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申し入れ

当面する道政執行と2009年度予算編成に関する要望書

08.07.14

当面する道政執行と2009年度予算編成に関する要望書

2008年7月14日
日本共産党北海道委員会委員長 西野 敏郭
日本共産党国会議員団道事務所長 宮内  聡
日本共産党道議会議員団長 花岡ユリ子

北海道知事

高橋 はるみ 様

温暖化対策や投機マネーへの規制などが主要議題となった北海道洞爺湖サミット(G8)は、9日、閉幕しました。共同通信社の世論調査によると、G8会合の議長である福田首相の指導力を「評価しない」が51%で、「評価する」30%を大きく上回りました。内外のマスメディアも厳しい評価です。

日本政府は、国際政治の舞台でイニシアティブを発揮できなかっただけでなく、投機マネーによる原油や穀物の高騰から、農・漁民や中小零細業者、国民のくらしを守る有効な手だてを何ら打つことができません。

それどころか4月の後期高齢者医療制度の導入につづき、福田首相は最近、「(消費税増税を)決断しなければいけない。大事な時期だ」と発言しました。格差と貧困にいっそう拍車をかけるものあり重大です。

福田首相の「開発局の廃止が望ましい」という無責任な発言、先の第2回定例会での知事と与党による支庁再編のための条例強行は、いずれも地方自治の本旨を踏みにじり、住民のくらしと地方自治体の困難を拡大するものであり、容認できません。

道民が、希望をもって働き暮らしていける北海道にするために、道は、国の悪政から道民を守る防波堤の役割を発揮すべきです。そのことを強く求め、下記のとおり、重点項目を要望します。

  1. 原油高騰などによる物価高から、道民の暮らしと営業を守る

    ①漁業の燃油高騰にたいし、価格上昇分を直接補てんする制度、および経費の高騰に見合った水産物価格対策を国に求めること。道として、災害なみの融資制度を発動すること。

    ②介護・福祉施設や教育・保育施設などの冷暖房や入浴、送迎などの燃料高騰について、国に措置を求め、道の助成制度を創設すること。クリーニングや銭湯、中小運送業への支援策を講じること。

    ③冬場に向け、道としての福祉灯油制度(道費補助10億円規模)を確立すること。また、国と協力して高騰に見合う実効ある福祉灯油対策の準備を進めること。ハウス農家への免税軽油の対象を拡大すること。

    ④日本政府にたいして、投機マネーへの国際的な規制をおこなうよう求めること。ヘッジファンドへの直接規制、人類の生存の土台となる原油や穀物に対する直接規制を緊急に求めること。

  2. 安心の地域医療と、介護・福祉制度の増進をめざす

    ①国に対し、年齢で差別する後期高齢者医療制度の撤回を求めること。道として、65歳以上の障害者の強制加入をやめる措置をとること。保険料軽減や健診助成のための財政補助をおこなうこと。

    ②産科や小児科をはじめとした救急医療体制、21の二次医療圏の機能確保に道が責任を負うこと。

    ③3医育大学と連携し、道内から地域医療を支える医師の人材確保に努めること。各地への派遣のために、道職員としての採用を拡大すること。

    ④生活保護の08年度実施要領における、▽相談時の「申請権の侵害」および侵害を「疑われるような行為」も厳に慎む、▽保護実施機関が強要した「辞退届」だけでなく、本人の誤信や真意によらない「辞退届」は効力を有せず保護を廃止できない――などの改定を厳格に適用すること。

    ⑤高齢化と障害者の社会参加を支える介護・福祉の人材確保に、道として本格的に取り組むこと。働き続けられる介護・福祉職場にするために、劣悪な労働条件を調査・改善すること。

  3. 開発局の廃止と道への移譲に反対する。道州制・市町村合併と一体なった支庁再編を全面凍結し、道民犠牲の「行財政改革」は見直す

    ①開発局の廃止と道への移譲は、道政と地域経済への影響が甚大であり、国の財政再建と行政機関のスリム化を優先した局廃止は本末転倒である。道州制特区を口実とした安易な移譲は行わないよう、毅然とした態度を示すこと。

    ②自治体がそろって反対し、条例が可決されてなお反対の声が上がっていることをふまえ、道民生活支援と地域振興の役割を放棄する支庁再編と関連条例は、実施を全面凍結すること。

    ③お金にものをいわせた市町村合併推進(市町村合併緊急支援事業)を見直し、住民の意思を尊重すること。

    ④職員の3割の削減や保健所など出先機関の統廃合、試験研究機関の独立行政法人化など、「財政再建」を口実に道民にしわ寄せする「行財政改革」を見直すこと。

    ⑤夕張市に対して、(i)人口流出に歯止めをかけるべく雇用の場と暮らしていける賃金を確保する、(ii)老朽化住宅解体費用の助成、(iii)災害時避難施設の維持管理への支援、(iv)夕張高校のキャンパス校化でなく現状での存続、(vi)市立診療所の夜間・救急体制、人工透析の復活の検討――など市民の希望にそった支援を実施すること。

  4. 派遣などの非正規雇用を抑制し、安定した雇用を拡大する。地場中小事業者を支援する

    ①京都府のように、道みずからが派遣、請負、パートなど非正規労働者の実態調査をおこない、雇用対策に生かすこと。

    ②道と市町村が外注・民間委託している事業者の労働者について、生活できる賃金や正職員と均等な労働条件を確保するよう、道として公契約制度をつくること。

    ③道が発注する事業について、道産資材の活用と地場中小企業への優先発注を拡大すること。元請から下請への前払い金の支払い、手形期間などについて厳格に調査し、発注者責任を果たすこと。

    ④企業立地促進条例による助成に関連し、投資助成に関わる雇用計画で非正規の解消を含めるようにシステム改善すること。

  5. 農林水産業を支援し、食料自給率向上に貢献する

    ①家族経営と食料主権を柱とした北海道農業の再生を図ること。、食料基地・北海道として日本の自給率50%回復に最大限貢献すること。

    ②穀物と肥料高騰に対して、国と道、メーカー、農協系統などが連携して対策を強めること。

    ③数年の間に団塊世代が第一線を退くことが予想されるもとで、道として、農業、漁業、林業それぞれの後継者対策および技術的継承対策を講じること。

    ④日本海側の磯焼け対策、資源増大の取り組みへの支援など沿岸漁業の振興を図ること。

    ⑤森林の再生と整備をすすめ、木製ガードレールや断熱材、木質ペレットなど木材の地産地消を広げること。

  6. 子育て・教育予算の充実で、子どもたちの瞳輝く北海道に

    ①通学区域の拡大など子どもたちが不利益を被る機械的な「高校配置計画」案を撤回すること。地域の高校を存続すること。

    ②義務教育全学年で、少人数学級を実施すること。

    ③貸付でない奨学金の創設、授業料免除枠の拡大などにより、学ぶ権利を保障すること。

    ④特殊出生率1.19という、全国ワースト3位の少子化対策を強めること。国とともに、同時入所でなくても第3子の保育料無料化や第2子半額、子どもの医療費無料制度の拡大、有給の育児休暇制度の拡大など、家族支援のための予算を大幅拡充すること。

  7. 大型公共事業を見直し、防災と暮らし、環境保全型の公共事業に

    ①サンルダムや平取ダムなど、自然保護団体をはじめ道民の多くが強く「中止」を求めている事業について、工事をいったん止めて、見直し作業をおこなうこと。釧路湿原など貴重な環境の保全に最大限、配慮すること。

    ②耐震化率48.5%(全国ワースト5位)の公立学校や私立学校、幼稚園や保育所、病院などあらゆる公的施設の耐震改修について、国にいっそうの助成を求め、早期に実施すること。太平洋側など地震の確率の高い地域を優先実施すること。道は道立施設の耐震化に責任を負うこと。

  8. 温室効果ガス6%削減のために本気の対策を。原子力に頼らず、自然エネルギーの拡充を

    ①二酸化炭素削減の「中期目標」(東京都は10年間で25%削減)を盛り込んだ「北海道温暖化防止条例」を策定すること。その際、▽大口排出者である「特定事業者」の削減計画の提出と報告、▽道による進捗状況の点検と公表、▽計画策定と見直しに当たって道民の参加を保障する――枠組みであること。

    ②北海道の長い海岸線を利用した風力発電、小規模の水力発電や太陽光発電、林産資源や畜産資源を活用したバイオマス発電や暖房など、再生可能エネルギーの活用に大胆に踏み出すこと。長沼町のように太陽光発電の設置助成や、木質ペレットストーブのモニター制度の拡充と設置補助をすすめること。

    ③核燃料サイクルは未確立であり、新潟沖や岩手・宮城内陸地震などこれまでの科学的知見を超えた地震発生のもとで、北電・泊原発でのプルサーマル計画を中止させること。青森・大間原発のフルモックス発電計画に反対すること。

    ④二酸化炭素排出に課税する「炭素税」ではない「森林環境税」については、十分に時間をかけて道民議論を重ねること。まずは、一般財源による森林対策費の削減をやめること。

  9. 憲法を守り、非核・平和の北海道を

    ①アイヌ民族の人権を尊重する政策提言をつくること。雇用と営業、所得、教育面での支援策を充実すること。古老の生活を保障し、アイヌ文化を守ること。

    ②矢臼別など道内への米軍移転・訓練移転をさせないこと。米軍艦船の入港を許さず、道内港湾への寄港の際は非核証明書の発行を求めること。

    ③クラスター弾は「新型」を含め、自衛隊による保有を全面禁止するよう国に要請すること。

以 上