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道議団の動き
米の育種調査/上川農業試験場で党議員団 10.08.11

北海道米の育種調査

上川農業試験場で党議員団

日本共産党の真下紀子道議と旭川市議団は11日、北海道上川郡比布町にある道立総合研究機構・農業研究本部上川農業試験場を視察しました。道内の地産地消を促進する上で重要な育種研究の実態や課題などを把握するために取り組んだものです。

北海道の農業は「4年に1度」といわれる冷害とのたたかいと、「寒冷地で育つ米の育種をどう実現するか」という課題に直面してきました。

上川試験場は、1886年に忠別農作試験場として創立され、数度の移転を経て、今年4月から地方独立行政法人となりました。

道内各地域の試験場が次々と閉鎖されるなかで、国立の試験場と連携しながら、多大な功績をあげています。現在は、食味をよくすることに力点をおいた育種改良を続け、「きらら397」や「ほしのゆめ」、「ゆめぴりか」などが同試験場で開発されました。

菊地治己場長が研究状況などを説明。農家の高齢化や後継者不足で、手間暇のかからない米作として期待されている直播(じかまき=苗を使わない)栽培に力を入れていることや、高糖度トマトの開発、植物が持つ分化全能性(再生力)に着目した効率の良い育種改良、最近では暑夏への対策も必要であり、いもち病対策にも力を入れていることなどを紹介しました。

菊地場長は、交配作業で熟練技術を持つパートが短期間契約になったため安定しなくなり、苦労していることにもふれ、「予算と人員がいくらあっても足りない」と農業試験場が抱える課題を語りました。

一行はその後、屋外へ出て、場内で栽培されている米の品種についての説明を受け、19度の冷水を流して米を育てている現場を見学しました。

上川地域は、夏と冬の温度差が50度あり、過酷な気象条件に適した米や園芸作物の研究が当地の農業の行く末を左右します。

菊地場長は「たとえ、他の試験場でうまくいっても、ここでうまくいかなければダメです。よく『コシヒカリを持ってくればいい』という人がありますが、話はそう単純ではありません」と試験場の役割を強調しました。

(10年08月20日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)