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道議団の動き
道新幹線/在来線分離は地域に悪影響/余市町で集い 09.07.12

北海道新幹線

在来線分離は地域に悪影響

余市町で党地区委集い

「北海道新幹線の札幌延伸に伴う並行在来線の存続を考えよう」と、日本共産党小樽地区委員会は12日、広範な団体・個人に呼びかけて余市町で集いを開きました。地元余市町の上野盛町長と北後志町村会会長の三浦敏幸仁木町長があいさつ。余市はじめ近隣市町村から参加した160人は、地域住民の足と公共交通をどう守るかについて熱心に話し合いました。

道議会で高橋はるみ知事に、この問題の認識を正した花岡ユリ子道議が「新幹線への期待が高まっていますが、鉄路がなくなれば地域は疲弊します。地域発展の道を話し合いましょう」と主催者あいさつしました。

北海道新幹線など整備新幹線について、政府・与党は並行在来線の経営をJRから分離することを着工の条件とし、地元自治体に同意書の提出を求めています。札幌延伸に伴う並行在来線は、函館本線の長万部―小樽間が経営分離されることになり、沿線の市町村からは「在来線の廃止につながるのではないか」「地域経済や通勤、通学の足に影響が出る」と不安の声が広がっています。

余市町の盛昭史企画政策課長が経過報告をしました。

北海道教育大学の武田泉准教授が講演、整備新幹線計画をすすめる全国各地の事例を紹介。「よく分からないまま同意書を取られた地元が理不尽なプロセスを強いられている例が多く、同意を拒否した場合、猛烈な圧力を覚悟しなければなりません。地元が問題点を理解して国や道、JRと交渉することが大切です」と話しました。

会場からは「新幹線建設には経済効果があるといわれますが、疑問です」「経営分離すれば在来線が赤字になり、地元負担は増えます」と次々に意見が出されました。

新幹線「新函館駅」がつくられる北斗市で、市議会の並行在来線問題特別委員会委員長を務める蛎崎孝市議が発言。蛎崎氏は「北斗市も情報がほとんどないなかで在来線の経営分離に同意しました。日本共産党は反対しましたが、『同意』に賛成した議員で内容を理解している人はほとんどいませんでした。経済効果を期待した地元業者に発注された仕事は今のところありません」と報告しました。「納得できなければ凍結も必要です。議論が不十分なまま走りだすことだけは避けてください」と強調しました。

「通勤通学に利用している在来線がなくなると大変、と危機感を持って参加しました」という男性(65)。「余市に住んで16年ですが、年齢とともにだんだん車の運転もできなくなり、JRは貴重な足です。地元経済のためにも、在来線はぜひとも存続してほしい」と話していました。

町村会でJR要請

余市町長上野 盛 氏

札幌・小樽圏で人的交流をしながら地域を発展させようと思っていたので、在来線の経営分離は大変な問題です。

新幹線には反対しませんが、住民生活の基盤になっている鉄道は守らなければなりません。

明日(13日)、北後志町村会としてJR北海道と道議会に「並行在来線を残してほしい」と要請します。みなさんにも力を貸してほしいとの思いできょうの集いに参加しました。ご支援をお願いします。


住民の足守る責任

北後志町村会長(仁木町長)三浦 敏幸 氏

関係町村了承の上で北後志町村会を代表してあいさつします。

町村会としては、北海道新幹線の札幌延伸は喜ばしく思っています。しかし、並行在来線の現状は全国的に見ても厳しいというのが客観的事実です。

私も上野町長も住民の足を守り交通弱者を守る責任があります。

日本共産党小樽地区委員会は時宜にかなった集いを開いてくれました。実り多き集いとなるよう期待します。

(09年07月14日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)