日本共産党 北海道議員団ホームページ
ホーム
道議団の動き
費用対効果は八ツ場以下/真下議員/道内ダム事業で追及 09.10.08

道議会

真下議員道内ダム事業で追及

費用対効果は八ツ場以下

日本共産党の真下紀子道議は8日、道議会知事総括質疑で、凍結・見直しの対象となる道内のダム事業について、すべての事業が、中止を決定した八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の費用対効果を下回ることを明らかにし、ダム建設の中止を含む見直しを求めました。

道建設部によると、国直轄の6ダムの費用対効果が1.1から2.5、道実施の4ダムが1.4から2.0となっていて、八ツ場ダムの3.4をいずれも下回っています(表参照)。また、中止の目安の一つとなる本体工事に着手していないものは、平取(びらとり)、サンル、新桂沢、三笠ぽんべつ(以上国直轄)、厚幌(道事業)の5ダムとなっています。

真下氏は「このような費用対効果で、道民は納得すると考えているのか。中止も含め検討すべきではないか」とただし、道事業のダムについて、知事の政治判断を求めました。

高橋はるみ知事は、実施中のダム事業について、「現時点では国から事業の見直しについての情報提供や指示は受けていない。今後、国の動向を注視しながら適切に対処したい」と答えるにとどまりました。

これまでダム建設の中止、見直しを求める声は少なくなかったと指摘した真下氏は、前原国交大臣の建設見直し発言以来、現実政治を動かし始めているとのべ、「これまで建設部長は反対や懸念の声は『一部からそのような声があった』と切り捨てたが、知事は反対の声も受け止め再検討してはどうか」と迫りました。

真下氏の追及に対し、高橋知事は答弁に窮し、副知事や部長らと答弁調整する姿がひんぱんに見られました。

サンルダム建設について、調査用魚道で、遡上(そじょう)したサクラマスが昨年の552匹から274匹まで減少し生息度は5分の1となり、魚道を遡上できず、下流で産卵床が86床から163床に増加したことにふれた真下氏。前淀川水系流域委員会委員長の宮本博司氏が「サクラマスの生息に与える影響を調査したうえでダムの本体工事着工はありえるが、保全されないのであれば、建設の是非を改めて検討し、税金の無駄遣いを避けるべき」だとのべていることを紹介し、「調査と改善対策がないまま本格着工は行うべきではない。そのためにも知事には現地の自然環境を見て、サンルや平取で、自然を守るため『ダム中止』を求めてきた人たちの意見を聞くべきだ」と求めました。

高橋知事は「機会をとらえて現地を訪れたい」とのべました。

事業見直しが求められる道内のダム
ダム名所在地事業者進捗(しんちょく)状況費用対効果
留萌ダム留 萌 市国土交通省本体施工完了、試験湛水完了1.1
夕張シューパロダム夕 張 市国土交通省本体施工中2.5
平取ダム(平取のみ)平 取 町国土交通省本体発注予定(2010年度)1.3
サンルダム下 川 町国土交通省本体発注予定(09年12月)1.6
新桂沢ダム三 笠 市国士交通省本体発注予定(11年度以降)1.6
三笠ぽんべつダム本体発注予定(12年度以降)
西岡ダム剣 淵 町北海道(建設部)本体施工完了、試験湛水完了1.6
徳富ダム新十津川町農林水産省本体施工中1.4
当別ダム当 別 町北海道(建設部)本体施工中2.0
厚幌ダム厚 真 町北海道(建設部)本体発注予定(12年度)1.8

(09年10月09日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)