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道政検証⑤

矢臼別演習場と米海兵隊問題から見た高橋道政

基本的立場は海兵隊容認

米海兵隊移転訓練高橋道政は、矢臼別演習場における沖縄米海兵隊移転訓練を基本的には容認しており、対米従属の関係を打破し、安心して暮らせる平和な北海道を築くという立場には立っていません。問題はそれだけにとどまりません。

当初防衛当局は地元に対して、「人員は訓練部隊300人強+支援部隊60~70名、車両は60両、滞在日数は2週間程度」などと説明し、それが「受け入れ条件」になっていました。しかし、実際に始まってみると、最大時で人員430名、車両100両、滞在日数は36日間というありさまです。

さらに、当初説明のなかった機関銃など小火器の実弾射撃訓練が07年から実施され、また、国際的批判を浴びている「白りん弾」の使用訓練も実施されています。

こうした明確な約束違反、訓練のなし崩し的拡大強化に対しても、高橋知事は容認する立場を取り続けています。

高橋知事は確かに、防衛当局に対し毎年「夜間訓練の中止」を求め、「訓練の固定化と拡大をしないよう」要望は出していますが、訓練の拡大強化の具体的表れに対してきっぱり反対する立場を示さない限り、単なる言葉だけのものだと言われてもしかたないでしょう。

評価できる面も

一方、数少ない例ですが道民の立場に立って道側が行動した面があったことも事実です。

08年の訓練実施の際、それまでやっていた説明会(ブリーフィング)や訓練公開をやらないと海兵隊側が言って来ました。

これに対し、道民世論と運動におされ、道側は抗議の意思を表明し、説明会・訓練公開の実施を求めました。

平和団体の抗議行動や紙智子参議院議員の国会追及もあり、射撃訓練終了後ではありましたが、海兵隊による「訓練の概要説明と装備品展示」が、一般住民の参加も認める形で行われました。

10年の移転訓練は着弾地の内外で野火が頻発するなど異常が続きました。

これに対して、再三にわたり原因究明と再発防止を道は要請しました。訓練終了後も道は防衛当局に対し追及を続けています。

これらは、最低限の役割を果たしているにすぎませんが、米軍の理不尽に対して、強い姿勢を崩さず追及を続けていくよう、改めて道に求めたいと思います。

普天間基地ヘリ部隊の訓練移転問題

5月27日の全国知事会議で、鳩山首相(当時)が米軍普天間基地の負担を全国に分散することに協力してほしいと求めたのに対し高橋知事は、「政府から具体的提案があれば、道内の意見集約をしていく」と、「受け入れもありうる」と受け取られる発言をしています。

広瀬大分県知事が「米軍の不祥事を全国にばらまくのか」と発言するなど、反対もしくは慎重論が大勢を占める中、高橋知事の発言は異色のものでした。

訓練移転地として名前の挙がっている矢臼別演習場をかかえる自治体の長は、「到底受け入れることはできない」(水沼別海町長)、「新たな訓練の拡大は認めない」(長谷川浜中町長)、「住民の生活や生産を守る姿勢で対処していく」(池田標茶町長)と、議会で発言しています。

高橋知事は、こうした道民の声、地元の願いに正面から応える立場に立つべきです。

(別海町議 中村忠士)

(10年08月22日付「ほっかい新報」より)

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