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北電が「給付金」で〝懐柔〟/真下議員、道知事ただす 12.09.26

泊原発北電が「給付金」で〝懐柔〟

税金が原資真下議員、道知事ただす

質問する真下道議
質問する真下道議=26日、北海道議会

北海道電力が泊原子力発電所(泊村)の周辺自治体の住民に「原子力立地給付金」の名目で総額約1億円(2011年度)を個人名義の口座に振り込んでいることが26日、日本共産党の真下紀子道議の質問で明らかになりました。

電気事業の適正な運営を定めた「電気事業法」は「特定の者に対して不当な差別的取扱い」をしてはならないと規定しています。しかし北電は「電源立地地域対策交付金制度」を使って、泊原発のある泊村と隣接する共和町、神恵内(かもえない)村の3町村に住む電力需要者の個人口座に「キャッシュバック」していたもので、「需要者間の公平を損なう」との批判が上がっています。

真下議員は26日に開かれた道議会本会議の一般質問で、「原発立地自治体の各世帯と企業に対し、電気料のキャッシュバックのような給付金が支払われていると聞いて大変驚いた。他地域の電気需要者との公平性が問われる」と追及し、給付金の財源や仕組みを高橋はるみ知事にただしました。

高橋知事は「国によって発電用施設(原発)の設置と運転の円滑化を目的に電源立地地域交付金がメニュー化されている」と同交付金が原発周辺の住民対策であることを認めました。

真下議員は再質問で「北電から直接、電気料振替口座に振り込まれては、料金割引と受け取られても仕方ない。給付金のあり方について道民によく説明し、今後議論されるべきだ」と追及しました。

給付金交付実績(2011年度、単位万円) 表1
泊村 4,170.6 給付金交付助成事業
(各個人、企業に振り込み)
共和町 5,163.9
神恵内村 915.7
岩内町 8,987.7 町実施の事業

3町村は個人、企業の口座に振り込まれていますが、同じ周辺自治体の岩内町には町実施の事業に交付されています。(表1)

北電からの交付額は一般家庭で1口月915円、企業などは1口月457円で年1回、北電から各家庭や企業に振り込まれています。年間にすると泊村では1契約あたり一般家庭で1万980円になります(11年度)。一つの家庭でも複数の契約をしている場合もあり、1世帯当たりの交付額は泊村で平均年1万4820円になります。

交付の流れ 表2
交付金
北海道
補助金
補助事業者
(電源地域振興センター)
委託
北海道電力
給付金(年一括交付)
住民・企業等

交付金の流れは、国から都道府県、旧通産省や旧科学技術庁のOBが天下っている電源地域振興センターを経て、電力会社に委託されて各家庭や企業、自治体に年1回、一括交付されています。(表2)

真下議員は「交付金が、原発立地地域の住民に対して国民の税金を使った暗黙の圧力や口封じになっているのではないか。住民にとって不幸なことであり、道民はこうした実態を全く知らない。道民の理解は得られない」と話しています。

(12年09月27日付「しんぶん赤旗」より)