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道議会での取り組み
2010年第4回定例会予算特別委員会

【花岡ユリ子道議、休日、病児、夜間等保育の充実求め、介護保険の負担軽減等についてただす】 10.12.03

2010年12月3日 予算特別委員会第1分科会質疑概要

質問者 花岡ユリ子 議員

保健福祉部所管の問題

病児・病後児保育たった8カ所。休日、病児・病後児、夜間、延長保育の充実を求める

○花岡ユリ子委員

初めに、保育サービスの充実などについて伺っていきたいと思います。

公立保育所運営費の一般財源化に伴い、平成16年度以降、何カ所が民営化されたか、最初に伺いたいと思います。

道内の市町村の今後の民営化計画について、道として、どのように把握しているのか、あわせて伺いたいと思います。

私どもの調べで、函館市は、旧市内に残った6公立保育園を5カ所にして、すべて民営化するとしています。小樽市や苫小牧市などでも具体的な計画を持っていますが、こうした民営化の動きについて、どのように認識しているのか、答弁をいただきたいと思います。

○酒向憲司子ども未来推進局長

公立保育所の民営化についてでございますが、平成16年度以降、民営化された公立保育所は38カ所となっており、公立保育所の社会福祉法人等への移管や統合などの計画につきましては、道といたしまして、施設整備などの協議を受ける機会などを通じまして、把握をしているところでございます。

保育を取り巻く環境は、大きく変化してきているところでございまして、少子化の進行、保護者の就労機会の拡大や就労形態の多様化への対応などを含めまして、公立保育所の民営化につきましても、それぞれ、市町村の御判断により、実施されているものと承知をしているところでございます。

いずれにいたしましても、道といたしましては、当面の待機児童の解消と、多様なニーズに対応するための保育環境の整備が図られていくことが重要なことと考えているところでございます。

○花岡ユリ子委員

次に、道内における、休日保育や病児・病後児保育、夜間保育の実施箇所数はどのくらいあるのか、お答えいただきたいと思います。

○駒込政彦子ども未来推進局参事

休日保育等の実施状況についてでございますが、平成21年度に市町村が実施した、保護者が就労している日曜、祝日等に保育を行う休日保育は、全道で21ヵ所、子どもの急な発熱など、自宅での保育が困難な場合に、病院や保育所等の専用スペースで、看護師等が一時的に子どもを預かる病児・病後児保育については、全道で16ヵ所、午後10時ごろまでの保育を行う夜間保育については、全道で4ヵ所となっているところでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

国において、平成20年度の補助金交付決定ベースで、全国の、休日保育、病児・病後児保育、夜間保育の実施状況が公表されましたが、北海道は、全国と比べて、どういう実態になっているのか、伺いたいと思います。

○駒込子ども未来推進局参事

全国との比較についてでございますが、平成20年度の国の保育対策等促進事業費補助金の実績によりますと、政令・中核市を除く、47都道府県の休日保育等の実施状況は、休日保育では693カ所、病児・病後児保育では933カ所、夜間保育では35カ所となっているところでございます。

この実績を1県当たりに平均にいたしますと、休日保育は、平均で1県当たり約15カ所のところ、道は14カ所であり、病児・病後児保育については、全国平均は約20カ所のところ、道は8カ所、夜間保育は、全国平均では約0.7カ所のところ、道は2カ所となっている状況でございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

今答弁をいただきましたけれども、休日保育、病児・病後児保育の実施状況について、特に、東京以北の12県で比較をしてみますと、どういう違いがあるのか、答えていただきたいと思います。

○駒込子ども未来推進局参事

東京以北の12県との比較についてでございますが、休日保育では、最も多いのが青森県の63カ所、最も少ないのは宮城県の2カ所、北海道は14カ所で、8番目となっており、病児・病後児保育につきましては、最も多いのが茨城県の46カ所、最も少ないのは未実施の宮城県であり、北海道は8カ所で、9番目となっているところでございます。

さらに、夜間保育では、北海道、茨城県、埼玉県の3道県の実施にとどまっている状況でございます。

また、各県に問い合わせを行ったところ、こうした実施状況等の差異についての要因は、必ずしも明らかではなく、それぞれの地域の実情などが背景にあるものと考えているところでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

具体的な問題として、休日保育を実施しているのは、先ほども話がありましたけれども、北海道では14カ所ですが、青森県では63カ所で休日保育を行っています。茨城県では49カ所など、休日保育の体制を確保しています。

病児・病後児保育も、北海道は8カ所しか実施していませんが、秋田県では25カ所、岩手県では24カ所もあり、これらの県と比べますと、北海道の8カ所は余りにも少な過ぎると思います。

この現状についてどう考えているのか、お答えください。

○駒込子ども未来推進局参事

休日保育などについてでございますが、休日保育などの実施につきましては、平成17年度から平成21年度までを期間とする第1期「北の大地☆子ども未来づくり北海道計画」において、数値目標を設定し推進に努めてきたところでありますが、休日に対応する職員や、病気の子どもに対応する看護師の人材確保など、市町村における体制整備のおくれなどの理由により、整備が進んでいないところでございます。

道といたしましては、今後、保護者の就労形態の多様化、家庭や地域を取り巻く環境の変化などに伴い、休日保育や病児・病後児保育など、さまざまな保育サービスヘのニーズがさらに高まってくるものと考えており、こうした多様な保育サービスの充実に向けて、取り組みを進める必要があるものと考えております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

休日保育、病児・病後児保育に加えて、夜間保育の充実も求められています。

今後、夜間保育や休日保育、病児・病後児保育の実施箇所数をふやしていくべきと考えますが、道は、どのようにお考えなのでしょうか。

○駒込子ども未来推進局参事

休日保育などの充実についてでございますが、夜間保育や休日保育、病児・病後児保育を初めとする、多様な保育サービスを充実していくことは、保護者の仕事と子育ての両立を支援するために重要なものと考えているところでございます。

こうしたことから、本年度からスタートした第2期「北の大地☆子ども未来づくり北海道計画」におきまして、休日保育につきましては、平成20年度の実績の19カ所に対し、平成26年度には55カ所、夜間保育は、平成20年度の実績の6カ所に対し平成26年度には10カ所、病児・病後児保育は、平成20年度の実績の14カ所に対し平成26年度には50カ所の目標を設定したところであり、今後、休日保育などの実施に当たっての課題解決に向け、全道の14圏域ごとに設置している少子化対策圏域協議会を活用し市町村や保育団体などと、先進的な取り組み事例の研究や、具体的方法等について協議するなどして、第2期計画の目標達成に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

○花岡ユリ子委員

答弁をいただきまして、現実を見ましたけれども、休日保育や夜間保育、病児・病後児保育は、道みずからが定めた計画から大幅におくれているということをお答えになったのだろうと思います。

今、女性の働き方が多様になっています。子育てと仕事の両立のために、保育は欠かせない制度です。潜在的なニーズにこたえる保育の多様性を広げつつ、保育の真髄である豊かな保育の実践が求められると思います。

それにこたえるためにも、北海道の子どもたちが豊かに育っていくことができる公的保育の充実が求められると思いますが、いかがでしょうか。

○高橋幸雄保健福祉部長

保育サービスの充実についてでございますが、道といたしましては、保育サービスの充実を図るため、保育所の待機児童の解消を初め、保護者の就労形態の多様化に伴い、一時預かり保育など、多様な保育サービスの充実に努めますとともに、保育の質の向上など、良質な保育サービスの確保が大変重要であるというふうに考えております。

このため、道といたしましては、第2期「北の大地☆子ども未来づくり北海道計画」に基づきまして、一時預かり保育や、週2日か3日程度、柔軟に保育を行う特定保育、さらには、通常の時間を超える延長保育など、多様な保育サービスの充実を図るとともに、保育の質の向上に向けた保育士研修や、特別に支援を要する子どもの保育に係る専門研修などの取り組みを進めますとともに、保育所が求められている、多様なニーズに対応した課題別研修を道内14圏域で実施するなど、運営指導の充実にも努めることとしており、次代を担う子どもたちの健やかな成長に向け、良質な保育サービスの確保に努めてまいりたいと考えております。

○花岡ユリ子委員

ぜひ、豊かな保育を実践していただきたい、そういうふうに思います。

少ない介護保険利用料軽減事業。道、「市町村に積極的に働きかける」

○花岡ユリ子委員

次に介護保険について伺います。

社会保障審議会介護保険部会は、介護保険制度改正の意見書を提出しました。第5期は、介護保険料が全国平均で5000円を超えると報じられています。

そこで伺いますが、介護保険導入時から、道内の保険料の平均額は、どのように推移しているのでしょうか。

また、平成20年度で、基金がゼロの自治体、1000万円未満の自治体は幾つあるのか、あわせてお答えいただきたいと思います。

○三角真一介護運営担当課長

介護保険料の推移などについてでございますが、本道における保険料平均額の推移につきましては、制度導入時の平成12年度から3年間の第1期介護保険事業計画期間におきましては3111円、15年度からの第2期計画では3514円、18年度からの第3期計画では3910円、現計画期間である平成21年度からの第4期計画におきましては3984円となっております。

また、道内の各自治体における介護給付費準備基金保有額の状況についてでございますが、平成20年度末現在で、保有額がゼロとなっている道内の自治体数は24、保有額が1000万円未満の自治体数は19となっているところでございます。

○花岡ユリ子委員

基金のない自治体は、取り崩しもできません。介護保険料も全道平均より高く、かつ基金も全くない、あるいは基金が数百万円台という市町村は、保険料を大きく引き上げざるを得ないわけですが、どのような対策が必要と考えているでしょうか。

保険料が計画期間ごとに上がる現行制度への認識も、あわせて伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

○三角介護運営担当課長

介護保険料についてでございますが、介護保険制度は、市町村が保険者となり、地域において、計画期間ごとに、給付の水準を決定するとともに、その給付に見合う保険料を負担する仕組みでございまして、被保険者に対して、サービスに伴う保険料を御負担いただくものの、その水準が著しく高くならないよう、配慮すべきものと認識をしております。

このため、限られた財源の中で、高齢者の負担能力を勘案し、所得に応じた負担を求める方向性が出されるとともに、財政安定化基金の取り崩しを行うことができるよう、法的整備を検討するなどの内容が盛り込まれたところでございまして、こうした国の検討の動向を注視したいと考えております。

いずれにいたしましても、道としては、今後とも、介護保険制度が、給付と負担のバランスのとれた持続可能な制度となる必要があるものと考えております。

○花岡ユリ子委員

低所得者に対する利用料軽減について伺いますが、市町村単独で減免を実施している市町村数は幾つあるのか、その財源はどこから負担されているのか、伺います。

また、社会福祉法人などによる利用者負担軽減制度など、国の制度での減免に関する道内の市町村数などの実態もお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○三角介護運営担当課長

利用者負担軽減についてでございますが、道内におきまして、市町村が単独で、実質的に負担の軽減に資する事業を実施しておりますのは、43市町村となっておりまして、当該市町村の福祉施策として実施されているものと承知しているところでございます。

また、国庫補助事業である、社会福祉法人等による利用者負担軽減につきましては105市町村、障がい者ヘルパー利用者の軽減措置事業が64市町村、離島等地域の利用者負担軽減措置事業が25市町村、中山間地域等の利用者負担軽減措置事業が6市町村となっているところでございます。

○花岡ユリ子委員

国の制度を含めて、低所得者への利用料軽減を全く実施していない自治体もあると承知していますが、幾つの市町村がそうした状況なのか。

また、そうした自治体の住民は、低所得者であっても軽減を受けられないわけですが、国の軽減制度があっても、活用されていない市町村があることについて、その要因と対策をどのように考えているのか、あわせてお答えいただきたいと思います。

○三角介護運営担当課長

低所得者対策の実施についてでございますが、介護保険制度における利用者負担の軽減につきましては、高額介護サービス費や特定入所者介護サービス費、いわゆる補足給付などの保険給付や、社会福祉法人等による負担軽減制度などの国庫補助事業のほか、市町村の判断での単独事業による、実質的な負担軽減に資する事業も、一部の市町村により実施されているところでございます。

このうち、国庫補助事業を活用していない市町村は53市町村であり、未実施の理由につきましては、費用面や、事務的な負担がふえることに社会福祉法人の理解が得られないことなどが考えられるところでございます。

なお、単独の事業を実施していない市町村は、136市町村となっております。

道といたしましては、これまでも、各振興局を通じて、国庫補助事業を積極的に活用するよう、市町村に対して働きかけてきたところでございますが、今後におきましても、さまざまな機会をとらえて周知に努めてまいりたい、そのように考えてございます。

○花岡ユリ子委員

部会の意見には、利用者負担増が盛り込まれています。ケアプラン作成の有料化、介護施設の相部屋の居住費負担の導入などですが、中でも、軽度者の利用料自己負担を2割にするという案が盛り込まれていると聞いています。要支援1と2は、認定者数の28%に上りますが、保険給付費で見れば、6.9%しか利用していません。

また、軽度の人が利用する生活援助を介護サービスから切り離すという内容も、部会の意見書に盛り込まれています。保険制度から切り離すということは、自治体独自のサービスで賄えということです。

介護保険の利用抑制及び自治体への負担につながる内容には反対すべきと考えますが、いかがですか。

○中野孝浩地域福祉担当局長

介護保険制度の見直しについてでございますが、今般の介護保険部会におきましては、給付と負担のバランスを図りまして、将来にわたって安定した持続可能な制度の構築などの基本的な考え方のもと、検討がなされたところでございますが、ケアプラン作成ヘの利用者負担の導入や、要支後者や軽度の要介護者へのサービスのあり方などにつきましては、その意見書におきまして両論併記となっているところでございまして、今後、さらなる見直しに向けての具体的な動向を注視する必要があると考えているところでございます。

いずれにいたしましても、道といたしましては、制度の見直しに当たっては、利用者に支障が生じたり、道や市町村に対し安易に負担を求めることがないよう、対応すべきと考えているところでございます。

○花岡ユリ子委員

部会から意見書が出された翌日、内閣府は、介護保険制度に関する世論調査の結果を発表しています。それによりますと、複数回答で、保険料負担の増加はやむを得ないとする35.7%や、保険料支払い年齢を引き上げるとする29.1%を抑えて、公費負担割合の引き上げというのが43.1%で、最も多いという結果になっています。公費負担を現在の50%から60%にふやすよう求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○高橋保健福祉部長

公費負担の見直しについてでございますが、介護保険制度は、その財源を、公費と保険料の折半で賄い、給付と負担の関係が明確な社会保険方式を採用しているところでございます。

今般の介護保険部会の意見書におきましては、安定した財源を確保されない以上、公費負担の引き上げは困難とされ、社会保障と財政のあり方全体の中で、今後、議論すべき課題とされたところでございます。

また、財源の問題のほか、公費負担割合がふえれば、その時々の財政事情の影響を受けやすくなるなどのデメリットも考えられる中、道といたしましては、介護保険制度が、引き続き、高齢者が安心して暮らすことができる制度であり続けるよう、今後とも、国の動向を注視し、必要に応じ、国に対して要望してまいりたい、このように考えております。

○花岡ユリ子委員

最後に、指摘をしたいというふうに思いますが、これまで介護を受けていらっしやる多くの高齢者の人たちは、税金を納め、保険料を納め、利用料を納め、しかし、結果的には、必要なサービスを制限せざるを得ないというのが現実だろうと思います。介護の社会化は達成されず、家族介護の厳しさは、依然、解消されていません。

社会保障にふさわしい公的介護制度の確立が急務で、その財源については、庶民増税ではなくて、やはり、大企業優遇減税や歳出のむだを見直すべきだということを指摘いたしまして、質問を終わりたいと思います。

以上で終わります。


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[日本共産党道議団編集]

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