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“動員 いつものこと”/北電ぐるみ“住民合意”演出 11.08.25

“動員 いつものこと”

北海道主催シンポ

北電ぐるみ“住民合意”演出

泊原発3号機プルサーマル導入に関するシンポジウムをめぐって、内部文書などで明るみに出た北海道電力による動員と「やらせ」意見の組織工作。北電が住民世論をゆがめる工作を、日常的に行っている実態が浮き彫りになってきました。

北電の「やらせ」が明らかになった2008年10月12日に道などが主催して開いたシンポジウムは、異様なものだったといいます。

参加した日本共産党の大田勤岩内町議は「発言希望者がまだたくさん手をあげているのに、司会者が『時間切れ』などと言って、発言を打ち切っていました。『まだ質問してない』という声があちこちから出ていました」と振り返ります。

道によると、岩内町の定員400人の会場には381人が参加しました。札幌市の別会場では、88人がシンポを視聴しています。

発言では、反対意見が多かったシンポでしたが、後日、道が集計したアンケートでの感想は賛否がきっ抗する結果に。このシンポを最後に、プルサーマル計画に向けた住民向けの説明会は終了し、09年3月に高橋はるみ道知事がプルサーマル導入受け入れを表明しています。

本紙が入手した北電の内部文書でも、「地元四か町村で開催される最後の『シンポジウム』になると思います」として、このシンポの重要性を強調。北電が社員を動員して、シンポで導入賛成が多数であることを演出しようとしたことがうかがえます。

北電は過去にも1999年に泊原発で3号機を増設する際に、賛成意見を組織していたことが発覚しています。

「厳秘」のスタンプが押された当時の社内文書には、「『泊3号機増設に賛成』など賛成の主旨がはっきりわかるように簡潔、明瞭に記述する」と、賛成意見を道に送るよう社員に呼びかけていました。

この文書には、「主婦の立場」などを装った、賛成意見のひな型まで添付されており、先に発覚した九州電力や四国電力の手口がそのまま使われていました。

北電関係者はこう証言します。

「北電が説明会を人口の少ない地域でやっても、住民でいっぱいにはできない。『ガラガラはみっともないから』と、今でも社員や子会社を動員するのは当たり前。北電は今でも『やらせ』がいけないという意識は希薄だと思う」

経産省は7月下旬、電力各社に国主催のシンポで「やらせ」がなかったか、社内調査を指示しました。

これに対して、北電は08年8月の資源エネルギー庁主催のプルサーマルシンポについては、「やらせ」は「確認されなかった」と笞えています。

国主催のシンポだけでなく、地元自治体主催のシンポでも「やらせ」はなかったのか、国は徹底した、電力会社の「やらせ」体質の調査をすべきです。

(11年08月26日付「しんぶん赤旗」より)