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2010年第4回定例道議会

【真下紀子道議の2010年第4回定例会一般質問】 10.12.01

2010年12月01日 2010年第4回定例道議会

質問者 日本共産党 真下紀子 議員

  • 1.知事の政治姿勢について
    • (1)政治献金等について
    • (2)ダム建設の見直し等について
  • 2.道民生活について
    • (1)介護保険制度の見直しについて
  • 3.経済・産業対策について
    • (1)北海道農業開発公社等について
    • (2)地域経済におけるカップリングについて

○30番真下紀子君

(登壇・拍手)私は、日本共産党道議団を代表して、知事、選挙管理委員長、代表監査委員に質問いたします。

下請法違反企業ニトリからの資金提供は道義上許されるのかと問う

初めに、政治献金等について伺います。

菅内閣の支持率は急降下し、国民の7割以上が支持しないと表明するなど、政権末期とも言われています。外交、内政の失態は言うに及ばず、政治と金をめぐる無責任な対応に大きな要因があることは明白です。

そこで、知事及び選挙管理委員長に伺います。

民主党政権は、昨年の総選挙でマニフェストに掲げた企業・団体献金禁止の公約に反して、再開を打ち出し、国民の不信を高めています。

知事は、このことについてどのように受けとめているのか、まず伺います。

道選挙管理委員会は、昨日、2009年分の政治資金収支報告書を公開しましたが、政党ごとの収入内訳と、そのうち、企業・団体献金はどのようになっているのか、選挙管理委員長に伺います。

2008年6月、家具販売大手のニトリが、71もの下請事業者に対して、約3億3000万円もの減額を行い、下請法違反で勧告を受けました。協定販売促進費と称して、下請事業者への支払い代金を減らしていたのです。

違反企業から、政治家や政治団体が多額の政治献金を受けることは、道義的に許されないことと考えますが、2009年分の収支報告書によれば、知事の後援会においても、ニトリからのパーティー関係の収入があるようです。

選挙管理委員長に、その実態を伺うとともに、知事、選挙管理委員長のそれぞれに認識を伺います。

ダム建設見直し、疑問を持つ意見どう反映させるのか

次に、ダム建設の見直しなどについてです。

知事は、先般、11月1日に、北海道脱ダムをめざす会から要望書を受理した際に、ダム建設に疑問を持つ方たちの意見を問くと述べたと伺っていますが、今後の検証において、具体的にどのような形でお聞きをし、どう反映していこうとお考えなのか、伺います。

介護保険「見直し」への見解ただし、介護者支援求める

次に、介護保険制度の見直しに関してです。

介護の社会化に期待を寄せた介護保険制度は、自公政府による社会保障費抑制のため、整備はおくれ、特別養護老人ホーム待機者は増加し、負担が重く、利用できない実態が広がっています。

さらに、介護人材は不足し、家庭では、高齢者虐待や介護殺人まで起こるなど、本当にやるせない深刻な実態にあります。

知事は、このような介護現場の実態がある中で、これまでの介護保険制度についてどのような認識をお待ちなのか、まず伺います。

厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会は、2012年度の制度改定に向けた意見書を取りまとめましたが、公費負担の引き上げを全く認めず、65歳以上の保険料は5000円以上に引き上げ、現行では1割の自己負担は2割に引き上げ、軽度者の利用の縮小などを試算し、高齢者に対し、限度を超える負担を強いる内容です。

私は、公的負担をふやし、必要な介護を保障することこそが政府の責任と考えます。知事は、新たな介護保険制度の改定について、どのようにお考えになっているのか、伺います。

また、介護者の疲弊などを要因とする深刻な事態に対処し、安心の介護制度実現のため、道として、介護者支援条例の制定等を検討すべきと考えますが、見解を伺います。

北海道農業開発公社の補助金返還問題をただす

次に、北海道農業開発公社に関連して伺います。

会計検査院は、先ごろ、北海道農業開発公社等が実施していた二つの事業について、国の補助金等を受けながら、適切な運用をしていないなどの理由から、国庫補助金相当額を国に返納させるよう、農林水産省に改善の処置を要求しました。

事業や基金の状況を的確に把握せず、団体に報告を求めなかった農林水産省の責任は極めて重いものがありますが、せっかくの補助金を適切に活用せず、結果として、総額12億円もの税金を国に返納する事態を招いた道の責任も重いと考えます。

道農業開発公社には、減っているとはいえ、平成21年度で67億円もの補助金等が道から交付をされ、代々、副知事や農政部長が理事長として天下りしていることは、道民周知の事実です。

知事は、今回のこのような事態をどのように受けとめていますか。

また、今後、道としてどう対応しようとするおつもりなのか、あわせて伺います。

次に、代表監査委員に伺います。

道監査委員は、当該公社を含めた出資団体について、毎年、監査を行っていながら、今回、会計検査院が指摘した、ずさんとも言えるような基金運用益の使い方を発見できなかったことについて、どのように認識をしているのか、伺います。

また、会計検査院の指摘を受け、道の出資団体に対して、今後どのように監査を実施していくおつもりか、あわせて見解を伺います。

地域経済におけるカップリング、農商工連携に道は触媒の役割果たせ

最後に、地域経済におけるカップリングについてです。

北大の鈴木名誉教授、米パデュー大の根岸特別教授のノーベル化学賞受賞によって、クロスカップリングという言葉が脚光を浴びています。

クロスカップリングとは、異なる二つのものが結合する反応のことで、このお二人は、パラジウム触媒を用いて実現させましたが、私は、地域経済の再生にも、触媒を用いた、このカップリングの考え方が重要だと考えています。

ことし4月に地方独立行政法人としてスタートした道立総合研究機構は、豊富な研究ノウハウを有しており、また、今後も研究開発を一層充実していくべき組織です。

道は、農商工連携事業を促進していると承知しておりますが、こうした事業には、道総研を積極的に参画、活用すべきと考えます。

さまざまな事業などに道総研の有するノウハウを積極的に活用するため、道は、触媒としての役割を積極的かつ強力に果たしていくべきと考えますが、見解を伺います。

雇用確保に道は触媒の役割果たし、代表的企業に新卒者の安定的雇用求めよ

また、地域における雇用確保に当たっても、道の触媒としての役割は大変重要です。

本道のトップ企業である北海道電力、JR北海道、道の指定金融機関である北洋銀行など、これらの代表的な企業が社会的責任を果たし、積極的に新卒者を安定的に雇用するよう、道が触媒の役割を果たし、緊急の申し入れを行うべきと考えますが、見解を伺います。

以上、再質問を留保して、私の質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)


高橋はるみ知事の答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇)真下議員の質問にお答えをいたします。

最初に、私の政治姿勢に関し、まず、企業・団体献金についてでありますが、企業、団体からの政治献金の取り扱いについては、一連の政治資金に関する問題などを受けて、各政党において、さまざまな議論があることは承知をいたしております。

私といたしましては、政治に対する国民の信頼を確保していく上で、政治資金については、透明性の高い仕組みづくりが求められていると考えているところであり、こうした視点から、企業・団体献金を含む政治資金のあり方について、国政の場で十分に議論を尽くされることが重要であると考えるところであります。

次に、政治献金に係る認識についてでありますが、政治献金については、それぞれの企業や団体、個人の方々が、政党や政治団体の考え方に賛同し、その活動を支援するという趣旨で寄附をされているものと承知いたしているところであり、政治資金規正法にのっとり、適正に行われるべきものと考えているところであります。

また、私の政治団体に対し、個人や団体の方からいただいている寄附等についても、同様の趣旨から御支援をいただいているものであり、今後とも、法令に基づき、適切に処理をし、政治活動に関する資金の透明性を確保してまいりたいと考えております。

なお、ダム事業の検証については、担当の部長から答弁をさせていただきます。

次に、道民生活に関し、まず、介護保険制度についてでありますが、介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして、10年が経過し、介護サービスの利用者も増加する中で、サービス基盤の整備も着実に進むなど、高齢者の暮らしを支える制度として定着しているものと考えております。

こうした中、介護に従事する人材の確保や処遇の向上など、介護保険制度の充実強化が求められる一方、急速な高齢化の進展に伴って、単身や高齢者のみの世帯が増加する中で、高齢者が高齢者を介護する、いわゆる老老介護や孤立死などの問題も生じているところであります。

私といたしましては、高齢者の方々が、住みなれた地域で安心して暮らし続けていただくために必要なセーフティーネットとしての介護保険制度が、こうした課題に的確に対処できるよう、給付と負担のバランスのとれた持続可能な制度として、必要な見直しが行われなければならないと考えているところであります。

なお、介護保険制度の見直しなどについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。

最後に、経済・産業対策に関し、地域経済におけるカップリングに係る道総研の積極的活用などについてでありますが、道総研が、道民や企業などのニーズに的確に対応していくためには、農業や水産業、産業技術、環境など、幅広い分野にわたる試験研究機能を結集し、その総合力を発揮するとともに、道内外の大学や研究機関、企業等とを結ぶ連携拠点としての役割を果たしていくことが重要であると考えるところであります。

このため、道総研においては、道が策定した中期目標を踏まえ、豊かな1次産品を活用した食産業の育成などの重点領域を設定し、戦略的に研究開発を展開するとともに、総合相談窓口の設置などによる道内中小企業のサポート体制の整備を図り、さらには、ノーステック財団や道内金融機関との連携協定を結ぶなど、多様な機関、団体との連携強化に取り組んでいるところであります。

こうした中で、道といたしましても、道総研との率直な意見交換の場を設けることなどを通して、道の施策との効果的な連携を図っているところであり、今後とも、道総研が、道内外の産学官連携のかなめとしての役割を果たし、道民生活の向上や道内産業の振興に大いに貢献し得るよう、積極的に支援をしてまいる考えであります。

なお、新規学卒者の雇用対策などについては、担当の部長から答弁をさせていただきます。

以上でございます。


○保健福祉部長高橋幸雄君

(登壇)介護保険制度に関しまして、その見直しについてでありますが、本年5月から、国の社会保障審議会介護保険部会におきまして、平成24年度からスタートする第5期介護保険事業計画に向け、当面必要となる法改正事項を中心に、意見書が取りまとめられたところでございます。

この意見書につきましては、これまでの介護保険の実施状況を踏まえ、その課題など、総合的な検討がなされており、例えば、生活支援サービスが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの推進の観点から、新たに、具体的な施策として、重度の要介護者を在宅で支えることができる、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスの導入を盛り込むなど、評価できる点もあると考えております。

その一方、公費負担の見直しなどのように、先送りされた課題や、一定以上の所得者に対する利用者負担の引き上げ検討などの両論併記、あるいは被保険者年齢の引き下げなどの具体的な見直しが明らかでない内容も多く、今後のさらなる見直しに向けての具体的な動向を注視する必要があると考えております。

いずれにいたしましても、介護保険制度の見直しに当たりましては、高齢者が安心して暮らすことのできる制度となるよう、保険者である市町村、利用者やその御家族、介護事業者はもとより、広く道民の御理解を得ることが重要であると考えているところであります。

次に、介護者への支援についてでありますが、道といたしましては、介護保険制度のサービス、地域における支援などを組み合わせて活用するなどして、介護をする御家族の負担を軽減することは重要であると認識しております。

こうした中、道内の各市町村では、地域の実情に応じ、地域包括支援センターやケアマネジヤーなどが連携し、高齢者やその御家族に対する相談にきめ細やかに対応し、ショートステイなどの必要な支援につなぐなどの支援を行っているほか、介護保険法に基づく地域支援事業などを活用し、家族に対する健康相談や、介護から一時的に解放するための介護者相互の交流会などが行われているところでございます。

道といたしましては、現在、家族支援に資する必要な在宅サービスの確保の視点も含め、地域包括支援センターを中核とした、地域における支援体制づくりについて、総合的に検討を進めているところであり、その結果も踏まえながら、次期北海道高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画に必要な生活支援サービスなどを盛り込むなどして、条例制定にかかわらず、市町村とも十分連携しながら、介護者ヘの支援の充実強化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

以上でございます。


○経済部長坂口収君

(登壇)経済・産業対策に関し、新規学卒者の雇用対策についてでありますが、極めて厳しい雇用環境のもと、将来を担うべき若者が安定した職業につくためには、道はもとより、教育機関、経済界、労働界など、道内の関係者が一丸となって取り組むことが不可欠であります。

こうした中、道といたしましては、求人の確保を図るため、今年度の早い段階から、北海道経済連合会を初め、主要な経済団体を通じて、求人の開拓を働きかけるとともに、道内の約3万7000社に対し、文書による求人要請を行ってきたところであります。

今後とも、1人でも多くの若者が、希望持って社会で活躍できるよう、主な経済団体に参画していただいている北海道地域雇用戦略会議の場などにおいて、積極的に働きかけを行ってまいる考えであります。

以上であります。


○農政部長東修二君

(登壇)経済・産業対策に関しまして、国庫補助金等の返還についてでありますが、二つの事業のうち、機能強化事業につきましては、都道府県の農業公社が、買い入れた農地を一定期間貸し付けた後、売り渡す際の売買差損に対しまして、全国農地保有合理化協会が、価格下落の10%を限度に10分の9以内を助成し、残りを、農家からの貸付料を財源として積み立てた準備金から負担するという内容でございます。

この事業に対しまして、会計検査院は、事業が終了した平成21年度末における準備金の残額につきまして、優先して売買差損に充てて清算すれば、その分の助成金を交付する必要はなかったとして、準備金の残額に相当する助成金を国庫に返還させる改善措置を求めておりますが、これは、農林水産省が、実施要領等において準備金に残額が生じた場合における助成金の取り扱いを定めていなかったことなどが発生原因とされているところでございます。

道といたしましては、北海道農業開発公社は、農林水産省の実施要領等に基づき事業を進めてきたと認識しておりますが、区分経理などを行っていなかったという会計検査院の指摘もございまして、返還はやむを得ないものと考えております。

また、強化基金造成事業につきましては、都道府県の農業公社が、農地保有合理化事業の実施に必要な人件費などの経費に充当するため、国と都道府県が2分の1ずつ負担し、造成したものでありますが、農林水産省が、基金の運用益の使途につきまして、具体的な範囲を定めていなかったことから、具体的な使途や使用額が特定できない状況にあること、また、運用利回りが大きく低下いたしまして、基金事業としての役割が著しく低下している状況にあることなどから、強化基金を廃止する改善措置を求めたものでございます。

北海道農業開発公社におきましても、4億5000万円の強化基金が造成されており、全国44の農業公社と同様に、返還の対象とされたところであります。

道といたしましては、農林水産省からの正式な通知を待ちまして、公社などとも協議しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。

以上でございます。


○建設部長宮木康二君

(登壇)ダム建設の見直しなどに関し、ダム事業の検証についてでございますが、道といたしましては、補助ダムの検証に当たり、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議が示した中間取りまとめに沿って、関係地方自治体から或る検討の場を設置し、治水対策案などを検討するほか、その場の公開や、主要な段階でパプリックコメントなどを行うとともに、学識経験者や関係住民などのさまざまな御意見を広くお伺いして、対応方針を検討してまいりたいと考えているところでございます。

また、直轄ダムにつきましては、北海道開発局が、中間取りまとめに沿って、同様に検証を行うものと承知しているところであり、道といたしましては、関係自治体から成る検討の場において、国から示される検証内容や地元の意向などを踏まえ、国に対して意見を述べるなど、適切に対応してまいりたいと考えているところであります。

以上でございます。


選挙管理委員長の答弁

○選挙管理委員会委員長永井利幸君

(登壇)真下議員の御質問にお答えをいたします。

まず、政治献金等に関しまして、道内の政党ごとの収入及び法人その他の団体からの寄附についてでございますが、昨日、11月30日に公表いたしました政治団体の収支報告書の要旨における、平成21年分の政党ごとの収入額は、記載順に申し上げますと、公明党が約2億9918万円、社会民主党が約4327万円、自由民主党が約19億219万円、日本共産党が約18億8228万円、民主党が約7億9298万円であります。

また、これらの収入額のうち、法人その他の団体からの寄附の額でございますが、公明党が4万円、自由民主党が約4億8972万円、民主党が約5884万円となっております。

次に、政治資金パーティーによる収入についてでございますが、平成21年分の収支報告書におきまして、株式会社ニトリが政治資金パーティーの対価の支払いをした者として記載されている知事の後援会は、「北海道を愛するみんなの会」でありまして、その金額は150万円となっております。

この記載につきましては、政治資会規正法の規定に基づきまして、「北海道を愛するみんなの会」より報告されたものと認識しておりますけれども、その道義的責任の有無につきましては、北海道選挙管理委員会といたしましては判断する立場にありませんので、御理解を賜りたいと存じます。

以上であります。


代表監査委員の答弁

○代表監査委員坂本人士君

(登壇)真下議員の質問にお答えいたします。

農業開発公社等に対する監査についてでありますが、このたびの会計検査院の指摘につきましては、国庫補助金により造成された基金が有効に活用されていないとの判断に基づき、農林水産省に対し、改善の処置を要求したものと承知しているところでございます。

道の出資団体の監査におきましては、公益法人会計基準にのっとって会計経理が適正に行われているか、また、関係規程に基づいて団体の運営が適切に行われているかなどについて、監査を実施してきているところでございます。

今後におきましては、会計検査院の指摘等も参考にしながら、道からの出資金が、その目的に沿って効果的に活用されているかなどの視点も含め、監査を実施してまいりたいと考えているところでございます。

以上でございます。


真下紀子議員の再質問・指摘

○30番真下紀子君

(登壇・拍手)指摘を交え、再質問いたします。

企業・団体献金、知事の考えを道民の前にはっきり示せ

知事は、民主党の企業・団体献金再開の方針について、国政の場で議論が尽くされることが重要と述べて、みずからのお考えを示しませんでした。

しかし、企業・団体献金の禁止については、ことしの1定議会で、道議会としての意見書が賛成多数で可決されているのです。道政上の問題としても最重要課題であり、意見書が採択されたことは重いとお考えにならないのでしょうか。このことを踏まえた知事の認識を再度伺います。

ニトリから、政治家としての知事が、毎年、多額のパーティー券を購入してもらっていることは周知の事実となりましたが、まさか、ニトリが、71もの中小下請事業者に対して約3億3000万円もの減額を行って、下請法違反で勧告を受けたその年も、知事がパーティー券を購入してもらっていたとは、道民の多くも信じられない思いではないかと思います。

お金の問題ではクリーンな政治家と思われていた知事が、法に違反して処分された企業から、パーティー券という、形を変えた政治献金をなぜ受け取らなければならなかったのでしょうか。

なぜ返金を考えなかったのかも含めて、知事のお考えを道民の前にはっきりとお示しいただきたいと思います。

ダム建設は多様な意見聞き、しっかり検証を

次に、ダム建設の見直しについて指摘をいたします。

先ほど、建設部長は、知事にかわって、さまざまな意見を広く伺い、対応方針を検討すると答弁されました。

しかし、知事は、住民の方々の前で、さまざまな意見の皆様との意見交換は重要、私はこれから日高に行くので、部長以下がお話を伺い、さまざまな形で意見交換の揚をつくると、既に明言をされているのです。この知事の真意に沿って、しっかりとした検証がなされることを強く求めておきます。

地域ケアの自治体任せは公的責任の後退招く

次に、介護保険制度の見直しについてです。

生活支援サービスが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの推進の観点から、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスの導入を評価すると答弁されましたが、知事は、人材不足の介護現場において、一体、24時間訪問をどなたが担うとお考えなのでしょうか。また、その財源についてはどう考え、広域な北海道をどのようにカバーするのでしょうか。

自助、互助、共助との理念のもとで、地域ケアを自治体に任せることは、公的役割の一層の後退につながるとは考えないのでしょうか。知事の見解を伺います。

補助金は有効かつ適切に運用すべき

北海道農業開発公社に関連して、指摘をします。

補助金については、その目的に従い、国への返還を生じることなく、有効かつ適切に運用すべきです。

特に、答弁にあった、区分経理によって収支を明らかにすることは、納税者に対する説明責任を果たす上で当然のことであり、今後は怠ってはならないということを厳しく指摘しておきます。

農商工連携促進に行政職員が重要な役割果たせる体制を

次に、地域経済におけるカップリングについでです。

先ほど、知事から、道総研による積極的な支援について答弁がありました。

そこで、私から一つの提案をしたいと思います。

農商工連携が広がっている全国各地の取り組みを見ますと、消費者、ユーザーとの連携やカップリングの促進に行政職員が重要な役割を果たしています。行政職員がパラジウムに匹敵する触媒となり、連携反応を起こすことができるようなプログラムの策定を提案したいと思いますが、いかがでしょうか。

以上、再々質問を留保して、私の再質問を終わります。(拍手)(発言する者あり)


高橋はるみ知事の再答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇)真下議員の再質問にお答えをいたします。

最初に、私の政治姿勢に関し、まず、企業・団体献金に対する認識についてでありますが、本年第1回定例道議会において、企業・団体献金の禁止等を求める意見書が採択されたところでありますが、これは、国政における一連の政治資金問題を踏まえたものと承知いたしております。

私といたしましては、政治に対する国民の信頼を取り戻すためには、国政の場において、こうした意見書を初め、国民の皆様方のさまざまな声にしっかりと耳を傾け、企業・団体献金を含む政治資金のあり方について、十分に議論を尽くされるべきものと考えているところであります。

次に、政治資金パーティーの収入についてでありますが、当該企業については、社として、公正取引委員会の勧告を受けとめ、必要な対応をなされたものと承知いたしております。

いずれにいたしましても、私の政治団体への寄附等については、政治資金規正法の規定に照らし、慎重に判断をしてまいったところであります。

次に、介護保険制度の改正についてでありますが、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスは、重度の介護を要する単身の方でも、できる限り在宅で生活したいという思いをかなえる新しいサービスとして、今般の介護保険部会の意見書において盛り込まれたものでありますが、こうした新しいサービスを提供するためにも、質の高い人材の確保が重要であり、介護職員の処遇改善を含めた見直しが必要であると考えるところであります。

また、保険料などの負担については、給付と負担のバランスを図りながら、低所得者などに過大な負担とならないよう、配慮する必要があるものと考えているところであり、平成24年に予定されている報酬や基準の改定に向け、引き続き、国に対して、必要な働きかけを行ってまいる考えであります。

いずれにいたしましても、道といたしましては、地域包括ケアに関する検討を進める中で、高齢者の方々が、住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、地域の支援体制の確保に努めてまいります。

最後に、農商工連携における行政の役割についてでありますが、地域における農商工連携を進めていくためには、消費者ニーズを十分踏まえて、生産から流通に至る幅広い知識を持ったコーディネート役の存在が重要と認識いたしております。

このため、道では、商工会、商工会議所に農商工連携コーディネーターを設置するとともに、今年度、新たに、各総合振興局や振興局の職員も参画した、農商工連携を含む食クラスターの推進体制を立ち上げたところであります。

道といたしましては、今後とも、企業のビジネスプランの実現に向けて、課題の抽出から、事業者の発掘やマッチング、新商品の開発、販路開拓に至る取り組みを、こうしたコーディネーターや職員がー体となり、体系的に支援してまいりたいと考えております。

以上でございます。


真下紀子議員議員の再々質問

○30番真下紀子君

政治献金等について、2点、再々質問いたします。

知事は企業・団体献金禁止の範を示せ

1点目は、企業・団体献金禁止に関しての道議会の意見書採択の重みについてです。

民主、公明、フロンティア、共産の各派が提案、賛成した意見書には、次のように書かれています。

「政治資金をめぐる問題が、依然として後を絶たない。(中略)背景に、企業・団体献金がある。(中略)よって、国においては、政治が国民の信頼を取り戻すために、(中略)企業・団体献金の禁止等(中略)政治改革に取り組むよう強く要望する。」と、短い文章ながら、格調高く、企業・団体献金禁止を求めているではありませんか。自民党が反対したとはいえ、知事にはしっかりと受けとめていただきたい。

ところが、このたびの政治資金収支報告書により、私どもが独自に調査した結果では、年間5万円以上の寄附をした法人等からの企業・団体献金は、自民党は4億5000万円、民主党は5300万円となっており、昨年と比べ、自民党は減っているものの、民主党はほとんど変わりません。

企業・団体献金禁止を実行するつもりがないことを示しているという厳しい批判の声が上がっています。知事は、こうした批判をしっかりと受けとめ、企業・団体献金禁止の範を示すべく、声を上げるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

ニトリからの資金提供は返金を決断せよ

2点目は、ニトリによるパーティー券購入等についてです。

知事のパーティー券を購入したニトリは、昨年、自民党に856万円、民主党に300万円の企業献金を行い、パーティー券も、それぞれから、400万円、350万円を購入しています。

しかも、企業献金については、自民党は、町村衆議、武部衆議、故中川衆議、民主党は、横路議長、鉢呂衆議など、実力者ぞろいです。

パーティー券購入は、上田札幌市長から250万円と、気配りも忘れておりません。

知事は、みんなが受け取っているから大丈夫と、甘くお考えではありませんか。

パーティー券購入は、形を変えた企業献金です。下請には何らの責もないにもかかわらず、3億3000万円もの支払いを減らしたニトリの責任を知事はどのように受けとめているのか。 71もの下請事業者に、どれだけ忍びがたいしわ寄せとなったのか、考えたことがおありか、伺いたいと思います。

たとえ返還したとはいえ、こうした下請犠牲によって急成長を遂げ、それを政治家に還流させることを知事はどう受けとめているのでしょうか。

今や、ニトリからの献金攻勢にどう対処するのか、道内の政治家にとっても試金石となっています。

知事は、以前、政治資金規正法に抵触することはないが、道義的責任を感じて返金したことがあったではありませんか。ほかの政治家に先んじて返金することこそ、知事に求められています。決断の答弁を求めます。(拍手)


高橋はるみ知事の再々答弁

○知事高橋はるみ君

(登壇)真下議員の再々質問にお答えをいたします。

まず、企業・団体献金に対する認識についてでありますが、政治資金をめぐっては、政治の信頼回復を求める国民の声があり、また、道議会においても、そうした趣旨から意見書が提案され、採択されたものと受けとめているところであります。

こうした国民の声にこたえるためには、国政の場において、政治資金のあり方について、十分に議論を尽くされることを期待するところであります。

次に、政治資金パーティーの収入についてでありますが、当該企業においては、下請事業者との間の取引に問題があったことを真摯に受けとめ、公正取引委員会の勧告を受ける以前に、下請事業者に対し、自発的に所要の代金を返還しているところであり、また、委員会の勧告を受け、直ちに、必要な是正措置をとったと承知いたしております。

私といたしましては、こうしたことを総合的に判断させていただいたところであります。

以上でございます。


真下紀子議員の特別発言

○議長石井孝一君

真下紀子君の質疑は、同一議題について既に3回に及びましたが、会議規則第57条ただし書きの規定により、この際、特に発言を許します。

真下紀子君。

○30番真下紀子君

(登壇・拍手)議長の許可を得て、特別発言をさせていただきます。

企業・団体献金禁止の実現求める道民の声受けとめよ

企業・団体献金について、私は、知事の答弁を伺って、本当に情けない思いでいっぱいです。百年河清を待つという言葉があります。待っても待っても、当てにならないということです。

企業・団体献金は、法律改正を待つまでもなく、みずから受け取らなければできることです。知事だけでなく、道議会においても、みすがら率先して、企業・団体献金を受け取らずに、―日も早い企業・団体献金の禁止を実現するよう、私も働きかけますが、知事からも働きかけていただくことを求めておきます。

私は、これまで、知事に対して、北電の横並び献金問題を何度も取り上げて、改善を求めてきました。知事は、問題ない個人献金だと、繰り返しお答えになっていましたが、献金者と献金額が、2007年――平成19年は、15人で42万円だったのが、2009年――昨年は、8人で30万円となっています。

これは、道議会での議論を初め、形を変えた企業献金でも禁止していこうという住民の声によるのではないでしょうか。国民の厳しい目が向けられていることをしっかり受けとめていただきたいと思います。

最後に、議会を前にした知事の健康管理には不安があります。高橋知事は、24時間、知事だと言われますが、生身の人間です。くれぐれも、必要な休養と治療を行い、万全な体調で議会に臨まれることを、看護師として申し上げ、特別発言といたします。(拍手)(発言する者あり)


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[日本共産党道議団編集]

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