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2009年予算特別委員会

【花岡ユリ子道議、特別支援教育、小中学校の統廃合、就学援助、学校図書の整備などただす】 09.06.30

2009年6月30日 予算特別委員会第2分科会質疑概要

質問者 日本共産党 花岡ユリ子 議員

教育委員会所管の問題

特別支援教育の問題についてただす

○花岡ユリ子委員

それでは、私からも、特別支援教育の問題から質問をしたいというふうに思います。

平成19年4月から、学校教育法に特別支援教育が位置づけられました。障がいのある子供たちへの教育が充実強化されていると認識しております。

そこで伺いたいのは、特別支援学校ではない、小学校や中学校の特別支援学級数と児童生徒数について示されたい。また、通級指導教室数と児童生徒数についても、同様にお答えいただきたいと思います。

○笹山幸広特別支援教育課長

特別支援学級などについてでございますけれども、特別支援学級は、小中学校におきまして、障がいを有するため、通常の学級における指導では十分な成果を上げることが困難な児童生徒を対象とし、必要に応じて設けられている、特別に編制された学級であり、通級による指導とは、通常の学級に在籍している、軽度の障がいがある児童生徒に対して、各教科等の指導の大部分は通常の学級で行いつつ、障がいに応じた特別の指導を、特別の場、いわゆる通級指導教室で行うものでございます。

全道の小中学校に設置されております平成20年度の特別支援学級の数及び児童生徒数は、小学校では1874学級、4671人であり、中学校では912学級、2249人と、前年度と比較しますと、小学校では152学級、491人、中学校では77学級、271人、それぞれ増加しているところでございます。

また、小学校、中学校に設置されました平成20年度の通級指導教室の数及び児童生徒数につきましては、小学校では221教室、2395人、中学校では6教室、73人と、前年度と比較しますと、小学校では7教室、43人、中学校では2教室、14人、それぞれ増加しているところでございます。

○花岡ユリ子委員

私の住みます後志では、京極町や共和町に、通級指導教室に通っている子どもさんがいるのですけれども、町内に教室がないという状況です。

近隣市町村とどのように連携をとっているのか、後志を例に示してお答えいただきたいと思います。

○笹山特別支援教育課長

後志における市町村との連携などについてでございますけれども、平成21年度、後志管内におきましては、小樽市、倶知安町、岩内町、古平町、余市町の5市町の小中学校におきまして、通級指導教室を設置しているところでございます。

その他15町村のうち、通級による指導が必要な児童がいる町村は9町村であり、これらの児童に対しましては、教室を設置している近隣の市町の教育委員会と協議して、指導を受ける機会を確保していると承知しているところでございます。

○花岡ユリ子委員

通級指導教室への国の教員加配基準は、児童生徒10人以上というふうになっていると思います。

北海道の広域で過疎という実情に合わせて、例えば、道が独自に、通級指導教室に通う子ども5人以上などの基準を設けて、加配していただければ、もっと実質的に通級指導教室に通うことができる子どもさんがふえてくるのではないかと思いますが、この点についてどのようにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。

○金光謙一郎教育政策課長

通級指導教室の設置の基準に関する御質問でございますが、国のほうでは、この加配の基準は定めておらない状況でございます。道のほうで、10人につき1人という、おおよその目安としての基準を定め、運用しているところでございまして、厳しい道の財政状況の中でこの基準の改善を図ることは困難な状況でございます。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

道のほうで、通級指導教室について、改善させるために枠を広げているというのですか、そういう状況だということはわかりましたけれども、現実には、先ほども話がありましたとおり、通級指導教室の子どもさんの数が大変ふえてきています。

そういう点で、それに対応できる体制そのものをもっと確立していかなければならないというふうに思いますし、軽い障がいをお持ちの子どもさんというのは、これからもそれなりにふえていく可能性もあるわけですから、そういう子どもたちに、きちんとした教育を保障するという点でも、この通級制度も大事にしていきたいし、広げていく必要があるのではないか、このことを指摘しておきたいというふうに思います。

それともう一つは、通級指導教室担当の先生についてですが、専門性、指導能力の向上は、子どもと親にとっても、先生自身にとっても必要なことではないのかというふうに思います。それを担保する制度はどのようになっているのか、お答えいただきたいと思います。

○小野寺敏光学校教育局長

先ほど担当課長が申し上げましたように、通級指導教室におきましては、通常の学級に在籍する児童生徒個々の障がいの状況に応じた指導を行っているところでございまして、教育効果を上げるためには、担当教員の専門性、指導力の向上が重要であるというふうに考えているところでございます。

道教委といたしましては、特別支援教育センターにおいて、特別支援学級の教員とともに、通級指導担当教員を対象に、障がいに応じた自立活動の指導のあり方、保護者や関係機関との連携のための具体的な方法、児童生徒の行動の理解と具体的な対応、障がいの状態に応じた授業展開の実際や、授業の改善充実に向けた事例検討などの研修を行っているところでございまして、今後においても、こうした取り組みにより、担当教員の資質や能力の向上を図ってまいりたいと考えております。

○花岡ユリ子委員

通級指導教室の関係でいきますと、それぞれの自治体のエリアの中にあるのであればいいのですけれども、自治体を超えていかなければならない。要するに、子どもの数が少ないために、全部はつくれないから、通うということが実際に起こっておりますけれども、そのときの交通費など、通学するときの支援とか、そういう問題についてはどのようにお考えになっていますか。

○笹山特別支援教育課長

自分の住む町村に通級指導教室がない町村において、交通費の負担を考えているのかということについてのお尋ねだと思いますけれども、後志管内におきましては、先ほど言いました九つの町村のうち、五つの町村において、それぞれ、交通費の負担を町村が行っているというような状況であると認識しております。

○花岡ユリ子委員

次に、パートナー・ティーチャー制度について伺います。

特別支援教室や通級指導をサポートする、特別支援学校の先生によるパートナー・ティーチャー制度について、派遣実績を具体的に示していただきたいと思います。

○笹山特別支援教育課長

パートナー・ティーチャー派遣事業についてでございますけれども、本事業は、道立特別支援学校の教員を、幼稚園、小中学校、高等学校等に派遣し、担当教員などに、学習指導の進め方や指導計画の作成等について継続した支援を行い、発達障がいを含む障がいのある幼児、児童生徒に対する指導や支援の充実を図ることを目的とするものであります。

また、事業が円滑に実施されるよう、道内を9地域に分け、それぞれに、関係機関等への周知や、特別支援学校間の連絡調整等を行う推進校を指定しているところでございます。

平成19年度におきましては、モデルとして、道南、道北、釧根の3地域を指定し、平成20年度からは、新たに6地域を指定し、道内9地域で実施しているところでございます。

派遣実績についてでありますが、平成20年度においては、幼・小・中・高の合わせて395校に対し、派遣回数は延べ2015回となっております。

地域別に見ますと、平成19年度のモデル事業から実施している3地域につきましては、道南地域が47校に対し241回で、前年度から23回の増、道北地域が93校に対し473回で、前年度から155回の増、釧根地域が38校に対し202回で、前年度から50回の増となっているところであります。

また、平成20年度から実施しております6地域につきましては、石狩地域が35校に対し174回、後志地域が47校に対し131回、空知地域が40校に対し204回、網走地域が46校に対し211回、日胆地域が42校に対し243回、十勝地域が28校に対し136回となっているところでございます。

○花岡ユリ子委員

大変具体的に御答弁いただきまして、ありがとうございました。

このように、頑張って、対策を立て、障がいのある子も含めて、しっかりとカバーしている部分があるのですが、国の財政措置による配置は推進校のみで、全く不十分だというふうに思うのです。小平高等養護学校は推進校ではありませんが、協力校としてあんなに頑張っていて、高い評価を受けている。国に対して、もっと財政措置を求めるべきではないかと思います。

同時に、全国の36県が特別支援教育の教員が定員に達しておらず、北海道もその一つと報じられておりましたが、道が特別支援教育の先進県となるよう、教師を増員するなど、やるべきではないかと考えますが、前向きな答弁をいただければなというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

○高橋教一教育長

特別支援教育にかかわりまして、国に対する要望などについてでございますが、道教委といたしましては、幼稚園、小中学校、高等学校等が、障がいのある幼児、児童生徒に対し、一人一人の教育的ニーズに応じた専門的な指導や支援を行うためには、特別支援学校がセンター的機能を発揮いたしまして、地域の学校等を支援することが重要であり、今後ますます、地域の学校等からの要請がふえてくるものと考えているところでございます。

また、特別支援教育にかかわる教職員定数につきましては、いわゆる標準法に準拠して教職員を配置し、教育環境の整備に努めてきたところでございまして、昨年度の教職員配置は、12月1日現在では、ほぼ標準法定数どおりとなっているところでございます。

こうした中、道教委といたしましては、特別支援教育の一層の充実を図るため、幼稚園、小中学校、高等学校等を支援するための体制整備に要する財源措置や、教職員定数の一層の改善について、今後も、国に対して引き続き要望してまいりたいと考えております。

以上でございます。

○花岡ユリ子委員

今、教育長から答弁をいただきましたけれども、一層頑張りたいということなのですが、この広い北海道において、東川養護学校が113回、鷹栖養護学校が69回、小平高等養護学校が71回で、縦に長い留萌管内を4人の先生でカバーしているというふうに報告を受けています。先生方の努力によって、高い評価はされておりますが、負担も大きいと聞きます。

財政措置と人員配置は、やはり、どうしても必要ではないかというふうに思います。どのようになっているのか、お答えいただきたいと思います。

○小野寺学校教育局長

パートナー・ティーチャー派遣事業にかかわってでございますけれども、本事業の実施に当たりましては、特別支援学校の教員を派遣するために必要な旅費について、前年度の派遣実績などを踏まえて、予算措置をしているところでございます。

また、各地域における円滑な事業の実施のため、先ほど申し上げました推進校9校のうち、鷹栖養護学校など4校につきましては、国の、特別支援教育の充実のための定数改善を活用し、教員を1名加配いたしますとともに、他の5校につきましては、国の、退職教員等外部人材活用事業により、非常勤講師を各2名配置しているところでございます。

○花岡ユリ子委員

この問題について、やりとりさせていただきましたけれども、財政的な問題がネックになりまして、なかなか思うようにいかない部分もあるのじゃないかと思うのです。

本来、教育への人的配置は国がやるべきことでありますが、北海道の子どもたちのために、これだけどんどんとふえていっている状況の中で、待ってばかりはいられないのじゃないか、こういうふうに思っています。

東川養護学校や小平高等養護学校などは頑張っているわけですから、道としても、協力校へのパートナー・ティーチャーの加配をぜひ実現していただきたい、こういうふうに指摘をしておきたいと思います。

小中学校の統廃合とスクールバス問題についてただす

次に、小中学校の統廃合とスクールバスについて伺います。

少子化が最大の要因ですが、地域から学校がなくなっている。ことし4月の道内公立小学校数は1277校、中学校は664校となっています。

この5年間で、小中学校の統廃合を実施した自治体数と、その自治体における小中学校の減少数を示していただきたいと思いますし、あわせて、小学校、中学校とも1校しかない自治体数は幾つあるのか、お答えいただきたいと思います。

○高梨俊一義務教育課長

小中学校の統廃合についてでありますが、この5年間で、小中学校を廃止した市町村は94市町村であり、小学校で169校、中学校で59校となっております。

また、平成21年度、小中学校がそれぞれ1校の市町村は、全道で23町村となっております。

○花岡ユリ子委員

今答弁いただきましたが、1校化による地域経済への影響も大変大きいのではないかと思います。教育分野の経済波及効果は、公共事業の1.3倍と言われています。

次に、各1校となった場合、子どもたちの通学の足の確保が問題なのですが、既に1校化された23自治体で、スクールバスを運行しているところと路線バスによるところは、それぞれ幾つあるのか、お答えいただきたいと思います。

○高梨義務教育課長

スクールバスの運行などについてでありますが、小中学校がそれぞれ1校の23町村のうち、スクールバスを運行している町村は20町村で、そのうち、5町村については、スクールバスとともに、路線バスを併用しております。

また、1町については、スクールバスは運行せず、路線バスのみを活用している状況でございます。

○花岡ユリ子委員

23自治体の中で、スクールバスによる通学の最長時間、さらに、路線バスによる通学の最長時間は何分くらいか、調べているでしょうか。

また、乗降の際の車の前後など、安全対策はどのように行われているのか、わかっていれば、紹介をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

○高梨義務教育課長

通学時間及び安全対策についてでありますが、小中学校がそれぞれ1校の23町村のうち、スクールバスによる通学の最長時間は50分程度、路線バスによる通学の最長時間は28分程度となっております。

また、乗降時の安全対策については、スクールバスの運転手が、児童生徒の降車時に安全確認を行うことはもとより、町村によっては、年度当初などに、教職員がスクールバスに乗車し、児童生徒への乗降時の安全指導や安全確認を行うなどの対策がとられているところでございます。

○花岡ユリ子委員

今答弁をいただきまして、50分もスクールバスに乗っているという答弁を聞いて、やっぱり、これはちょっと異常な事態だなというふうに思います。

特に、小学校の子どもが、50分間もスクールバスに乗って毎日通うということになると、これは大変な負担になるのじゃないか。これはやっぱり改善をさせていく必要がある。例えば、半分に分けるとか、スクールバスを複数化して改善させるだとか、そういう対策を早急にとる必要があるのではないのか、このことは指摘をしておきたいと思います。

それで、夕張市は、スクールバスではなく、路線バスによる通学を考えていると聞きます。夕張市は、東京都とほぼ同じ広さで、縦に長く、路線バスで片道約50分という時間が通学にかかる。子どもも保護者も朝早く起きる負担とか、子どもの成長にとっても貴重な放課後の時間が50分間も失われることや、帰宅時間が遅くなることによる家庭学習や家庭団らんへの影響などは、はかり知れない状況になると思います。

教育庁は、路線バスによる通学及び長時間の通学について、教育的見地からどのように考えるのか、認識を伺っておきたいと思います。いかがでしょうか。

○小野寺学校教育局長

統廃合に伴う児童生徒の通学についてでございますが、小中学校の統廃合に伴う児童生徒の通学の時間や方法につきましては、身体的、精神的に過度な負担とならないよう、十分検討されるべきものと考えているところでございます。

国におきましては、一般的に、徒歩による通学距離の適正な条件として、小学校にあってはおおむね4キロメートル以内、中学校にあってはおおむね6キロメートル以内としているところでございます。

これに対し、バスを利用した通学距離や通学時間の基準については示されていないところでございます。

こうした中、夕張市におきましては、小中学校の統廃合に伴う児童生徒の通学について、地域の実情や保護者の意向などに十分配慮しながら、適切な通学方法が検討されていくものと考えているところでございます。

○花岡ユリ子委員

片道50分もバスに乗って通学するというのは、配慮されているというふうにはとても思えない数字だと私は思うのです。

この通学時間について、きちんと地域の状況だとかを踏まえて、適切な通学方法が検討されるように、やっぱり、道として指導する必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。

○杉浦久弘教育次長

夕張市における統廃合についてでございますけれども、公立小中学校の配置につきましては、学校の教育活動への影響や、通学距離などの子どもたちの心身に与える影響、保護者や地域の意向などを総合的に判断して、市町村が決定するものと考えているところでございます。

夕張市における小中学校の統廃合に関しましては、小中学校適正配置検討プロジェクト会議などにおいて検討されておりますし、また、通学方法に関しまして、今御指摘のお話につきましても、夕張市立小・中学校統合委員会などにおいて十分検討された上で示されたものと承知しておりまして、道教委といたしましては、今後とも、夕張市におきまして、学校の教育活動が適切に実施されますよう、市からの相談があった場合などには適切に対応してまいりたい、このように考えております。

○花岡ユリ子委員

夕張市が、5月下旬に市内の6カ所で実施した説明会でも、小中学校統廃合の見直しを求める意見や、通学についても、スクールバスの確保や、路線バスによる混乗方式には問題があるなどの意見が出されたというふうに聞いております。

08年5月、当時の増田寛也総務大臣は、小中学校各1校化を見直すとの意味合いで、市が別のお考えを持って提案してきた場合は、もちろん、よくお話を伺って対応していきたいというふうに述べた記述があります。

増田氏は、今、高橋はるみ知事の顧問として道政にかかわる立場にあるわけですから、道及び教育庁として、1校化計画について夕張市とよく話し合うべきだと考えますが、これからでも遅くない中身ですから、教育的見地から対応すべきだと思いますので、御答弁をいただきたいと思います。

○杉浦教育次長

夕張市の通学の手段、方法の問題ですとか、統廃合の話についてでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、基本的には、やはり、子どもたちの教育環境とか教育の条件とかをまずしっかりと見ながら、加えまして、保護者や地域の意向なども踏まえて、学校が地域に支えられていくという体制をつくっていくことが一番肝要かと思っております。その意味でも、市町村において、いろいろ検討していただかなきゃならない、このように考えているところでございます。

通学方法につきましても、いろいろな形があろうかと思いますが、いずれにしても、それらは、今、地元の市のほうでもいろいろと検討しているものと認識しております。

私どもといたしましても、市からの相談をいただきました場合などには、教育活動が適切に実施されますように、しっかりと対応してまいりたい、このように考えております。

○花岡ユリ子委員

夕張の問題ですから、皆さんは、いろいろな知恵だとか御苦労だとか、いろんなことがあるのだろうと思うのですが、とにかく、夕張は東京都と同じくらいの広さがあると言われていますよね。それなのに1校化するというわけですから、ここのところが大変なのです。

ですから、北と南という形で、ひょろ長い夕張の状況を考えたときに、せめて、そういう形ででも改善する必要があるのじゃないか。道教委は、改善策ができないのかどうか、夕張市ともぜひ協議をしていただきたい、このことを指摘しておきたいと思います。

就学援助について

次に、就学援助について伺っていきます。

新自由主義の考え方に基づく国の構造改革の政治によって、格差と貧困が拡大し、それに加えて、昨年来、世界的な経済危機が進行している。

そこで、教育現場における格差の解消、就学援助制度を中心に伺いたいと思います。

最初に、全道の小中学校の児童生徒数と、就学援助を受けている児童生徒数及び比率を、平成16年度と比較してお答えいただきたいと思います。

○高梨義務教育課長

就学援助を受けている児童生徒数などについてでありますが、現在、把握しているデータで申し上げますと、平成19年度における全道の児童生徒数は43万3973人で、そのうち、就学援助を受けていた児童生徒数は9万1653人で、全体の21.1%となっております。

また、平成16年度と比べますと、就学援助を受けた児童生徒数は、3532人、1.8ポイント、増加しております。

○花岡ユリ子委員

就学援助は、生活保護にかかわる要保護と、市町村独自に基準を決めている準要保護がありますが、道内の市町村における準要保護基準の改定状況について、平成16年度と比較してお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高梨義務教育課長

市町村における準要保護基準の改定状況についてでありますが、国及び道教委において、平成17年度から、毎年度、市町村における準要保護認定基準について、前年度と変更のあった市町村を対象に調査を実施しておりまして、平成16年度から平成20年度にかけて、基準となる世帯の収入額を引き下げたり、援助額を減額した市町村数は51市町村で、その一方、基準となる世帯の収入額を引き上げたり、援助額を増額した市町村の数は12市町村となっているところでございます。

○花岡ユリ子委員

今、経済不況の中で、子どもの貧困というのが社会問題にもなっているくらいなわけです。

今答弁をいただきましたけれども、51市町村は就学援助額を減額したというふうになっていますが、一方で、12市町村は援助額を増額したと。これは、市町村の問題でしょうけれども、子どもたちに対する支援策にこんなに差があるのかなというふうに思っております。

私の地元の小樽市は、準要保護基準を要保護の1.3倍で維持して、厳しくはしていませんが、生活保護基準そのものが下げられているために、平成16年度と比べ、対象となる所得の水準がおおむね35万円から40万円下がっています。

それに加え、準要保護の基準を厳しくしている自治体がふえてきているわけですが、本来は就学援助を受けるべき子どもが、自治体の事情で排除され、就学に困難を来す事態があってはならないというふうに思いますが、道教委の認識を伺っておきたいと思います。

○小野寺学校教育局長

生活保護と準要保護の基準についてでございますが、市町村においては、経済的に就学困難な児童生徒を、要保護・準要保護児童生徒として認定し、就学援助を実施しているところでございます。

そのうちの要保護者につきましては、国が認定基準を定めており、準要保護については、国の生活保護の認定基準を目安にするなどして、市町村が認定基準を定めているところでございます。

就学援助につきましては、各市町村において、その制度の趣旨を踏まえながら、地域の実情に応じて行っているところでございますが、国の生活保護基準が引き下げられることにより、準要保護の認定基準も影響を受けざるを得ないものと考えているところでございます。

道教委といたしましては、今後とも、就学援助に係る認定基準が適切に設定されるよう、市町村に対し、必要な助言を行いますとともに、国に対しましては、就学援助制度の充実について、引き続き要望してまいりたいと考えております。

○花岡ユリ子委員

本来、就学援助は、どの子もひとしく教育を受ける権利として制定されたものだというふうに思っています。その点で、今ほど経済的な状況が厳しい中で、就学援助を拡大していくという方向を北海道と市町村でつくっていく、検討していく、こういうことが今必要なのではないかということを指摘しておきたいと思います。

では、なぜ自治体が就学援助制度を切り下げなければならないのかということですが、道内の全市町村における就学援助実施額と、就学援助にかかわる国の財政措置額及び占める割合などはどのようになっているのか、三位一体改革前の平成16年度との比較でお答えいただきたいと思います。

○高梨義務教育課長

就学援助の実施額などについてでありますが、平成16年度における道内の全市町村における就学援助の実施額は約58億円となっており、そのうち、国庫補助金の額は約13億4000万円、交付税措置額については、算定上、約7億9000万円とされており、国庫補助金額と交付税措置額を合わせた額を国の財政措置額といたしますと、その合計は約21億3000万円で、就学援助実施額に占める割合は約36.7%となっております。

同様に、平成19年度については、就学援助実施額が約62億7000万円、国の財政措置額が約16億2000万円で、その占める割合は約25.8%となっているところでございます。

○花岡ユリ子委員

今の答弁でわかりましたけれども、これまでは約36.7%だったものが、今や、その占める割合は25.8%と、大きく落ち込んでいるのだろうというふうに思います。

それで、答弁があったように、実施額は、格差と貧困の拡大を反映し、58億円から63億円と5億円も伸びているのに、国の財政措置については、21億円から16億円と、逆に5億円減っています。

国は、本来、住民の福祉の増進を図るにふさわしい財政措置を講じるべきと考えますが、認識を伺っておきたいと思います。

○小野寺学校教育局長

国の財政措置についてでございますが、本道においては、経済・雇用情勢が依然として厳しい中で、就学援助を受ける子どもの割合が増加傾向にあり、子どもたちの教育環境にもさまざまな影響を与えているものと考えているところでございます。

道教委といたしましては、これまでも、国に対し、就学援助に係る施策の充実が図られるよう要望しているところでありまして、今後も、引き続き要望してまいりたいというふうに思ってございます。

○花岡ユリ子委員

制度は、直接的には市町村と国の事業ですが、道も支援する方策はあるというふうに考えます。

例えば、就学援助では学校給食費が含まれ、自己負担が免除されていますが、道と市町村が協力して、就学援助よりさらに対象を広げた給食費の軽減制度をつくってはいかがかというふうに思っています。提案したいと思います。

道内では、4月から、84自治体が学校給食費を値上げしましたが、三笠市が、平成18年度から給食費無料化に踏み出し、全国的にも、給食費を助成する自治体が少しずつふえてきています。ふえてきている状況について、具体的に答弁を伺いたいと思います。

○杉浦教育次長

保護者負担の軽減にかかわってでございますけれども、道教育委員会としては、学校給食費の軽減につきましては、道や市町村の財政状況が厳しいことなどから、難しいものと考えておりますけれども、経済的理由などによりまして厳しい環境に置かれております子どもたちが安心して学校に通うことができるよう、就学援助制度の充実について、国に対し、引き続き要望してまいりたい、このように考えております。

○花岡ユリ子委員

今、次長は道の職員ですけれども、いずれ国に帰ったときには、この質問を生かして、ぜひ就学援助を充実させる方向で頑張っていただきたい、このことを求めておきたいと思います。

学校図書館図書の整備促進についてただす

次に、学校図書について伺います。

先ごろ、全国調査で、小中学校における学校図書標準の達成率の全道の実態が明らかになりました。

そこで伺いますが、学校図書の教育的効果をどう評価しているのか、まず伺います。

○高梨義務教育課長

学校図書館図書の教育的効果についてでありますが、学校図書館には、児童生徒がみずから学ぶ学習・情報センターとしての機能と、豊かな感性と情操をはぐくむ読書センターとしての機能があり、学校図書館図書は、こうした活動を充実させていく上で、重要な役割を果たしているものと考えているところであります。

○花岡ユリ子委員

道内の小中学校で図書標準が達成された割合は、全国と比べてどういう実態なのか。また、予算措置率が43.4%と、同規模の県と比べても低いことについて、道教委はどのような認識を持っているのか、お答えいただきたいと思います。

○小野寺学校教育局長

学校図書館図書の整備状況についてでございますが、平成19年度末における本道の図書標準達成率は、小学校が18.7%、中学校が13.4%となっており、全国平均の、小学校の45.2%、中学校の39.4%を大きく下回っているところでございます。

また、予算措置の状況につきましても、他都府県の状況に比較して低くなっており、道教委といたしましては、このように学校図書館図書の整備が進んでいないことにつきましては、大変残念なことであるというふうに考えております。

○花岡ユリ子委員

今の、大変残念なことであるというのは、何か人ごとのようですけれども、北海道の問題ですから、道教委としても、これについてしっかりと対策を立てなければならないのじゃないか、こういうふうに思っています。今の答弁は、ちょっといただけない答弁だなというふうに思っております。

次ですが、全国学力調査の北海道の結果を見ましても、残念ではありますけれども、ランクとしては下位のほうにありますよね。

ですから、学力をどのように改善させていくのかという点で、本を読むとか――例えば、今、全道的にも、授業が始まる前の10分間読書だとか、こういうことによって大いに効果が上がっているというふうに言われているわけですから、そういう点でも、学校図書をきちんと整備し、子どもたちに本を読む習慣をつけさせるということも、学力を上げていく大きな力になるのじゃないかと思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。

○小野寺学校教育局長

いわゆる読書活動にかかわってでございますけれども、児童生徒が、みずから学ぶ、あるいは、自主的、主体的な学習に取り組むといった観点からも、学校図書館等を活用した読書活動は極めて重要だというふうに認識しておりまして、学力向上に向けても大切な要素の一つだというふうに思ってございます。

○花岡ユリ子委員

子どもたちに本と親しむことを勧めるためにも、学校図書の担当職員、いわゆる図書教諭というのですか、そこまで行かないにしても、例えば、子どもたちに本を勧める、こういういい本があるよということを勧める職員の配置、これについてどのようにお考えになっていますか。

○高梨義務教育課長

学校図書館の担当職員の配置についてでありますけれども、平成20年度の文部科学省調査によりますと、道内においては、小学校では9市町村の29校、中学校では8市町村の18校に学校図書館の担当職員が配置されている状況でございます。

○花岡ユリ子委員

学校図書館司書の配置について、図書館司書が何人かは把握していないということですけれども、ぜひ把握して、子どもの本離れを回復させて、本に親しむという状況を積極的に広げていく、こういうことが今大事だというふうに思います。

読書活動は、児童生徒の知的活動を推進し、人間形成や情操を養う上でも大事なものですから、この点について推進することを求めておきたいと思います。

最後になりますけれども、各市町村教育委員会や関係団体に対して、学校図書館の図書資料の整備や充実、学校への読書ボランティアの参加など、学校の図書を積極的に活用するという点と、本を読むという習慣をしっかりとつけていただくことを道教委としても進めていく必要があると思いますし、全国の小中学校の学校図書の水準なんかを見ましても、残念ながら、北海道は低い位置にありますから、これを回復させるということについて、ぜひ全力を挙げて頑張っていただきたい。教育長の見解を伺って、終わりたいと思います。

○高橋教育長

学校図書館図書の充実ということでございますが、道教委といたしましては、学校図書館図書標準の達成率が全国平均を下回っている現状などを踏まえまして、これまでも、各市町村長や各市町村教育委員会に対しまして、学校図書館図書の計画的な整備に努めるよう要請をしてきたところでございまして、特に、予算措置率の低い町村に対しましては、本庁職員が直接訪問し、要請を行ってきたところでございます。

私といたしましては、本道において、子どもたちの読書環境の充実を図る上で、学校図書館図書の整備促進は重要な課題であると認識しておりまして、今後とも、学校図書館図書標準の達成に向けまして、各市町村において、学校図書館図書が計画的に整備されるよう、さまざまな機会を活用して、市町村教育委員会に対しまして、積極的に働きかけてまいりたいと考えております。

○花岡ユリ子委員

よろしくお願いいたします。

終わります。


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[日本共産党道議団編集]

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