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道議団の動き
勤務実態調査の中止/党道委員会・真下道議が申し入れ 12.05.21

勤務実態調査の中止

5月21日党道委員会・真下道議が申し入れ

情報提供制度は撤回せよ

戸澤孝一教育次長に申し入れる(中央から右へ)真下道議、青山氏
戸澤孝一教育次長に申し入れる(中央から右へ)真下道議、青山氏=21日、札幌市

道教委は現在、文部科学省の指示をうけ、全道の小中学校および道立高校の全教職員を対象に2度目の教職員の「勤務実態調査」を実施中で、3月27日、本年度末退職教職員の処分を発表しました。この調査は、2010年の「服務規律等実態調査」による管理統制をさらに徹底、強化するとともに、北海道の学校教育に否定的な影響をもたらし、憲法をはじめ法に違反しています。

日本共産党北海道委員会は5月21日、青山慶二書記長と真下紀子道議会議員が、教育の自由と子どもの実態から出発した教育の実現のために、「教職員給与費の適正執行に関する調査」、一方的判断基準にもとづく「先行」処分、「情報提供制度」など、一連の施策の撤回、中止を申し入れました。

現在行われている「教職員給与費の適正執行に関する調査」の中止を要求

青山書記長と真下道議は、「いま多くの教職員は、様々な報告書類、記録の作成と提出に追われて、児童・生徒とふれあう時間の確保に苦労している。ところが今回の調査で、授業中の担任の先生を調査に呼び出すということがやられており、授業を軽視したこうした調査は許されない。また「職務命令」と「処分」の脅しで「事情聴取」がされている。こうしたやり方は政治や行政は教育への介入に抑制的でなければならないとする教育の条理に反している」などを指摘して中止を要求しました。

学校と教職員の実態から乖離した不当・不適切な処分の撤回を要求

教職員の長時間労働はマスメデイアでも大きく報道され、法定勤務時間を大幅に超える勤務をしていますが、「給特法」を根拠に残業手当は支給されていません。道教委の調査でも、1か月の時間外労働は小学校で38時間、中学校で64時間で全国平均を超えています。また、教職員の病休者が増大しており、精神疾患の割合でも全国平均を上回っています。こうした長時間勤務の是正こそ急がれています。

ところが調査では、警備機器が時間通り作動していないなど機械的な基準によって「不適切勤務」とし処分し、運動会で早朝から勤務しいっさいの仕事が終了し、校長の配慮で退勤時間より早く帰宅したことが不適切と判断された事例もあります。また、教職員は多様な教育・研究関連団体等の業務に関わり、勤務時間中にこれらの実務をしたことや集会参加を「不適切」と断じていますが、実情を全く無視したものです。こうした適切でない処分の撤回を要求しています。

労働組合の正当な活動を認めることを要求

道教委は、「服務規律調査」以来、一貫して勤務時間内の組合活動を問題視してきました。労使協議と合意に基づく授業や教育に支障がない勤務時間内の組合活動を一律に禁止することは、憲法が保障する団結権への不当な抑圧です。ILO、ユネスコの「教員の地位に関する勧告」の立場で、正当な労働組合の活動を認めるよう申し入れました。

教育の土台である信頼関係を壊し、憲法に保障された基本的人権を侵害する危険がある「情報提供制度」の撤回を要求

この制度は、学校では教職員同士に、地域では保護者、地域住民に「違反行為」、「行われようとしている行為」を道教委に通報させる制度です。とくに道教委が、市町村教育委員会やPTA関係団体を通じて、「密告制度」ともいうべき情報提供制度を保護者や地域住民に周知させることを求めていることは、密告を組織しようとしているとの批判を免れません。保護者などの要望、意見は、直接、学校に届けられるべきであると強調しました。

(党道労働部長小村貞三)

(12年06月03日付「ほっかい新報」より)