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道議会での取り組み
2009年第4回定例道議会

【花岡ユリ子道議、プルサーマル計画事前了解、知事のテレビCM出演について高橋知事にただす】 09.12.08

2009年12月8日 予算特別委員会 知事総括質疑概要

質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員

核燃料再処理施設でトラブル続き、プルサーマル計画事前了解見直せ

○花岡ユリ子委員

それでは、エネルギー問題から質問させていただきます。

六ヶ所村の再処理施設は、トラブルが続いておりまして、竣工が14回も延期されました。使用済み燃料の再処理サイクルのかなめと思いますが、このような事態が続くということは、核燃料サイクルが確立していないことの証明だと私は思っておりますが、知事は、この問題についてどのようにお考えか、まず伺いたいと思います。

○高橋はるみ知事

核燃料サイクルについてでありますが、六ヶ所村の再処理施設について、本格操業に向けた最終段階の試験の実施中にトラブルが生じていることは承知をいたしているところでありますが、国におきましては、再処理する場合においては、実施が不可能となるような特段の技術的課題は見当たらないとしているところであり、今後とも、安全の確保を最優先にしつつ取り組むべきと考えているところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

特段の状況が見当たらないというのは、言ってみれば、それが、技術が確立していないということの証明そのものだと思うのです。

再処理施設の竣工のおくれは、全国の原子力発電所から発生する使用済み燃料が発電所内にたまるだけではなく、知事が3月に事前了解を押し切った泊発電所におけるプルサーマル計画で使用するMOX燃料についても、めどが立たないということにつながるわけです。

改めて、事前了解をしたことについて、知事はどのように考えるのか、見直しをする気がないのか、伺いたいと思います。

○高橋知事

プルサーマル計画についてでありますが、道といたしましては、安全性の確保などについて、多くの道民の皆様方から御意見をいただきながら、有識者検討会議を開催するとともに、道議会において丁寧な議論を積み重ねていただいた中で、地元の意向を尊重し、本年3月に、北電泊発電所3号機における同計画について事前了解をいたしたところであります。

また、国においては、我が国のエネルギー政策として、プルサーマルを含めた核燃料サイクルを推進するとの基本方針に変更はないとしているところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

先月、私は視察しましたが、青森県六ヶ所村で進められています核燃料サイクルの重要施設は、道内の原子力発電所と密接に関係しており、知事が、他県で行われている別の会社の出来事といって黙認するのでは、道民は不安をぬぐい去れないというふうに私は思っています。

プルサーマル計画の一つの輪になっているこの関連が、今ここで滞っているわけです。六ヶ所村でのガラス固化体製造がなかなか成功しないということで、滞っているわけですから、この問題は、単に六ヶ所村の問題ではなくて、泊原発の問題でもあるのだという認識を持って、対応しなければならないと思いますが、改めて答弁をいただきたいと思います。

○高橋知事

核燃料サイクル施設の状況についての御質問でございますが、道といたしましては、国に対し、核燃料サイクルの推進に当たっては、積極的な情報公開や十分な説明を行うよう働きかけてきたところでありまして、今後とも、核燃料サイクルに対する道民の皆様方の理解の促進が図られるよう、必要に応じて、関係機関からの情報収集に努めるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

私は、さっきも言いましたように、六ヶ所村に調査に行ってまいりました。知事にも、六ヶ所村に行って見ていただきたいと言いたいところなのですが、相当遠いです。大変厳しい日程でありました。

ところで、知事は、泊原発に調査に入ったことがあるのかどうか、確認したいと思いますが、いかがですか。

○高橋知事

泊原発への現地視察についての御質問でございますが、私の知事就任以降について申し上げれば、平成19年度の原子力防災訓練の際に、所内を視察させていただいた経緯がございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

防災訓練のときに所内に入ったということですが、所内というのは、言ってみれば、初めのところですよね。やはり、建屋の中に入って、どういう仕組みになっていて、どういうふうな問題が起きるのかということをきちんと見る必要があるのではないか、こういうふうに思っております。

私たちも、入りましたときに、地震計がなかったことを改めて確認することができたわけですから、ぜひ一度、知事の目で、そういう問題も含めまして、調査をする必要があるのではないか、このことは指摘をしておきたいと思います。

それで、再生可能エネルギーの拡大についてですけれども、現地の視察をしたところによれば、使用済み燃料の再処理技術の確立が再三にわたり延び延びになっている中で、青森県は、原子力ばかりに頼るのではなくて、再生可能なエネルギーもふやしていくという方向を持っています。北海道としても、これは大いに学ばなければならないというふうに思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。

○高橋知事

再生可能エネルギーについてでございますが、道といたしましては、これまで、再生可能エネルギーの開発、導入の促進が図られるよう、道有施設への率先導入や、市町村に対する導入支援、試験研究機関における研究開発、国の支援施策に関する情報発信などに取り組んできているところであります。

現在、エネルギー供給事業者、経済・消費者団体の方々などで構成される北海道エネルギー問題懇談会におきまして、再生可能エネルギーの推進に向けた戦略的な取り組みについても御議論をいただいているところであり、今後、こうした御議論や国内外の政策の動向、産業界のニーズの変化なども踏まえ、本道における再生可能エネルギーの一層の導入拡大に努めてまいる考えであります。

以上でございます。

知事の応援団と重なる団体のテレビCMに知事の出演、知名度アップが目的ではないのか

○花岡ユリ子委員

次に、知事出演のテレビCMについて質問いたします。

最近、民放テレビや地下鉄の主要駅のポスターなどで、知事のお顔をよく見せていただいております。どういう理由で、知事はこの魚キャンペーンに登場することになったのか、まず伺いたいと思います。

○高橋知事

キャンペーンへの協力についてでございますが、本道の漁業経営の安定を図るためには、水産物の消費の拡大が重要な課題となっているところであり、道といたしましても、水産関係団体と連携を図りながら、道産水産物の消費拡大に積極的に取り組んできているところであります。

こうした中、昨年度、道内における水産物の消費が減少傾向に転じたことから、危機感を持った水産関係団体の方々が、北海道おさかな普及協議会を立ち上げ、「道産宣言!“おさかなチェンジ”」キャンペーンを実施することとされたところであり、テレビコマーシャルへの出演などの要請があったところであります。

私といたしましては、道民の皆様方が地元の水産物を積極的に消費する地産地消の推進は、生産者の皆様方を元気づけるとともに、地域産業の活性化につながるものと考え、協力させていただいたものであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

「おさかなチェンジ」のCMを企画し、知事に出演を依頼した北海道おさかな普及協議会とはどんな団体で、道とはどんな関係なのか、お答えください。

○高橋知事

北海道おさかな普及協議会についてでございますが、この協議会は、北海道昆布普及協議会、北海道ほたて漁業振興協会、北海道秋鮭普及協議会及び北海道漁業協同組合連合会の4団体が連携して、アキサケ、ホタテ、昆布など道産水産物の地産地消を推進し、消費の拡大を図ることを目的に、本年10月に設立されたものと承知をいたしております。

また、道といたしましては、これまでも、北海道漁連など関係団体と連携をし、道産水産物の消費拡大に取り組んできたところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

おさかな普及協議会の構成団体には、道から毎年どのように補助金が投入されているのか、伺います。この5年間で道漁連などに幾ら投入されているのか、お答えください。

○高橋知事

道の補助金についてでありますが、北海道おさかな普及協議会の構成団体に対する補助金は、北海道ほたて漁業振興協会に対して、平成20年度に1事業で1450万円、北海道昆布普及協議会に対して、平成18年度に1事業で250万円、北海道漁業協同組合連合会に対して、平成17年度に2事業で1250万円、18年度に4事業で3580万円、19年度に4事業で3850万円、20年度に3事業で1260万円、21年度に3事業で900万円となっているところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

5年間でまとめますと、約1億円の補助金が出されていることになります。

それで、普及協議会の櫻庭会長は、道漁連の会長さんでもあり、知事とは親しい間柄と聞きますが、この点について知事は御存じでしょうね。

○高橋知事

普及協議会の櫻庭会長は、道漁連の会長さんでもございますが、私ども北海道の戦略会議のメンバーになっていただくなどしているところであり、私もよく存じております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

その櫻庭さんが同じく会長を務める北海道水産政治協会から、知事は、平成20年に50万円のパーティー券を購入してもらっております。50万円以上購入する団体は多くありませんから、知事も、まさかこの状況について忘れているとは思われませんが、このことをどのように受けとめているでしょうか。

○高橋知事

パーティー券についての御質問でございますが、御指摘の団体におかれましては、開催の趣旨に賛同され、御購入いただいたものと考えております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

これまでのやりとりから、「おさかなチェンジ」のテレビコマーシャルへの知事の出演は、どう考えても、純粋な魚の消費拡大キャンペーンなどではなくて、水産関係団体の応援による知事の自作自演の疑いがあります。こんなやり方で応援されては、北海道の新鮮な魚が泣くのじゃないでしょうか。私は本当にそう思います。

知事、このポスターをつくっていますよね。このポスターを見ても、そのとおりだと思います。知事は、浮き出ていてわかるのですけれども、お魚は暗くなっているのです。やっぱり、これは反対じゃないかと私は思っているのです。

いずれにしましても、純粋なテレビコマーシャルではないということを改めて指摘しておきたいと思います。

○花岡ユリ子委員

次に、今回、わずか2カ月のキャンペーンで、協議会は総額で2500万円の費用をかけていると聞きますが、テレビ及びそれ以外の広告はどうなっているのか、お答えください。

○高橋知事

キャンペーンの費用についてでございますが、今回のキャンペーンは、テレビコマーシャルの制作・放映費が約1400万円、新聞紙上での対談広告やキャンペーンポスターの作成、配布が約1100万円であり、これについては、北海道おさかな普及協議会が負担し、実施しているものであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

思い返せば、ちょうど4年前、10月ごろから、テレビコマーシャルへの知事の出演が目立ち始め、道産米や道内観光に関する放送回数は2000回にも及びました。なぜ、選挙が近づくと、テレビコマーシャルへの知事の出演が急に多くなるのか。私は、偶然だとは言えないというふうに思いますが、知事はどのように受けとめているでしょうか。

○高橋知事

テレビコマーシャルについてでございますが、このたびのキャンペーンは、北海道おさかな普及協議会から出演要請があったものであり、私といたしましては、道民の皆様方が地元の水産物を積極的に消費する地産地消の推進は、生産者の皆様方を元気づけるとともに、地域産業の活性化にもつながるものと考え、協力をさせていただいたものであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

公人である知事が、なぜ、こんなにテレビコマーシャルに出演するのかという道民の批判があることを知事はどのように思っていますか。

○高橋知事

テレビコマーシャルへの出演についての重ねての御質問でございますが、先ほどもお答えを申し上げましたが、このたびのキャンペーンにつきましては、北海道おさかな普及協議会から、道産水産物の地産地消を推進するために出演要請があったことから、協力をさせていただいたものであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

知事、本当に北海道のお魚を普及させたいというのであれば、本州の大消費地に行って、堂々と宣伝して、北海道の漁業を振興する、こういう立場に立つべきではないでしょうか。私はそう思います。

それで、出演の時期の問題なのですけれども、1度だけならまだしも、4年前に続いて、またまた同じ時期に、名称が米から魚に変わっただけで、このような露骨なテレビコマーシャルへの出演などは、選挙目当ての知名度アップが目的の売名行為と疑われても仕方がないと私は心配しているのですが、いかがでしょうか。

○高橋知事

出演の時期についての御質問でございますが、今回のキャンペーンは、北海道おさかな普及協議会が実施しているものであり、道産水産物の消費拡大に向けて、委員も御案内のとおり、季節柄、なべの季節でございますので、最も効果が見込めると思われる年末年始を中心に計画されたものと伺っているところであります。

以上であります。

○花岡ユリ子委員

知事が頻繁にテレビコマーシャルに出演したことにより、道内産の米の消費が伸びたり、道民の道内観光客がふえたとの声を、私は残念ながら聞いておりません。宣伝効果も明らかでない上、みずからの知名度を売り込むためではないかと疑われるような、この時期のテレビコマーシャル出演は、今後は自粛するべきではないかと思いますが、改めて伺いたいと思います。

○高橋知事

今後の出演についての御質問でございますが、テレビコマーシャルへの私のこれまでの出演につきましては、道内経済の活性化に向けた知事のトップセールスの一環として対応してきたと私自身は認識をいたしております。

今後につきましても、御要請があった段階で、適切に判断をしてまいりたいと考えております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

知事は突っぱねておりますけれども、私も知事も政治家で、必ず選挙というものを意識してやるわけですから、こういう誤解を招くようなやり方は、やはり、知事としては自粛するのが当たり前ではないのか。

そして、本当に北海道のトップセールスというのだったら、本州に行って、それこそ宮崎県の彼みたく、いろんなところで北海道の産地を売り込む、これが必要なのじゃないでしょうか。北海道の内部でやるということは、結局は、知事の知名度を上げるためのものになっているのじゃないかということを厳しく指摘して、終わらせていただきたいと思います。

終わります。


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[日本共産党道議団編集]

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