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道議団の動き
「苫東関連住宅団地」/花岡、真下両道議が現地調査 08.09.10

「苫東関連住宅団地」破たんのつけ道民に

道有地「二束三文」で売り渡す?

花岡、真下両道議が現地調査

9日に開会した道議会で、高橋はるみ知事は捕正予算案のなかに「苫小枚東部地域用地等管理費」として、測量費1億8388万3千円を計上しました。破たんした「苫東開発」のつけをさらに道民に負わせようとする問題で10日、日本共産党の花岡ユリ子、真下紀子両道議が現地を調査しました。

有効活用目的

トンボが舞い、シラカバやカシワの木々に囲まれた緩やかな丘陵地帯、安平町の早来地区。道が「有効活用」を目的として売却しようとしている道有地です。218・4haあり、現在は3分の1を地元酪農家に貸しています。

この土地は、「苫東開発基本計画」(1971年策定)に伴い、見込まれる人口増に対応する「住宅団地」計画のために、道企業局(当時)が1973年度から78年度にかけて買収しました。取得地は、合計で676・8ha(当時の早来町、厚真町、鵡川町)にも達しました。

※ 「苫東開発」

国が1970年に「第3期北海道総合開発計画」を閣議決定し、「国家的プロジェクト」としてスタート。東西8km・南北12km、計画総面積は1万700ha。しかし、財界、国・道挙げての計画は破たんし、95年の“手直し”(「苫小牧新計画」)の形で事業は続行しますが、「船も入らず、港は巨大な釣り屈」といわれる事態に。道議会では日本共産党以外の各党(自民、民主、公明)がこの開発予算に費成し続けています。

「私も30年前に取得にかかわったので、有効活用ができればと考えています。今度のことは、千載一遇のチャンス。農業地帯なので、そういう接点ができればいいが・・・」。当時を知る町の担当者はこう話します。

北海道開発庁(当時)が1971年に策定した「苫小牧東部大規模工業基地開発基本計画」に基づく「苫東開発」を道は積極的に推進し、工業基地周辺の早来町、厚真町、鵡川町の3町に数万人規模の住宅団地建設を計画。用地買収は道企業局が中心に担っていました。

ところが本体の「苫東開発」計画が破たんします。「当該用地を住宅専用の団地として開発をすすめていくことは、必ずしも適切とはいえない情勢になった」(道経済部資料)といわれました。

農民などから、道企業局が買い取った膨大な土地(道有地)は、途中で売却した厚真町部分を除いても合わせて449・4ha、札幌ドームの広いグラウンドが90個以上入る勘定です。

道の責任は

道は「住宅団地以外の用途の検討をすすめ有効活用をはかる」とした「基本構想」(八九年)をまとめ、厚真町部分は90年に「提案競技方式」(コンペ)で三菱地所などに売り飛ばしました。その後、厚真町が買い取り、今後ようやく新たな住宅地としての活用を検討しています。

約35億円で買収した道有地を「有効活用」の名目で10分の1の3億5000万円と文字通り「二束三文」で売り飛ばそうとする準備が「苫小牧東部地域用地等管理費」=「測量費等」として補正予算案に計上されています。

花岡道議団長は「膨大な大型開発・無駄遣いと国民から非難を浴び、破たんした『苫東開発』にさらに道民の税金をつき込み、そのうえ『二束三文』で売り飛ばすという二重三重の誤りです。道のつけ回しの責任が改めて問われており、道議会で徹底追及していきます」と話しています。

(小池光栄)

(08年09月20日付「しんぶん赤旗」北海道のページより)