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2010年予算特別委員会

【花岡ユリ子道議、試験研究機関の独法化、天下り、私学支援、消防施策などただす】 10.03.19

2010年3月19日 予算特別委員会第1分科会質疑概要

質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員

総務部所管の問題

道立試験研究機関の独法化で人材が確保できるのか

○花岡ユリ子委員

それでは、私から、まず、行財政改革及び独法化について伺いたいと思います。

新年度予算においても、今年度に引き続き、200億円の退職手当債が計上されていますが、こうした赤字地方債を発行し続ける理由は何なのか、まずお答えください。

○志田文毅財政課長

退職手当債についてでございますが、退職手当債は、団塊の世代の大量退職に伴う退職手当の急増に対応しつつ、将来の総人件費を削減、抑制するため、地方財政法に基づく特例措置としまして、著しく多額であると認められる退職手当部分を対象に発行が認められるものでございます。

道財政が極めて厳しい状況にある中で、平成22年度の予算編成に当たりましても、「新たな行財政改革の取組み」に基づく収支対策の一つといたしまして、職員数適正化計画を着実に実施することを前提に、今年度と同額の退職手当債の発行を見込んでいるところでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

この3月で、職員数適正化計画の前半が終了いたしますけれども、平成22年度において、どのような組織の見直しが行われるのか、また、それに伴う目標の達成状況についてどうなっているのか、伺います。

○赤塚善彦人事課長

職員数適正化計画などについてでありますが、平成22年度の組織機構改正におきましては、昨年3月に策定した、道組織の見直し方針に基づきまして、スリムでスピーディーなコンパクト道庁の構築に向けまして、試験研究機関の地方独立行政法人化や、政策評価結果などを踏まえた、総務業務や組合検査業務などの類似・関連業務の集約・一元化などを実施することとしているところでございます。

また、職員数適正化計画につきましては、平成17年度からの前半5年間におきまして約4200人を削減し、平成22年4月現在で1万5200人とすることを目標としており、これまでの組織機構改正に伴う組織のスリム化や新規採用の抑制などにより、この目標を達成できるものと見込んでいるところでございます。

以上です。

○花岡ユリ子委員

道立試験研究機関の独法化によって、研究職や技術職、船員ら約1000人が道職員でなくなるというふうに聞いております。

法人に移行しない研究者は、若手の研究者を中心に約20人と聞いておりますが、将来を担う人材が流出する事態は問題であると考えます。今後の研究者の確保や育成をどのように考えているのか、お答えください。

○高田純試験研究機関改革推進室参事

人材の確保などについてでございます。

北海道立総合研究機構が、地域や企業などのニーズに的確にこたえ、試験研究機関としての役割や機能を果たしていくためには、専門の知見と幅広い視野を有する人材を確保していくとともに、これまで以上に、研究職員にとって働きがいが実感できる組織運営を行っていくことが重要であると考えているところでございます。

このため、機構におきましては、優秀な人材の確保に向け、機構の役割や研究などの事業内容、大学等との連携の仕組みなどを積極的に大学などに紹介するとともに、今後取り組む研究の内容などを勘案しながら、計画的な職員の採用に取り組んでいただくことになるものと考えているところでございます。

また、研究マネジメント、知的財産などに関する研修や、国内外の大学などにおける研修などを実施いたしますとともに、柔軟で弾力的な制度を生かしました、大学や国の独立行政法人との人材交流を推進するなどして、人材の育成に努め、職員が意欲と使命感を持って研究に専念できる環境の整備に取り組むこととしているところでございます。

以上でございます

○花岡ユリ子委員

現行では、道立試験研究機関の研究費の約20億円のうち、約13億円が、共同研究や受託研究など、外部資金を活用した研究であり、外部資金を活用した研究は、今後、一層拡大していかざるを得なくなるのではないかというふうに考えます。

そのような中、法人は、北海道の試験研究機関として、どのように研究を進め、その役割をどのように果たしていくのか、お答えいただきたいと思います。

○高田試験研究機関改革推進室参事

研究の取り組みについてでございます。

機構におきましては、中長期的な視点や、喫緊の課題などへの対応といった観点から、中期目標を踏まえ、これまでと同様に、基盤的、先導的な研究などに取り組むとともに、戦略的、重点的に研究を展開することとしておりまして、道といたしましても、今般、研究の効果的な展開に向け、戦略的な研究の推進や、職員のモチベーション向上のための研究費を措置したところでございます。

また、法人化によりまして、柔軟で弾力的に対応することが可能となりますことから、企業、大学などの外部機関との連携を強化いたしますとともに、外部資金を活用した研究に積極的に取り組むこととしており、運営費交付金と外部資金を適切に活用して研究を推進いたしますとともに、それにより得られた成果を道民の皆様に効果的かつ的確に還元するなどし、北海道の試験研究機関としての役割を果たしていくことになるものと考えているところでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

5年ごとの中期計画の見直しにより、先行する国の試験研究機関の独立行政法人においては、研究者のストレスの増大が報告されております。5年ごとに適正な評価を行うべきと考えますが、どのように行おうと考えていますか。

○高田試験研究機関改革推進室参事

評価などについてでございますが、研究の評価につきましては、各試験研究機関における自主的、自律的な点検評価と、幅広い視点に立った外部の有識者による客観的な評価を実施することとしているところでございます。

また、機構の業務実績に関する評価につきましては、各年度ごとの評価と、中期目標期間終了後の評価を行うこととされており、その実施に当たりましては、機構みずからが、知事が指示する中期目標に定める項目を基本に、機構が策定する中期計画、年度計画を踏まえ、業務全体の自己点検、評価を行うこととしているところでございます。

ただいま申し上げました自己点検、評価の結果をもとに、北海道地方独立行政法人評価委員会におきまして評価を行うこととしており、これらの評価結果を踏まえまして、機構における業務運営などの改善や質的向上に取り組むことになるものと考えているところでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

道は、法人の設置者であり、中期目標を法人に指示し、法人は、その中期目標に沿って法人運営を行うことになることから、法人の設置者である知事と法人の理事長が密接に意見交換を行うことは当然と考えられますが、試験研究機関の現場においても、それぞれ道の関係部署と意見交換を行い、研究を進めていくことが重要であり、どのように対応されるのか、伺っておきたいと思います。

○林光彦試験研究機関改革推進室長

道との連携についてでございますが、機構が、道民生活の向上や道内産業の振興に資する試験研究機関となるためには、道との密接な連携のもとに業務を推進することが重要であると考えているところでございます。

このため、道の施策との調整や機構の運営に関しまして、道と機構が緊密に連携するほか、各研究本部と関係部や普及組織が協議、調整する場を設けるなどいたしまして、道の施策に対応した研究や、研究成果の施策への反映、地域に対する成果の普及、技術支援などに取り組みまして、道民の皆様の期待にこたえられる試験研究などに取り組んでまいる考えでございます。

○花岡ユリ子委員

先ほどもお話をしましたけれども、若い研究者がやめていく事態を生じさせないためには、意見が反映されるシステムをつくるべきだということを求めておきたいと思います。

幹部職員の天下りについてただす

○花岡ユリ子委員

次の質問に入ります。

天下りについて質問いたします。

直近の指標を見ましても、北海道の雇用状況は大変悪くなっています。そういう中で、道職員の天下りも、企業の経営の厳しさなどを反映し、特に民間への再就職は厳しい状況だと聞きます。

そこでまず、昨年度末に道を退職した課長級以上の職員の天下りの実態についてどのようになっているのか、伺いたいと思います。

○赤塚人事課長

職員の再就職の状況についてでありますが、平成20年度末に道を退職した課長級以上の職員の123名のうち、102名が再就職をしておりまして、その内訳は、30名が民間企業に、72名が団体などに再就職をしているところでございます。

以上です。

○花岡ユリ子委員

課長級以上の天下りの状況について、初めて数字として明らかになりましたが、これまで、59歳など定年前に道を退職し、再就職することが一般的であると聞いていましたが、59歳を超えて在職した職員は、過去5年間でどういった状況にあるのでしょうか。

○赤塚人事課長

59歳を超える課長級以上の職員の在職状況についてでございますが、過去5年間において、59歳を超えて在職した職員は、平成17年度が7名、平成18年度が3名、平成19年度が2名、平成20年度が11名、本年度は13名となっているところでございます。

○花岡ユリ子委員

定年まで残った職員のすべてが、再就職が困難なために在職したものではないと思いますが、道職員の天下りも年々厳しくなってきている状況にあります。

一方で、以前より少なくなったとはいえ、元幹部職員は、現職員の苦しみをよそに、道の再就職取扱要綱破りを続けているというふうに聞いております。

そこで伺いますけれども、昨年度末現在で、年齢や給与などの要綱違反は何人いるのでしょうか。

○赤塚人事課長

再就職取扱要綱の遵守の状況についてでございますが、要綱に定める在職期間の制限を超えて再就職者が在職している団体は、昨年度末時点におきまして、2団体、2名でありましたが、そのうち、1名は既に退職しているところでございます。

なお、いずれの団体におきましても、再就職者が団体を退職した場合には、団体の運営等に著しく支障が生ずるおそれがあるとして、要綱に定める協議がありまして、道におきましては、個々の事情を勘案した結果、在職期間の制限を超えて在職することについては、事情やむを得ないものと認め、承認しているところでございます。

また、要綱に定める給与基準額の制限を超えて給与を支給していた団体は、昨年度末現在で、1団体、1名でございましたが、関係部からの要綱遵守についての協力要請により、今年度、既に給与額は基準額以内の額に引き下げが行われているところでございます。

以上です。

○花岡ユリ子委員

禁止されている指名登録業者への天下りを逃れるために、その関連会社に一時避難し、2年後に指名登録業者へ再就職する、いわゆる雨宿りというのは、今、何人いらっしゃるのでしょうか。

○赤塚人事課長

職員の再々就職についてでございますが、再就職取扱要綱におきまして、本庁次長級以上の職員につきましては、退職前5年間に在職した所属と密接な関係にある指名登録業者への再就職を、退職後2年間、制限しているところでございます。

こうした制限のもと、平成19年度における次長級以上の退職者のうち、道を退職後、企業等に再就職し、今年度、指名登録業者に再々就職した者は4名でありまして、そのうち、関連会社とされる企業から指名登録業者に再々就職した者は2名となっていると承知しているところでございます。

以上です。

○花岡ユリ子委員

私たちも、この問題では、常に、不正がないようにいろいろな形で追及していますけれども、減ったとはいえ、まだ2人が脱法的な行為を続けているということです。是正するよう指導すべきだと思いますが、その見解を伺います。

○谷藤雅人人事局長

職員の再々就職についてでございますが、道の再就職取扱要綱におきましては、再就職者の在職時の地位や、その権限による道に対する影響力を排除するといった観点から、退職前5年間に在職した所属と密接な関係にある指名登録業者には、再就職自体を2年間制限し、それ以外の企業については、道への営業活動を2年間制限する旨を定めているところでございます。

したがいまして、指名登録業者に関連する会社等につきましては、関連する会社そのものが指名登録業者に該当する場合以外は、要綱の制限の対象にはならないものとしているところでございます。

○花岡ユリ子委員

先般、国の所管する公益法人の理事長への天下りの一部について報じられておりましたが、信用保証協会連合会などでは、10代以上も、局長級以上の官僚の半ば指定ポストとして、指定席を超えてグリーン席となっていること、また、役員を天下りが独占している丸抱え法人など、天下りを通じた官と公益法人の癒着の実態が国民の前に明らかにされております。

そこで伺いますが、道が所管する公益法人で、常勤役員が複数いる法人のうち、その常勤役員を道職員OBが半分以上を占めている独占法人はどのようになっているのか。

また、道の再就職取扱要綱の適用団体で、理事長など団体のトップへの天下りが5代以上独占している指定席や、10代以上独占しているグリーン席になっている団体もあると聞いておりますが、実態を伺うとともに、見直す考えはないのか、お答えください。

○谷藤人事局長

再就職者の状況についてでございますが、平成20年度の特例民法法人概況調査によりますと、道が所管する特例民法法人の約830団体のうち、常勤役員が複数名いる法人で、道の再就職者がそのすべてを占めている団体は10団体、5割以上を道の再就職者が占めている団体は12団体となっているところでございます。

次に、再就職取扱要綱の適用団体に関しまして、理事長や会長などの団体の長に道職員のOBが就任をしております団体のうち、5代以上連続してOBが就任している団体は、現在、無報酬であるものは除きまして、3団体あり、10代以上連続して就任している団体はございません。

職員の再就職につきましては、それぞれの再就職先におきまして、道職員として長年培われてきた知識や経験などを個別に考慮された結果として、個々の採用に至っているものと認識をしているところでございます。

また、企業や団体等から道に対し、人材の紹介要請があった場合には、職員の能力を十分に活用していただきたいとの観点から、要請の理由や求める人材の内容などを考慮し、適任者について情報提供を行ってきたところであり、結果として、同一の団体に連続して道職員のOBが再就職をするといったケースもあるものと考えているところでございます。

○花岡ユリ子委員

昨年の議会でも議論になりましたが、道立近代美術館などの道立施設の長に就任しているOBが、週二、三日の勤務で、500万円前後の高額報酬を受けていると聞くが、どうなっているのでしょうか、お答えください。

○谷藤人事局長

道立施設の長に再就職しているケースについてでございますが、道を退職した後、特別職非常勤職員として道立施設の長に就任している者は、知事部局所管の施設に1名、道教委所管の施設に6名、合計7名となっているところでございます。

これらの施設の長の勤務形態につきましては、各施設における業務の状況に応じまして、週3日から4日の勤務となっており、その報酬額につきましては、北海道特別職職員の給与等に関する条例に基づきまして、施設の長としての職責や、業務の専門性、困難性などを考慮して、それぞれ決定しているところでございます。

○花岡ユリ子委員

道立施設の長の報酬についてですけれども、ただいま、報酬額については、条例に基づき、職責や業務の専門性などを考慮して決定しているとの答弁でしたけれども、近代美術館の館長に就任している元教育長については、週2日の勤務で、高額な報酬を得ていると承知しています。こうした実態は改善されたのかどうか、改めて伺いたいと思いますが、いかがですか。

○谷藤人事局長

道立近代美術館の館長の勤務形態などについてでございますが、道立施設の長の勤務形態については、施設における業務の状況に応じて定められておりまして、また、その報酬額については、条例に基づき、施設の長としての職責や、業務の専門性、困難性などを考慮して決定しているところでございます。

ただいまお尋ねのありました近代美術館長の勤務形態につきましては、議会での御議論も踏まえまして、平成21年4月1日から、その出勤日について、従来の週2日から、週3日としたものと承知をしているところでございます。

なお、この出勤日の改正につきましては、近代美術館長の勤務の状況として、定められた出勤日のほか、諸行事や会議などへの対応のため、土曜、日曜あるいは祝祭日を含め、必要に応じて、随時勤務をされていたものであり、こうした点を考慮して、出勤日を改正されたものと承知しているところでございます。

○花岡ユリ子委員

再就職のすべてを否定するものではありませんが、雇用状況が厳しい中、再就職取扱要綱違反や雨宿りといった実態は、道民から見たら、理解が得られないのは当たり前だと思うのです。しかも、私たちが毎回のようにこうやって質問していても、次から次と懲りない人たちがたくさん出てきています。

現在、国においては、定年延長の動きもある中、天下りの禁止などについても、さまざまな検討が進められていると聞きます。道としても、早期に要綱を見直して、是正を図るべきと考えますが、お答えください。

○多田健一郎総務部長

再就職取扱要綱の見直しについてでございますが、再就職取扱要綱に関しましては、これまでも、必要に応じ、見直しを行ってきたところでございますけれども、昨年3月には、これまでの議会の御議論を踏まえまして、対象団体の明確化や、団体における在職期間の制限強化、さらには、再就職に関する手続の明確化など、より一層の透明性の確保や要綱遵守の徹底に向けた実効性のある方策などについて、見直しを行ったところでございます。

こうした中、国におきましては、現在、国家公務員の定年延長に向けました所要の検討が進められておりまして、道におきましても、今後、定年延長にかかわる国の制度設計や他県の動向、さらには、道における職員の状況なども十分見きわめながら、定年延長を視野に入れた高齢層職員の新たな職域開拓や再任用制度の活用、さらには、現行の早期勧奨退職や公務外再就職の取り扱いなどを含めた幅広い観点から、委員の御指摘も踏まえまして、高齢層職員の退職管理のあり方ということにつきまして、鋭意検討を進めてまいる考えでございます。

○花岡ユリ子委員

今るる質問をし、答弁もいただきましたけれども、この問題は、やはり何といっても、幹部職員の問題でもありますので、知事に直接伺いたいというふうに思います。取り扱いをしていただきたいと思います。

○遠藤連委員長

はい、わかりました。

国設立の公益法人、関与団体等への天下り、派遣職員の給与負担は見直せ

○花岡ユリ子委員

続きまして、関与団体について質問したいと思います。

公益法人見直しの基準の一つに、地方公共団体からの支出を受けていることが挙げられています。

国が設立した、あるいは国が設立に深く関与している公益法人への道職員の天下りはどのようになっているのか、また、道費を支出している団体数と額はどのようになっているのか、お答えください。

○辺見広幸行政改革課長

国が設立した法人の状況についてでございますが、現在、政府において検討されております、地方団体の支出を財源としている団体の見直しにつきましては、その法人名が明らかとされておりませんで、現時点では、道として確認すべき法人が特定できませんことから、お答えできる状況にはないと考えておりますので、御理解願います。

○花岡ユリ子委員

関与団体の人方に対する対策というのですか、ルールというものがあるのじゃないかと思いますが、違うのですか。

○辺見行政改革課長

ただいま御質問いただきました、国が設立した団体の状況については、現在、国のほうで検討が進められているところでございまして、その法人名というのは、まだ明らかにされてございませんので、現時点ではお答えできる状況にない、そのような答えでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

随分、歯切れが悪い答弁だなというふうに思いますけれども、国の見直し方針を待つまでもなく、地方主権の観点から、国、地方のもたれ合いとなっている、国が設立などをした公益法人への道職員の再就職と道費の支出については、早急に見直すべきではないかというふうに考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○岡崎一智行政改革局長

再就職及び道費支出の見直しについてでございますが、道職員の再就職につきましては、国が所管する法人等も含めまして、これまでも、再就職取扱要綱に基づき、厳格に対応をしてきており、また、国が所管する法人等に対する支出についても、毎年度の予算編成等の中で、必要性等を厳しく検討しているところでございます。

いずれにいたしましても、今後とも、国の動向も注視をしながら、国の動向が明らかになった段階で、適切な対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。

○花岡ユリ子委員

神戸市が行った、公益的法人等に派遣する職員の給与を当該法人に補助金で支給することは違法とする住民訴訟に対する大阪高裁の判決に関し、昨年12月、最高裁において、市側の上告が棄却され、判決が確定されました。

道は、関与団体見直し計画において、派遣職員の引き揚げを進めてきましたが、この判決に関して、道の実態はどのようになっているのか、また、この判決を踏まえて、来年度以降はどのように対処されるのか、お答えください。

○多田総務部長

公益法人などへの派遣職員の給与負担についてでございますが、道におきましては、道の事務または事業と密接に関係する場合などに、団体の要請に応じて、道職員を派遣してきたところでございまして、当該職員の給与につきましては、派遣先の団体における財源確保の見通しなども勘案した上で、補助金や委託料で所要額を措置しているところでございます。

平成21年度におきましては、財団法人の、アイヌ文化振興・研究推進機構の2名、新千歳空港周辺環境整備財団の3名、それから、社団法人でございますけれども、北海道軽種馬振興公社の3名の、合計8名に対し、給与総額の約6400万円のうち、約2600万円を補助金等で負担したところでございます。

平成22年度の取り扱いについてでございますが、御指摘のあった、昨年12月の、大阪高裁の判決確定を踏まえ、団体が負担すべき通勤手当あるいは管理職手当など、実績に基づいて支給されます諸手当につきましては、団体で負担するよう見直しを行うこととし、現在、関係機関と協議を進めているところでございます。

○花岡ユリ子委員

先ほどもお話をしましたけれども、今、道民の暮らしというのは大変厳しい状況にあります。そして、皆さん自身も、次々と給与が削減されているという状況の中で、それでも頑張って行政を進めていっているわけです。

そういう状況の中で、こういうことが延々と続くのはやはり問題があると思いますので、その点でも、早急にこの対策を検討していただきたい、このことを要求しておきたいというふうに思います。

私立高校に対する支援、修学支援制度の拡充を

○花岡ユリ子委員

次に、私学の振興について伺います。

私立高校に対する管理運営対策費に関してですが、2010年度の私学関係予算の475億円について伺います。

私立高校の経営は厳しさを増していますが、管理運営対策費は、堀前知事の最終年度と2010年度を比較すると、どのような推移になっているのか、総額と、生徒1人当たりの単価、及び、単価に占める国費と道費の内訳についてお答えください。

○佐藤敏学事課長

私立高校に対する管理運営対策費についてでございますが、平成14年度と平成22年度を比較いたしますと、予算総額は、平成14年度が約131億6968万円となっておりまして、その後の生徒数の減少などによりまして、平成22年度におきましては、約101億5020万円となっております。

次に、生徒1人当たりの単価についてでございますが、平成14年度が33万8100円となっておりまして、平成22年度は33万6757円となっております。

また、生徒1人当たり単価に占めますところの、国庫補助金と地方交付税を合わせた、いわゆる国費と、道単独措置分の内訳につきましては、平成14年度が、国費は27万6310円、道単独措置分は6万1790円に対しまして、平成22年度が、国費は31万2726円、道単独措置分は2万4031円となっております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

授業料の負担に関してですけれども、来年度の修学支援制度について伺います。

道は、年収350万円未満の世帯に、授業料軽減補助金を月額1万円上乗せするが、350万円以上の世帯は上乗せがない。350万円を境に、月額の自己負担はどうなっているのか、また、それぞれの階層に属する私立高校生の人数はおおむね何人と見込んでいるのか、お答えください。

○佐藤学事課長

授業料等の負担についてでございますが、国の高等学校等就学支援金と、道の授業料軽減補助金により助成がなされた後の保護者負担額につきまして、道内の私立高校の平均授業料月額の3万円をベースにして見ますと、年収250万円未満程度の世帯につきましては、実質的に無償化となりまして、年収250万円以上350万円未満程度の世帯につきましては、月額で約5000円、年収350万円以上程度の世帯につきましては、月額で約2万円の保護者負担となるところでございます。

また、それぞれの階層の私立高校生の人数についてでございますが、年収250万円未満程度の世帯につきましては約2500人、年収250万円以上350万円未満程度の世帯では約2400人、年収350万円以上程度の世帯につきましては約2万5300人と見込んでいるところでございます。

○花岡ユリ子委員

他県の状況をどのように考えているのか、伺いたいと思いますが、今年度と新年度の比較で、東京都の28%増を初め、11県が授業料助成予算を増額し、北海道を含む33県が減額だと承知しております。

大阪府、京都府、東京都と北海道の制度設計の違いはどうなっているのか、350万円の境に焦点を当てて答弁いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○佐藤学事課長

他県の状況についてでございますが、年収250万円未満程度の世帯につきましては、国の高等学校等就学支援金と合わせまして、御指摘のいずれの団体におきましても、実質無償化となるものと承知をいたしております。

また、年収250万円以上350万円未満程度の世帯につきましては、大阪府と京都府においては、実質無償化となりますが、東京都では、月額で約1万2000円の保護者負担となりまして、また、年収350万円以上程度の世帯につきましては、大阪府では、月額で約1万3000円から3万6000円、京都府では、月額で約2万9000円、東京都では、月額で約1万7000円から約2万5000円の保護者負担となるものと承知をいたしております。

これらの団体と北海道におきましては、年収250万円未満程度の世帯につきまして、いずれも実質無償化となるわけでございますが、年収250万円以上程度の世帯につきましては、保護者負担に差異がある状況でございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

今の答弁の中にもありましたけれども、年収350万円未満の人方が対象となるということですけれども、年収350万円は決して裕福ではないというふうに思うのです。少なくとも、ほかの県と同じように、年収500万円まで助成を拡大すべきではないのか。

子育ての負担、とりわけ高校授業料だとか部活など、いろんなところでお金がかかるわけですから、少なくとも、ほかの県と同じように、年収500万円まで助成を拡大するという考えはないのかどうか、伺いたいと思います。

○谷藤人事局長

授業料軽減補助金の対象範囲などについてでございますけれども、道の授業料軽減補助金は、私立高校の生徒が経済的理由により修学困難となることのないよう、一定の所得以下の世帯を対象として、授業料などの負担を軽減するため、補助しているものでございます。

来年度におきましては、国で創設されます高等学校等就学支援金においても、一定の所得以下の世帯について支給額を加算することとなっており、この加算支給対象世帯の範囲は、道の授業料軽減補助金の対象世帯とほぼ同様でありますことから、道といたしましては、来年度以降も、従来と同じ考え方に立ちまして、原則、高等学校等就学支援金の加算支給対象と同一の世帯を補助対象とし、これらの世帯の方々の授業料などの負担を大幅に軽減することとしているところでございます。

道といたしましては、こういった措置によりまして、私立高校に通う生徒の方々が経済的理由により修学が困難となることのないよう、これまで以上に、安心して勉学に打ち込める環境づくりに努めたいと考えているところでございます。

○花岡ユリ子委員

安心して勉学に励むことができるようにという思いで補助をしているのだと思いますけれども、やはり、正直言って、ほかの県と比べても少ない金額ですから、ぜひ、拡大することを心から求めておきたいというふうに思います。

高齢者施設等での防火安全対策と消防施策の充実求める

○花岡ユリ子委員

最後の質問になります。

17日の保健福祉部への質問に続きまして、高齢者施設、福祉施設等での防火安全対策について質問いたします。

3月13日、消防庁、厚生労働省から通知が出されました。

初めに、道内には、認知症高齢者グループホームを含め、社会福祉施設は幾つあるのか、まずお答えください。

○小町信哉防災消防課参事

認知症高齢者グループホームを含め、社会福祉施設の数についてのお尋ねでございますが、道が、道内各消防本部を通じ、平成21年9月に取りまとめました調査の結果では、要介護状態にある方などが入所する社会福祉施設の数は、全道で3175施設あったところでございます。

○花岡ユリ子委員

また、各地の消防本部が、このたびの火災事故後、調査、指導に入っていると報道されておりますが、消防事務を所管している道総務部としては、調査結果や指導結果をどのように掌握するのでしょうか。

○小町防災消防課参事

調査結果や指導結果の掌握についてでございますが、このたびの札幌市のグループホームの火災を受けまして、道といたしましては、近く、各消防本部に対しまして、道内にあるすべての認知症高齢者グループホームなどに関する緊急調査を実施することとしておりまして、立入検査の実施結果等について、4月中旬をめどに報告を求めていくこととしているところでございます。

○花岡ユリ子委員

道内の社会福祉施設におけるスプリンクラー設置に関する違反状況はどうなっているのか。

また、すべての施設で設置義務がある自動火災報知設備や火災通報装置の違反状況、消防計画や消防訓練の違反状況などについて、調べていたら、お答えいただきたいと思います。

○小町防災消防課参事

消防用設備等の違反状況についてでございますが、先ほど申しました、昨年、道が調査した3175の社会福祉施設のうち、経過措置期間中の施設を除きまして、スプリンクラー設備の設置義務があるのは954施設で、そのうち、法令違反は15施設あったところでございます。

また、同様に、自動火災報知設備では、設置義務施設の2372のうち、38施設、火災通報装置は、1816施設のうち、12施設の違反が確認されたところでございます。

さらに、消防計画の作成や訓練が義務づけられております施設の2300のうち、計画の未作成が187施設、消防訓練の未実施が274施設、確認されたところでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

今の数字は、やはり多いのではないかというふうに私は思いました。

消防機関が立入調査を行った際、消防法令に違反する内容が確認された場合、その違反事項が改善されるまで、消防機関が指導すると承知をしておりますけれども、道は、違反是正に関し、消防機関に対してどのような指導を行おうとしているのか、伺いたいと思います。

○小町防災消防課参事

消防法令違反の是正指導についてでございますが、消防機関では、管内の防火対象物に対しまして、計画的に立入検査等を実施し、消防法令違反等が確認された場合には、直ちに改善するよう、口頭または文書による指導を行い、違反の内容や履行状況によりましては、警告や勧告を行うほか、火災予防上、危険であると認められる場合などには、命令を発動する場合もあるところでございます。

さらに、消防法に規定される罰則事項に該当する違反がある場合には、その罰則を適用するため、告発などを実施できることとなっているところでございます。

道といたしましては、このたびのグループホーム火災を踏まえまして、認知症高齢者グループホームを初め、各種社会福祉施設等に対する緊急調査によりまして、違反事項等の調査や指導を行うこととしておりまして、違反事項等があった場合には、直ちに改善するよう、強く指導するとともに、国が示しております違反処理基準に従って、適切に対処するよう働きかけてまいる考えでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

今回の火災事故まで、人口の多い都市部での立入検査などはどのようなサイクルで行われていたのでしょうか。札幌、旭川、函館の3市を例にして、お答えをいただければというふうに思います。

○小町防災消防課参事

立入検査の実施状況等についてでございますが、札幌市では、専用住宅を除きまして、昨年1年間で約6900件の建物に対しまして立入検査を実施しておりまして、そのうち、グループホーム等の社会福祉施設につきましては、219件実施したところでございます。

また、旭川市では、同様に、全体で約2900件、うち、社会福祉施設は180件、函館市では、全体で約2200件、うち、社会福祉施設は120件実施したところでございます。

3市とも、社会福祉施設1施設当たり、1年から2年の周期で定期的に立入検査を実施しておりますが、消防法違反が確認された場合は、違反が是正されるまで、随時、立入検査や指導を実施しているところでございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

小規模な消防本部ほど、消防職員の充足率が低いため、立入検査などの予防業務を行う職員が配置されにくくなっていると聞いております。

根本的には、住民の命と財産を守る消防職員を増員し、消防職員の充足率を上げていくことが必要と考えますが、道の見解を伺いたいと思います。

○立川宏危機管理監

消防職員の充足率などについてでございます。

本道には、規模の小さい消防本部が多く、特に、そうした小規模消防本部では、職員確保の面から、予防査察、違反処理、火災原因調査などの予防業務に関しまして、職員の専任化が図られにくい状況になっているものと認識しております。

道といたしましては、市町村の消防が、地域住民の生命、身体、財産を災害から守るとともに、被害を軽減するためには、規模の大きな消防本部も含めまして、消防施設、消防職員の充足率を向上させることが重要であると考えておりますので、今後とも、全道の市町村長、消防長の会議などの機会をとらえまして、その充実について働きかけてまいりたいと考えております。

○花岡ユリ子委員

今答弁をいただきましたけれども、やはり、消防職員の体制がきつくなってきているのだと思うのです。消防活動もやり、予防もやり、救急車にも乗るという状況で、大変厳しい実態ではないかなと推測いたします。

やはり何よりも、住民の命と安全を守る職員の人たちをふやして、いろんなところへ調査に行ったりとか、そういうふうなことが、安心して、きちんとできるようにしなければならないのじゃないか、こういうふうに思っております。

昨年、消防の広域化ということが進められましたけれども、私たちは、そのまち、そのまちに消防署があって、何かあったときに即対応ができる、そういう方向こそ、本来の目的なのではないかと思っておりますので、広域化ということで大きくするだけでなくて、そういう方向も含めて考えるべきだということを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。

それで、消防職員の体制強化の問題については、知事に直接お聞きしたいと思いますので、知事総括質疑に上げていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○遠藤連委員長

はい、わかりました。

○花岡ユリ子委員

どうもありがとうございました。


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