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談話

道民合意を無視した泊原発3号機の営業運転移行は認められない/真下紀子道議の談話

11.08.16

道民合意を無視した泊原発3号機の営業運転移行は認められない

2011年8月16日

日本共産党道議会議員 真下 紀子

  1. 経済産業相は泊原発3号機に関し、3・11後の「再稼働」ではないとして調整運転から営業運転再開にゴーサインを出した。3号機運転強行は周辺9町村の合意も道民的合意も欠落しており、しかも何らの正当性ももちえないものである。

  2. 知事は周辺4町村と道議会の意見を聞いて最終判断するというが、「周辺町村」が10キロ圈に限定されることに、30キロ圏9町村の理解と同意はない。放射能高度汚染は30〜50キロにも及ぶのを無視したものである。8月11日の後志町村会は10キロ圏を拡大し、これまでの圏外町村も、関連町村も加えるよう決めた。7月6日の私の質問に対し、知事は「4町村と協議し、周辺町村も含め道民意見をよくうかがった上で道としての考え方を整理する」との答弁を反故にしかねない不誠実なものである。

  3. これまでの安全保安院と原子力安全委員会が最終検査を了承したが、いずれも道民の不安を解消するまともな審議がなされた形跡はみえない。安全委員会はわずか30分の議論で「二重チェック」も看板倒れと批判があがっている。

    また福島原発は「津波」被害というが、地震による配管の破断など、地震被害の解析が何らなされていない中で、泊3号機の地震対策が万全といえる何の根拠もありえない。

    ましてや、泊沖の海底断層が60〜90キロに及ぶ巨大なものであるとの研究論文が出されているにもかかわらず、北電側も政府もまともな調査・解析を行わないという怠慢ぶりである。もし地震対策が万全であるというなら、その具体的反論と解明がなされてしかるべきだが、何らの誠実な対応がみられない。より進んだ津波対策も2〜3年後にとるというが、もし大津波がきたらどうするのか。直ちに対策は実行されるべきである。

  4. 周辺の住民アンケートの実施が自民党などの反対で見送りとなったことは、「3号機再開ありき」という政治的判断が優先され、道民の不安に応える姿勢が後景においやられたものである。道民の大多数が事故後には原発は不安・危険と考えを変えてきている。

    そもそも3号機計画の実施過程において北電の「やらせ」がおこなわれ、道民に対し欺瞞的な態度が取られたことがある。1999年、道の「意見公募」や「意見を聴く会」に対して、北電が北電社員に対し、「厳秘」の指示文書を出し、「賛成意見をおくる際は社内からの発信は行なわない」と注意書きし、職種別で「主婦の立場から原子力は必要だ」などと訴える意見のひな型も準備。陳述人の応募や傍聴人定員の「半数を動員する」とするなど、内容的にも規模の点でも、道民世論をゆがめる「やらせ」が横行していたことが明らかであった。これらは九電の玄海原発なみの世論誘導・歪曲であり、道民世論をあざむくものであった。

  5. 私は、15日、道議会エネ特委委員長と副委員長に委員外議員として質疑を申し入れたが、16日の理事会で受け入れられなかったことは、誠に残念である。泊3号機再開という重大局面にあたって重要な発言機会が保障されなかったが、少数意見を含め道議会各派の意見を尊重すべきである。

    今後とも、道民とともに原発ゼロの北海道をめざし、道民の安全を守るため、全力をあげる決意である。

以 上