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道議団の動き
北海道・平取ダム建設/問題点の検討を慎重に 12.10.25

北海道・平取ダム建設

土砂で貯水機能低下 アイヌ文化壊す

問題点の検討を慎重に

日本共産党北海道委員会は25日、北海道の高橋はるみ知事にたいし、工事を凍結している平取(びらとり)ダム=平取町=建設再開についての「知事意見」で、拙速な回答を避けるよう求めました。

要請書を手渡す、はたやま氏と真下氏
道側(左)に要請書を手渡す、はたやま氏(中央)と真下氏=25日、北海道庁

党道委が知事に要請

北海道の沙流(さる)川水系額平(ぬかびら)川に国が建設を予定している平取ダムは、本体工事を凍結して建設の是非を検証中です。事業主体の北海道開発局は、建設を「妥当」とする「検証」結果を北海道に示し、道は29日までに「知事意見」を回答する予定です。道開発局はそれを受けて、国土交通省に建設再開を求める構えです。

要請書を手渡す、はたやま氏と真下氏 はたやま和也道政策委員長と真下紀子道議は道庁内で、北海道建設部の篠崎信馬次長に要請書を手渡し、①下流の二風谷(にぶたに)ダムの土砂の堆積②流木対策③ダムで失われるアイヌ文化について検討し、ダム反対派を含む道民各層の声を聞くよう求めました。

平取ダムは二風谷ダムとともに「2ダム1事業」として、苫東開発への利水を大きな目的に計画されました。苫東開発の破綻後は本来の目的を失い、利水のほかに洪水対策、水力発電のための多目的ダムとして事業が進められています。

沙流川下流の二風谷ダムは土砂の堆積が進み、運用14年目にしてすでに当初計画の堆積量(1430万m3)を超える1630万m3の土砂がダム湖にたまり、貯水機能は大きく低下。「同様の事が平取ダムでも起きる」と専門家は指摘しています。

「二風谷ダム訴訟」=札幌地裁=では1997年、「アイヌ民族の独自文化を無視したダム建設は違法」という判決が確定しており、平取ダムでもアイヌの聖地(チノミシリ=祈りの場)を破壊する建設計画に批判の声が上がっています。

(12年10月26日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)

平取ダム建設事業について道としての慎重な検討を求める要請書