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道議団の動き
福祉士の養成できなくなる/置戸高校/保護者らが不安視 10.02.09

福祉士の養成できなくなる

資格に必要科目1.5倍

北海道置戸高校保護者らが不安視

福祉系高校が2007年の法改正により、今年度の新入生から、介護福祉士の受験資格を得るために必要なカリキュラム(福祉関連科目)が1.5倍に増加し、保護者や教員の間から「高校で介護福祉士の養成ができなくなる」と不安の声が上がっています。

置戸町地図日本共産党道議団は9日、北海道東部にある置戸(おけと)町の、道立高校で唯一、福祉科を設置している置戸高校を訪問、花岡ユリ子、真下紀子両道議が佐々木裕校長、前川幸啓教頭と懇談しました。

介護福祉士になるためには、通常、普通高校を卒業後、大学、専門学校等の養成機関に進学し最低2年、もしくは施設で3年の勤務実績が必要です。しかし、同校では、在学中の3年間で介護福祉士の国家試験受験資格を取得するとともに、訪問介護員(ホームヘルパー)1級課程を修了することができます。

同校の09年度の介護福祉士国家試験合格率は95.2%(全国平均は52%)。全国の福祉系高校のなかでもトップクラスで、福祉系職場への就職率は100%となっています。

佐々木校長は「福祉科目が34単位から52単位に増え、7時間授業や夏・冬休みを削り実習を組み込まなければなりません。文科省は工夫次第でできると言うが、いまでも放課後は補習・講習があり、土曜は講習日と設定していて、これ以上授業を増やせない」と困惑していました。

花岡議員らは「福祉科で学ぶことは、高齢化がすすみ人材が不足するなかで、介護分野で働きたいと思う人にとっては最短の道であり、存続・充実こそ求められています」と語りました。

厚労省は昨年、福祉・介護人材確保対策として、介護福祉士・社会福祉士養成施設の入学者に対し修学資金の貸し付けを行う「介護福祉士等修学資金貸付制度」を拡充(月額5万円、入学準備金20万円など)しました。

佐々本校長は、同制度が、福祉・介護の仕事に5年間(へき地は3年間)従事した場合に返還が免除されることにふれ、「高校は対象とならないので、ぜひ入れてほしい。貸し付けがあれば進学を希望する生徒は増えます」と要望しました。

(10年02月12日付「しんぶん赤旗」北海道・東北のページより)