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申し入れ

北電による“やらせ”問題の徹底解明等を求める要請

11.08.29

2011年08月29日

北海道知事

高橋はるみ 様

日本共産党北海道委員会
委員長
西野 敏郭
政策委員長
畠山 和也
日本共産党北海道議会議員
真下 紀子

北電による“やらせ”問題の徹底解明等を求める要請

「しんぶん赤旗」が入手した北海道電力の内部資料により、2008年10月の道主催の泊原発3号機におけるプルサーマル計画に関するシンポジウムで、同社が「やらせ」を行っていたことが明らかになり、同社は26日午後、その事実を認めました。

08年8月に開かれた国主催のプルサーマルシンポジウムについて、佐藤佳孝社長は7月28日、「(社員や関係会社への)動員はしていないし、社員に意思表明するよう要請もしていない」と述べ「やらせ」を否定しましたが、同時期・同目的の催しで、同社の対応が本当に異なっていたのか疑惑は深まるばかりです。

北電は1999年にも、泊3号機計画の実施課程における道主催の「意見を聞く会」や意見公募にあたって「厳秘」扱いの指示文書を出し、大規模かつ周到な「やらせ」をおこなっていた実績があります。このとき、世論の批判の前に社長が陳謝したにもかかわらず、十数年を経てまたして発覚した同様の不正行為は、公益企業として許されることではありません。北電まかせでは、真相究明は期待できません。

こうした経緯と、福島原発事故の究明が行われていない現状のもとで、下記の諸点を申し入れるものです。

  1. 泊原発3号機のプルサーマル計画にかかわる一連のシンポジウム、説明会、意見募集などすべての機会において、北電による「やらせ」がなかったか道として徹底調査すること。道(及び地元市町村)主催の催しでの「やらせ」の有無、参加者や意見提出等の詳細については道の責任で第3者による調査委員会を設置し、道民にすべてを明らかにすること。北電の自主調査まかせとしないこと。

  2. 泊原発3号機にかかわる「やらせ」が、1999年の3号機の建設・実施と2008年のプルサーマル計画の2度にわたって発覚したことを重大視し、道として以下の対応をおこなうこと。

    • ① 泊3号機の営業運転再開(17日)の道としての「容認」を取り消し、運転停止を求めること。
    • ② 泊3号機におけるプルサーマル運転の事前了解を白紙撤回すること。
    • ③ MOX燃料体製造のための検査申請の取り消しを求めること。フランスで製造されるMOX燃料体の泊への搬入・装着を認めないこと。
    • ④ 北電みずからの不正行為によって道民の信頼を損なった経緯を踏まえ、定期点検中の1、2号機の再稼働を認めないこと。海江田経産相が「年内の再稼働」に言及したことについて反対すること。
  3. 九州電力・玄海原発をはじめ中部、四国、中国各電力でも明らかになった「やらせ」は、泊3号機を含めすべてプルサーマル計画にかかわっての不正行為である。よって、原発立地14道県知事で構成する原子力発電関係団体協議会としての対応を含め、国に対して以下の点を求めること。

    • ① 7月の国の調査が不十分だったことを直視し、主催者が国か県かを問わず、プルサーマル計画にかんするすべての催しにかかわって電力会社等による不正行為がなかったか調査し公表すること。
    • ② その一環として、函館、北斗、七飯などの道民にも大きな影響が及ぶ電源開発・大間原発のフルMOXによるプルサーマル発電にかんするシンポジウム、住民説明会、意見募集等(青森県主催を含む)についても調査し公表すること。
    • ③ 全国すべてのプルサーマル計画を中止すること。福島第一原発事故及び同3号機のプルサーマル発電の影響について詳細に検証した上で、技術的な問題や安全性について白紙から検討すること。

以上