の抜本改定が必要です。革新懇など各レベルでの市民的学習・討議も大切です。

Q3

命を守る一時避難所が大切ですね。

A3

そうです。

大津波警報が出たら、ひとり「てんでんこに逃げる」ことが大事です。と同時に、20〜30分以内に逃げる場所をどう確保するか、が必要です。

豊頃町では、大津漁港の住民は一時避難場所として築山(標高12m)盛り土を行なったが、今回は21mだから、再検討が必要です。大津地区では河口から離れて、長原地域の高い山林に広場をつくる案、複数の避難道路の創設を検討中です。

広尾町では、十勝港に近い入船地区と音調津(おしらべつ)に、避難階段を造成する工事に着手します。

釧路市では高い道営住宅やバイパス・高速道路の一時使用を検討中です。東日本の教訓として、とにかく高津波から命を確保する、一時避難場所の確保策を具体化することが、決定的です。

真下質疑も参考に各地で学習会、討議、提案をすることが大事です。

浦幌町は当初予定に1.8億円の災害予算を計上。厚内地区の盛土・階段設置はなお再検討します。

Q4

防災の財源はありますか。

A4

十分にあります。

昨暮れからの全国防災・減災事業債があります。地元自治体負担は軽微です(本紙12・2・15)。

浦幌町では防災拠点避難路に2.4億円の事業費を申請しています。各地で大いに活用するとりくみをよびかけます。

(12年07月08日付「ほっかい新報」より)